鎌倉朝日新聞 (5月1日号 2022年 第518号)

鎌倉朝日新聞社

「鎌倉殿を支えた13人の重臣ガイドブック」の一部を並べたもの

鎌倉朝日新聞社

点字訳本を寄贈=右から中村さん、若松さん、松尾市長

鎌倉殿を支えた13人の重臣ガイドブック

民間が制作した点字訳本が完成

大河ドラマ事業推進に向けて鎌倉市が制作した「鎌倉殿を支えた13人の重臣ガイドブック」の点字訳本が出来上がり、4月18日、鎌倉市役所で寄贈式が行われた。 寄贈は、「古都鎌倉を愛する会」の中村公司会長の仲介で行われ、点字訳本は栃木県下野市在住の若松三次郎さん(83)が作製した。 同ガイドブックは、鎌倉幕府の13人の合議制に連なる御家人をイラスト入りでわかりやく紹介し、市内ゆかりの地を解説した小冊子で、鎌倉市市民防災部大河ドラマ担当が昨年春からみんなで史跡を歩いてみながら制作した。9月に第1版が完成し、市のホームページで公開している。 これを見た若松さんが、面白いと感じ、鎌倉で点訳の活動をしている山本由里子さんの協力を得て今年3月から自動点訳で編集をはじめ、4月初旬点訳本が完成した。 松尾崇鎌倉市長は「共生社会の実現をめざす取り組みを後押しするありがたい寄贈だ。今後も連携しながら多くの人に鎌倉の魅力を伝えていきたい」と感謝を述べた。 点字訳本は、2冊寄贈され、同市観光課と鎌倉の大河ドラマ館で観覧できる。全国視覚障がい者情報施設協会運営の「サピエ図書館」にはダウンロード可能な点字データが登録された。


鎌倉朝日新聞社

西川勝さん

鎌倉朝日新聞社

ウクライナでの茶会(2009年)

ウクライナ避難の孫弟子を鎌倉へ

茶道の縁で西川さん

「入国ビザを滞在ビザに切り替え、鎌倉に住民登録した。住環境にも慣れ、一人で出歩けるようになり、ほぼ私の手を離れつつあるが、生活費のことやら学校や就職のことやらまだしなければならないことはある」と話す鎌倉市の西川勝さん(78)。西川さんは、3月5日に政府専用機で日本に到着したウクライナ避難民のうち、茶道の孫弟子である1組の母子を呼び寄せるために奔走した。 きっかけは、広島に住むウクライナ人の茶道の弟子から、ロシアの侵攻を受けポーランドに避難している親子がいると連絡を受けたこと。 西川さんは、自ら身元引受人になって書類を大使館に送るなどして手はずを整えた。そして、5日に羽田空港に到着したビクトリヤさん(48)と息子(13)を出迎えた。翌日から母子は西川さんが手配していたアパートで生活を始めた。10日間ほど広島の弟子が付き添ったという。 「今回のことは、過去にモスクワでの活動の基盤があったことが功を制したのでは」と西川さんは語る。 西川さんは、1991年3月に旧ソ連時代のロシアで茶道の普及活動を始め、2002年までの約10年間、モスクワを中心に旧共産圏のブルガリア、ハンガリー、チェコなどで茶道を広めた。西川さんに指導を受けた弟子たちが今はそれぞれの国でお茶を教えている。その縁で弟子や孫弟子たちが日本にきて稽古したり、茶会を手伝ったりして交流が続いている。ビクトリヤさんの来日は2020年3月以来。 西川さんは「避難してきた人たちが、日本で母国のために何かできることを考えて協力していきたい」と模索している。


鎌倉朝日新聞社

鎌倉みほとけ紀行(120)

満昌寺・三浦義明坐像

今回は鎌倉を出て、横須賀市大矢部の臨済宗建長寺派満昌寺を訪ねました。 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。その鎌倉殿(源頼朝)の支えとなった13人の中の一人、三浦義澄の父、三浦一族の惣領、三浦大介(おおすけ)義(よし)明(あき)坐像が今回のみほとけです。 三浦半島を拠点とする鎌倉時代を代表する御家人の一人、三浦一族は鎌倉幕府の成立や、頼朝の創業に最も貢献した豪族でした。1180年(治承4年)頼朝の平家追討の旗揚げに呼応し挙兵。三浦大介義明は本拠、衣笠城で平家勢を迎えましたが、89歳で壮絶な死を遂げました。 やがて1194年(建久5年)、頼朝は義明追福のために一堂を建立。これが義明山満昌寺です。 境内に鳥居が立ち、長い階段を上がると鎮守、御霊明神社として収蔵庫が建てられ、義明坐像が主神としてお祀りされています。頭に別木の冠をのせ、腰に太刀をつけ、右手に笏(しゃく)を持つ姿は武将でありながら、神となった三浦義明公でした。皺深く、あご髭を長く垂らした姿は気迫のこもった老武将そのものです。 等身大の武人俗体彫刻としては類まれな極めて貴重な文化財であるそうです。住職が、「近年、像の頭部、お顔立ちが少しずつ、ややうつむき加減になった」と話していました。なるほど、8百年を超える歳月、令和の世に、いまなお頭(こうべ)を垂れ鎌倉殿を敬い、国家の安泰を願っておられるかのようなお姿に手が合わさります。激動の波を超えた鎌倉武士は厳しくも、温もりを感ずるものがありました。
寄木造、木造、玉眼、像高81・4㎝。鎌倉時代後期。重文。
※満昌寺は、筆者の育った寺、住職は実兄です。


鎌倉朝日新聞社

「ひと」
70周年発表会を開く鎌倉みどり音楽院長

松井 待子(まつい まちこ)さん

母親の直子さんから受け継いだ音楽教室が70周年を迎えた。5月15日午後5時から、鎌倉生涯学習センターのホールで記念の発表会を開く。 かつて両親は、赴任していた京城で終戦を迎え、引き揚げ後、鎌倉市材木座に住まいを見つけた。木造住宅の畳敷きの部屋にピアノを置いて、母が教室を始めたのは1952年、待子さんが5歳のときだった。 東京音楽学校(現・東京芸大)出身の母は、「松井」姓の松にちなんで、枝を伸ばすように「みどり会」と名付けた。色を塗ったおはじきなどを使う「いろおんぷ」という指導法を取り入れて、生徒は増えた。一時は横浜など数カ所に教室を設けたこともある。 83年に住まいを兼ねた3階建てが完成し、「鎌倉みどり音楽院」と改称した。1階に50人が入れるホール、2階に3つのレッスン室があり、全部で5台のピアノが置かれている。ここを巣立った生徒は数千人にのぼる。 40周年を機に待子さんが院長を引き継いだ。その後、直子さんは93歳で亡くなった。 「厳しい母だった」という。待子さんは、直子さんから直接音楽を教わったことはない。小学生のときは、授業が終わるころにお手伝いさんが迎えに来た。鎌倉市雪ノ下に住む、直子さんの友人にピアノを習うためだ。 中学に入ると、葉山町に住んでいたピアニスト尾高節子さんのところに通った。節子さんの夫は、NHK交響楽団の前身、日本交響楽団の常任指揮者だった尾高尚忠さんである。 国立音大に付属高校から入った。寮住まいだったが、金曜日に鎌倉に戻り、土日は葉山に通った。大学を出てすぐ、みどり音楽院で教え始めた。 生徒が減ってきているという。現在はピアノ科に10人弱、受験科と声楽科に各1人。 「学習塾に行く子どもが多く、気長に音楽を学ばせようという親が減ってきた」という。世の中に余裕がなくなって、すぐに結果が出るものを求めるようになってきたように思える。 その一方で、高校3年からピアノを始めた生徒もいる。幼稚園から中学校まで音楽院に通っていた大学院生が、「またやりたい」と、10年以上たって連絡してきたこともある。
「音楽に年齢は関係ない。退職して時間に余裕ができた人でも、誰でも始めてみてください」と話している。
(文・写真 眞田正明)



み る

▼川喜多映画記念館
企画展「追悼・山内静夫松竹大船撮影所物語」6月12日まで。2百円。
▽関連上映 5月17日10時半、18・20・22日14時「キネマの天地」17・19日14時、20日10時半「砂の器」31日10時半「東京ウィンドオーケストラ」31日14時「恋人たち」各千円、小中学生5百円。
▽『砂の器』上映+トーク「監督・野村芳太郎と撮影監督・川又昻」21日13時半。1600円、小中学生8百円。
23 ・2500
▼生田宏司展 6日まで
草間彌生・李禹煥他 ギャラリー伸 244081
▼鎌倉殿×観音さま
長谷寺の観音ミュージアム。非公開だった大型仏像の展示など。3百円。
22・6300
▼名品撰品―称名寺・金沢文庫の名宝への学芸員のまなざし
5月22日まで県立金沢文庫。称名寺から寄託を受けた文化財を中心に同文庫所蔵の文化財を展示。4百円。
045・701・9069
▼ヨーロッパ古典絵画の輝き ―模写に見る技法と表現
6月5日まで茅ヶ崎市美術館。イコン画、イタリア絵画などの展示と制作過程、道具類を紹介。8百円。
88・1177
▼山口蓬春と四季の移ろい―蓬春が描いた自然の息吹
6月5日まで山口蓬春記念館。季節の移ろいを表現した花鳥草木の作品と蓬春が入手した伝土佐光吉「十二ヶ月風俗図」(重文)など。6百円。
046・875・6094
▼鎌倉時代黎明
7月3日まで鎌倉文学館。鎌倉時代の黎明期を同館蔵書の「吾妻鏡」や永井路子「北条政子」などの作品で辿る。5百円。
23・3911
▼オープンガーデン
5月21・22日10~15時(12~13時除く)栂野邸(鎌倉市大町2―8―15 )。バラを中心としたイングリッシュガーデンを公開。大人5百円、収益は寄付。
22 ・3559
▼吉屋信子記念館
5月5日までと5・6月の土日。作家吉屋信子が晩年を過ごした家の書斎や作品を無料公開。要予約。
鎌倉生涯学習センター 25・2030



さんか

▼大船フラワーセンターの催し
▽フラワーコンサート5月1日「フォルクローレ」15日弦楽四重奏。各11・14時。無料。
▽バラフェスタ5月21・22日20時まで開園。A14日バラのアレンジメント教室。2500円。B19・26日13時半、バラのガイドツアー。各無料。A・B5日までに申込。入園料4百円。
46・2188
▼こどもの日のつどい 砂の芸術
5月5日8時半~12時、逗子海岸東浜。公募の参加者が砂工作。
逗子市子育て支援課 046 ・873・8581
▼鎌倉ユネスコ協会
▽バザー5月8日10~14時、同会深沢倉庫(深沢中学へ上る手前の信号右折の長屋)。毎月第2日曜、雨天開催。※献品受付
衣類・着物・雑貨・支援用食糧品。 44・9830
▽書きそんじハガキでアジア寺子屋支援未使用切手・プリペイドカードなども可。鎌倉市御成町11―40Mビル3Fへ。
080 ・6602・9498 ▼逗子アートフェスティバル―みんなでつくるプールでの大型アートプロジェクト
逗子駅前菊池ビル屋上で公開制作・ワークショップを開催中。5月21日~6月5日小坪飯島公園プール「海のほとり美術館」で展示予定。
実行委 046・873・1111
▼第54回慈善茶会
5月14日8時半~16時半、大仏殿高徳院。裏千家家元の「御献茶式」を10時からライブ配信。茶席は要申込。1万円。
鎌倉青年会議所 25・5538
▼北鎌倉・台峯の緑をともに
▽山の手入れ5月14日10時、山ノ内配水池脇。
▽山歩き15日9時、山ノ内公会堂。
北鎌倉の景観を後世に伝える基金・望月方 45・7420
▼大船まつり
5月15日大船駅東口周辺。コンサート、パレード、模擬店、フリーマーケット、はしご車体験、写真展など。
実行委三井方 080・5974・6214
▼第30回葉山芸術祭
5月15日まで葉山各所でワークショップ、アート展示、オンラインライブなど約30のイベントを開催。
▽HayamaPhotoAction5月15日まで森戸神社ほか。葉山の写真家らが「ありがとう」をテーマにした作品を屋外展示。
▽青空アート市14・15日10~17時、森山神社境内と一色会館。手工芸品やアート作品のブースと地元のフード類が屋台村となって参加。
▼ふらっとカフェ鎌倉
食を通じて多世代交流
▽5月20日17時半~18時半二階堂デイサービスセンター。テイクアウト&交流会。
▽25日16~18時ソンベカフェ。各子ども2百円、大人5百円。テイクアウト5百円。
予約flatcafekamakura@gmail.com
渡邉方 090・5199・1654
▼小坪漁組 観光遊漁船クルーズ
5月22日8時半・10時半、小坪漁港漁業振興センター。小学生以上対象。小坪漁港から江の島を往復。2500円。2日から申込。
逗子市観光協会 046・873・1111
▼逗子の市(雨天中止)
亀岡八幡宮境内。
▽フリーマーケット5月27日9~15時。雑貨・衣類 ・手造り品など約20店。
▽骨董市29日8~15時。
※フリマ・骨董出店者募集。片岡方 090・5442・3778
▼鎌倉武―春 鎌倉歴史探訪
5月28日9時、鎌倉国宝館とその周辺。市内在住・在学の小4~中学生対象。要申込。
市生涯学習課 25・2030
▼第15回田越川一斉清掃
5月28日9時、東逗子駅ふれあい広場・亀岡八幡宮境内集合。河口の一斉清掃。田越川・久木川一斉清掃実行委主催。
北川方 090・3473・5958
▼江の島国際芸術祭
5月31日まで江の島島内、片瀬海岸エリア各所。
▽市川紀元写真展4日までGallery-T
▽MADE IN ENOSHIMA1日・3~5日サムエル・コッキング苑など。地元作家の作品展示やワークショップ。
▽影絵パフォーマンス7・8日サムエル・コッキング苑。
▽ENOSHIMA ART LOUNGE14・21・28日、江の島シーキャンドル。浮世絵と現代写真のコラボ。
▽コッキング・ガーデン―THE GREEN&THE SKY 江の島の緑を体感。
▽江の島道しるべ 特設看板を道しるべに島内を巡る。湘南藤沢ナイトツーリズム推進協議会主催。
江ノ電内 0466・25・3525



き く

▼桐山建志ヴァイオリン・リサイタル
5月15日14時、藤沢リラホール。湘南モーツァルト愛好会例会。モーツァルト「ヴァイオリン・ソナタ ハ長調K296」など。5千円。
046・872・1963
▼鎌倉みどり音楽院70周年発表会
5月15日17時、鎌倉生涯学習センター。材木座の同院の小学生から70歳代の生徒のピアノと声楽。OBや講師の特別演奏も。入場無料。
22・2705(「ひと」欄に関連記事)
▼「さくら貝の歌」コンサート
6月2日14時、鎌倉芸術館。作曲家八洲秀章の次男で俳優の沢木順さんが八洲の名曲を歌い継ぐコンサートで、3年ぶり。ミュージカルナンバーやヒット曲も。沢木さんほか有馬聡一朗、松村美和子さんらとすずかけ児童合唱団、男声、女声合唱団の出演。2900円(同館で販売)。オフィスサワキ
44・4401



まなぶ

▼学習センターの催し
鎌倉市在住者優先。申込は催し名、住所、氏名、を明記し往復ハガキで各センターへ。
【大船学習センター】
藤沢市藤澤浮世絵館の魅力 5月28日・6月4・11・18日14時。収蔵品の種類と特徴の解説、浮世絵のすり体験。講師は同館
学芸員・益田亮助さん。無料。大船2―1―26。16日必着。
45・7712
【深沢学習センター】
深海生物と海の科学 6月3・10日14時。深海生物の世界と地球の未来を話す。講師はチームくじら号代表・加藤千明さん。無料。常盤111―3。20日必着。
48・0023
【玉縄学習センター】
「吾妻鏡」源氏将軍抄読 6月17・24日、7月1日13時半。源氏3代の主要記事を抜粋し原文を訓読。講師は埼玉大学・山野清二郎名誉教授。無料。岡本2―16―3。6月1日必着。
44・2219
▼2つの憲法の世界観
5月28日14時、鎌倉生涯学習センター。現行憲法と自民党憲法改正草案を学ぶ。講師は法政大学元総長・田中優子名誉教授。要申込。7百円。
鎌倉・九条の会 24・6596



購入新図書のリスト抄

鎌倉市中央図書館(3月分)

鎌倉市中央図書館(25・2611)は3月に一般291冊、児童書16冊を収蔵した。一般的なものは下記の通り。 ▼「生命知能と人工知能-AI時代の脳の使い方・育て方」高橋宏和著 講談社 ▼「鎌倉幕府と室町幕府-最新研究でわかった実像」山田徹著 谷口雄太著 木下竜馬著 川口成人著 光文社(光文社新書) ▼「女たちの鎌倉幕府-19人の女性と北条義時を描く」浅田勁著 かまくら駅前蔵書室 ▼「まなざしの革命-世界の見方は変えられる」ハナムラチカヒロ著 河出書房新社 ▼「弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門-知っトク介護」安藤なつ著 太田差惠子著 KADOKAWA ▼「コロナの感染も重症化も自力で防ぐ最高の免疫増強法-絶体絶命!薬が効かない感染症から続々生還」光山冬樹著 マキノ出版 ▼「みんなで考える脱炭素社会-ビジュアル解説」松尾博文著 日経BP日本経済新聞出版本部 ▼「鏑木清方-市井に生きたまなざし」鶴見香織監修 鎌倉市鏑木清方記念美術館監修 平凡社(別冊太陽) ▼「鎌倉文士と文化人ら 上巻-鎌倉にこだわり、九十人のエピソード・住まい・恋・結婚・墓標などを記しました」ユニプラン▼「老いの正体-認知症と友だち」森村誠一著 角川文化振興財団 ▼「茶呑みめし-むりなく、むだなく、きげんよく食と暮らしの88話」大原千鶴著 文藝春秋 ▼「東歌を読む-「歌路」の理論から読み解く東国の歌謡」辰巳正明著 新典社



鎌倉朝日新聞社



茶道香道丹月流 体験講座

お茶やお香をしてみたいと思っても敷居が高くて機会がなく一歩ふみ出せませんね。 御心配なく!「礼、和、敬、楽」の考えで人間関係も良く色々楽しく和の世界を学べます。椅子のみの稽古も可能です。お気軽にいらして下さい。 日程 5月3日(火)6日(金)7日(土)8日(日) 14日(土)17日(火) 20日(金)21日(土) 22日(日)
時間 午後1時~3時
参加費 1回千円
稽古場 鎌倉市雪ノ下 (鶴岡八幡宮そば)
連絡先 大島麗月 24 ・8752


鎌倉朝日新聞社

てらこやハウスの落書き

いざっ!!
鎌倉てらこや(84)

コロナ禍を超えて
鎌倉てらこや事務局 豊田 晋

照り付ける陽光が初夏の訪れを感じさせる。新型コロナウイルスが猛威を奮い始めてから早3回目の春が終わろうとしている。 コロナ禍は人と人との関係の在り方を根本的に変えてしまった。その影響を最も大きく受けたのは子どもたちではないだろうか。マスクの常時着用や給食中の私語厳禁といった日常生活にまで影響は及んでいる。修学旅行や運動会なども中止や縮小を余儀なくされ、その一つひとつは、子どもたちにはとても大切なものだったであろう。 コロナ禍でのてらこや活動で、「無理」「どうせできないからやらない」という、子どもたちの「諦めがち」な態度が増えていったように感じている。コロナ禍での大人たちのスタンスが、子どもたちにも何らかの影響を及ぼしていることは間違いない。最も恐れることは大人の「コロナだから仕方ない」という呪縛が子どもの柔らかな心に侵食し「諦め」を助長してしまっていないかということだ。 感染拡大を防ぐ状況が続く一方で、慶應大学では9割の対面授業が再開するなど、日常を取り戻そうとする動きもある。鎌倉てらこやでも、これまで自粛していた「てらこやハウス」での対面活動を再開した。 落書きだらけだったハウスの壁を心機一転、白一色に塗り直したのは昨年末のこと。てらハウスにやってきた子どもたちを学生スタッフが促し、早速落書きが始まった。「本当に描いちゃっていいの?」と恐るおそる描き始めた子も、自由に落書きを楽しんでいた。 落書きで埋め尽くされるには今しばらくかかるかもしれない。しかし、コロナと折り合いをつけながら、子どもたちが「諦め」を乗り越え、自分だけの「何か」をつかみ取れるような活動を作り続けていきたい。
鎌倉てらこや事務局
0467・84・9746(平日13~17時)
http://kamakura-terakoya.net/


鎌倉朝日新聞社

季節の心(66)

蛍が飛ぶ 佐伯 仁

蛍は“生”の証し
5月。皐月。菖蒲月。
夏は夜、闇に飛ぶ蛍。一つ二つ、光りゆくも、おかし。清少納言は綴る。 源氏物語では多数、集めた蛍を一挙に放し、女性を幻想的に照らす。一層美しさが引き立つ。 闇でこそ映える蛍の光。蛍は「日本書紀」「万葉集」にあり、語源は「火垂」。火が垂れるように飛ぶ姿が言葉になった。 点滅する火の影に揺れる恋の囁き。王朝人が蛍に託した恋歌は多く、今も残る。 梅雨期、宇治川では蛍が乱舞。その姿を源平の戦いと見立て「蛍合戦」と呼び親しんだ。 源氏蛍、平家蛍の名もこの姿から生まれたという説もある。 一方、蛍の爽やかさを描いたのは、日本画家・上村松園。名高いのは蚊帳を吊る女性、その視線の先に蛍一つ、この一点が夏の涼味。 涼を求め江戸っ子は蛍狩へ。提灯、団扇を手に川沿いを、また小舟で蛍を追う姿が絵図にある。 明治期、夏、縁日にも蛍が登場。蚊帳地の曲物に蛍を入れる店主は、闇に浮かぶ、まさに影絵。 友人が岐阜へ移住。休耕地を借りビオトープを開設。蛍が生きねば人も生きられない。彼の口癖。
 大蛍ゆらりゆらりと
  通りけり   一茶



第71回実朝祭短歌大会

8月9日鶴岡八幡宮で催される第71回実朝祭短歌大会の作品を募集。 【応募方法】未発表の歌1首に住所、氏名、電話番号、大会当日の出欠を明記し出詠料(定額小為替千円)と一緒に鎌倉市津1040―58島晃子さんへ。 【締切】5月31日(当日消印有効) 【賞】鶴岡八幡宮賞、県知事賞、鎌倉朝日賞など。
北島方 080・1121・8000


鎌倉朝日新聞社

停電が続くミャンマー

電気のない生活が続くときの気持ちの落ち方
ミャンマー ファミリークリニックと菜園の会(43)

  代表理事 名知仁子

いつも応援をいただきありがとうございます。真っ暗闇の停電の中でこの記事を書いています。 ウクライナのことなど世界中が混沌とし、悲しみやあり得ない驚きの現実に恐怖さえ感じています。さらには、深い怒りまで顕わにしている人もいます。 そんな世界が混沌としている中でMFCGはミャンマーで活動を継続しています。これは奇跡のようなことです。活動が可能なのは応援してくださる皆様がいるからだと感謝の気持ちでいっぱいです。ほんとにありがとうございます。 しかし、昨今のミャンマーの現状はあまりよくありません。昨年2月1日のクーデターから1年と2カ月が過ぎ、この間にミャンマーでは1500人以上の方が犠牲になりました。そのほか、地方ではまだ戦闘が続けられています。戦いという戦争も内戦も人間が起こしていることです。なぜ同じ人間が破壊をすることができるのか?なぜ止められないのか?人間の心次第であることをミャンマーにいると実感します。  今、ミャンマー全土で停電があります。ここミャウンミャの停電は異常に多く殆どが無計画です。1日のうち電気がある時間の方が短いのです。例えば、ある日の事務所に電気がきた時間は朝8時~10時、夕方4時~6時、夜8時~9時半、2時~明朝6時の合計9時間半です。 停電の影響は計り知れません。①ミャンマーは電気のモーターで家庭用水をくみ上げるシステムです。そのため、食べた皿を洗う水も汲み上げられなくなります。事務所の掃除もままならず、勿論、シャワーの水もです。現場に行く日は漏電を防ぐため、ブレーカーを落とします。②冷蔵庫も使えない。食べ物が腐り、保存が不可能です。朝6時からの早朝市場に行くのはなかなかできないため、食べ物に困っています。③扇風機が使えず、夜は暑くて眠れません。現在、38~40度と暑期で一番熱いため、快眠ができず体力消耗します。④洗濯機が動かず、手洗いになりますがそんな時間がないです。2011年以前のミャンマーの状況にどんどん戻っています。それでも、MFCGは現地の人たちと共に活動に励んでいます。
事務局 東京荒川区東尾久8―41―23
FAX 03・6807・7499
myanmarfcg.info@gmail.com
http://mfcg.or.jp/
https://www.facebook.com/mfcg.or.jp

【この記事は清興建設提供】



終の棲み家を考える(96)

不動産~仲介手数料

土地や建物を売ったり買ったりすると、仲介した不動産業者に手数料を払います。正式な許可を受けた不動産業社は店舗に料金表を掲げています。仲介手数料は売った方も買った方も同じ料率で発生します。 ここまではよく知られていますが、不動産業者が扱っていない物件を探してきた場合はどうすればいいでしょうか。大丈夫です。法律で売り物件を預かった正式な不動産業者は国土交通大臣が指定する不動産流通機構(レインズ)に登録する事が義務付けられています。業者に頼めば必ず探せるようになっています。 大きなお金を出して買った土地が問題を抱えていたら大変です。家を建てるにはいろいろな制約を受けます。建蔽率・容積率だけでなく、接道の事や洪水・水害・崖の問題など多岐に渡るので十分な調査が必要です。 購入に当たって支払う手数料は不動産業者が何社入っても一定で、購入代金の3%+6万円と決まっています。安くするとか、早く手付金をとか、他にも買い手がいる等々業者のいうことに惑わされず、信頼のおける不動産業者でじっくり時間をけて納得のいく物件を手に入れてください。
日向建設
鎌倉市大船1―15―3
0467・47・5454
http://www.hyuuga.co.jp/


鎌倉朝日新聞社

鎌倉の未来に向けて

JCが共生社会のセミナー

共生社会をテーマに鎌倉の未来を考えようと、鎌倉青年会議所(永田磨梨奈理事長・会員31人)の4月例会が4月9日、北鎌倉の建長寺で開かれ、一般からの参加者を含めて約30人が参加した=写真。 第1部では、鎌倉彫師の三橋鎌幽さんが、「アートを通して自身の個性を知る」をテーマに講演。「個性を認め合い、個に寄り添うことが大切。表現することが共生社会の実現につながる」と、各自画用紙に描きたいものを自由に描き、発表した。 第2部では、市職員から「鎌倉市共生社会の実現を目指す条例」(2019年施行)の説明を受けたあと、3部で、「鎌倉青年会議所が描く鎌倉の共生社会」の題で、松尾崇鎌倉市長と永田理事長が対談した。 条例には、共生社会の実現に向けた取り組みの推進は、市、市民、事業者がそれぞれの責務、役割を果たし、協力しながら「個性の尊重」「支え合い」「社会参画」の基本理念に基づき行うことと定められている。 松尾市長は、市の取り組みとして、「障害者雇用2千人」を例にあげながら、市民やJC会員へ、「それぞれができることを実践してほしい」と期待を述べた。 永田理事長は、「明日からさっそく自分の事務所で実践に移すので、各自それぞれの事業所で一歩を踏み出してほしい」と呼びかけた。


鎌倉朝日新聞社

小林秀雄著の著書

文学つれづれ193【最終回】

小林秀雄の武蔵観

これまで宮本武蔵について書かれたもので一番本質的な論を展開しているのは小林秀雄の「私の人生観」である。 最初は仏教の観について話し始める。「観」に非常な価値を認めたのは仏教の思想であり、「観」とは極楽浄土が見えてこなければいけない、として「止観の」法を伝えた鑑真や『往生要集』を書いた恵心僧都の観法とその伝統を受け継いだ禅宗について述べる。さらに芭蕉や西行など日本の優れた芸術家たちの中を貫通している「空観」等を論じる中で、「武蔵は、見るという事について、観見二つの見様があるという事を言っている」と言及する。 見の目とは、普通の目の働きである。敵の動きがああだとかこうだとか分析的に知的に合点する目であるが、もう一つ相手の存在を全体的に直覚する目がある。そういう目は「敵合近づくとも、いか程も遠く見る眼だというのです。…見ようとしない心にも目はあるのである。言わば心眼です。見ようとする意が目を曇らせる。だから見の目を弱く観の目を強くせよと言う。 武蔵の生き方についても言及する。 彼の生涯には、華やかなものも劇的なものもない。有名な巌流島の仕合にしても、冷静に工夫を重ねた兵法の、彼一人の為の最後の実験だったので、彼の眼には、恐らく敵も世間もなかったのである。 といって小次郎が華やかな出で立ちで備前長光の大業物を手に試合に臨んだのに対し、武蔵は質素な身なりで素足、手製の木刀を持って向かった。それは「相手を馬鹿にしたわけではない、相手を研究し、これが、最も能率のいい拵えであったという結論に達していたからである」として次のように言う。 私が、武蔵という人を、偉いと思うのは、通念化した教養の助けを借りず、彼が自分の青年期の経験から、ある極めて普遍的な思想を、独自の工夫によって得るに至ったという事です。 小林の謂う「普遍的な思想」とは「器用というものに含まれた理外の理を極める事」であり、それが「実(まこと)の道」であるということである。 小林は武蔵の剣術については知識がないので話題にしていないが、私の考えでは、
1小次郎より長い木刀を用意したこと。
2それを最後まで小次郎に知られないようにしたこと。
3小次郎に平常心を失わせ、先に懸かってくるようにしたこと。
以上の作戦をたて確信を以て「直通の一打」(『兵道鏡』)を振るったのである。これが小林の謂う「実の道」である。 小林秀雄は「私の人生観」の中で仏教の「観」や「空」を精しく論じながら最後に「武蔵には禅も修した形跡があるが、そういう風潮からは超脱していた」として武蔵の精神主義や空については問題としていない。 吉川英治の『宮本武蔵』は日本人の「情」の面を代表する傑作であるが、武蔵の素晴らしさは小林秀雄の云うように彼の知性である。新しい武蔵像が求められている。「私の人生観」は中公文庫新社の『人生について』所収本が読みやすい。 なお、私の武蔵観は集英社新書『武蔵と柳生新陰流』他をご参照下さい。今回をもって私の「文学つれづれ」を終ります。長い間ありがとうございました。 (神奈川歯科大名誉教授)


鎌倉朝日新聞社

世界の恒久平和願い

大船観音ライトアップ

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、大船観音のライトアップが4月4日~20日行われた。大船観音寺や市民団体「鎌倉ガーディアンズ」の協力で、観音像をウクライナ国旗の青と黄色の2色で夜間、彩った=写真。 8日には、同団体の約30人が大船駅西口で募金を呼びかけ、会員からの募金と街頭募金で28万1190円を集めた。 同団体代表の大津定博さんは「6月20日の『世界難民の日』にも募金活動を行い、ウクライナの人々のために役立てたい」と話している。


鎌倉朝日新聞社

「もったいない」を「ありがとう」へ

東逗子「CoCoLoの会」でフードドライブ

東逗子の沼間で不登校支援を行う「CoCoLo(こころ)の会」が地域の余剰食料を必要な人へとつなげるフードドライブ活動「無料food@沼間」の輪を広げている=写真。 東逗子駅前入口交差点近くのキリガヤラボズを拠点とする同会には、菓子や米、災害用備蓄食品、一般家庭からの余剰食品ほか葉山や三浦の農家から届く規格外の作物などがテーブル一面に並ぶ。 「『もったいない』を『ありがとう』へ」誰でも自由にいくつでも持ち帰ることができる独自のフードドライブは昨年5月から始まり、毎週月曜・木曜10~17時と、金曜の21〜24時は夜間しか来られない人への「真夜中の無料food」も実施している。 「ここでは欲しいものを好きなだけ持ち帰ってもらえばいい。それで心が満たされたら他に優しい気持ちを向けられるかも。返さなくていいんです」と同会代表の吉原千草さん(47)は微笑む。何も制限を設けない自由なスタイルは12年にわたる寺子屋形式の学びの場で子どもたちから学んだ。 ファミリーマートが全国展開する「ファミマフードドライブ」にもパートナーとして協力。逗子市内を中心に7店舗で集められた食品が同会に提供されることとなった。 余剰品の布を活用し同会のオリジナルネームタグを付けた「おすそわけバッグ」を作るプロジェクトも立ち上げ、4月に100枚を配布。逗子市の人口と同じ6万枚を目標に意気込む。余剰食料の寄付も歓迎。
問い合わせ吉原さん 090・3816・6780 (K)


鎌倉朝日新聞社

スケッチ日和(54)

「ヨット」 黒川 明

鐙摺港は日本のヨット発祥の地ともいわれる。そのためか、ここには凝った作りの艇が多い。これが絵になる。 若いころ「ベトナムに平和を市民連合」というのがあって、友人たちが資金を出し合って中古ヨットを購入し、葉山から茅ヶ崎まで国道を人力で運んだことがある。戦禍の地へ救援物資を運ぼうと企てたのだ。希望の船となるはずだったが、沈んだという話をのちに聞いた。 戦争を起こすものがいれば、必ず平和を求めて立ち上がる人も現れる。
水彩画 36×51cm



鎌倉年中行事

5月

▼菖蒲祭 5日13時、鶴岡八幡宮。無病息災など祈願。
▼草鹿神事  5日13時、鎌倉宮。関係者・神職のみ。
▼清正公大祭 5日9時半、妙法寺。
▼鎌倉大仏献茶式 14日8時半~16時半、鎌倉大仏殿高徳院。
▼徳崇大権現会・大般若経転読会 22日13時、
小町の宝戒寺。北条一族の慰霊供養。法要のみ。
▼白旗神社例祭 28日10時、鶴岡八幡宮境内の白旗神社。


プロムナード

大河ドラマの効果なのか。それとも蔓延防止措置が解除されたからなのか▼鎌倉駅周辺は多くの人で賑わっており、夜の飲食店でも席が埋まっている様子が見られました▼仕事の打ち合わせで鎌倉に来訪される方々からは、「大河ドラマ」の話題を必ず振られるような状況です▼そして、打ち合わせとは名ばかりの口実で、観光目的で足を運ばれている都内からの営業マンが多いです▼リモートワークも多く、外出が少なかったことから「鎌倉での打ち合わせ」ということで営業の人たちのなかで、とても人気なのだそうです▼宿泊施設も多くなってきているので、土産物だけでなく、土産話になるような鎌倉の良いところなども持ち帰ってもらいたいです。(N)


FOLLOW US

short