鎌倉朝日新聞 (2月1日号 2018年 第467号)

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保育所が新設される横浜地方法務局鎌倉出張所跡地

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昨年11月開所した由比ガ浜こどもセンター

子育て支援 強化

新たな保育所開設 第二子以降保育無償化 鎌倉市

認可保育園に入れない待機児童解消に向けた取り組みとして、鎌倉市は、横浜地方法務局鎌倉出張所跡地などに新たな保育所の開設、第2子以降の保育料を無償化する考えを年頭に示した。市議会2月定例会に2018年度当初予算案として提出し、4月からの実施を目指す。 横浜地方法務局鎌倉出張所跡地については、鎌倉市は昨年10月に所有者の財務局から土地(1,633㎡)と建物(延べ床面積767・5㎡)を借りる契約を締結。昨年11月から12月にかけて事業所を募集した。今年3月に業者選定後、改修工事を行い、来年4月、新たな保育所の開設を予定している。 保育の無償化は、現行の第二子や1人親家庭に対する保育料半額の制度を、4月以降は世帯の子どもがすべて未就学児だった場合、所得制限なしで公立や民間の保育所に通う第二子以降の保育料を無料にする。市内の認可保育所に通う約470人が対象になり、市の歳入減と支出増は合わせて1億3千万円程度が見込まれる。 このほか、旧鎌倉図書館を活用した放課後子ども広場おなり・おなり子どもの家開設に向けた改修工事も計画されており、松尾市長は「子どもの元気な声が響き笑顔あふれるまちづくり」「全ての市民が生き生きと楽しく暮らすことのできる『共生社会』の実現」を目指したいと抱負を述べている。


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早春を彩る

玉縄桜1月開花

鎌倉市関谷の畑の一角で玉縄桜が咲き始めた=写真。昨年より10日ほど早く、1月10日ごろ開花した。ソメイヨシノに似た白い花はおよそ1カ月にわたって観賞できる。 玉縄桜は神奈川県立フラワーセンター大船植物園生まれのサクラで、地元の有志らが鎌倉・玉縄地域の〝宝物〟として広めたいとの思いで、当時の園長にお願いして苗木(挿し木)の作り方の指導をしてもらう一方、会員を募り、「里親制度」を設け、各地に植樹し、広める活動をしてきた。 現在、フラワーセンター大船植物園園内に19本植えられているほか、鎌倉を中心に日本全国に植えられている。


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鎌倉みほとけ紀行(78)

建長寺 八臂弁財天像

武家の古都、鎌倉。その武家の精神を支え、受け入れられたのが禅宗であり、ここ建長寺は中国から禅が直輸入された一大禅道場であります。 建長寺の数々の文化財や名宝名物は数知れないが今回の御仏は可愛らしい八臂(はっぴ)弁財天(べんざいてん)であります。 八臂とは頭上に宇賀神をいただき、八本の臂(腕)には、弓・矢・剣・宝珠・輪宝・矛・長杵・鍵棒を持っている。 弁才天とは俗に言う音楽・弁才、財福、智慧の徳があるといわれるが、元来、弁財天ではなく弁才天(わきまえること、弁舌の才能)が正しい。しかし時の流れか、人の欲か財福の御利益信仰として弁財天と呼ばれることが多くなった。弁才天はよく天女型といわれるが建長寺の八臂弁財天はぽっちゃり系で福与か(ふくよか)であります。 像は元、建長寺塔頭の玉雲庵(廃寺・現、鎌倉学園辺り)管理の杉谷弁天社(廃・現、龍峰院入口付近)に安置されていたそうだが、1923年(大正12)の震災で社は倒壊し像のみ残った。弁才天はインドでは河の女神、水神として崇拝され、日本に至っても同様に水の神、海の神として祀られ、御存知の江ノ島神社、江の島弁財天は有名で、弁才、弁舌の才能から芸能の神としても知られている。 実は建長寺と江ノ島弁才天に面白い逸話が残っている。建長寺の開山大覚禅師が大船の常楽寺に居た頃、禅師の給仕役をつとめていた童子(乙護童子・男子)がとてもかわいく忠実に仕えていたが、その仲睦まじい姿をみて嫉妬した江ノ島の弁才天がその童子にいたずらをする。童子を女身に変えてしまったのだ。すると開山禅師が美女と寵愛していると世間の噂となってしまう。童子は自ら潔白を示そうと、にわかに白蛇と化し、道隆の潔白を証明した。その大きさは庭の銀杏の木を七巻半してもなお尾が池(お叩きの池)に届くほどであったという。
寄木造、玉眼、彩色。
像高34㎝。江戸時代。拝観は11月の宝物風入のみ。


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交番脇の道

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おちゃぶきさま

かまくらの不思議を歩こう⑩

おちゃぶきさま 大貫昭彦

*気分爽快にするパワー
鎌倉の神社や寺、史跡を訪ねて地力のある場所を探し、そこから生きるパワーを体得しようという大根会に参加して、二年半になります。目的地に着くと、まず主宰のアースパワー・フィーラ大根弘行師が手を打ちながら音の微妙な変化を捉えてパワーのある場所を見つけ、そこから湧き立つ力を実感しようと交替でその場に立ちます。会員は敏感な人が多いのですが、半信半疑でその場を離れる人もいます。私などは鈍感な部類に入る人間なので空気の流れや匂いの変化を感じることはあるのですが、それは周りに感化された煽りによる変調かもしれません。 実際、パワーの位置に立って、姿勢を崩したり、倒れかかったりする人を見ると、別世界の出来事に見えます。また、爽快になった、頭痛が治ったなどと聞くと、羨ましいと思います。
*否定か肯定か!
私の感想に対して大根師はこう言われました。 「感じる感じないは、個人の資質でしょう。気にすることはありません。ただアースパワーとか地霊というものが存在することは確かです」
「それを否定するとどうなりますか」
「地霊や神との縁が遠くなります」
「信じないものは守られない?」
「それは当然あるでしょう。しかし、そうした力を徒に頼ると、脇が甘くなり、失敗することもあります。だから霊感が鋭いから良い、鈍いから悪いとは言えません。独立独歩の人が成功する例はよくありますよね」
*ミアレ
「ミアレ」という言葉があります。「御阿礼」、「御生れ」のことで、神は信じる人の前には現れるという意味です。京都の上賀茂、下鴨神社で行なわれる葵祭りと九州宗像神社の秋の祭りは「みあれ祭り」とも呼ばれます。神を本殿から他所に移して行なう神幸祭、渡御祭です。 1月4日の葛原岡神社の新年祭でも祭礼の場や参列者を清める儀礼の後、「オゥーオゥー」という声と共に本殿の扉が開かれます。身の引き締まる「御生れ」の瞬間です。こうして見ると、鎌倉は神霊のメッカです。年改まる毎に神は生れ、長い歴史を経て、人との感応を深めてきた神のいる町です。天地を貫く地力も豊かで、暮す人々を守っているのです。こうした見地からパワースポットめぐりを続けます。
*「おちゃぶきさま」は風邪の神
風邪の季節ですから、「おちゃぶきさま」を訪ねました。北鎌倉駅前の交番の脇を入り、右折して30mほど行った所にある石塔です。風化した鎌倉石を二、三個積んだ素朴なもので、風邪を引いたらお参りし、治ったらお礼にお茶を差し上げる神様です。  大根師は、石塔の前に立つと、心安らぐ神さまですね、大事にされているんですねと言われました。パワーの場所は、石塔の正面のようです。メンバーの一人が百円玉を置いて、場所を分かるようにしてくれます。地力を発する場所は5cmずれると、効果がないそうです。皆が拝礼している時、大根師は、石塔は広い所に祭って欲しいと訴えていると言われました。路地は向い、もっと広かったのかも知れません。
*咳の神は、関の神?
しりとりゲームのようですが、お付き合い下さい。風邪の神は咳の神、咳の神は関所の石塔?そういえば北鎌倉は関所の町でした。民俗学者の柳田國男は、関所には結界を示す石が置かれ、お場石と呼ばれ、それはお婆石に、次に閻魔王の奥さんの脱衣婆に変化したと著書に書いています。すると石塔は、バス通り沿いの十王堂橋の辺りにあったとも考えられます。 来月は、さらに進んで「おしゃぶきさま」を訪ねましょう。


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新春を寿ぎ海・まち・寺社で

豊漁祈願し船祝い

一年の大漁と海の安全を祈る「船祝い」が1月4日鎌倉の腰越漁港で開かれ、親子連れなどでにぎわった=写真。 神童太鼓の勇壮な和太鼓の演奏が披露されたあと、大漁旗で飾られた船の上からみかん撒きが始められた。 漁師らは初めに恵方の海に向かってミカンを投げてから、ミカンやたるいっぱいの駄菓子を投げた。集まった人たちは両手を広げてキャッチし、持ってきた袋をいっぱいにした。 腰越漁業協同組合の組合員は「昨年は収穫量が今一つだったが、今年は良い年であってほしい」と期待を述べた。漁は5日から。釣り船は年明けから始まっているという。


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工事の安全願い手斧始式

一年の工事の安全を祈願する手斧(ちょうな)始(はじめ)式が1月4日、鶴岡八幡宮で行われた=写真。 源頼朝が1181年に行った八幡宮造営時の神事に起源を持ち、1949年に現在の「手斧始式」として神事が再興し、継承されている。 とび職人らが木遣唄にのせて長さ約3・9㍍、28㌢角の御神木を二ノ鳥居から舞殿前に運び込むと、宮司による神事が行われ、古式ゆかしい装束の鎌倉の建築業者ら約20人が所役を奉仕した。 参列者や関係者の見守る中、斧を振う幣振、尺杖、鋸、墨打ち、手斧、槍鉋を使う6つの作法が厳粛に執り行われ、初詣に訪れた参拝客も足を止めて見入っていた。


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消防出初式に700人

新年恒例の鎌倉市消防出初式が、6日、鎌倉市山崎の山崎浄化センターで行われ、消防関係車両19台、消防職員や消防団員271人が参加。子ども連れの市民ら約7百人が観覧した。 鎌倉・大船の両とび職組合のまとい振込みに続きはしご乗りが行われ、とび職人が垂直に立てられた約6㍍の青竹をするすると登って、その上で次々と妙技を決めると会場から大きな歓声が上がった=写真。 消防総合訓練では、はしご車、救助車、化学車、救急車など9車両が出動し、災害の発生したビルに取り残された人を消防隊員らが救出する訓練を行なった。今年初めてドローンも登場して映像を映した。 小宮幸二消防団長は「市民の生命を守る使命を果たし、一致団結して快適なまちづくりをしていく」と謝辞を述べた。


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商売繁盛 十日えびす

「商売繁盛、家内安全お祈り申し上げます」の掛け声に続いて「ドドン、ドン」と太鼓の音=写真。 鎌倉市小町の本覚寺で1月10日十日えびすが行われ、福笹を買い求める人たちの長い列ができた。福笹は境内の夷堂まわり鳳凰竹の枝に打ち出の小槌や鯛、小判などの縁起物をつけたもので、大きさで3千円から1万円の笹を選び、希望の飾りをつけてもらう。同寺では1980年(昭和55)の夷堂再建のときから十日えびすが行われるようになった。 にぎわいが楽しいので今年もきたという横須賀の母と娘の親子は「昨年は売り切れて買えなかったけど今年はいいことはありそう」と福笹を手にうれしそうだった。


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無病息災願い左義長神事

正月の家々を訪れた歳(とし)神(がみ)様がお帰りになるのを見送る左義長神事が1月15日、鶴岡八幡宮境内の源氏池前で行われた=写。 持ち寄られた神棚の御札やしめ縄、しめ飾り、松飾りなどを円錐形に積み上げ、斎(いみ)火(び)をもってお焚き上げする神事で、しめ縄などで高さ4㍍ほどのやぐら状に組まれた2対のワラに火がつけられると炎はまたたく間に全体を包み、訪れた人たち無病息災、家内安全を祈願していた。


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鎌倉彫〝道(どう)〟の名匠たちち

伝統工芸士の秀作一堂に

鎌倉芸術館エントランスホール壁面の鎌倉彫パネル「雲」の修復事業が昨年完了したのを記念し、修復に関わった伝統工芸士や職人たちの作品を披露する展示会が「第5回『道(どう)』展~鎌倉彫・技の回廊~伝統と革新の美」と題して1月中旬、同館ギャラリーで行われ、多くの鑑賞者でにぎわった=写真。 主催の鎌倉彫伝統工芸士会は1980年発足。鎌倉彫の伝統工芸士は25年の経験を経て受験し得られる資格で、今回の展示では同会会長の小園博さんら21人の工芸士の作品と合わせて、パネル修復事業参加者8人の作品など、総計約3百点が紹介された。 期間中、パネル制作や修復に携わった工芸士たちがエピソードや鎌倉彫を解説する講座もあり、好評だった。 壁面のパネルは、同館開館時の1993年に制作された。タテ180㌢、ヨコ210㌢の作品を5枚並べている。今回、24年ぶりの修復で、ひび割れや穴を補修し、固くなっている漆をはがして塗り直すなど、420時間、4カ月がかりの大仕事だったという。当時制作に関わった約20人の半数は亡くなっていて、作業には技の継承のために若手作家たちが加わった。 実行委員長の小園敏樹さんは「伝統工芸士会としてこれほど大規模な展示ははじめて」と話していた。


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ユズ湯を老人施設に

鎌倉中央RC

鎌倉中央ロータリークラブ(山田嗣会長・会員20人)が昨年の12月22日、鎌倉市内の老人福祉施設5カ所にユズ湯用のユズを寄贈した=写真。 同会が、地域の高齢者が季節を感じ、健康の増進を図ることに寄与しようと2005年から冬至のユズを寄贈している。 山田会長は「冬至にユズ湯をし、カボチャを食べる日本文化を大切に引き継ぎたい」と話した。


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木版画 藤本宿

谷戸の風(54)

ケーブルテレビの頃  山 内 静 夫

1990年、わが国における電波の民間活用が始まり、この鎌倉にもケーブルテレビの会社が生れた。(通称)KCTV、私は親会社である松竹から派遣されて、そこの社長を務めることになった。未知の事業であるし、会社の基礎もない。全くの一からの出発であった。思えばもう三十年も前のことになる。 今年、新しい年の始まりの某日、そのKCTVの当時の社員たちが、声をかけあって同窓会を開いた。鎌倉周辺に住む人たちを中心に、社内結婚をして今は東北の仙台にいるご夫婦も顔を見せ、十四、五名の集りになった。その上始まってから次々と人数がふえ、最後には二十三、四人の賑やかなパーティーになった。声を聞いただけで、ア、誰それとすぐ解る顔と誰だっけ、と聞かないとすぐに思い出せない人もあったが、全員五十歳前後になっていて、アルコールがはいってすぐに打ちとけた。私は涙が出る程嬉しかった。 当時の仕事は、思えば苦労の連続だった。ケーブルテレビと言っても殆どの人に解ってもらえず、肩身の狭い立場だった。ケーブルの敷設のため電柱を借りる交渉も容易でなかった。更に加入して貰うための交渉は一軒一軒頭を下げて廻る。多チャンネルという事自体が解ってもらえない。更に重大なことは資金繰りだ。全市にケーブルを敷設するため初期投資は莫大だ。いい思い出なんかある筈がないのだ。 然し三十年に及ぶ時の流れは、苦しみも洗い流してくれる。苦しかった、辛かったことも、懐しさの中で、ほほえみに変る。後に残ったのは、美しい人と人の交流であった。


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能面「翁」(著者作)

文学つれづれ(158)

翁と乙女(一) 赤羽根龍夫

柳田国男は「日本の文学には老いを嘆く特殊な気持が流れて居る」(『民謡雑記』)と云い、その代表的な歌として「古今集」の次の一首を挙げている。  いまこそあれ
  我もむかしは男山
 さかゆくときも
  ありこしものを
(今はこのように老いて世に忘れられているが、われも又昔は、男山の坂をゆくように、世に栄えて、生きこきこともあったものを)
こうした老いを嘆く述懐歌は、文学としての和歌ばかりでなく、俗謡民謡にもあるという。
 わしが若いときゃ
 おかめというたが
 のんころ
 今は庄屋どのの子守する(子守歌)
 わしが若いときゃ 
 そでつまひかれ(踊り歌)
  わしの若い時や
  あちらからも、
  こちらからも
  嫁にとらとらと、
  ヤートセー
  あちらもいやいや
  ヨ―ホエ―ナー
  あとでかたわの
  男をもった(盆踊り)
こうした老いを嘆く歌が、どうして酒の席や踊り歌として歌われて来たのであろうか。柳田国男は、これらの歌は青年男女のために、結婚媒介の意味で歌われたのではないかと推測する。 それと関連して彼は、かつて読んだことのあるロシア北東サイベリアの民謡を引用する。 北東サイベリアは北緯70度よりもさらに北のイベリアで、春といってもほんの瞬時のことであり、その頃の年中行事として、若い男女が野山に集まって物を食べたり歌ったり、踊りをおどったりすることがあったという。そのとき、ほとんど骨と皮とになった盲目の婆さんが出て来て、これらの若い男女の歌を聞きながら、やがて自分も歌いだす。  老いたる骨に
 日の光のうれしさよ。
 おみ達と踊ることの
 如何に楽しかるべきぞ。
 さあれ、おみ達と
 踊るのも私には
 今年が終わりであろう。
 再びこうした日が
 めぐり来ようとは
 思われぬ。
 やがてこの骨には
 土が覆うであろう。
 塚の上には青草が
 生えるばかりである。
 踊れ、若者達よ。
 抱かれよ、若者達。
 くる年には、
 私の骨の上に生えた
 青草を踏んで、
 また踊れ。
 踊れ、踊れ、若者達よ。
柳田国男によると、楽しい踊りの集まりの中へ、 こんな盲目の婆さんが出て来て歌を歌うというのは、とりも直さず自分の老骨を見本にして、若者達に結婚を急がせるためであったという。 昔は男女を媒介するとき、そうした老人をつれて来てこんな歌を歌わせたのではなかっただろうか。老人を尊敬する思想の少なかった時代に、老人をそんなことに利用したのではないかと考えられるのである。  柳田国男にとって、老いとは一体何だったのであろうか。柳田と並び称される折口信夫の翁論を対比させながら私は「翁と乙女」の問題を考えていきたい。
(神奈川歯科大名誉教授)


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3・11の記憶を現地で!

逗子葉山の中高生が被災地支援バスツアー

東日本大震災の記憶をつなぎ、逗子からさまざまな復興支援活動を行っている市内の中高生の団体「3・11つなぐっぺし」が3月10~11日の1泊2日で福島県を訪問する中高生対象のバスツアー「RERIGHT」を企画。このツアーへの参加呼びかけを兼ね、1月11日8人のメンバーが逗子駅街頭で支援金募集と防災意識調査を行った=写真。 2013年に被災地支援のボランティアバスツアーに参加した学生有志が立ち上げた同団体のメンバーは現在約20人。昨年実施した25人規模の中高生対象のバスツアーに40人応募があった実績をステップに、今年も仲間を募ろうと市や教育委員会の後援を得て南相馬市役所などとの調整や資金集めにも取り組む。 小学生の頃から被災地支援活動に携わり、同団体の代表を務める県立鎌倉高校1年の齋藤日和(ひより)さん(16)は「語り部の方から直接話を聞くことで、テレビなどでは取り上げられない被災地の思いを自分たちのこととして共有したい」と同世代への参加を呼びかける。 対象は逗子葉山在住・在学の中高生先着40人。3月10日朝6時逗子文化プラザに集合し、南相馬市やいわき市などをまわり追悼セレモニーへの参加や震災学習を行い、翌11日20時に帰着予定。参加費5千円。応募は2月11日までに氏名・住所・電話番号・年齢・学校名・学年をメールで3.11tunaguppesi@gmail.comまで。
問い合わせ服部さん 080・5095・5763


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アートでまちづくり発信

葉山一色海岸アート展

葉山御用邸の目前に広がる一色海岸をイメージした新春の展覧会「葉山一色海岸アート展」が1月7~20日葉山しおさい博物館で開かれ、近隣在住の画家や写真家、金工家、手透き紙作家など12人の多彩な作品112点が集められた=写真。 1月13日には版画家の安藤真司さんが銅板刷りの実演を行い、繊細な銅版画の制作工程や技法に約70人の来場者が興味深く見入っていた。 今年5回目を迎えた同展は、元一色郵便局長で写真家の鈴木増一さん(80)の呼びかけに近隣在住の作家らが集まり、一色商店会・町内会・行政と連携する形でスタート。同海岸で例年約8百人が集まる年始のどんど焼きの時期に合わせ、「小さくても光るまちに!」をテーマに、美術館や美しい海と山に囲まれた同地区にふさわしい「アートを軸とした新たなまちづくりの形」を掲げる。 「まちづくりのキーワードには何か異質なものが必要。葉山の場合にはそれがアートだと思う」と鈴木さん。今後は葉山から世界に向けて発信していきたいと夢を語った。(K)


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ポイ捨てやめよう

美容師集団80余人が海岸清掃

鎌倉の由比ガ浜海岸に1月15日、渋谷の美容師ら約80人がバスで乗り込み、海岸清掃を行った=写真。 街のゴミ拾い活動を行うNPO団体「greenbird(グリーンバード)」が渋谷の美容師団体「OCEAN TOKYO(高木琢也代表)」と協力して「街→海クリーンアップ大作戦」と銘打って、午前中は原宿・表参道を、午後は鎌倉・由比ガ浜海岸のゴミ拾いに繰り出した。 高木代表は「ゴミを拾うことより、ポイ捨てをやめる意識を持ってもらえたらいいと思う」と語り、「次回は自分たちだけでなくまわりの若者にも活動を呼びかけ展開していたい」と期待をかけた。


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寒風のもと、力走

鎌倉市民ロードレース大会

鎌倉市陸上競技協会主催の「第48回鎌倉市民ロードレース大会」が1月7日、城廻コース、玉縄中学校外周コースで行われ、約百人が参加した=写真。 各部門3位までの入賞者次のとおり(敬称略)
【一般男子・高校生以上29歳以下】(7・5Km)優勝中麟太郎(横浜国立大学)、2位裏野凌央(栄光学園高校)、3位日高玄(明治大学)【同・30歳以上39歳以下】(7・5Km)優勝鈴木優、2位中野聡、3位黒川次郎【同・40歳以上49歳以下】(5・0Km)優勝藤原一成、2位沼野陽人、3位松田聖彦【同・50歳以上】(2・5Km)優勝久島和夫、2位加藤崇、3位平塚英樹
【一般女子】(5・0Km)優勝中梨緒(横浜翠嵐高校)、2位中村泉、3位佐藤由希子
【中学男子1・2年】(2・5Km)優勝森永慧亮(鎌倉学園)、2位伊沢夏樹(大船)、3位八木蒼葉(大船)【中学3年男子】(2・5Km)優勝木幡光希(栄光)、2位山本航瑛(岩瀬)、3位森内拓人(栄光)
【中学女子】(2・5Km)優勝白石和佳(大船)、2位松田莉奈(岩瀬)、3位岡美範(岩瀬)
【小学生男子】(1・5Km)優勝河瀬奏琉(ミクト)、2位成田湊(鎌倉リトル)、3位吉岡春陽(鎌倉リトル)【小学生女子】(1・5Km)優勝宮本南穂(鎌倉リトル)、2位田村遥香(ミクト)、3位橋本春(鎌倉リトル)


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「ひと」
「漆をもっと身近に」と模索する塗師(ぬし)

岡 英雄(おかひでお)さん

鎌倉山に漆工房

「時蔵(ときぞう)」を構え、漆塗りハンドメイドウクレレで注目される塗師(漆塗り職人)。伝統工芸のイメージが強い漆を「生活の身近なところに、もっと使ってもらえたら」と、さらなる可能性を日々模索している。 ウクレレ製作は、七里ヶ浜に住むウクレレ製作者から「日本で弾くと(ハワイとは)音が変わる。塗りを変えてみたい」という要望が持ち込まれたのがきっかけ。20数年前のことだ。漆を塗ってみると「自然な音が出た」。二人で製作と塗りを手分けしていたが、2005年製作者が亡くなってからは楽器作りから塗りまでをひとりで手掛けている。作品は鎌倉市のふるさと納税返礼品のひとつにもなっている。 ウクレレに注目が集まってしまうが「それはボクの仕事の一部なんです」と苦笑する。鎌倉彫の工芸品もつくれば寺院などの建物の漆塗りもする。「得意なのは建築系の塗り」と言う。皇居高御位と御帳台の欄干部分、鎌倉国宝館台座、臨済宗大中寺本堂(沼津市)などの漆塗りを手がけている。
横須賀に生まれ育ち、18歳の時に鎌倉彫職業訓練校に。卒業後、工房で修行し、28歳で独立し時蔵工房を設立した。 15年前からは漆塗りの勉強の場にと市民に工房を開放している。 2月2日から7日まで鎌倉芸術館で第1回「漆工房時蔵展」を開催、会員たちが工房で習得した技術で、楽しみながら塗あげた数々の作品が展示される。 漆は英語でjapan(ジャパン)と言うくらい日本古来の塗料だ。普通の塗料とは逆で高温多湿で乾く。「洗濯物が乾かないジメジメしたところでカリッと乾くイメージ」。漆は木の樹液で、木を守る「かさぶた」だそうだ。だから防水、防虫、抗菌効果がある。板の間を漆塗りにすれば「さらさらで清潔、最高!」と力説する。漆と言うと赤や黒のイメージを持たれがちだが、「顔料を使うからで、元々は木目が綺麗に強調される、落ち着いた渋い色目です」と付け加えた。 職人というと気むずかしいイメージがあるが、真逆の人である。社交的で、場をなごませてくれる。先生とお喋りできるのをたのしみに工房に足を運ぶ会員もいるという。 2男1女の父親で、長男が仕事を手伝っている。59歳。
(文・写真 三浦準司)


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健康百科通信(104)

最期を迎える場所について考えてみませんか
  日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医専門医 栗原大輔

あなたは人生の最期の時をどこで迎えたいと思いますか。 ある調査ではがん患者さんの6割が自宅で過ごしたいと希望しているものの、最期まで自宅でと希望する人はわずか1割でした。その理由には家族への負担、急変への対応の不安、経済的問題などが挙がりました。 一方で、がん患者さんを対象とした調査で、病院と比べて自宅で過ごすほうが最期まで生活の質が高く保たれ、さらに、生存期間もほとんど違いはなく、むしろ自宅の方がやや長いとする研究結果がでています。 私が在宅診療で関わっている患者さんたちも、何気ない日常が生きる楽しみや価値をつくっていると感じます。 今は訪問診療や看護師、ヘルパーによる24時間体制を作り、経済的な面でも対応することが可能です。何かあったらいつでも入院できる連携もあります。 緩和ケアといった場合、症状の軽減はもちろん重要ですが、最期の時間をどこで、どのように過ごしたいかについて話し合うことも、とても大事なことです。ぜひご家族も一緒にかかりつけ医と相談してみて下さい。みんなで考えればきっといい方法がみつかります。

かまくらファミリークリニック院長
鎌倉市由比ガ浜2―6―21
0467・22・0522


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呼び物の一つイルカアシカショー

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新江ノ島水族館

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相模湾大水槽

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クラゲファンタジーホール

日本初の近代的水族館

新江ノ島水族館

戦後すぐに開館し長い歴史を刻む「新江ノ島水族館」(堀由紀子館長)は、藤沢の片瀬海岸に面した湘南海岸公園内にある。同館の高井純一広報室長にうかがった。

江の島は生物学発祥の地

何時、どのような経緯で創建されましたか。

1954年(昭和29)7月1日に当時の映画会社「日活」の社長堀久作が開館した水族館です。 当時は映画が娯楽としてものすごく人気のあった時代で、堀社長がここを通った時、きれいな松林が続き、江の島と海に浮かぶ富士山が見える。でもその素晴らしい立地にもかかわらず片瀬海岸一帯は未開発のままでした。「自分がここに水族館を造ろう」と突然ひらめいたようです。

なぜ水族館を。

映画会社の社長でしたので、アメリカのフロリダやマイアミに出張することがあったようです。現地には水族館があり、当時すでにイルカなどの飼育もされていたのを知っていました。決断してすぐ、1952年(昭和27)プライベート会社「江ノ島水族館」を設立して建設に着手、2年後の 1954年(昭和29)に国道134号線沿いの小田急線片瀬江ノ島駅側に水族館が開館しました。 すぐにイルカを飼うための施設の建設に取りかかり、3年後の1957年(昭和32)、国道134号線の海側に、水族館に続いて2号館がオープンしました。当時の看板には「江の島マリンランド」と書いてありました。 それから7年後、1964年(昭和39年)にはマリンランドと同じく海側に3号館「海の動物園」というアシカやアザラシを飼育する施設が造られました。当時はここを「海獣動物園」と呼んでいました。これで1、2、3号館が揃い、今各地にある総合的な大型水族館の基礎となりました。

現水族館には「新」と冠が付いていますが。

1954年(昭和29)から1964年(昭和39)にかけての建築物でで老朽化にともない50年の節目の年2004年(平成16)に全館完全リニューアルしました。 旧江の島水族館は開館50年の歴史があり、名が知られています。それを横文字に変えたりすると「江の島水族館はなくなってしまったの」ということになりかねなませんが、「新」を付ければ「江の島水族館が新しくなったんだぞ」と思ってもらえるということで頭に「新」と付け加えました。

ある意味正当ですね。

江の島の入り口に アメリカの生物学者・モース博士の記念碑があります。博士が相模湾の生物の豊かさに驚いて日本で初めての臨海実験所を江の島に造りました。江の島は生物学発祥の地という背景がありますから、当時日活の社長が水族館を造ろう、いいスタッフを集めようというとき、会社組織の、民間の水族館ですが、研究スタッフがたくさん集まりました。

累計入場者数2000万人に

戦後すぐの設立ですが日本国内での位置は。

戦後、電気が普及することによってこのような大きな水族館ができるようになった経緯があります。電気は水族館のエネルギー源として欠かせないもので、海から引き込んだ海水をろ過装置を使って繰り返し漉しながら使えるシステムや温度を調節する装置により、暖かい海の魚や冷たい海の魚を一年中飼育できる設備を取り入れた水族館だったので「近代的水族館第一号」と呼ばれるようになりました。

どのくらいの生物が飼育されていますか。

クラゲの赤ちゃんやシラスもいますので日々変動しますが、昨年11月現在で574種3万599点となります。

昨年9月29日に入場者数が大台に達したようですが。

新江ノ島水族館になった2004年4月16日以降の入場者数ですが、累計で2000万人に達しました。昨年1年間に180万人のお客様に来館いただきました。これは全国の水族館のうち4位の入場者数であり、東日本ではトップです。

相模湾の水中の姿目の前に

お薦めの展示は。

まずクラゲでしょうか。クラゲは1954年(昭和29)の開館時からずっと研究対象の生物で、オープン当時は相模湾から採集してきて飼育や展示していますが長生きさせることが難しく、長い期間をかけてようやく繁殖させられるようになりました。 1988年(昭和63)、30数年経って10種類くらいのクラゲが飼育できるようになり、それを1年中きれいな大きな水槽で見ていただけるようになりました。今では癒しのクラゲ展示と学術的、教育的な展示の2つの展示でクラゲを紹介していて、1年中、約50種類のクラゲが見学できます。
◎第93回えのすいクラゲの日(2月9日、9時)
飼育員に同行し相模湾のクラゲ調査・採集・種の同定を行う。

相模湾大水槽とは。

新水族館になったとき、目の前に広がる相模湾を紹介しようというコンセプトを作りました。誰も海の中のことは知りませんから江の島の岩場から飛び込んだらどうなっているかという光景を紹介できるように大きな岩が作りこんであります。 相模湾ゾーンでは相模湾の生物を紹介し、中心になる相模湾大水槽では相模湾に生息する魚たち90種類2万匹が暮らしています。そのうち8千匹は江の島も漁場であるマイワシの群れです。 この近くの海がイワシが獲れる海だからということですが、もう一種、この辺の漁師さんが獲る魚の代表種がシラスです。 実はシラスはイワシと呼ばれる魚の子どもですので、シラスは1種類のイワシの子魚ではないのですけれど館内でカタクチイワシの親を大事に飼って卵を産んでもらい、それを育ててシラスを紹介する。これ以外に生きたシラスを紹介する手段がありませんでした。 開館10周年のときから湘南地域の特産品であるシラスの生きた状態での展示を始めました。世界で唯一生きたシラスが見学できる水族館です。

水族館を知る多彩な催し

バックヤードツアーとは。

普段の見学ではご覧いただけないエリアを飼育スタッフがご案内するツアーです。各ブロックでテーマを決めてそれぞれの担当者が案内します。
◎えのすいバックヤードツアー「イルカに恋する」(2月3日、4日、10日~12日、17日、18日、24日、25日、12時~)

カップル限定ツアーとは。

閉園後のカップルの方向けの限定ツアーです。

お泊りナイトツアーとは。

閉館後の水族館がどうなっているのかなというのを観て回るツアーです。昼間には見られない光景を見学できます。そのため参加される方は自分で毛布や寝袋を持ってこられたりして大水槽の前で朝まで過ごします。
◎大人の女性限定!スペシャルお泊りナイトツアー「えのすい×ENOSPAリトリートプラン」(2月24日、15時、2月3日締め切り)

どうもありがとうございました。

新江ノ島水族館
藤沢市片瀬海岸2―19―1
0466・29・9960


鎌倉朝日新聞社

光明寺裏山で

いざっ!!鎌倉てらこや(43)

こんな大人になりたい!~ココロオドル光明寺合宿
NPO法人鎌倉てらこや事務局 豊田 晋

舞い散る枯れ葉や冷たい風に本格的な冬の訪れが感じられる12月の初頭、鎌倉てらこや冬の一大イベントである「ココロオドル光明寺合宿」が、浄土宗大本山光明寺で開催された。 今回の合宿のポイントは「親子一緒の合宿参加」である。子どもと大学生に加えて保護者も班の中に入り、一緒に1泊2日のお寺での生活体験に参加してもらった。保護者が自分の子どもとは違う班に入ってもらったことも大きな特徴だ。 子どもたちが自分自身を見つめなおしていくために、様々な大人と関わる体験を持ち、多様な価値観に触れることが大切であると、私たちは考えている。合宿で子どもたちが大学生スタッフだけでなく、初めて出会う多くの保護者と体験を共にすることで、子どもたちにとって「こんな大人になりたい!」という存在を見つけられたらという願いを込めたのだ。 合宿中に印象的なシーンがあった。光明寺の裏山で、ある小学生の男の子が石を投げて遊び始めた。しかし、次第にエスカレートして危うく石が他の人にあたりそうになってしまった。危険を感じた近くの大学生が注意に行こうとしたその時、同じ班の保護者が真剣な面持ちでその子に近寄り、その子を呼び寄せた。石を投げたことを叱っているようだった。きちんと目線を合わせ語り掛けるその姿は真剣そのものだ。それまではふざけ気味だったその子も、自分に対して本気で語り掛けてくる〝自分の親ではない〟大人の姿に何かを感じ取ったのか最後には頷き、心得た様子であった。 近年、子どもたちが、保護者や学校の先生以外の大人と関わる機会は少なくなっている。ましてや子どもたちに本気で関わってくれる大人は、貴重な存在ではないだろうか。光明寺合宿での多くの出会いは、子どもたちの行く先を明るく照らし出してくれたに違いない。

鎌倉てらこや事務局
0467-84-9746(平日13~17時)
http://kamakura-terakoya.net/


鎌倉朝日新聞社

カズオ・イシグロ(1987年)

心のふる里を行く ⑦

カズオ・イシグロの「私の日本」 池田雅之

「今年こそ、村上春樹で決まりだね」とハルキファンの友人は期待をこめて言う。「いや、日本人の受賞なら、きっとカズオ・イシグロだよ」と私が水を差す。2017年度のノーベル文学賞発表前日の、友人とのやり取りである。驚いたことに、私の予想は的中してしまった。本命はハルキでなく、カズオ・イシグロだと思っていたのだ。 カズオ・イシグロにロンドンで親しくお会いしていたのは、かれこれ30年も昔のことである。ロングインタビューに応じていただいたこともあった。 イギリスでは日本を舞台にした『遠い山なみの光』(1982)と『浮世の画家』(1986)の2作を発表し、新進気鋭の作家として注目を浴び始めていた。 イシグロは1954年、長崎生まれだが、1960年、5歳の時、研究者の父親と母親に連れられてイギリスに渡った。そして毎年、来年には長崎の家に戻るだろうと思っているうちに歳を重ね、34 歳にもなってしまった、と彼は笑った。「日本語もほとんど忘れてしまったよ」と言ってはまた笑った。とても律儀で、言葉を選んで丹念に話すが、ユーモアもある好青年という印象であった。 当時作家として順風満帆のイシグロにも、悩みがあった。それを打ち明けてくれた。イギリスのマスコミは、日本人が日本を舞台にして英語で書いた先の二作を評して、やたらに「日本的」と称賛する。自分の作風に日本人的特質(静謐や暗示性)を読み取ろうとするばかりで、文学作品として正当に評価してくれないとイシグロは苛立ちを隠さなかった。しかし3作目の『日の名残り』(1989)では、小説の舞台をイギリスに移し、イギリスのマスコミのレッテル張りからようやく免れることができた。 イシグロはなぜ5歳までしかいなかった故郷長崎にこだわったのであろうか。彼はノーベル賞記念講演(2017年12月7日)で次のような意味深長な告白をしている。「日本は私が属し、自信を得る場所だった。だから、『遠い山なみの光』や『浮世の画家』を書くことによって、私の日本を保存(vv)する必要があった。年を重ねるにつれ、私の日本はどんどん遠ざかっていった。全てが消えてしまう前に、フィクションで日本を再構築しようと私は願ったのだ。 イシグロの描く日本とは、原爆投下後の復興期のリアルな長崎の姿であり、また同時に記憶と想像力で再構築された故郷長崎の心象風景でもあった。それゆえ彼の文学の原郷長崎を語らずして、イシグロの今日のノーベル賞の達成の意味は考えられないのである。
(早稲田大学名誉教授・鎌倉てらこや顧問)


鎌倉朝日新聞社

1月のモーニングセミナー

鎌倉市倫理法人会 通信

「いざ、鎌倉!」48 歴史と伝統のある鎌倉を梁山泊に!
 朝活のススメ

鎌倉市倫理法人会は、経営者同士が自己研鑚の場として心を学ぶ場であり、また職場や家庭、地域の人たちとよりよい人間関係をつくり、社会に貢献するための「非営利の法人会」です。 今、伸びている会社が取り組んでいる朝のミーティングが注目されています。アメリカでも、パワーブレックファストといわれるミーティングが常識になっています。朝食を採りながらその日の重要事項を話し合います。特に重要な会議は朝にして、夜の会議や残業は控え目にし、夜は家族との時間を大事にします。 私たちは朝6時30分から毎週火曜日モーニングセミナーを開催しています。準備を含めると朝4時には起きますが、毎週繰り返していると目覚まし時計をかけなくても自然と目が覚めシャキッと気が引き締まります。 脳科学的にも朝は重要であることが指摘されています。人間は本来、物事を敏感に感じ取る力を持っています。昔から「虫の知らせ」というように、何か気になることがあるときは、うまくいっていないことが多い。こうした気づきは、脳が最高に活性化している朝に体験することが多いです。 脳が活性化しているときに、イマジネーションを働かせることが重要です。今日一日のスケジュールだけではなく、大きなビジョンを語り合うことも重要です。 気づきは、自然が与えてくれる瞬時のチャンスです。閃いたとき、喜んで進んで、テキパキと仕事をすることで、最高のパフォーマンスを発揮することができます。怠惰な生活をしていると、そうした気づきを感じる力は衰えてしまいます。 このような朝活を実践し、職場や家庭、地域社会をよりよいものにしていくことを目指しています。どなたでも参加できますので、ぜひモーニングセミナーを聴きに来てください。
(文責・菅原浩太) 鎌倉市倫理法人会事務局
045・315・2433
045・315・2434


鎌倉朝日新聞社

国際女性デーキャンペーン

ソロプチミスト鎌倉

女性と女児の生活を向上させるようと活動している国際ソロプチミスト鎌倉(後藤文子会長)が3月8日の国際女性デーに先駆けて1月18日、鎌倉市大船の鎌倉女子大学で学生を対象にキャンペーンを行った=写真。 国際ソロプチミスト三浦、国際ソロプチミスト川崎―百合との合同で、会員約20人が同大学のホールで行われた昼のコンサートに集まった学生たちにチラシを配り、活動をPRした。 後藤会長は「興味を持って質問する学生もいて活動を広める良い機会となった」と手ごたえを感じていた。


鎌倉朝日新聞社

新刊『オヒョイ 父、藤村俊二』

藤村亜実 著

昨年1月に亡くなった俳優の藤村俊二さんの記念碑が、出身の地である鎌倉に建った(鎌倉やすらぎの杜/鎌倉市浄明寺2―3―14)。 スバル座の社長を父に持ち、映画に親しんで育った藤村さんは、日劇の一員として渡欧し、帰国後は「8時だョ!全員集合」などの振り付けを担当。「オヒョイ」の愛称で親しまれ、晩年まで俳優として活躍した。 その死を一人で看取った長男の亜実さんが、このたび父親との思い出を本にした。若い頃の写真や家族へあてた手紙から、オヒョイさんの粋で愛情深い姿が伝わる。 父親が藤村俊二であるとはどのようなものなのか、簡単には想像できない。しかしここに書かれているのは「芸能人の家族」という遠い世界の話ではなかった。家族を愛し、その人を失うという、誰もが恐れながら通る道である。
1404円、勉誠出版刊 03・5215・9021


鎌倉朝日新聞社

『随想集 三浦半島 森と海辺と大地から』

須田漢一 著

逗子に生まれ育ち、幼いころから自然に親しみ、リタイア後、山や森を歩き随想を綴っている須田漢一さん(79)が本を出版した。 三浦半島の小網代の森、光の丘水辺公園など自然観察会で出会った貴重な動植物や、昆虫、海の生物などの観察記録を、今、伝え残したい半島の豊かな自然と魅力として紹介している。新ハイキングクラブ、かながわトラストみどり財団、小網代緑地保全支援会。水辺公園友の会などの会員。
1,620円、かまくら春秋社刊 0467・25・2864



終の棲み家を考える44

床暖房の種類

暖かいお正月だったのでこのところの寒さは少し厳しいですね。寒さを和らげる方法で床暖房を考えられている方も多いのではないでしょうか。 床暖房のやり方ですが瞬間湯沸かし型(電気を使った物)の床暖房と、蓄熱式の床暖房があります。瞬間湯沸かし型の床暖房の場合は温めたい時にスウィッチ入れ、使わなくなった時には切る方法で、床だけを温めます。暖かさを床だけからしか感じることはできません。蓄熱式の場合は22~23度に保たれた床から遠赤外線が全方向に伝わりますから、天井・壁・家具・部屋にある全ての物を同じ温度にするように働きますので、どこか一か所が高い温度になって暖かさを感じるわけではありません。ほんのり・ポカポカ体の芯から暖かさを感じることができて、春の暖かい日差しを縁側で日向ぼっこしているような感じにさせる暖房方法です。 ホテルや病院と同じように建物の中に入ればどこの場所に行っても同じような温熱環境になるのです。冷え切ってしまった部屋を急速に温める事より、低い温度でも同じ温度に保つ事の方が快適ですし、経済的です。それには断熱材やサッシの性能も大事な要素ですので工夫が必要です。これからの家づくりの基本は断熱性を高めることです。
日向建設
鎌倉市大船1―15―3
0467・47・5454
http://www.hyuuga.co.jp


鎌倉朝日新聞社

だんかづら

足が長い「チャチャ丸」15歳=写真手前=はおもちゃとゲームが大好き!「チョッ角」4歳は可愛がられることが好きな甘えん坊。兄貴と弟分のような2匹です。
   台 長嶋さん方

●あなたのペットのカレンダーを作って差し上げます。百字以内、写真同封でご投稿を。掲載後、カレンダーを贈呈!どんな生き物も可。住所・氏名・を明記、一面題字下住所の鎌倉朝日へ。



お知らせ

●鎌倉市公園協会の催し
▽ミニ園芸教室2月3・4・10~12・18・23~25日10時半、鎌倉中央公園。マツ類の接木法(3日)など。無料。
▽冬の川と水鳥18日13時半、笛田リサイクルセンター前。無料。
45・2750
●献血にご協力を
2月6日10~13時・14~16時、鎌倉市役所。
神奈川県赤十字血液センター 045・834・4619
●税理士による確定申告無料相談会2月6日10~16時、大船学習センター。公的年金等受給者で所得確定申告書を提出する人、年金受給者及び給与所得者で医療費控除の還付申告書を提出する人。
東京地方税理士会鎌倉支部 25・5220
●みどりのボランティア
2月10日9時半、建長寺回春院。要申込。
鎌倉風致保存会 23・6621
●第70回実朝忌俳句大会
3月4日13時、鶴岡八幡宮直会殿。講演と選句、講評など。投句料千円。
鎌倉同人会 松本方 046・852・3961


鎌倉朝日新聞社

雛壇飾り

鎌倉朝日新聞社

「人生フルーツ」

み る

▼ひな人形―おとめが受け継ぐたからもの 2月10日~3月4日鎌倉国宝館。同館に所蔵、寄託されている享保雛、内裏雛、調度品など一堂に。4百円。小中学生2百円。
22・0753
▼特別展 運慶―鎌倉幕府と霊験伝説
3月11日まで神奈川県立金沢文庫。運慶と鎌倉幕府の関係や関連作品の紹介。8百円。▽シンポジウム「運慶と東国の宗教世界」2月18日10時半、横浜市立大学金沢八景キャンパス。講演など。無料。
申込は往復ハガキに住所・氏名・を明記し同館 38・8003
▼愛は言葉だ!文豪のハートにふれるバレンタイン
2月18日まで鎌倉文学館。太宰治ら文学者の愛の言葉を原稿などの筆跡資料とパネルで紹介。3百円。
23・3911
▼葉祥明絵本原画展「パヤタスに降る星」
3月16日まで北鎌倉の葉祥明美術館。ごみ拾いで生計をたてるフィリピンの子どもたちを支援する山口千恵子さんが著した絵本原画展。6百円。
3月11日14時、著者の話し会。 24・4860
▼川喜多映画記念館
▽企画展「巨匠が愛した女優たち」3月11日まで。2百円。▽外国映画2月6~8日「ローマの休日」、9~11日「おしゃれ泥棒」、20~22日「ガス燈」22日上映後トークイベント。23~25日「イヴの総て」。千円、22日のみ千5百円。▽日本映画12・14・15日「西鶴一代女」。千円。16・17日「花岡青洲の妻」、16・18日「にごりえ」、18日「伊豆の踊子」。5百円。▽映画談話室「巨匠が愛した女優・杉村春子」16日15時50分。
23・2500
▼第34回湘南教職員美術展
2月7~11日鎌倉生涯学習センター。鎌倉市内小中学校教員らの絵画など約125点。無料。
市教育委 23・3000
▼第16回白鴎写真クラブ写真展「四季おりおり」
2月27日~3月5日鎌倉生涯学習センター。会員21人の作品約75点。
三澤方 045・742・8150
▼映画
▽「Life 生きてゆく」鎌倉逗子葉山上映会2月17日14時、逗子文化プラザ。東日本大震災の津波被害に遭った家族と残された一軒家をめぐる長編ドキュメンタリー。千円。
実行委 長石方 090・2678・6914
▽「認知症を支える」上映会2月19日10時、鎌倉生涯学習センター。認知症サポーター養成講座を同時開催。無料。要申込。
市高齢者いきいき課 61・3977
▽字幕付邦画鑑賞会「殿、利息でござる!」
2月21日12時50分、腰越学習センター。町を救うため無私の想いを貫いた江戸町人の活躍を描いた物語。無料。
市社会福祉協議会 23・1075
▽かまくらシネマ 木下惠介没後20年2月25日鎌倉芸術館。11時半「カルメン故郷に帰る」14時「二十四の瞳」。千3百円。
同館 0120・1192・40
▽鎌倉で映画とともに歩む会上映会3月16日13時半、鎌倉生涯学習センター。建築家夫婦の丁寧な暮らしぶりを綴った「人生フルーツ」と盲・聾の人々を追った「もうろうをいきる」のドキュメンタリー映画2本立。千8百円。
同会 藤本方 23・3935
▽春の映画会「聖の青春」3月2日14時、鎌倉生涯学習センター。病と闘い続けた棋士の29年の生涯を描いた実話。無料。
申込は19日までに往復ハガキに催し名・住所・氏名・を記入し同センター 25・2030


鎌倉朝日新聞社

螺鈿・蒔絵・鎌倉彫など

漆工房 時蔵展

2月2~7日鎌倉芸術館ギャラリー。
鎌倉山で漆塗創作をしている時蔵工房(岡英雄代表=4面「ひと」で紹介)会員約40人の作品約120点。 日常生活用具、茶道具、弦楽器など。無料。
同工房 32・1388



美術館・文学館めぐり

県立近代美術館
葉山
046・875・2800
白寿記念堀文子展 自然と生命を描いた水彩画など約百点、資料50点 ~3/25
1200円
鎌倉国宝館
22・0753
ひな人形―おとめが受け継ぐたからもの 享保雛、内裏雛、ひな飾り、調度品など 2/10~3/4
400円
鎌倉文学館
23・3911
作家と歩く鎌倉その2
由比ガ浜・材木座方面
芥川龍之介の手紙、武者小路実篤の書画など 4/15
300円
鏑木清方記念美術館
23・6405
幻想と文学―明治・大正の文学者との関わり 小説挿絵など文学に関連する作品と美人画 ~2/25
200円
鎌倉市川喜多映画記念館
23・2500
巨匠が愛した女優たち 映画女優をテーマにパネル展示など ~3/11
200円
観音ミュージアム
22・6100
秘仏出世大黒天―長谷寺の縁起仏とともに巻 大黒天立像、大黒様にまつわるお守りなど ~2/4
300円
県立金沢文庫
045・701・9069
運慶―鎌倉幕府と霊験伝説 ~3/11
800円
山口蓬春記念館
046・875・6094
めでたきは蓬春邸縁起文・吉祥文の魅力 縁起の良い吉祥文が描かれた絵画や陶磁器 ~2/4
600 円
藤澤浮世絵館
0466・33・0111
北斎と北斎派の江の島 北斎とその弟子が描いた江の島の風景など ~12/18
無料
横須賀美術館
046・845・1211
青山義雄展―きらめく航跡をたどる 70年以上の画歴を油彩などで振り返る 2/10~4/15
900円
茅ヶ崎市美術館
0467・88・1177
春季収蔵作品展
高校生アート展(~2/25)
花を題材に10人の作家の作品約60点 2/11~3/26
200円
神奈川近代文学館
045・622・6666
山川方夫と『三田文学』展 原稿や書簡で生涯と作品を振り返る ~3/11
400円
大佛次郎記念館
045・622・5002
大佛次郎の戦後日本 戦後日本の復興期に手がけた雑誌、作品など ~3/11
200円
横浜美術館
045・221・0300
石内都―肌理と写真 未発表作品含むモノクロ、カラー写真約200点 ~3/4
1500円
そごう美術館
045・465・5515
今右衛門の色鍋島―人間国宝の技と美 重要無形文化財「色鍋島」色絵磁器約180点 ~2/18
1000円
県立生命の星・地球博物館
0465・21・1515
レッドデータの生物 絶滅危惧種の調査・保全方法を写真と標本で紹介 ~2/25
無料


鎌倉朝日新聞社

ナターシャ・グジーさん(撮影:広川隆一)

き く

▼第13回未来・連福チャリティーコンサート「ふるさとの風」
2月11日13時、建長寺。東北で被災した子どもたちを鎌倉に招待するためのチャリティー。吉田絵奈さんの鍵盤ハーモニカ、ウクライナの歌姫ナターシャ・グジーさんのバンドゥーラと歌。3千5百円、前売3千円。
未来・連福プロジェクト 齊藤方 23・2085
▼三遊亭わん丈の親子で楽しむ落語会
2月8日11時、逗子市子育て支援センター。育児世代のための親子で楽しめる落語会。無料。申込不要。
同センター 046・871・5001
▼ハートマークチャリティ「朗読三昧」
2月25日13時半、鎌倉商工会議所。俳優金田賢一さんの朗読と鍵盤楽器演奏家丸尾めぐみさんの演奏。「しあわせの王子」など。2千円、前売千5百円。
神奈川県宅地建物取引業協会鎌倉支部 23・2085
▼4酒のカクテル
3月2日19時、みなとみらい小ホール。鎌倉在住の音楽家ユニット・Greedy(グリーディ) Nous(ヌー)の村田望さん・荒井恵美さんの歌と中澤美紀さん・坂元陽子さんのピアノでフォーレ「タランテラ」など。3千円。
スタジオ・エスポワール 090・2207・0031
▼鎌倉交響楽団第15回ファミリーコンサート
3月3日14時、鎌倉芸術館。ソプラノによるアリアとバレエ音楽。歌劇「トスカ」より『歌に生き恋に生き』など。千円。
25・3512
▼湘南モーツァルト愛好会 第165回例会
3月4日14時、藤沢リラホール。佐藤久成さん、杉谷昭子さんのジョイントコンサート。モーツァルト「ヴァイオリンソナタ」など。4千円。
0466・872・1963
▼第21回 癒しのクラシックコンサート
3月4日14時、藤沢市民会館。ベートーヴェン「交響曲第6番『田園』」など。湘南鎌倉総合病院小林修三院長代行の講演「作曲家の病と音楽」も。3千円、ペア5千5百円。
癒しの医療を考える会 0466・26・3028
◆10組20人ご招待 申込は10日までに往復ハガキに氏名・住所・年齢・を記入して1面題字下住所の鎌倉朝日へ。
▼第14回キラキラ☆ハーモニカコンサート
3月10日13時、藤沢市民会館。鎌倉、湘南のハーモニカクラブの演奏。無料。
実行委 080・5644・3175



購入新図書のリスト抄

鎌倉市中央図書館(12月分)

鎌倉市中央図書館(25・2611)は12月に一般232冊、児童書44冊を収蔵した。一般的なものは下記の通り。 ▼「平家政権と荘園制」前田英之著(吉川弘文館)▼「究極の美仏運慶と快慶―天才仏師・運慶と快慶の至宝を撮りおろしの写真で紹介!完全保存版」〈エイムック〉(枻出版社)▼「鎌倉近代建築の歴史散歩」吉田鋼市著(港の人)▼「知事と権力―神奈川から拓く自治体政権の可能性」礒崎初仁著(東信堂) ▼「戦争調査会―幻の政府文書を読み解く」井上寿一著〈講談社現代新書〉▼「南極大陸完全旅行ガイド」「地球の歩き方」編集室著 田島和江監修〈地球の歩き方gem STONE〉(ダイヤモンド・ビッグ社)▼「美しすぎる「数」の世界―「金子みすゞの詩」で語る数論」清水健一著〈ブルーバックス〉(講談社)▼「漢方薬使い分けの極意―マトリックスでわかる!」渡辺賢治著(南江堂)▼「脱!SNSのトラブル―LINE フェイスブック ツイッターやって良いこと悪いこと」佐藤佳弘編著(武蔵野大学出版会) ▼「明日を変えるならスポンジから―暮らしの道具を選ぶこと」一田憲子著(マイナビ出版)▼「自分をいたわる暮らしごと―おしゃれで心豊かな日々の重ね方」結城アンナ著(主婦と生活社)▼「ま・ごはん―0歳からの愛情レシピ」片岡譲著(木楽舎)▼「女性とツーリズム―観光を通して考える女性の人生」友原嘉彦編著(古今書院)▼「中学生棋士」谷川浩司著〈角川新書〉▼「建築文学傑作選」青木淳選〈講談社文芸文庫〉



まなぶ

▼中村天風心身統一法鎌倉講習会
2月3日14時、鎌倉商工会議所。「積極観念の養成法」など。千円。
天風会認定鎌倉の会 44・4461
▼市民公開講座・シンポジウムin鎌倉
2月11日13時、鎌倉女子大学二階堂学舎。「かみ合わせ治療で変わる心身の健康・美容・長寿」を大阪大学丸山剛郎名誉教授と武蔵野学院大学大学院澤口俊之教授が話す。無料。申込はF03・3538・0346日本咬合臨床研究所公開講座事務局
03・3538・0347
▼鎌倉の震災志に学ぶ防災と減災
2月17日13時半、建長寺。関東大震災の記録「鎌倉震災史」を研究している鎌倉市役所自主研修グループ「NAMAZUの会」が防災と減災の方法を話す。3百円。
神奈川県建築士事務所協会鎌倉支部 42・7920
▼生花でつくるケーキフラワー
2月18日10時、ふじさわ宿交流館。藤沢マイスターから生花やリボンを使った初心者向けのフラワーアレンジメントを学ぶ。高校生以上。千円。
申込は8日までにハガキで藤沢市産業労働課 0466・25・1111
▼ロッキード事件と日本社会
2月18日13時半、鎌倉芸術館。ロッキード事件の衝撃と日本社会に与えた影響を学ぶ。5百円。要申込。
湘現会 桑原方 046・872・2213
▼日本総合書芸院文化講演会「印と向き合う」
2月18日14時、鎌倉商工会議所。書道展審査会員池田光希さんから篆刻と落款のことを学ぶ。無料。要申込。
23・2100
▼鎌倉のまちなみと伝統木構造
2月20日14時、鎌倉生涯学習センター。建築士で鎌倉湘南景観フォーラム梅沢典雄理事から伝統木構造を学び鎌倉らしさの景観を考える。5百円。17日までに要申込。
鎌倉同人会 吉田方 090・5765・4125
▼第3回鎌倉論語素読会
3~7月までの第2・4日曜10時、鎌倉論語会館。第1期全10回。論語直訳文を朗読後、解説、意見交換。1回5百円。要申込。
論語の教えを広める会 小出方 090・7015・1822


鎌倉朝日新聞社

ワラビ

季節の心⑲

春が立つ  佐伯 仁

●立春とともに春が来る
いよいよ2月。節分の翌日が立春です。春という言葉で心は浮き立ちますが、寒さは今が一番、厳しいとき…。 大正2年(1923)に作られた『早春賦』の一節に「春は名のみの風の寒さかな~」という歌詞をみても風の冷たさが早春の特徴のひとつでしょう。その上、2月は寒暖の差が激しいシーズンです。これは北風が衰え、南からの風が日本付近で入り乱れるからでしょう。 こうした自然界の動きを私たちの先祖は敏感に捉え、農作業を始める時としてきました。「春」は「木の芽が張る」に由来したとも言われます。 英語の「春」は「スプリング」で水が湧き出る「泉」という意味もあり、万物が躍動する季節…。   因みに「季節」は英語「シーズン」、フランス語「セゾン」―どちらも「種を蒔く」というラテン語に由来します。洋の東西を問わず、春は待ち遠しい季節。 一方、「立春」の「立」には「立ち現れる」という意味があります。「虹がたつ」「噂がたつ」「夢枕にたつ」さらに「神立ち(雷、雷鳴)」「夕立」の急な雨などがあげられます。 奈良の人々は東大寺の「お水取り」で春の訪れを実感するといいます。
 水とりや氷の僧の
 沓(くつ)の音  芭蕉



さんか

▼国際文化フォーラムinフェアトレードタウン逗子
2月4日11時、逗子市民交流センター。福祉とフェアトレードをテーマに開催。11時、逗子チョコ展示と販売。13時、ネパリ・バザーロ土屋春代代表が国内に広がる取り組みを紹介。15時、学生の活動発表など。ワークショップ、マーケットも。無料。
逗子市市民協働課 046・873・1111
▼第3回逗子復幸男女決定戦
2月11日10時、法性寺(逗子市九木)。児童部門(小学1~6年)と男・女部門に分かれ山門から本堂正門までの坂をあがるコースで福男女を決める。無料。
申込はメールbusbanred@gmail.com逗子災害ボラバスターズ 服部方
080・5095・5763
▼うみの環境調べ隊調査活動―由比ガ浜海岸冬編
2月11日13時、由比ガ浜海岸。専門家指導のもと海岸の環境調査を行い環境改善の方法を考える。小学校高学年~中学生。無料。申込はF0467・22・5164チームくじら号 山田方
23・9110
▼鎌倉歩け歩け協会
▽干支守り本尊参り2月4日8時50分、鎌倉駅西口横浜銀行駐車場。5百円。▽5㌔はつらつウォーク13日永福寺公園散策。9時50分、鎌倉駅西口時計台広場。2百円。▽10㌔ふれあいウォーク20日大船発・ふたつの跨線橋を渡る。9時50分、湘南モノレール大船駅デッキ。27日常盤亭跡から登る常盤山。9時50分、鎌倉駅西口時計台広場。2百円。
090・2633・3715
▼鎌倉史跡めぐり
▽梅ほころぶ片瀬・腰越を訪ねる2月8・9・13日9時、湘南モノレール大船駅改札裏側広場。龍口寺など。▽西湘の古拙・寳金剛寺で平安秘仏を特別拝観15・20日9時半、国府津駅改札口前。別所梅林、城前寺など。▽梅薫る六浦路、密教の古拙四カ寺巡礼16・19・21・23日9時、鎌倉生涯学習センター。宝戒寺、覚園寺、杉本寺など。 各5百円(交通費・拝観料別)。申込は1週間前までにハガキかFで。
鎌倉ガイド協会 24・6548 24・6523
▼鎌倉てらこや
▽てらハウス2月毎土曜日10時、大船の千里ビル。午前学び、午後遊び。千円。▽土と遊ぼう11日14時、鎌倉市山崎の陶芸家・河村喜史さん宅。陶芸体験。2千円。
小中学生と保護者。 84・9746
▼北鎌倉・台峯の緑をともに
▽山の手入れ2月17日10時、山ノ内配水池横。
▽山歩き18日9時、山ノ内公会堂。
北鎌倉の景観を後世に伝える基金・望月方 45・7420
▼ずしまちリクエスト「商店街たんけん隊!」
2月17日13時、逗子市民交流センター・逗子駅周辺商店街。まちの仕事や人との出会いから「働くこと」を考える。小学1~6年。5百円。要申込。
逗子文化プラザ市民交流センター 046・872・3001
▼第10回鎌倉子供囲碁大会
2月18日10時、光明寺。鎌倉市を中心に近郊の囲碁好きな子どもたちの競技大会。中学生以下。千円。要申込。
実行委 近藤方 31・7538
▼第233回歌のサロン
2月28日14時、鎌倉生涯学習センター。参加型合唱とミニ演奏。千円。
古川方 22・2131
▼逗子の市(雨天中止)
亀岡八幡宮境内。▽フリーマーケット2月23日9~15時。雑貨・衣類・手造り品など約20店。
▽骨董市24日8~15時。出店者募集。
片岡方 090・5442・3778
▼「鎌倉かるた」で遊ぶかるた大会
3月3日10時、建長寺。子どもや家族などで4人1組のチームを組みトーナメント方式で優勝を競う。3千円。
申込は20日までに鎌倉ペンクラブ 24・4002
▼逗子市観光協会の催し
▽小坪わかめ収穫祭3月4日10時、逗子駅前広場。養殖わかめの詰め放題、浜値販売。アカモク・わかめPRイベントも。▽アカモク収穫体験3月6・13日9・13時、小坪漁港・逗子市漁業振興センター。漁師と収穫の体験。5百円。要申込。
同協会 046・873・1111



東北応援つばき油プロジェクト

陸前高田に送る椿の実募集

東北の被災地支援の一環で陸前高田にある就労継続支援事業所に送る椿の実を3月まで募集している。
送り先は鎌倉市雪ノ下3―1―32の「さかい内科・胃腸科クリニック」(23・0015)。
集めた実は製油され、製品として販売。


鎌倉朝日新聞社

「宇治川」原田寛さん

鎌倉朝日新聞社

「建長寺」深瀬道子さん

原田寛作品展「KATACHI」と

第19回風景写真講座作品発表展も

2月20~25日鎌倉生涯学習センター。 鎌倉在住の写真家・原田寛さんが古都で日本独特の意匠を捉えた作品約40点と原田さんが講師の講座会員が「鎌倉の四季」を写した作品と基礎科会員作品約百点。無料。 23日10時からギャラリートーク。
星月写真企画 23・3694


鎌倉朝日新聞社

カフェの風景

食を通じて多世代交流

「ふらっとカフェ鎌倉」

食を介した心豊かな地域社会づくりを目指す「ふらっとカフェ鎌倉(渡辺公子代表)」がみんなの食堂「ふらっとカフェ」を毎月開催している。 昨年3月の開始から12月までに32回開催。0歳~高齢者まで誰でも参加できる世代交流の場。 2月は13日ロッシーズ、21日ソンベカフェ、23日鎌倉静養館。いずれも16時~18時半。中学生以下2百円、大人4百円。申込不要。
渡辺方 090・5199・1654


鎌倉朝日新聞社

気軽に健康測定・相談レ

「未病センターかまくら」開設

気軽に健康状態や体力等をチェックすることで現状を知り、その結果に基づくアドバイスや「未病改善」の取り組みのための情報提供を受けられる場「未病センターかまくら」が1月22日鎌倉市御成町の鎌倉福祉センター1階に開設された=写真。神奈川県の認証を受けた施設で、県内で28番目の設置。 身長・体重・体組成、骨密度、血管年齢とストレス、貧血、肺年齢、血圧の6種の測定ができる健康機器があり、保健師等による健康に関する相談・アドバイス、食・運動などの情報提供、健康づくりプログラムの実践及び提供、情報交換等の交流の場などとなっている。 平日(月曜~金曜)午前10時~午後3時、利用料は無料か実費程度。
問い合わせ市民健康課 0467・61・3943


鎌倉朝日新聞社

被災地に温もりを!

湯たんぽカバー募集

被災地支援の一環で、2011年10月から被災地に湯たんぽと湯たんぽカバーを届けている「みんなで作ろう湯たんぽカバーの会」(橋本等代表)が昨年暮れ、東北や熊本の被災地に湯たんぽカバー250枚を送った。これまでに送った総数は8,028枚にも及ぶ。 湯たんぽは当初は同会が購入して送っていたたが、取り組みを知ったプラスチック製造会社「辻本プラスチック工業」(奈良県天理市)から製品の寄贈を受けている。 カバー作りは橋本さんの呼びかけで、幼稚園児、小中学生、高校生らが親子で作ったり、子育て世代から90歳のおばあちゃんまでが参加。 橋本さんは「温もりを届けたい」と引き続き協力を呼びかけている。カバーのサイズは、タテ40㌢、ヨコ30㌢で巾着タイプ。木地は低温やけどを避けるため、厚手のものがよく、メッセージ入りも歓迎。ミシン、木地、毛糸、紐や糸、タオルなども集めている。
送付先は鎌倉市台1672 橋本方。
問い合わせ 090・4946・6012


鎌倉朝日新聞社

スケッチ日和⑦

「水仙」  黒川 明

瑞泉寺は二階堂の奥にある。固いつぼみの梅林を横目に登る。山門をくぐると水仙が咲いていた。冬の木洩れ日に白い花が浮き上がり、そこにだけ春が来ているのではないかと思うほど温かさを感じた。 人の姿はほとんどなく、ヒヨドリが時おり鳴いている。コートの中を風が吹き抜けていった。風は、まだまだ冬だぞと言っている。でも、水仙も梅もヒヨドリも、そして私も知っている。春はもうすぐ、そこまで来ている。
水彩、31×41㌢



プロのお知恵拝借

藤沢で〝まちゼミ〟

市内の商店街の店主が講師となり、専門知識やプロならではのコツを無料(一部材料費負担の講座も)で提供する少人数制のミニ講座「藤沢まちゼミ」が2月12日から3月12日まで藤沢駅、辻堂駅周辺で開催される。 お客様と店が信頼関係を築くことを目的に、藤沢で初の試み。「美容・健康」「つくる」「まなぶ」「たべる」の4種類で、親子参加の正しい姿勢づくりや金融教室、料理、マッサージなど49講座。 申し込みは1月26日から参加店へ。
問い合わせ主催の藤沢商工会議所 0466・27・8888
藤沢市商店会連合会 0466・23・3536


鎌倉朝日新聞社

連続セミナー第6回

鎌倉で「木」と暮らす ~快適な暮らしを手に入れる4つのステップ~

第4部 50代からの〝お金〟と〝リフォーム〟、
〝家づくり〟勉強会
~知って得する3つの税対策~

戸井田工務店企画の連続セミナー。
2月17日の第4部では税理士が相続・税金に関するお得な情報をお伝えします。 新築・リフォームを問わず家づくりにおいて避けることのできないお金の話。ほんの少し知識を増やすだけで、家づくりが大きく変わります。 2月17日(土)午前10時、鎌倉商工会議所会館(御成町)。参加無料、要事前申込(先着15人)。
申込・問合せ戸井田工務店 0467・24・7777
メールinfo@kamakura-standard.com



鎌倉年中行事

2月

▼節分祭1日14時頃、大船観音寺。3日10時、森戸神社(葉山)。11時、建長寺。正午、長谷寺。13時、鶴岡八幡宮。13時半・15時、遊行寺(藤沢)。14時、龍口寺。15時、鎌倉宮・亀岡八幡宮(逗子)。
▼初午祭7日正午、佐助稲荷。14時、鶴岡八幡宮境内の丸山稲荷。農業神の大明神に豊作祈願。
▼針供養8日10時半、荏柄天神社。
▼紀元祭11日10時、鶴岡八幡宮。建国を祝う。
▼大国祷会成満祭11日、長勝寺。10時半水行。
▼涅槃会15日10時、建長寺。13時、龍口寺。14時、光明寺。他各寺院。釈迦入滅の法会。
▼祈年祭17日10時、鶴岡八幡宮


プロムナード

文章や名前を実際に声に出すことにより間違いに気がつくということがあります▼全国の書店から電話注文を受ける際に、書名の読み間違えが見受けられます▼例えば、鎌倉にも関係ある人物『新渡戸稲造ものがたり』。「しんわたりといなぞう」と読まれることも多く、「以前の五千円札の人ですよ」と伝えて読み方を教えることがあります▼小学生の頃に御成、佐助などの地名に関して、イントネーションの違いを指摘されたことが思い出されます▼由比ヶ浜・由比ガ浜、浄妙寺・浄明寺など、表記の違いに関しては文字媒体で伝えることができますが、イントネーションの部分を継承する難しさと大切さを感じます。(N)


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