鎌倉朝日新聞 (5月1日号 2020年 第494号)

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寄贈された『西本願寺本萬葉集」(覆製)

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万葉集研究の偉業を遂げた仙覚を顕彰する碑=鎌倉・妙本寺

西本願寺本萬葉集を寄贈

鎌倉仙覚文庫で展示予定

現存する万葉集のうち全巻を完備する最古の写本である『西本願寺本萬葉集』20冊(鎌倉時代後期写)(覆製)が3月末に鎌倉市に寄贈された。市と学術分野での包括連携協定を締結した青山学院大学小松靖彦教授の仲介で、出版社の元株式会社「おうふう」の坂倉良一社長から贈られたもの。市では、市制 80 周年事業の一環で昨年、市中央図書館に開設した 「鎌倉仙覚文庫」の重要資料として展示紹介する予定。 1冊の大きさはタテ321㍉ヨコ 248㍉で、表紙に特漉近江雁皮紙、本文には特漉越前鳥の子紙が使われている。多色オフセット印刷、大和綴で製本されて、特上総桐箱(幅287㍉×奥行365㍉×高さ400㍉)の引き出し5段に4巻ずつ納められている。 この覆製は、1984年(昭和59 )5月に主婦の友社が、当時の高度な印刷技術により墨色、朱色、紺青色を装丁とともに正確に再現して150部限定で刊行した。当時の販売価格は150万円だったという。 『西本願寺本萬葉集』 は鎌倉時代後期の1266年に学僧・仙覚が完成させた『仙覚文永三年本萬葉集』の書写本。全20巻からなる現在確認できる最古の完本写本。仙覚と親交のあった北条実時が完成後間もなく書写したものを、さらに書写したものと考えられている。 鎌倉幕府滅亡後に足利義満が北条実時創建の称名寺に使者を遣わし貴重な書籍を収集した折に入手し、後年皇室に献上したもの。名称は、後奈良天皇が本願寺第 10 世の証如に下賜して西本願寺の蔵書となったことから、佐佐木信綱が命名した。1913年(大正2)借財整理のため本願寺が同書を放出した後、1917年(大正6)に佐佐木信綱が入手した。 のちに信綱の蔵書約2千冊の万葉集関係の資料は、1944年(昭和 19 )に主婦の友社創業者石川武美氏が一括購入し、石川武美記念図書館(東京・神田駿河台)に所蔵されている。 万葉集には鎌倉の関連歌が数首あり、市内大町の妙本寺の石碑(昭和5年、鎌倉青年団が建立)に、仙覚が相州鎌倉比企谷新釈迦堂で万葉集研究の偉業を遂げたことが記されている。また、近代万葉集研究の礎を築いた歌人で研究者の佐佐木信綱は、1921年(大正 10)、鎌倉市大町に「溯川草堂」を設け執筆の場とし門下生を育てながら鎌倉の文人と交流した。 市では、こうした万葉集とのゆかりを踏まえ、その後の「古今和歌集」「源氏物語」研究の系譜を継承することを目指して昨年11月、市中央図書館内に「鎌倉仙覚文庫」を設立した。


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針磨橋の石碑=1928年(昭和3)鎌倉町青年団建立

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3月にできた針磨橋の案内板

針磨橋の案内板を新設

由来伝える石碑の写真入り

鎌倉市極楽寺の針磨(はりすり)橋(はし)の石碑のあった場所に3月末、鎌倉市が新しい案内板を設置した。 鎌倉市内には、その地名の由来や史跡について刻み込まれた石碑が80基ほどあるが、これは大正から昭和にかけて当時活躍した鎌倉町青年会、後の鎌倉町青年団などが建立したもの。 民有地の中に建っているものも多く、この針磨橋前の石碑もその一つ。昨年5月末、「家の建て替えのため石碑を撤去したいが」と土地所有者が鎌倉市に相談したが、当時、担当部署が明確でなかったため、適切な回答が得られないままに石碑は撤去されてしまった。 碑がなくなったことを残念に思った土地所有者と極楽寺自治会・自栄会が、市に碑の再建を要請。昨年からの話し合いの結果、案内板の建立が実現した。 案内板は、横59・2㌢、高さ164㌢のスチール製で、市の観光課が、板面の内容を同自治会や文化財課に相談し、橋の名前の由来とこの場所に鎌倉青年団の建てた石碑があったことを記し、鎌倉市図書館から提供をうけた石碑の写真を入れた。 鎌倉市教育委員会文化財部の桝渕規彰部長は、「指定文化財になっていない民有地内の物件の維持管理は所有者にまかせている。しかし、鎌倉の石碑は歴史的な場所を顕彰した行為を示す広い意味での文化財で、鎌倉の近代史を語る上で材料になる。地域で守っていくことも大切だし、将来的に市が近代以降の文化財を整備していくことも大切だと思う」と述べ、「今後、このような件は、文化財課が窓口になって対応する」と明言している。



◆編集室から

鎌倉朝日は、新型ウイルス感染拡大対策の緊急事態宣言発令に伴う施設の休館やイベントの自粛などで活動が制限され、5月号を4ページで発行しています。連載は一部を除きお休みしました。 読者の皆様、協力いただいている広告主や販売店の皆様におわび申し上げるとともに、この危機を乗り越えていけるよう尽力します。
今後ともご愛読よろしくお願いいたします。


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「ひと」
NHK大河ドラマに協力する市の窓口

石川雅之(いしかわまさゆき)さん

2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の制作に協力しようと鎌倉市観光課に4月新設された「大河ドラマ・オーバーツーリズム」部門を任された。「町の人々の力を結集してドラマ作りに協力し、いい意味で鎌倉文化を見直すチャンスにしたい」との意気込みを胸に始動した。 ドラマは三谷幸喜さん作で、鎌倉幕府誕生を背景に権力の座をめぐり繰り広げられるパワーゲーム。主役の2代執権・北条義時を演じるのは小栗旬さん。 大河ドラマは番組の終わりに「名所旧跡、ゆかりの地紹介」がある。NHKと調整してどういう風に鎌倉を発信していくか。「推進協議会のようなものを作り〝いざ鎌倉″に備えたい」と語る。 もう一つのミッションはオーバーツーリズム(過剰観光)対策。番組放映時には地元が「ドラマ館」を作ることになっている。そこに観光客が押し寄せるのは間違いない。建設の場所はどこに?市民生活と共存するにはどうしたらいいか。「課せられた仕事は結構大変」と気を引き締める。 東京都港区高輪で生まれ育った。大学、大学院では新元号「令和」の考案者と目される中西進氏に師事し、万葉集を研究した。30歳を前に学者への道から教師に転じた。平塚江南高校などで国語を教え、最後は鎌倉高校の副校長だった。 2018年、一般の人にはあまり知られていない鎌倉の文化コンテンツの掘り起こしなどを担当する市の職員公募に応じ、採用された。文化人権課の課長として2年間、鎌倉が万葉研究ゆかりの地だったことなどを発掘、「知られざる鎌倉」としてまとめ上げた。映画撮影の依頼を受ける窓口の一本化も任され、6月から市観光協会にロケーションサービスを担ってもらう協定締結にこぎつけた。今回はその2年間積み上げた知見を発揮できる仕事だ。 趣味は50歳近くまで読書と音楽鑑賞だった。「これではつまらない」と思い、インターネット新聞に映画・演劇レビューを書き始め、その数は200本を超えた。「発願(ほつがん)」を信条にしている。大事なのは願いを立てることだ、と教員時代に生徒たちに熱く説いてきた。鎌倉ペンクラブ会員。腰越に妻と2人住まい。63歳。
(文・写真 三浦準司)


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木版画 藤本宿

谷戸の風(73)

ハッピー  山 内 静 夫

新型コロナウィルスに感染して、多くの人が亡くなって、他人事のように感じてはいたけれど、志村けんさんがコロナ感染で死去したニュースが報じられ、この病気が我が身に迫ってくる思いがした。 志村さんは知り合いではないけれど、テレビを通じてあったかい感じのする人だった。映画とちがって、テレビでお馴染みの俳優さんは身近に感じられ、その中で志村さんは芸人臭さがなくて、ほんとうに親しみのある人だった。 小町通りという鎌倉の目抜き通りに〝BAR BERハッピー〟という昔ながらの床屋がある。時代とともにどんどん変わっていく通りの店の中で、この店だけは歴史の重みがあり、あったかみを感じさせる。 〝ハッピー〟という店の名前がいかにもハイカラでその響きが持つ親しみやすさに独特の匂いがあり、店の扉や窓の形にレトロな雰囲気があり、時代をあらわしているかのようだ。 月に一度通っていた。予約客しかとらない。あるじはおばちゃん。60歳後半、70歳に近いかと想像していたら今年85歳だという。気楽に話をし、椅子に座ったらお任せ。何も言わない。


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人影のまばらな鎌倉・小町通り=3月中旬

鎌倉観光自粛の呼びかけ

新型コロナ対応の支援策も

新型コロナウイルス感染拡大緊急事態宣言の発令を受け、4月16日、鎌倉市と市商工会議所(久保田陽彦会頭)、観光協会(大森道明会長)の三者は、鎌倉への訪問自粛を呼びかけた。これは、4月7日付で発令された政府の緊急事態宣言以降、全国で外出自粛が強化されているが、他地域から鎌倉への訪問者が多くあることからさらに自粛強化を要請したもの。 松尾崇市長「今は命を守ることを最優先にしたい」、久保田会頭「早くこのトンネルを抜けたいという事業者の声をきく。少しでも現状を打破したい」、大森会長「自分だけは大丈夫と考えず自粛を」と呼びかけた。 鎌倉市は、市内の飲食店などの中小事業者を対象に、家賃を最大で100万円(1月当たり50万円×2カ月)補助する方針を打ち出した。売り上げが前年同月比で5%以上減少したことが条件。総額2億円を想定し、市の財政調整基金やふるさと納税を活用する予定。 神奈川県社会福祉協議会は、新型コロナウイルスの影響による休業や失業で生活資金に悩んでいる方のために、緊急貸付を無利子で行っている。
▽休業者向け「緊急小口資金」10万円以内▽失業者向け「総合支援資金(生活支援費)」月15万円~20万円以内。窓口は最寄りの市区町村の社会福祉協議会。


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タンジー村の井戸完成

世界中がみんなで立ち向かう新型コロナウイルス感染の現状とMFCGの活動〝STAY HOME

ミャンマー ファミリークリニックと菜園の会(33)
   代表理事 名知仁子

我々はミャンマーの僻地ミャウンミャという地域で15の村を巡回しながら移動クリニックと家庭菜園レベルの有機野菜栽培の支援を行っています。「医」だけでなく「食」の2本柱で人の「命」を育み、「夢」を繋ぐ活動をしています。 現在、世界中に広がっており新型コロナウイルス感染症で、感染してしまった方、惜しくも亡くなってしまった方々へ心から祈りを捧げさせていただきます。 4月19日時点でミャンマーでも110人を超す感染者が発生し (死亡4人)、その数は徐々に増加しています。4月初めにミャンマー政府からロックダウンに近い厳しい指示が出ました。 4月中頃のミャンマーのお正月(別名水掛祭り)は、例年ですと華やかなイベントが様々な場所で開催されますが、今年は道路に一人も人影が見られない静かなお正月となりました。ミャンマー政府の本気さと人々が発令を守ろうとする姿勢に、ミャンマー人の気質などを感じています。 MFCGの活動もそれに従い、現場へ行けたのは4月1日まで。この日は、昨年1月から計画していたタンジー村(124世帯)でお産のために安全な水を供給する井戸掘りをしていたのが完成したからです。 村の住民と何回も何回も話のすり合わせをしました。最終的にどうやったら彼らが自分たちで井戸とそこから発生する電気の供給をマネージメントできるかの結論を昨年12月に出し、それから井戸を掘り始めました。 作業は水が出てこなかったりしてなかなかスムーズにいかず、いろいろなハプニングが起こりました。そして水が出た後、希望する90世帯に電気供給の工事を行おうとしたところで中断せざるを得ませんでした。 これから世界がどうなるのか不安を抱えている方も大勢いるでしょう。しかし、この状況を解決できるのは我々1人1人の意識と行動だけだと感じています。世界が1つになりこの困難を乗り切りたいと思います。
事務局 東京荒川区東尾久8―41―23
FAX 03・6807・7499
myanmarfcg.info@gmail.com
http://mfcg.or.jp/
https://www.facebook.com/mfcg.or.jp

【この記事は清興建設提供】


新刊『第七棟への道―あるカウンセラーの遍歴』

矢澤佑介

鎌倉市在住の著者が長年携わっていた仕事にまつわるエッセイ集。前半はカウンセラーへの成り行きのエピソード、後半は事例とカウンセリングの理念やスキルの一部がエッセイ風に判り易くやや面白く書かれている。 著者は大学卒業後約10年勤めた大手企業を退職し、まだ一般的でなかったカウンセリングという分野を学び、1970年にカウンセリングの先進国アメリカでも研修をした。帰国後は大手自動車工業の産業カウンセラーはじめ複数の企業・自治体の職場メンタルヘルス問題の教育研修の講師や多くの個人カウンセリングも行い80歳まで現役として活動した。 日本カウンセリング学会認定カウンセラー会元常任理事。
創英社/三省堂書店 03・3291・2295



終の棲み家を考える 73

屋根がおかしい

先日当社のお客様の所に、「近所で工事をしている者ですが、お宅の屋根がまくれていますので見てあげます」とインターホン越しに訪問があったようです。お客様は不安になり、屋根に上らせ確認してもらったそうです。業者は割れた小さなスレートの破片を見せ、「そろそろ屋根替えの時期に来ているので安く工事をしてあげますよ」と言って金額を提示し、「今キャンペーン期間なので提示額より20%安くできます」と営業をしていったそうです。まだこんな訪問販売をしている業者がいるのに驚きましたが、オレオレ詐欺の被害が一向に減らない状況と重なって恐ろしい事です。 スレートの屋根は年数が経つと固くなり、人が乗ると割れやすくなっていますので軽々しく登ってはいけません。シロアリの訪問業者も同じで事前に小瓶にシロアリを入れて床下に潜り、「いましたよ」と見せるやり方が横行していました。 訪問営業がすべて悪いわけではありませんが、家に関しては出入り業者を決めておかないと多大な出費してしまう事があるので注意したいものです。個人のお宅でそれぞれの職種の業者を決めておくのは大変なので、一番いいのはその家を建築した元請け業者との関係を強くすることです。建売や中古住宅で手に入れた方は近所の工務店、建設会社と日頃から相談できる関係を築くとよいでしょう。
日向建設
鎌倉市大船1―15―3
0467・47・5454
http://www.hyuuga.co.jp/


鎌倉朝日新聞社

だんかづら

みんな武蔵小山生まれ鎌倉育ち。 来た時はまだ500g位のチビだったので、名前は「ちびた・ちびこ・ちびみ」。お客さまには営業スマイルで対応しています。
由比ガ浜 渡辺さん方

●ペットの写真募集!
掲載後、その写真をカレンダーにして進呈します。
住所・氏名・を明記、1面題字下住所の鎌倉朝日へ。

●鯉のぼり
5月下旬まで逗子ホームせせらぎ園庭。約2百匹の鯉のぼりが遊泳。
046・873・2501



■新型コロナウイルス対策で、今後も催しの変更が予想されます。開催の有無は問い合わせ先に随時ご確認ください。


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「気狂いピエロ」(藍野純治)

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「曽根崎心中」

み る

▼川喜多映画記念館
▽企画展「映画ポスターの革命―ATG(アート・シアター・ギルド)の挑戦」6月14日まで。2百円。
▽関連映画5月19・21・23日14時、24日10時半「気狂いピエロ」、20・22・24日14時「薔薇の葬列」、29・30・31日14時「絞首刑」。各千円。▽シネマセレクション俳優加藤茂雄5月15・17日10時「曽根崎心中」、14・16日13時「浜の記憶」+「曽根崎心中」+トーク、15・17日13時「浜の記憶」+「鎌倉アカデミア 青の時代」+トーク。各千円、中学生以下5百円。トーク付千6百円、中学生以下8百円。
23・2500



き く

▼鎌倉芸術館の催し
▽鈴木大介とめぐる音楽の旅 6月28日14時。ギター鈴木大介・伊藤ゴロー、チェロ水谷川優子さんがブラジル・日本・フランスの曲を。3800円。▽東京楽所「雅楽の世界~七夕に響く古の調べ」7月12日14時。管絃・舞楽。4千円~。
0120・1192・40
▼鎌倉音楽クラブ
春のコンサート
5月31日逗子文化プラザでの公演は延期。
日比谷方 25・1611



さんか

▼槐(えんじゅ)の会写真展作品募集
テーマ「四季の鶴岡八幡宮」5月1日~7月20日持参か郵送。カメラの部千円、携帯・スマホの部5百円、高校生以下無料。
22・0315
▼逗子の市(雨天中止)
亀岡八幡宮境内。 ▽フリーマーケット5月22日9~15時。雑貨・衣類・手造り品など約20店。
▽骨董市23日8~15時。出店者募集。
片岡方 090・5442・3778
▼ふらっとカフェ鎌倉
食を通じて多世代交流。5月27日ソンべカフェ、29日鎌倉静養館、いずれも16時。大人4百円、子ども2百円。申込不要。
渡邊方 090・5199・1654
▼歌のサロン 5月は中止。
古川方 22・2131

▼鎌倉てらこや 5月は未定。
84・9746

▼鎌倉史跡めぐり 8月まで中止。
鎌倉ガイド協会 24・6548 24・6523

▼鎌倉歩け歩け協会 7月まで中止。
090・2633・3715

▼北鎌倉・台峯の緑をともに5月の山歩きと山の手入れは中止。
北鎌倉の景観を後世に伝える基金 45・7420

▼鎌倉風致保存会の催し5月の「みどりのボランティア」などは未定。
23・6621

▼鎌人いち場 5月は中止。



まなぶ

▼憲法記念日のつどい「出会いこそ、生きる力」
5月3日鎌倉商工会議所での講演は中止。
市文化人権課 61・3870


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季節の心(44)

筍を掘る  佐伯 仁

●初夏、甦る力の象徴
5月。夏近し。樹々の若葉は緑。光が眩しい。土中では筍が芽を吹く。新芽の十日間(旬)を筍と名づけ、後は竹と呼ぶ。 古代中国では竹の芽=筍は「生薬」、精力剤とし珍重された。また我が国では稈(かん)の空間を神聖視し、逞しい成長力を畏怖して生まれたのが、平安初期の「竹取物語」。 さらに竹のしなやかな弾力は竹細工に重宝。生活用具や民芸品など身近な素材として親しんだ。 同じ竹でも中世には華道や茶道に取り入れられ、わび・さびの美意識に曲線の美も創造。 江戸期、〝美〟を追う心は〝食〟へ向けられ、筍の人気は高く、竹藪には盗人が出没。江戸川柳には〝親竹は子を盗ませぬ垣となる〟とあり、ここには盗人に手を焼く様子が窺える。 また浮世絵には、竹藪で掘りたての筍を大事そうに小脇に抱えた着物姿の美女たちを絵師・豊国が華麗に写している。 気になるのは食用に適した孟宗竹の発祥の地。それは京都・長岡、乙訓(おとくに)地区の寂照院、境内に「日本孟宗竹発祥の地」の碑がみられる。鎌倉期、僧・道元が中国から帰国した際、この地に移植したという。
 筍の誕生仏を
  掘り起こす 森 澄雄



美術館・文学館めぐり

鎌倉朝日新聞社

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、急きょ中止・延期になる場合があります。開館状況については、各施設にお問い合わせください。



購入新図書のリスト抄

鎌倉市中央図書館(3月分)

鎌倉市中央図書館(25・2611)は3月に一般128冊、児童書11冊を収蔵した。一般的なものは下記の通り。 ▼「わたしのベスト3-作家が選ぶ名著名作」毎日新聞出版編 和田誠画 毎日新聞出版▼「小さな幸せがみつかる世界のおまじない」亀井英里絵 バイインターナショナル▼「〈仏教3.0〉を哲学する-バージョン2」藤田一照著 永井均著 山下良道著 春秋社▼「韓国フェミニズムと私たち」タバブックス▼「迷走する教員の働き方改革-変形労働時間制を考える」内田良著ほか 岩波書店(岩波ブックレット) ▼ 「免疫力を強くする-最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ」宮坂昌之著 講談社(ブルーバックス)▼ 「脳波の発見-ハンス・ベルガーの夢」宮内哲著(岩波科学ライブラリー)▼「2025年、人は「買い物」をしなくなる-次の10年を変えるデジタルシェルフの衝撃」望月智之著 クロスメディア・パブリッシング▼「太極拳で100歳まで健やかに美しく生きる」楊慧著 山と渓谷社▼「話すチカラ」齋藤孝著 安住紳一郎著 ダイヤモンド社 ▼「ファンタジーの世界地図-ムーミン谷からナルニア国、ハリー・ポッターまで」ヒュー・ルイス=ジョーンズ編 東京堂出版▼「刺繍の贈りもの」蓬莱和歌子著 文化学園文化出版局▼ 「毎日が最後の晩餐-玉村流レシピ&エッセイ」玉村豊男著 天夢人▼「探偵コナン・ドイル」ブラッドリー・ハーバー著 早川書房(HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS)▼ 「教育は何を評価してきたのか」本田由紀著(岩波新書)


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鎌倉市と郵便局が連携協定

市制 80 周年記念切手の販売も

鎌倉市と鎌倉市内の郵便局が3月24 日、持続可能なまちづくりの実現を目的に、「連携と協力に関する協定」を締結した=写真。市制 80 周年記念フレーム切手も5月ごろ販売される 連携協力の内容は、市と市内郵便局(22 局)が、魅力あるまちづくりに向けて局窓口に市のお知らせコーナーを設置することや、安心・安全なまちづくりのために高齢者や子どもなどの見守りの実施などを検討していく。 鎌倉郵便局の佐藤紳也局長は「すべてのお客様に安心・安全を提供する使命のもと、地域や市民に信頼される郵便局を目指し、市のよきパートナーとしてまちづくりに貢献したい」と挨拶した。


鎌倉朝日新聞社

鎌倉初!

若宮大路に無人ホテル

鶴岡八幡宮からほど近い若宮大路沿いに3月26日、小田急電鉄(東京都新宿区・星野晃司取締役社長) が、鎌倉市初の無人フロントを採用した「源(GEN)ホテル鎌倉」をオープンした=写真。 チェックインは、入り口に設けられた装置に予約番号を入力し、キーボックスのカギを受け取る。フロントの効率化によるコスト削減で宿泊費を抑え、和モダンの約15㎡のツインから最大6人まで利用できる約49㎡のファミリールームまで15部屋を実現。ホテルは建物の2、3階部分で、和モダンの内装に設えた。宿泊費は1部屋1万7千円~5万円程度。 運営は24時間自動チェックインシステム「KEY STATION」を都内中心に全国展開するKeeyls社(東京都渋谷区・大貫功二代表取締役)が行うサブリース方式。Keeyls社と小田急電鉄はすでに小田急線下北沢駅・町田駅で鍵の予約から受渡までを無人で繋ぐシステムに連動したKEY BOXを設置することで連携している。
鎌倉市雪ノ下1―8―36 予約はウェブで。
問い合わせ 0467・50・0777


鎌倉朝日新聞社

葉山の谷戸で保全活動

二子山山系自然保護協議会

葉山町上山口の谷戸で3月15日二子山山系自然保護協議会のプロジェクト「葉山いきものの谷 調査保全活動」が行われ、都内や横浜市在住の10歳から19歳の子どもたち約10人が里山での作業に汗を流した=写真。 「自然体験教育研究会NEES」の山田陽治代表(49)が同協会の委託を受けて実施する3年目のプログラムで、貴重な両生類の産卵のための水場づくりや、春先に咲く野生植物のための藪刈りが行われた。 湿地の中に作りあげたそれぞれの池には子どもたちの名がつけられ、オタマジャクシやトウキョウサンショウウオ、ヤマアカガエルなどを池ごとに捕獲。子どもたちは池の上に覆いかぶさるアオキやシロダモの伐採や池の生き物をアライグマから守るための竹の切り出しなど力仕事もこなしながら、生き物の名前の確認や数を記録した。 横浜市在住の五月女(さおとめ)陽斗(はると)くん(11)は「小川の幅が広がったり、流れが復活したりしたところもある。トウキョウサンショウウオの成体は今回初めて見つけた」と成果を実感。同じく横浜から訪れた貞廣(さだひろ)宇保(たかやす)くん(13)は「この谷戸はきれいで湿地が保たれている。ニリンソウも多い」と話す。子どもたちからひっきりなしに生き物の名前や知識を確認する質問があり、山田代表は保全活動に特に力を注ぐ。「本の知識だけではなく実践でしか育たない経験値が重要」と、足元の自然を愛する「地(ぢ)つきの若者」の育成に夢をつなげていた。(K)




スケッチ日和(32)

「遠い日」  黒川 明

新型コロナウイルスで絵画教室も自粛して2カ月、人ごみを避けている。作品は去年のものだ。侯爵家別邸であったという鎌倉文学館は、重厚かつ洒脱、バラ園の華やかさに負けない存在感だ。 建物は二面を描けとよく言われる。平面的にならないようにという戒めだ。この作品では凹凸を強調すると同時に室内を暗示して奥行きを表現することに努めた。もっとも、この建物自体が持つ歴史の奥行きが絵を助けてくれているのかもしれない。
アクリル F50号



鎌倉年中行事

5月

▼菖蒲祭 5日13時、鶴岡八幡宮。無病息災など祈願。
▼草(くさ)鹿(じし)神事(5日13時、鎌倉宮)中止
▼秋葉山大例祭 17日11時、材木座の光明寺。
▼徳崇大権現会 22日13時、小町の宝戒寺。北条一族の慰霊供養。
▼白旗神社例祭 28日10時、鶴岡八幡宮境内の白旗神社。
▼茶筅供養(28日建長寺茶筅塚)中止


プロムナード

夏の季語であるはずの閑古鳥ですが、春なのに鎌倉に限らず、世界中で閑古鳥が鳴いている状況です▼緊急事態宣言の発令に伴い、いよいよ多くの人がテレワークに移行し、外出自粛という対応になっています▼インターネットの普及によって世界中の人々との会話が可能になり、世界と繋がっていると感じられる機会が増えていました▼しかし、今回の新型コロナウイルスを通じて、アナログでも世界とは確実に繋がっているのだと改めて気がつきました▼気持ちが塞がり気味になりやすい状況が続いていますが、自宅で過ごす時間が増えたということを前向きに捉えて、みなさまにとって素敵な充電期間となればよいと願っております。(N)


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