鎌倉朝日新聞 (5月1日号 2021年 第506号)

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鎌倉駅東口の観光案内板

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源氏山公園の観光案内板

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鎌倉駅西口の時計台広場の観光案内板

鎌倉を歩いて観光する楽しさPR

駅や公園に観光案内板を設置

鎌倉市内4カ所に今年2月から3月にかけて、観光案内板が設置され、市民や観光客の道案内に利用されている。 源氏山公園、腰越駅、鎌倉駅東口に市の観光課が、山崎・台峯緑地に市の公園課が設置した。 鎌倉駅東口の案内板には周辺地図や観光案内ほか、バスの路線図やバス乗り場の案内図もある。 地図の制作に協力したのは、鎌倉市内在住の有志からなる市民団体「鎌倉・文化の森」(瀧下嘉弘代表)で、同会は2015年に鎌倉市が観光マップ作製のために公募した事業を受託し、市と協働で、「ぶらり鎌倉マップ」を完成させた。 この地図は、電車やバスの利用ではなく「歩いて観光する楽しさ」を発信しようと、副代表で一級建築士の市川和夫さん(74)が中心となり、メンバーが実際に地域を歩いて調査して制作した。2017年に「長谷・由比ガ浜」の鎌倉マップ、翌18年に「二階堂・浄明寺」、19年に「北鎌倉・常盤・梶原」を発行している。 その流れを受けて、市内の案内板に統一性をもたせようと、近年設置されている案内板の地図データも同会が提供した。 鎌倉駅西口の時計台広場にもある案内板もその一つで、これは、市が時計台広場の再整備事業に合わせてクラウドファンディングによる寄附金を募って昨年設置した。案内板の裏には寄付者の名前が表記されている。 鎌倉市では、2013年度(平成25)から毎年、クラウドファンディングで募った寄附金を活用した観光案内板を設置してきた。2013年度から15年度にかけて「かまくら想いプロジェクト」と題し、まちを訪れる観光客の方がより円滑に鎌倉観光を楽しめるよう、既存の案内板の増設を行いった。 2016年度から18年度は、「知られざる鎌倉発掘プロジェクト」と題し、比較的、観光客が集中していない地域の魅力を発信することで、「オーバーツーリズム」の緩和を図った。 鎌倉を訪れる年間約2,000万人の観光客でまちがにぎわいをみせる一方、人が集中することによる町中の混雑や車の渋滞、ごみのポイ捨てや騒音など、市民生活に望ましくない影響が及んでいる。こういった急激な観光客の増加による「オーバーツーリズム」の問題が、世界的に顕在化してきている。 案内板は、オーバーツーリズムの緩和策として、市内の知られざる観光スポットを示したり、歩く観光の楽しさを教える役割も担っている。


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高齢者施設でワクチン接種

4月23日から開始 鎌倉く

鎌倉市で、高齢者施設入居者への1回目のワクチン接種が4月23日、鎌倉市由比ガ浜の特養鎌倉静養館(せいようかん)で行われた=写真。 4月17日に市に配分された1箱分(195バイアル)の接種で、クラスター発生の危険性が高い市内の高齢者施設から接種が始まった。 23日は同静養館と、特養ふれあいの泉で施設の嘱託医による接種が行われ、翌24日に他の高齢者施設を鎌倉市医師会の医師らが回って接種した。 同静養館で接種を受けた入居者は70歳代〜百歳代の56人と職員。前日にワクチンと接種用キットが届けられ、当日職員らが接種の準備をした。 接種はスムーズにおこなわれ、接種後の状態観察も含めて開始から1時間ほどで全員の接種が終わった。痛みを感じず、「わからないうちに終わっていた」と話す人も多かった。2回目の接種は5月中旬を予定している。


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鎌倉みほとけ紀行(109)

円覚寺・開山無学(むがく)祖元(そげん)坐像

「慈顔うるはしくい(生)ける人にむかふことく也、いかなる屈強の人も泪をもよふ(催)す計也」 1633年(寛永10)品川東海寺沢庵宗彭(たくあんそうほう)禅師が円覚寺を訪れ御開山無学祖元禅師(佛光(ぶっこう)国師)を拝礼した紀行文です。 その澄んだ瞳は遠くを見つめておられるようで、なにかもの悲しさを覚えます。しかし全身で前にむかって来られるようなお姿は禅の高僧として活気に満ちています。 1279年(弘安2) 、時の執権北条時宗公の招聘により南宋(中国)から仏光国師は来朝されました。折しも日本は蒙古襲来という国難をむかえていました。迎え撃つ時宗公の精神の基盤は禅の修養であったといわれます。国師を我が師として仰ぎ心の支えとして国難を乗り越えたのです。 しかし支えた国師にとっては心中複雑でありました。襲来し海に散っていった元軍の最前線の兵士の多くは元軍に侵略された宋国の兵士であり、それはつまり国師の故郷の人々であったのです。 やがて国師は円覚寺の開山となり、千体地蔵を安置し戦死者の供養をされ、円覚寺の位牌には「文永弘安両役此彼両軍戦死溺水諸精霊」と記されているそうです。仏の世界に敵味方の差別はなく平等に供養しようとする華厳(けごん)で説く怨(おん)親(しん)平等(びょうどう)の精神であります。 仏の光に包まれた世界の中でどうして人はいつまでも争い続けるのだろう―語録に「たとえ海の水が干上がったとしても我が涙は枯れることはない」。国師のお顔に大きな泪がキラッと光って見えるようです。 「この怨親平等の精神こそ、いま私たちが忘れかけている心ではないか」。夢のような出来事、現管長横田南嶺老師より静寂なる開山堂にてご案内、そして拝聴致しましたお言葉であります。
木造、像高62・8㎝、彩色玉眼。鎌倉時代、13世紀。国重文。
※拝観不可。


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森戸神社

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森戸神社の中の水天宮

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パワースポット地図

かまくらの不思議を歩こう(41)

森戸神社のパワー地図  大貫昭彦

*城の町「堀内」 今回から葉山町のパワースポットめぐりに入ります。第1回は町の中心地「堀内」から始めましょう。「堀内」の名は、堀に囲まれた有力者の屋敷があったことを示しています。葉山町のある三浦半島は、古代から衣笠に本城を持つ三浦氏の支配地でした。葉山には当主の三浦義明の6男の重行が配され、館は堀内に設けられたようです。場所は長徳寺の辺りといわれ、門前には小高い土塁が残っています。
*頼朝の社「森戸神社」 堀内の西には森戸海岸の砂浜が広がり、南端には森戸岬が突き出ています。岬には葉山の総鎮守の「森戸神社」が鎮座しています。源頼朝が平家打倒に立ち上がった伊豆の三嶋大社を勧請した社です。古くは比叡山から分霊した山王日枝神社があったそうですから岬は、大昔から祈りの場であったのでしょう。岬は遠く富士・箱根連山、近くは江の島・鎌倉を望む景色のいい所ですから、頼朝や実朝など歴代将軍たちが訪れた行楽地でもあります。神社の裏山に上ると、頼朝ゆかりの千貫松や伊豆から飛んできたという飛柏槇が茂り、昔に変わらぬ景色を保っています。
*3本のパワーライン 大根会の一行も、半ば遊興気分で参道を進みました。50mほど先の狛犬の前で、気持ちは、さらに明るくなりました。空気が、さわやかになったというのです。大根師は、ここには見えないバリアがあると言われました。パワーラインが引かれているらしいのですが、驚いたことにラインは、他にもありました。2本目のラインは、第2の鳥居の前、3本目は本殿の前。参拝者は200mほどの参道は進むにつれ、バリアを通過するにつれ浄化され、社殿に手を合わせる時には、お祓いを受けたようになっている。森戸神社は、そういう構図になっているというのです。
*水天宮と松の鎖 参道を行く中で皆さんが最も長く足を止めたのは、水天宮の前でした。水天宮は安産、水難、怪我、災難除けの神様です。小さな社殿ですが、脇に欄間付の衝立(脇障子)を立て大変丁寧です。前には鳥居も立っています。社殿の向かいには、参道を挟んで松の木があり、枝が傘を差し掛けたように伸びています。大根師は「松と水天宮の間にもパワーラインがあり、地面を通って循環している。パワースポットはこのサークル上にある」と推測しました。
*連なるスポット 果たせるかな、メンバーが見つけた3つのスポットはみなサークル上にありました。社殿の賽銭箱と鳥居の前、それに松の木です。社殿と鳥居の前では、反応が賑やかでした。「こわいくらいのエネルギーだ」「渦を巻いて迫る感じ」「潮の香が強烈だ」「風が上から吹き降りてくる」「初めは前に、次は後ろに引っ張られる」「腰の痛みが消えた」等々。
*発熱する松の幹 松の木の反響も相当でした。70代の女性は幹の南側、身長より少し高い位置に手を当て「ふらふらする」と言われました。他の人たちは「熱く感じる」と言います。私も試したところ、相当温かい。弱い冬日の中ですから太陽熱とは思えません。数日後、同じ時刻に訪ねましたが、嘘のように熱は感じませんでした。 森戸神社のパワースポットは他でも見つかりました。本殿の前の2カ所と飛柏槇を見下ろす岩山の辺りです。境内を巡った後の一行の表情は参拝する前より明るくなったようでした。


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プラごみ削減の連携

葉山町がカシオ計算機と

葉山町とカシオ計算機(本社・東京都渋谷区、樫尾和宏社長)は、環境省の「プラスチック・スマート」での提携第1号として「プラスチックごみ削減のための連携に関する協定」を3月26日に締結した=写真。 葉山町は、町独自の環境に配慮する取り組み「はやまクリーンプログラム」、カシオ計算機はプラスチックごみ削減を図ったラベルライター「Lateco(ラテコ)」で「プラスチック・スマート」に参加している。プラスチックごみの削減に向けた課題認識・取り組みに共通点があることから、日本環境衛生センターの支援を受けて、協定を締結することになった。 Latecoはカシオ計算機が2019年から販売しているテープ詰め替え方式のラベルライターで、カートリッジを繰り返し使用することで、従来機種に比べてプラスチックごみを約97%削減できる環境配慮型の製品。 カシオ計算機は、Latecoを葉山町へ提供し、町役場や学校、図書館などに導入する。また、ビーチクリーン活動や、プラごみに関する講演会、学習会などを共催、プラごみ削減検討委員会を設置するなどの連携をする。 調印式のあと、山梨崇仁町長は「官民連携してプラごみの取り組みをしていきたい。この協定をモデルに多くの方々との連携を目指したい」と話し、カシオ計算機の山岸俊之さんは、「葉山町との連携は、弊社でのプラごみ削減の大変心強い後押しとなった。葉山町の自然環境の保全の新たな取り組みに協力していきたい」と述べた。


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お釈迦さまの誕生を祝う花まつり

地域と共に 葉山・玉蔵院で

奈良時代から続く葉山最古の古刹・玉蔵院(葉山町一色)で仏陀の誕生日にちなむ初めての催し「花まつりWEEKEND」が4月10・11日に行われた=写真。境内には花や観葉植物を販売する店、素材にこだわった雑貨、ヨガやワークショップ、日本野鳥の会の講師による野鳥観察会など21の企画が並び、うららかな春空の下、密を避けながらゆったりと楽しむ家族連れの姿が目立った。 4月8日の仏陀の誕生日を祝う「花まつり(灌仏会)」が行われる週末に合わせた催しは、2年前から同寺の本堂で毎月行われている「おてらヨガ」に参加していたアートディレクターの堀出隼さん(43)の発案。 「地域の皆さんに気軽にお寺に足を運んでもらいたい」という本多法仁副住職(34)の思いを形にしようと堀出さん経営のカフェ「HOLIZONTAL」が中心となり賛同者が集まった。同店の特別メニューには「諸行無常」「涅槃寂静」などの仏教用語を冠したものや、「煩悩スタンプラリー」と題した近隣の協力店を巡る企画があり、本堂には副住職との対話コーナーや、花飾りを施した桶の中に立つ小さなお釈迦さまの像に柄杓で甘茶をかける作法で灌仏会を体験する人の姿も。 「コロナ禍で閉塞感が続く中、地域の皆さんに『明日からまたがんばろう』と思ってもらえるような企画にしたかった」と話す本多副住職は、毎月の写経会やヨガ(事前予約制)の催しなどで入口を広げながら、地域の人々に寄り添うさらに新しい寺院のあり方を求めていくという。(K)


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タケノコ掘りで里山管理体験

葉山の小学生

葉山町と町教育委員会が主催する小学生対象の自然体験学習「海山に育ち親しむ子どもたち」の9回目の催し「里山管理体験」が4月18日に湘南国際村緑地で行われ、町内在住在学の小学4~6年生約60人が参加した。 タケノコ掘りを通して里山の自然を学ぶ人気の企画は、昨年コロナ禍で中止を余儀なくされ、今回は人数をしぼっての実施となった。下準備には昨年11月頃から地元団体が協力。通路の整備や危険な竹の除去などを行った。当日も葉山・山楽会、葉山炭焼同好会、三浦竹友の会の会員らが子どもたちの指導に、町青少年指導員や葉山ジュニアリーダーズクラブのメンバーらは安全を見守りながらサポートした。 作業前に指導員から「竹は2、3カ月で10~20mに伸びるほど成長が早く、周囲の植物を枯らしてしまう。生物の多様性を保つためにはタケノコを掘って間隔を開ける必要がある」と説明を受け、子どもたちは土中のタケノコ探しを開始。根元の赤い突起を目印に力を込めて切り出した=写真。 一人で3本以上収穫した子も多く、学校に持っていきたいと80㎝ほどある大物を倒す児童も。掘り出した後はしっかりと埋め戻しの作業もした。 同行した山梨崇仁町長は「葉山は海のイメージが強いが、実は7割が山。山の恵みをもらってこれからも山を大切にしてほしい」と大きな袋を抱えた子どもたちに向けメッセージを送った。(K)


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美味しいパイナップルを子どもたちに

台湾から鎌倉児童ホームへ寄贈

鎌倉市佐助の児童養護施設・鎌倉児童ホームに4月8日、台湾産のパイナップルと中華菓子が寄贈された。 届けられたのは、台湾パイナップル10箱60個、台湾料理店・點水樓の肉まんや焼き菓子、ハンドソープで、寄贈者の台北駐日経済文化代表処横浜分処・張淑玲処長・総領事、台湾中小企業銀行東京支店・張承鴻支店長、南僑日本株式会社・陳怡文代表取締役が施設を訪れ交流した。 張淑玲処長は「おいしい台湾のパイナップルを鎌倉の小さな友だちに食べてもらいたいと思った。鎌倉と台湾のさらなる友好関係を築いていきたい」と挨拶した。 同施設を運営する社会福祉法人聖音会の小原勉理事長は「初めて生のパイナップルを食べたのは大学を卒業してから」と話し、品薄のときにわざわざ送ってくれたことへの感謝を述べた。そして創立者佐竹音次郎が大正4年(1915)に台北に支部を設立した歴史を紹介した。 子どもたちから寄贈者に感謝状が贈られた。子どもたちはパイナップルを満面の笑顔でほおばっていた。同施設には3歳から18歳の子どもが61人在籍している。 今回の仲介役を務めたのは、鎌倉市議会日台友好親善議員連盟(松中健治会長)で、昨年6月にも同連盟を通じて台北駐日経済文化代表処横浜分処が、台湾政府から送られたマスクや防護服など医療物資を鎌倉市に寄贈している。


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親子でタケノコ狩り

鎌倉の緑の保全に協力

鎌倉市梶原の桔梗山山頂(標高113㍍)付近の竹林整備の一環で4月17・24の両日、市民参加のタケノコ狩りが行われた。 常盤山の一角の桔梗山一帯は県有地となっているが、緑と歴史遺産の保全活動などを行っている市民団体「山桜を守る会(市川和夫代表・会員約50人)がモウソウチクの増殖でヤマザクラなどの樹木が浸食されていることを危惧し、2018年2月から県の承認を得て竹林手入れ作業を始めた。 桔梗山の手入れのほか、北側の山崎・台峯緑地の手入れもしている。11月から3月まで週2回作業を行っており、これまで171回、延べ1905人が参加している。 市民に呼び掛けて行っているタケノコ狩りは、昨年はコロナ禍で中止になった。だいぶタケを伐採しているのでどの程度生えてくるか心配していたが、17日は小雨模様の中、百余人が参加し、5百個ほどのタケノコを収穫したという。19日にも青空保育の親子約50人がタケノコ狩りを楽しんだ=写真。 市川代表は、「ヤマザクラがよみがえり、チョウや野鳥も戻ってきた。3年間続けてきた活動は一区切りついたが、今後も見守っていきたい」と話している。


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尾張藩士で円明流14代桜山兵太夫の桜山家に伝わる武蔵像

文学つれづれ(188)

吉川英治『宮本武蔵』(十四) 赤羽根龍夫

前回、吉川武蔵のモデルは実際の武蔵ではなく柳生十兵衛ではないかという説を提出した。 武蔵が「兵法至極」を求めたように、十兵衛も至極を求めた。 家光の下を去り、柳生の里で十二年の間、泰平の世を支える活人剣を求め、その研鑽の成果を『昔飛衛(中国の弓の名人)という者あり』として父宗矩に提出した。 それを柳生宗矩(むねのり)にそんなものは破ってしまえと怒られ、沢庵和尚に相談したところ、沢庵の添え書きを受けて再度提出して印可(免許皆伝)を受けることができた。宗矩が破り捨ててしまえと言ったのは、自分ではなく沢庵から心法上の印可を受けよということであったであろう。 それならば吉川武蔵でも、武蔵に剣の極意を悟らせるのは当然沢庵でなければならない。沢庵は暴れまわる武蔵を捕らえ、千本杉に括り付け、姫路城の天守閣に3年の間押し込めて以来、ことあるごとに現れ、武蔵に禅の痛棒を食らわせ、導いてきた。それならば吉川武蔵でも当然、武蔵に剣の極意を悟らせるのは沢庵でなければならないはずである。ところが、なぜか沢庵は北条氏康の屋敷で、武蔵や宗矩を交えて清談をしたのを最後に吉川『宮本武蔵』舞台から姿を消してしまう。 歴史的に見て沢庵と柳生の関係は深い。柳生新陰流の心法上の極意は柳生宗矩・十兵衛親子と沢庵が作り上げたことは宗矩の『兵法家伝書』、十兵衛の『月の抄』からみても明白である。しかし武蔵と沢庵が会ったという事実はまったくない。そのことをよく知っていた吉川英治は武蔵に究極の剣の極意を悟らせる場面に沢庵をもってこられなかったであろう。その代わりに物語に唐突に姿を現すのが、愚堂和尚である。 将軍家指南番に仕官する望みを断たれ飄然と姿を消した武蔵は「何か或る一つの迷いを解くために、山へ籠った」が、何かまったく、壁のような行止まりと、ともすれば、俺は駄目かな?―と疑いたいような、虚無に囚われて、何をする気も失せてしまう「無為の病」に罹(かか)り、その迷いの壁を突き破るためには「そのお方の力をお借りするよりほかない」と、「彼がまだ十九か二十歳の向う見ずに道を求めてさまよっていた時代―京都の妙心寺の禅室へ足しげく通っていたことがあって(この様な記述は物語にどこにもない)―その頃啓蒙の師事を受けた前(さき)の法山の住、愚堂和尚」を思い出したのである。 しかし尋ねあてた愚堂は「無一物」と言ったきり取りすがる武蔵を振り切り、再び旅に出てしまう。愚堂は必死の形相で追いすがる武蔵を振り返りもしない。先を行く愚堂の行脚に何カ月も乞食のようになってついて行くが、愚堂は完全に武蔵を無視し続ける。しかしある月の夜。初めて愚堂は武蔵を見る。 棒切れを拾った愚堂に、武蔵は頭に痛棒を打たれるのを観念して眼を閉じた。愚堂は武蔵の坐っている地面の外に棒の先でぐるりと円を描いて立ち去ってしまった。 武蔵は初め「さも何かありそうに見せかける坊主常習の似非(えせ)のことば」だと憤ったが、改めて円い円の真ん中に立っている自分を見出す。
自己も円、天地も円。ふたつの物ではありえない。一つである。
眼(まなこ)が開けたようだった。仰ぐと、月がある。大団円の月の輪はそのまま剣の相とも、世を歩む心の体としても見ることができた。
 オオ!和上(わじょう)っ!
 武蔵が剣の極意を悟る名場面である。なお武蔵は24歳で円明流を創流している。 (神奈川歯科大名誉教授)


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ミャンマーで国軍による空爆=3月27日

こんなにおなかがすいているのに
 御飯がのどを通らない!
ミャンマー ファミリークリニックと菜園の会(38)

  代表理事 名知仁子

710人!この数は何だと思いますか?
2月1日にミャンマーでクーデターが勃発。
その後約71日間で亡くなった方の数です。
単純に計算したくないですが1日10人!この数を多いと感じるか、少ないと感じるか、わかりません。ただ、1つ言えることは、落とさなくてよかった命をなくていることです。 国軍は、3月22日ごろから、市民を無差別に射殺し始めました。
家の中で父親の膝に座っていた7歳の女児。友人の家に行こうとし、対向車線の国軍の車の横を通過しただけの青年。彼らの命は還ってきません。 3月27日ミャンマーの国軍記念日に、首都ネピードーで国軍により盛大な式典が開催されました。 その同時刻、ミャンマー国内のカレン州で国軍による空爆が行われ、多くのミャンマー市民が家を失い、家族をなくしました。写真はその時の物です。 1988年のクーデター、2007年のサフラン革命、2011年の民政移管後10年を経て、今回、2021年の国軍のクーデター。 今までの歴史的な背景から、ミャンマー市民は自らの命をかけて、自分たちの国の人権を取り返すために闘っているのが現実です。 過去から学んだ教訓を活かし、20歳前半のあどけない顔をしたジェネレーションZと呼ばれる若者がターゲットにならないためリーダーをつくらず、全員リーダー、全員メンバーのチームワークで反国軍デモを行っています。 彼らの武器はSNSを駆使し、連絡を取り合い、国軍の行動を拡散させ、花火などで抵抗しています。非暴力で、です。 それは、暴力を使うと、さらに国軍に反撃の理由を与えてしまうからです。国軍の催涙弾に対し、水をかけ、催涙弾の威力を弱めたり…。全く無抵抗の人々に対し、国軍は容赦なく、銃を向け、殺している現実。 さらに追い打ちをかけ3月15日からSIMカードのインターネットが遮断されました。4月2日からはファイバーのネット以外は遮断。その結果、ミャンマ―の各地で実際に起こっている悲惨な現状が世界に伝わらなくなってしまいました。また、FBなどで事実を発信している人や俳優、医師などボランテイア活動で人道支援をしている人々も拉致され、拘束され、未だに帰ってきていません。 当会(MFCG)はこの現状に対し、2月の1カ月だけ活動を静止。3月1日から現地の状況を慎重に慎重に観ながら再開しています。なぜなら、このような環境で一番健康を崩しやすいのは無医村で生活している農村の人たちだからです。 コロナ感染に輪をかけて、外に出られなくなり、生活も成り立たなくなっています。是非、HPやFBでMFCGの活動を垣間見ていただければと思います。なお、この市民による非暴力の闘いは2022年ノーベル平和賞候補にノミネートされています。引き続きよろしくお願いします。
事務局 東京荒川区東尾久8―41―23
FAX 03・6807・7499
myanmarfcg.info@gmail.com
http://mfcg.or.jp/
https://www.facebook.com/mfcg.or.jp

【この記事は清興建設提供】


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「光明寺ソメイヨシノ」=写真集から

鎌倉俳句&ハイク

令和2年度 年間大賞決まる

鎌倉市内20カ所に配置されている俳句ポストに、昨年2月1日から今年1月末まで8,679句の投句があった。 「鎌倉俳句&ハイク」は2004年(平成16)4月から誰でも気軽に参加できる「俳句」を通じて、鎌倉の文化・観光振興による地域活性化を図ることを目的にスタートした。季節ごとに特選句・入選句を選定、年に1回、年間大賞句の選定を行い、入選者に賞状・記念品を贈呈している。  令和2年度の年間大賞最優秀賞1句と優秀賞2句が決まった。
【最優秀句】
切り通しぬけて七里ヶ浜は春 金井千恵子(鎌倉市)
【優秀句】
小枝より色鳥こぼる苔の庭   佐藤利一(鎌倉市)
秋高し四方のしづかに虚子お墓 石川 潔(平塚市)



終の棲み家を考える85

値段は正直シリーズ 値段は正直シリーズ

家を創る時、間取りや設備を色々考えて自分の好みに合った物を採用します。しかし廊下や居室の床・壁・天井の材質を何にするかというと、殆どの人は業者の推奨するもので決めることが多いと思います。床材のフローリングと一口に言っても無垢材の上質の物から合板ベニヤに薄く裂いた板を張り付けたものまで幅が広く、値段の開きは10倍以上になります。天井に使う材料も同じことで、無垢材の上質の物から量産品のビニールクロスまで幅が広く、値段の開きは同じ様に10倍以上になります。少しでも工事費を抑えたい注文者に対応するにはどんどん材質を下げていくしかなくなります。廊下や居室の壁を見ると昔ながらの趣のある家などは、殆どの場合腰の高さ位迄板が貼られています。人が動くと服や鞄等が壁に当たり痛めてしまうからです。業者は値段競争に勝つ為に腰板や廻り縁・巾木を取り付けなくなりました。工事費を下げる為に目に見えるもので施工しないものもかなりあります。上質の材料に拘らなくても業者の推奨する物ばかりで家を創ったら注文住宅の良さも意味合いもなくなってしまいます。従来の家創りは和風の家に限らず洋風の家でも木枠や腰板はきちっと施工されています。
日向建設
鎌倉市大船1―15―3
0467・47・5454
http://www.hyuuga.co.jp/


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「ひと」
葉山町教育長に就任した

稲垣一郎(いながきいちろう)さん

県立湘南高校の校長から4月に葉山町教育委員会の教育長に就任した。「町の教育の最終決裁者という立場を考えると身が引き締まる思い」と語り、「子どもたち一人一人に笑顔が出るように、先生たちを施策で支えていきたい」と抱負を述べた。 葉山町では3月に、前任の教育長が今後4年間の教育基本計画である『第3次葉山町教育総合プラン』を策定した。「これをきちんとした形で実現していくのが私の仕事」ときっぱり。学校(小学校、中学校)に置いて9年間を見通した小中一貫教育の深化を図るという案がその中には含まれている。「まずは町民と議論をして検討していく」と話す。 東京に生まれ、中学から相模原市に。早稲田大で国文学を専攻した。教員としてのスタートは鎌倉女学院。出版社から内定をもらっていたが、師匠にあたる教授から鎌倉女学院に教員の話があるからと勧められ、面接に行き合格。迷っていると「世の中はそんなことがあるんだよ」と教授から不思議な一言。「これも縁かな」と思い、教職の道へ。 その後、神奈川県の高等学校職員となり、特別支援学校も経験。県立高校で教頭、副校長、校長を歴任した。県の教育行政にも12年間携わった。 県ではICT(情報通信技術)推進担当課長も務めた。折しも4月から国公私立の全小中学校に1人1台のデジタル端末を配備する「GIGAスクール構想」が動き出した。葉山町の小中全校にもタブレットが届き、全生徒に配られ始めている。 どのように教えるかは学年によってさまざまであり、現場に任せる方針だという。一方で、いろいろなサイトにアクセスしてしまうのではという心配が生まれる。教育委員会としては「どのレベルでどこまでフィルターをかけるかというセキュリティーのポリシーを考えなければならない」と語る。 教育に対する信念は「目の前にいる子どもたちのためになることをする」。「その子にとって一番重要なものは何かをよく見て、笑顔が出るようにしてあげないといけない」と説く。
大和市に妻と2人で暮らす。趣味は読書、映画・演劇鑑賞、ジョギングと「いろいろなことをやりたい人」。大学では井原西鶴を研究。近世文学の話になると熱がこもる。62歳。
(文・写真 三浦準司)


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健康百科通信(137)

口呼吸に要注意!!
  歯科医師・医学博士 福田 貴介

新型コロナウイルスの影響で長時間マスクをして生活するようになりました。マスクをしていると無意識に口呼吸をするようになる癖がついてしまいます。
・口呼吸の悪影響
 ①むし歯・歯周病・口臭の原因:口呼吸は口の中が乾燥してしまい、唾液による抗菌作用が発揮されず、むし歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなり、むし歯・歯周病・口臭のリスクが高くなります。
 ②歯並びが悪くなる:口呼吸をしていると、舌が正しい位置にいないため舌と口の周りの筋肉のバランスが崩れてしまい、舌が前歯を押して出っ歯になったり、顎の成長に支障をきたすために顎と歯の大きさのバランスが崩れ歯並びが悪くなったりします。
 ③風邪や感染症・アレルギーになりやすい:口呼吸は鼻呼吸と違い空気中を浮遊しているウイルスやアレルギー物質が直接肺に侵入するため、風邪を引いたりアレルギーにもなりやすいです。 口呼吸を改善するのには口周りの筋力、特に舌を鍛えることがとても重要です。舌を鍛えるには「舌回し」や「あいうべ体操」が効果的です。 口呼吸は百害あって一利なしです。マスク生活が続くことで口呼吸によるむし歯・歯周病の重症化や歯列不正が懸念されます。定期的に歯科検診を受けて重症化しないようにしましょう。

かじわら歯科クリニック院長
鎌倉市梶原2丁目34−23
0467・38・5585


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JR東海道本線に建設される村岡新駅(仮称)の完成イメージ

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一体的なまちづくりが計画されている深沢地区と村岡地区の周辺地図

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深沢地区の土地利用計画案

鎌倉市深沢地区のまちづくり計画進む

藤沢のJR新駅と一体開発
 第3の都市拠点〝ウェルネス〟な街を創出

鎌倉市深沢地区と藤沢市村岡地区で、新たなまちづくり計画が進んでいます。JR東海道本線の新駅建設を起爆剤に両地区を一体開発する計画で、深沢地区には鎌倉市役所本庁舎などの移転が予定されています。鎌倉市まちづくり計画部深沢地域整備課の大江尚課長と山戸貴喜課長に、計画の概要を聞きました。

まず、この地域の特徴とまちづくりの経緯について教えてください。

鎌倉市深沢地区と藤沢市村岡地区は、市境となる柏尾川を挟んで近接しており、村岡地区はJR東海道本線の大船駅と藤沢駅の中間付近に位置しています。また深沢地区には、湘南モノレールの湘南深沢駅があり、江の島方面へのアクセスにも優れています。 深沢地区には、以前は国鉄の大きな車両工場がありました。それが国鉄民営化に伴ってJR東日本へと移り、1987年、鎌倉総合車両センターの一部が国鉄清算事業団に移管されました。また村岡地区でも、85年に廃止された国鉄湘南貨物駅の跡地が国鉄清算事業団に移管されました。そこで、JR東日本、住宅都市整備公団、国鉄清算事業団、神奈川県、鎌倉市、藤沢市は「湘南地区都市拠点総合整備事業推進協議会」を作り、新たなまちづくりの検討を開始しました。 この整備事業推進協議会は、98年に「湘南地区整備連絡協議会」 (神奈川県、鎌倉市、藤沢市)となり、2008年に新駅設置を前提とした「村岡・深沢地区全体整備構想(案)」を作成しました。 そして18年に、神奈川県、鎌倉市、藤沢市が、両地区の土地区画整理事業を一体施行で取り組むことと、新駅設置に関する基本事項を記した「藤沢市村岡地区・鎌倉市深沢地区のまちづくりと村岡新駅(仮称)設置に関する合意書」を締結し、村岡新駅(仮称)設置協議会を設立。20年7月に、3年かけて行うまちづくりガイドラインの策定を開始し、今年2月、新駅設置に関する覚書を神奈川県、鎌倉市、藤沢市、JR東日本の4者で締結しました。そして3月には、3県市とUR都市機構で、まちづくりに関する基本協定の締結にいたりました。

2028年度に鎌倉市役所本庁舎が移転予定

30年以上前から続く取り組みなのですね。具体的なプランと、面積や事業費は。

村岡地区では新駅を中心とした開発を進めます。深沢地区では、鎌倉市役所本庁舎、市消防本部、総合体育館を中心とした行政施設に加え、都市型住宅、商業施設、研究施設、公園などの整備を進める計画です。パブリックコメントなどを反映して「深沢地域整備事業の土地利用計画(案)」を作成しました。更に、新駅と深沢地区を結ぶシンボル道路の整備と、柏尾川に架ける橋を建設します。これにより、深沢地区の活性化が促されると考えています。 施行面積は、村岡地区が8・6㌶、深沢地区が31・1㌶で、合計39・7㌶です。鎌倉市の実際の負担は、深沢地区の土地区画整理事業に36億円、橋に7億円、新駅に4億円で、計47億円と試算しています。深沢地区の土地区画整理事業には205億円かかるのですが、国庫補助金(35億円)や地区内の土地を売却して得る保留地処分金(134億円)によって、市の負担は36億円に抑えられると考えています。 深沢地区で最初に完成する建物は、28年度に開庁予定の鎌倉市役所本庁舎になりそうです。新駅の完成は32年度の予定です。深沢地区の整備により、鎌倉市は2000人から3000人の人口増を見込んでいます。

鎌倉朝日新聞社

新駅効果と人口増で税収アップ見込む

藤沢市にできる新駅に鎌倉市が事業費の一部を負担することには反発もあったと思います。市民にはどのように説明しているのですか。

新駅設置にかかる事業費は、JR東日本が15%、県が30%、残る55%を鎌倉市と藤沢市が折半します。鎌倉市の負担分は、先ほど申し上げたように4億円に抑えられると試算しています。 市外にできる駅の事業費の一部を負担することには、もちろん反発もありました。ですが、深沢地区は近くに新駅ができることで魅力が倍増し、土地の価値が上がります。そして人口や建物が増えるので、鎌倉市は将来的に年間約16億円の税収増が見込まれます。 内訳は、地価上昇による固定資産税・都市計画税の増加(駅勢圏2㎞)が年11・1億円、新たな建物立地による固定資産税・都市計画税の増加が年1・9億円、人口増加による市民税(個人・法人)の増加が年2・9億円です。 そのお金は深沢地区だけでなく、鎌倉市全域の整備などに使われるので結果的に市民全体の生活の向上につながります。そのようにご説明してご理解いただいています。

鎌倉市役所本庁舎などが移転する土地は、どのように確保するのですか。

深沢地区では、旧国鉄清算事業団用地の土地取得を鎌倉市が段階的に進めてきました。この地区の31・1㌶のうち、約17㌶はJR東日本の所有ですが、8・1㌶は鎌倉市の市有地となっています。 この市有地は深沢地区内で3か所に分散しています。市役所本庁舎や市消防本部、総合体育館、グラウンドを1か所に集めて建設するためには、これらの土地を1つにまとめる必要があります。 そこで、土地区画整理事業の過程で他の地権者と調整し合い、市有地を東側の1か所にまとめていきます。調整役はUR都市機構にお願いする予定です。

鎌倉朝日新聞社

現在の深沢地区。広大な空き地が広がる。

未来志向のまちづくり進める

深沢は鎌倉、大船に次ぐ第3の都市拠点となるわけですね。今回のまちづくりで、鎌倉らしさはどのように打ち出すのですか。

「鎌倉らしさ」といっても十人十色で、統一したイメージは存在しません。そこで深沢地区では、未来志向のまちづくりを進めることになりました。令和の時代にふさわしい新たな「鎌倉らしさ」を創出していきたいと考えています。 鎌倉の古都中心部には、歴史、文化、自然、観光・交流、環境共生などの特性があります。また大船地区には、鎌倉の玄関口、交通結節点、商業活力などの特性があります。 第3の拠点となる深沢地区は、健康な暮らし、スポーツ、イノベーション、産業振興、新しいまちづくり、行政および防災の拠点、新たな鎌倉の玄関口、などの特性を持つことになります。 今後、先進的な産業施設の誘致と育成、産業複合地の整備など、テクノロジーの進化や社会ニーズに対応したまちづくりを進め、他の2つの拠点との連動により、市域全体の潜在能力の向上を目指します。深沢地区に複合的な新都市機能を創り出すことにより、鎌倉市が持続可能な都市経営を進めていくための新たなエンジンとしての役割が期待できます。

「健康な暮らし」という特性は、具体的にどのようなものですか。

深沢地区のまちづくりでは、市民が参加して04年にまとめた「深沢地域の新しいまちづくり基本計画」が既にあり、まちづくりのテーマを「ウェルネス」と定めています。このテーマを今回の事業で発展させていきます。「健康な心身を維持・発展させる生活行動」の実現を目指し、暮らす人々のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上を図ります。 そして、ウェルネスなまちづくりを実現する第一歩として我々が着目したのが、「歩く」ことです。 歩くことは体の健康に良いだけでなく、脳の活性化やこころの健康にもつながります。また、賑わいの創出や人々の交流を促すことで、人々の「知」の交流が盛んになり、イノベーションを生み出すことにもつながります。そのため、歩きたくなるウォーカブルなまちを目指していきます。 深沢地区は周辺に緑が多い地域です。特別緑地保全地区に加え、台峯、常盤山、広町の3大緑地も近くにあります。アリーナ機能を備えた総合体育館や、防災拠点としても活用できる広大なグラウンドの整備も計画されています。調整池を親水空間にしたり、沿道の緑化や憩い空間を創出したりするなどして、スポーツや散歩をしたくなる住環境整備を進めたいと考えています。

ヘルスケア産業を誘致し研究拠点整備

産業施設の誘致とは、どのような企業を考えているのですか。

製薬企業の研究所などを中心としたヘルスケア産業の誘致を考えています。医療、医療機械、創薬、製薬、バイオテックなどの企業が多く立地する川崎市殿町のようなイメージです。村岡地区には既に、武田薬品工業が建設した湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)があり、複数の製薬企業やバイオベンチャーなどが研究開発を行っています。隣接する深沢地区にも研究施設を誘致し、この地域をヘルスケア産業の一大研究拠点にしたいと考えています。これは、ウェルネスなまちづくりにもつながっていきます。

この事業の今後のスケジュールは。

土地区画整理事業は今年度に都市計画決定し、22年度に事業認可、24年度に基盤整備工事に着手し、28年度のまち開きを予定しています。この間に、深沢まちづくり委員会(仮称)や深沢まちづくり協議会(仮称)などを組織して、事業を推進していきます。 移転する市役所本庁舎をどのような建物にするかについては、今後の検討になります。コロナ禍をきっかけに市の職員も更に在宅ワークが広がるかもしれませんし、主な手続きがインターネットやコンビニなどでできるようになれば、それほど大きな庁舎はいらなくなるかもしれません。現在の本庁舎の跡地についても、市民の皆様の声を生かし、時代に即した活用法が検討されることになると考えています。


鎌倉朝日新聞社

心のふる里を行く(39)

日本の文化と平和をいかにして守るのか
  三島由紀夫の「文武両道」の哲学 池田雅之

その時、私はたまたま神田の古本屋街、すずらん通りの中華料理店で父と昼食をとっていた。すると急報が入ったらしく、店内のラジオから、「三島らは」「三島らは」と連呼するアナウンサーの声が、かまびすしく聞こえてきた。「作家の三島由紀夫が何か起こしたらしいよ」と私が父に告げると「まさか」という返事が返ってきた。私は、三島を呼び捨てにして、犯罪者扱いするアナウンサーの声高な声に違和感を覚えた。 やがて事態は判明するのだが、この事件は、今から半世紀前、1970年(昭和45)11月15日の昼、12時すぎ、三島由紀夫と「盾の会」の若者が、市ヶ谷の自衛隊駐屯地に乱入し、三島自身は自刃して果てた、いわゆる三島事件のことである。まだ大学生であった私は、正直言って、彼の死に様に嫌悪感を覚え、以来、彼の作品を手元から遠ざけていた。 昨年(2020年)は三島が自決してからちょうど50年経ったということで、三島を回顧する書籍や雑誌の刊行が相ついだ。その中でも、鎌倉文学館館長で関東学院大学教授の富岡幸一郎さんの『入門三島由紀夫 文武両道の哲学』(ビジネス社)は、私の三島像を今日的視点から塗り替える上で久しぶりの三島由紀夫再入門の書となった。 戦後世代にとって、三島の自決の意味は何であったのか。彼は死をもって、私たちに何を伝えようとしたのか。富岡さんはそんな問いを三島の小説ではなく、評論の『行動学入門』や『文化防衛論』(ちくま文庫)から探っている。この問題提起的な労作を一言で要約するのはむずかしいが、副題に示されているように「文武両道の哲学」の今日的可能性を、この混迷を極めるコロナ禍の時代にあえて問おうとしているように思われる。 三島の考え方に従えば、「文」とは日本文化のことであり、文学、芸術、そして天皇のことである。また「武」とは武士道であり、行動のことである。ある時は、それは暴力であるかもしれない。それゆえ私たちの貴重な文化を守るには、「文武両道の哲学」がなければならないと主張しているのだ。そして、三島は日本の文化を守るといった場合、文化は文化を守れず、平和は平和を守ることは出来ないのであるから、守るという行為には必ず危険がつきまという。つまり「平和を守るためには暴力が必要である」とまで言いきっている。この発言は平和主義者である一般の日本人はしりぞけるであろう。 憲法九条の問題もしかりである。平和ボケした戦後の日本人は、日本の文化と平和をいかにして守りぬくかという現実的な戦略が欠けているように思われる。そのためにもとりわけ三島の「文化防衛論」を読み返すべきだ、と富岡さんは私たちに問いかけているのだ。 三島由紀夫作品は半世紀を経過しても読まれ、特に彼の「文化防衛論」は日本文化の根源を知るための道案内であり続けるであろう。富岡さんのおかげで、私は、劇薬である三島由紀夫という存在にあらためてアプローチすることができた。
(早稲田大学名誉教授・鎌倉てらこや顧問)


鎌倉朝日新聞社

てらこやの対面活動

いざっ!!鎌倉てらこや(75)

つながる思い出
鎌倉てらこや事務局 豊田 晋

例年より早い桜の開花にすっかり春の装いになった3月末。新学期から高校へ進学するとある女の子が、ふらっとてらハウスを訪ねてきた。彼女は、特に小学生のころ、よくてらハウスに訪れていた子であった。この度、遠方の全寮制の高校へ進学するため、入学前にわざわざあいさつに来てくれたのだ。 久しぶりに再会した彼女は、思わず大学生スタッフと見間違えるぐらいに、すっかり大人びていていたが、面影にあどけなさも少し残っていた。少しおしゃべりをしているうちに、様々な彼女との思い出が去来した。一緒にてらハウスでおやつを作って食べたこと。読んでいる漫画や小説の話で盛り上がったこと。学校生活での悩みを話してくれたこともあった。たくさんの思い出の積み重なりが、てらハウスまで彼女が足を運ぶきっかけをつくってくれたのではないかと、感じさせてくれる出来事だった。 てらこやでは「不登校・ひきこもりの未然予防」を最も大切な理念として掲げている。彼女のように「ゆるやかにでも、てらこやと繋がっている」ということが、子どもたちが将来困難にぶつかったときに誰かに助けを求めることができる一助になると考えている。 新学期を迎え、子どもたちには新たな出会いが待っている。緊急事態宣言もようやく解除され、待ちに待った、子どもたちとの対面活動も再開した。実際に活動では、小学校へ入学したばかりの一年生との出会いも徐々に始まっている。子どもたちや学生からは再会を喜ぶ声が挙がっている。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大状況によっては、また子どもたち会えなくなってしまう事態にもなりかねない。 子どもたちにとって、何がきっかけで「また会いたい」と思ってもらえるかはわからない。だからこそ、子どもたちの一瞬、一瞬に逃さず目を向け、向き合っていけるよう日々の活動に邁進していきたい。

鎌倉てらこや事務局
0467-84-9746(平日13~17時)
http://kamakura-terakoya.net/



自宅でゆっくり読書のすすめ

~生きる力を育む物語7選~
鎌倉在住・読書アドバイザーO選

鎌倉朝日新聞社



はじめましょう

●英・仏会話初歩から芸術館徒歩3分。Pあり。
元CA 0467・43・4788



お知らせ

●第63回鎌倉まつり「静の舞」動画配信
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、鎌倉まつりは「静の舞」のみ実施。5月14日から鎌倉市観光協会のYouTubeチャンネルで配信。
23・3050
●クリーンアップかまくら2021中止
新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止。
●元気に感謝展
5月1~31日、湘南藤沢徳洲会病院。医療従事者へ感謝を伝える大野健一さんのパステル画、俳句約15点。
大野方 24・0327
●初夏の自然観察会―保全された都市林散策
5月16日13時半、鎌倉広町緑地。無料。要申込。
鎌倉市公園協会 45・2750
●東京2020オリンピック・パラリンピック聖火リレートーチ展示
5月18日8時半~19日15時まで。鎌倉市役所本庁舎1階ロビー。
23・3000
●公園で太極拳
5月21日10時、鎌倉中央公園。市内の小1以上対象。無料。要申込。
鎌倉市公園協会 45 ・2750
●子どもたこあげ大会
5月23日10時、材木座海岸滑川河口付近。和凧代(1家族)百円。
鎌倉市青少年課 61・3886
●献血に協力を(神奈川県赤十字血液センター)
6月3日10~12時、鎌倉市大町の安養院駐車場。


鎌倉朝日新聞社

「 賛歌 」 F30 油彩

スタジオエスポワール15周年・アトリエM展開催50回記念コンサート

歌と名画で十二支をたどる

鎌倉在住の声楽家・村田望さん主宰のスタジオエスポワールが15周年、村田佳代子さん主宰のアトリエM展が50回を迎え、5月15日14時鎌倉生涯学習センターで記念コンサートを開く。音楽と絵画から十二支がどのように表現されているか体感する。歌・村田望さん、お話・村田佳代子さん、ピアノ・大橋葉月さんらの出演で「うさぎメドレー」、「闘牛士の歌」など。3千円、中学生以下2千円。
問い合わせ 090 ・2207・0031



購入新図書のリスト抄

鎌倉市中央図書館(3月分)

鎌倉市中央図書館(25・2611)は3月に一般230冊、児童書11冊を収蔵した。一般的なものは下記の通り。 ▼「アーカイブの思想-言葉を知に変える仕組み」根本彰著 みすず書房 ▼「見抜く力-びびらない、騙されない。」佐藤優著 プレジデント社 ▼「一気にわかる!池上彰の世界情勢-2021」池上彰著 毎日新聞出版 ▼「喧嘩の流儀-菅義偉、知られざる履歴書」読売新聞政治部著 新潮社 ▼「なんで家族を続けるの?」内田也哉子著 中野信子著 文藝春秋(文春新書) ▼「福島が沈黙した日-原発事故と甲状腺被ばく」榊原崇仁著(集英社新書) ▼「腰痛難民-その痛みは、本当にただの腰痛なのか」池谷敏郎著 PHP研究所(PHP新書) ▼「死ぬまで噛んで食べる-誤嚥性肺炎を防ぐ12の鉄則」五島朋幸著 光文社(光文社新書) ▼「和室学-世界で日本にしかない空間」松村秀一編 服部岑生編 平凡社(住総研住まい読本) ▼「仏具とノーベル賞京都・島津製作所創業伝」鵜飼秀徳著 朝日新聞出版 ▼「希望の一滴-中村哲、アフガン最期の言葉」中村哲著 西日本新聞社 ▼「田中一村-“南の琳派”への軌跡」大矢鞆音監修 平凡社(別冊太陽) ▼「時代を撃つノンフィクション100」佐高信著(岩波新書) ▼「65歳から心ゆたかに暮らすために大切なこと」ショコラ著 マガジンハウス ▼「クックパッドおうちで簡単!絶品パスタ」宝島社(TJ MOOK)


鎌倉朝日新聞社

最上壽之「トントンビョウシノ アシビョウシ」1989 年 木(カスカードマツ、ベイマツ)

み る

▼川喜多映画記念館
企画展「日本映画名優(バイプレイヤーズ)列伝」6月20日まで。1950~70年代を中心に日本映画の名優の仕事ぶりを映画や書物を通して紹介する。2百円。
▽関連上映 5月18・20・22日10時半。19・21・23日14時「晩菊」。18・20日14時、19・21・23日10時半「放浪記」。25・27・29日10時半、26・28・30日14時「小早川家の秋」。25・27・29日14時、30日10時半「長屋紳士録」各千円、中学生以下5百円。
23 ・2500
▼特別展「作家のきもち」
7月4日まで鎌倉文学館。手紙や日記など作家が自分の気持ちを吐露した資料から作家の素顔にふれる。5百円。
▽鎌バラまつり2021
5月11日~6月13日。鎌倉ゆかりの名をもつ「実朝」、「鎌倉小町」など約200種、250株が見頃を迎える。バラの新苗の販売も。
23・3911
▼「旅するモノは、かく語りき モノ語り」展
6月20日まで本郷台のあーすぷらざ。廃棄品が生まれ変わったモノ、環境に配慮したモノなど身の回りにある様々なモノを展示。一部購入可能なモノも。無料。
045・896・2121
▼「山口蓬春 美の履歴」展
9月26日まで山口蓬春記念館。山口蓬春没後50年・記念館開館30周年記
念特別展 第2期―発展の中期(5月16日~7月25日)は「蓬春モダニズム―観たまま、感じたまま、知ったまま」と題し昭和20年代に「蓬春モダニズム」と形容される作品「夏の印象」、「望郷」などを中心に紹介。6百円。
046・875・6094
▼県立近代美術館 葉山
▽企画展 開館70周年記念 空間の中のフォルム―アルベルト・ジャコメッティから桑山忠明まで  9月5日まで。開館以来収集、展示、保管してきた彫刻や立体作品約80点。現代彫刻家が追求した空間の中の多様なフォルムを展示。8百円。
▽コレクション展 若林奮 新収蔵作品
9月5日まで。戦後を代表する鉄の彫刻家・若林奮の彫刻、素描、版画など。2020年度に収集家・河合孝典氏が100点余を寄贈した作品。250円。
要予約。 046・875 ・2800
▼「鎌倉と浄土宗」展
5月15日~7月4日鎌倉国宝館。鎌倉市内の浄土宗寺院の寺宝や絵図、英勝寺の宝物、重文「木造阿弥陀如来及両脇侍像龕」を中心に紹介。3百円。
22 ・0753
▼特別展「清方が愛した 江戸、東京。人、暮らし。」
5月22日~6月27日鏑木清方記念美術館。清方が少年、青年時代を過ごした江戸の暮らしや女性像を描いた作品。「朝夕安居 夕」など約50点。3百円。
23・6405
▼企画展「生誕90年 三浦哲郎展―星をかたりて、たれをもうらまず」
5月22日~7月18日県立神奈川近代文学館。「白夜を旅する人々」、「少年讃歌」の原稿や井伏鱒二からの書簡など貴重資料から三浦が文学に込めた思いと作品の魅力を紹介。5百円。要予約。
▽記念講演「三浦哲郎―家霊を負った人」6月19日13時半、講師は文芸評論家・勝又浩さん。6百円。要申込。
045・622・6666
▼日本の自生アジサイ展
5月25~30日大船フラワーセンター。国内の山や渓谷に自生してきたアジサイや新たに見つかった品種を含め約2百種類、約3百鉢を展示。入園料4百円。
鎌倉アジサイ同好会 52・5547




き く

▼鎌倉みどり音楽院発表会
5月16日16時半、鎌倉生涯学習センター。材木座の鎌倉みどり音楽院の発表会。同院は1952年創立、幼児から大学受験生を中心に基礎に重点を置く教育で定評がある。今回は生徒18人と卒業生でコンクール受賞多数、演奏活動をしている北村真紀子さんらの連弾でシューマン「東洋の絵『6つの即興曲』Op 66」など。無料。要申込。
松井方 22・2705
▼木野雅之と仲間達による室内楽
5月16日14時、藤沢リラホール。湘南モーツァルト愛好会例会。モーツァルト「弦楽5重奏曲変ロ長調K174」など。4500円。
046・872・1963
▼特撰落語名人会
5月17日18時半、鎌倉芸術館。出演は柳家さん喬、三遊亭白鳥、柳家三三。3700円。
エイフル企画 03・6240・1052
▼第8回 東日本被災児童支援 チャリティーコンサート
6月12日14時、鎌倉生涯学習センター。鎌倉マジシャンズクラブのマジックショーと震災で発生した津波の流木で作られたTSUNAMIヴァイオリンを弾く石井有子さんらのコンサート。「タイスの瞑想曲」など。鎌倉
市倫理法人会主催。2800円、前売2500円、オンライン・小学生1000円。
ガソリンスタンド・マツヤ 22・8537



まなぶ

▼次世代を担う学生コミュニティ会議in鎌倉
5月8日13時、鎌倉市小町の大路ビル。高校生、大学生対象。環境・社会問題に意識が高い学生を集め、次世代のコミュニティをつくる。無料。申込はinfo@sdgs.or.jp
SDGs活動支援センター 53・9309
▼女性就労応援セミナー「女性のセカンドキャリアステップセミナー」
5月21日10時、鎌倉生涯学習センター。子育てをしながら再び自分らしく働き出すため、自分の「得意」と「つよみ」を知る。託児有。要申込。
鎌倉市商工課勤労者福祉担当 61・3853
▼コロナに負けない!フレイル予防
5月24日13時半、明治安田生命大船支社。鎌倉市在住、65歳以上対象。講師は東京都健康長寿医療センター・キムホンギョンさん。無料。要申込。
市民健康課 61・3977
●鎌倉市高齢者生活支援サポーター養成講座
5月25・28日9時半、鎌倉生涯学習センター。高齢者宅を訪問するサポーターを養成。無料。
鎌倉市高齢者生活支援サポートセンター 48・1130
▼女性のための社会参画セミナー かなテラスカレッジ 第6期生募集
6月5日~10月2日土曜全10回、10時。藤沢のかなテラス。地域活動・社会活動の参画に興味がある女性対象のプログラム。3千円。託児有(要予約)。
0466・27 ・2117
●ファミサポ支援会員登録講習会
6月8・16・24日9時半、大船学習センター。子どもの発達、遊びの講習後に有償ボランティアの会員登録をする。無料。
鎌倉市ファミリーサポートセンター 43・5401
▼市民セミナーinさかえ 7月4日13時・15時半、横浜市栄区民文化センター。講演「矯正歯科治療、いつ?どこで?」、など。講師は日本臨床矯正歯科医会神奈川支部・島田正さんら。無料。矯正歯科医会神奈川支部のホームページから28日までに申込。
大嶋方 045・410・6837



さんか

▼ユネスコ困窮者支援 深沢倉庫バザー
5月9日10~14時、鎌倉ユネスコ協会深沢倉庫(深沢中学へ上る手前の信号右折の長屋)。毎月第2日曜開催。雨天開催。 ▽献品受付 衣類・着物・雑貨・支援用食糧品。
久保方 44・9830
▼江の島サムエル・コッキング苑の催し
▽ミラーボーラー光アート―春の宵5月9日まで。アート集団ミラーボーラーが会場全体に幻想的な空間を演出。18時半点灯。
▽コッキングガーデン「THE FLOWER」5月31日まで。温室遺構地下室を特別公開。中旬からはバラが見頃。
藤沢市観光課 0466 ・25・1111
▼鎌倉ガイド協会の催し
▽Aいにしえの「鎌倉海岸物語」10日・14日。坂ノ下から和賀江嶋まで。鎌倉の海に纏わる話などを聞く。
▽B史話・説話で辿る「若宮大路」物語18・20日。浜の大鳥居跡から鶴岡八幡宮まで。歴史上の人物ゆかりの史跡を巡る。
各9時半、鎌倉駅西口時計台広場集合。参加費7百円、交通費自己負担。申込はメールkgk@blue.ocn.ne.jp1週間前まで受付。
24 ・6548
▼鎌倉歩け歩け協会
▽5㌔はつらつウォーク11日「大船発・粟船ウォーク」。鎌倉の岩瀬地区の鎌倉街道や常楽寺を歩く。▽10㌔ふれあいウォーク18日「大船発・新緑の台峯を歩く」。円覚寺など北鎌倉の寺から鎌倉中央公園を経て銭洗弁財天から市役所へ。
各9時半大船駅西口バスターミナル上ペデストリアンデッキ集合。2百円。要申込。
090・2633・3715
▼北鎌倉・台峯の緑をともに ▽山の手入れ5月15日10時、山ノ内配水池横。
▽山歩き16日9時、山ノ内公会堂。
北鎌倉の景観を後世に伝える基金・望月方 45・7420
▼かまくら長谷の市 5月16日。長谷寺1300年記念特別回▽朝市8~11時、第2駐車場。▽物販・ワークショップ9~16時、長谷寺境内(入山料4百円)。雨天中止。
実行委 23・6698
▼鎌倉芸術館オープンデイ
5月16日10時半~16時。大船まつりと共同開催。
鎌倉シティブラス・Fアンサンブル、大船ちょっと昔展、ワークショップ、謎ときラリー、地元吹奏楽団の大船まつりコンサートなど。無料。
0120 ・1192 ・40
▼学習センターの催し
鎌倉市在住優先、無料。要申込。
▽大船学習センター 高齢者の心理的特徴5月18日14時。より豊かな人生を過ごすヒントを心理の角度から学ぶ。講師は心理カウンセラー・青木昭美さん。春夏秋冬・花さんぽ6月20・27日14時。四季折々の草花や樹木を知り、五感で感じる。講師は大船フラワーセンター園長・榎本浩さん。
45・7712
▽玉縄学習センター鎌倉市在住・在勤・在学者優先。中国の歴史と物語―三国志6月1・15日13時半。講師は日中平和発展促進会・志賀建華理事長。申込は往復ハガキで17日必着。
岡本2―16―3 44・2219
▽腰越学習センター お花で暮らしを楽しむ庭づくりに挑戦6月9・16日10時。ガーデニング基礎。講師はグリーンアドバイザー・松村千春さん。
33・0712
▼ふらっとカフェ鎌倉
食を通じで多世代交流。5月21日17時半、二階堂デイサービスセンター。食育講座、イベント、弁当をみんなで食べる。子ども2百円、大人5百円。26日16時・17時、ソンベカフェ。店内飲食。子ども3百円、大人5百円。16時~18時半テイクアウト5百円。申込はメールflatcafekamakura@gmail.com※食料の寄付も受付。
渡邉方 090・5199・1654
▼観光遊漁船クルーズ
5月23日10時・14時、小坪漁港の漁業振興センター。小学生以上対象。漁師と小坪漁港から江の島を往復し海を満喫する。小学生5百円、中学生以上2千円。6日から申込。
逗子市観光協会 046・873・1111
▼高齢者福祉施設の催し
鎌倉市在住・60歳以上対象。無料。要申込。
▽名越やすらぎセンター転ばぬ先の筋力アップ5月25日から火曜全6回、14時45分。6日から受付☎25・1188 ▽玉縄すこやかセンターA歴史講座「〝俳優〟からたどる日本映画史」5月26日・6月2・9日10時。創生期から黄金時代、斜陽化する日本映画史を俳優の視点からたどる。講師は川喜多映画記念館・阿部久瑠美さん。B文学講座 「夏目漱石 人と作品」6月3日~7月15日木曜全4回、13時半。漱石の人と作品を手紙を軸に辿る。講師は鎌倉文学館・小田島一弘さん。
47・1338
▼逗子の市(雨天中止)
亀岡八幡宮境内。
▽フリーマーケット5月28日9~15時。雑貨・衣類 ・手造り品など約20店。
▽骨董市29日8~15時。
出店者募集。片岡方 090・5442・3778
▼鎌倉こども能
鎌倉市在住・在学の小4~中3対象。6月~3月全20回程度、鎌倉能舞台。稽古は平日夕方~夜間、発表会は2022年3月予定、演目「土蜘蛛」。指導は観世流・中森貫太さん。1万円。要申込。
市共生共創部文化課 61・3872


鎌倉朝日新聞社

季節の心(55)

森は生きている  佐伯 仁

●5月の風をゼリーに
5月。皐月、吹く風は爽やか。枕草子は「節は5月にしく月はなし」(39段)。5月が一番好きな季節と綴る。 山里を牛車で巡り、目で見て、肌で感じた新緑の清々しさは宮中生活での清涼剤だったろう。 5月と言えば風薫る季節、その風に鯉を泳がせた江戸っ子の奇想天外な発想、これを清少納言ならどうみたろう。恐らく「いと、おかし」か。 薫りの感性は源氏物語に詳しいが、鯉が泳ぐ「薫る風」とは何か。 実は初夏、森で植物が芽吹くと、その芽を餌に雑菌が寄り付く。それを防ぐため、樹々は揮発性の微粒子を発散、それは「フィトンチッド」と呼ばれる。 微粒子は芳香性ゆたかなガスになり森一杯に広がる。お陰で樹々の新芽は災いを受けず育つ。 森の〝薫風〟は人に快いため、心身両面のリラックス効果を兼ね、林間療養所(サナトリュウム )が開設された。 1938年(昭和13)詩人・立原道造は東京近郊のその施設に入所した。 見舞い客に「この次、来るとき、5月の風をゼリーにしてきて。」と言い残し、25歳の若い生涯を閉じた。
 その人の足跡ふめば
  風かおる   子規


鎌倉朝日新聞社

鹿肉のローストにアマゾンカカオ

食べて応援!フェアトレード×ローカルランチキャンペーン

5月1~31日逗子市内協力店舗で。フェアトレード食材と地産地消食材を使用したフェアトレードメニューをランチ、ディナー、テイクアウトで提供。逗子フェアトレードタウン名女川方☎090・6006・3795 ▼関連イベント オンライン映画上映「マイクロプラスチック・ストーリー―ぼくらが作る2050年」22日18時上映、19時半監督トーク。市内在住者優先。無料。7日以降申込。▽図書展示「世界とつながるフェアトレード」7~22日、図書館。▽パネル展示「フェアトレードタウン逗子」20~31日、「逗子コーヒーリニューアル販売」22・23・29・30日。交流センター。
市民協働窓口 046・872・8156




第4回神奈川工芸美術展 作品募集

金属、陶磁、染織、漆、人形、革、七宝、木、竹藤、硝子、紙、ジュエリーなど工芸美術作品を募集
【応募資格】住所、年齢不問。プロ、学生問わず
【会期】5月26日~6月5日
【会場】神奈川県民ホール ギャラリー
【搬入日時】5月24日11時~15時
【サイズ】立体:64000㎤以内(1辺80㎝以内)平面:横180㎝以内。重量:50kg以内。
【出品料】1点 5,000円、学生3,000円
【申込】搬入1週間前までにハガキ、メール、FAXで。〒259-0201 足柄下郡真鶴町真鶴491。 0465・25・3477
【問い合わせ】現代工芸美術家協会 神奈川・静岡会 shinseikai358@ezweb.ne.jp


鎌倉朝日新聞社

漱石や川端らの創作の源泉を探る

鎌倉文学館特別展「作家のきもち」

鎌倉市長谷の鎌倉文学館で12人の作家の素顔を紹介する特別展「作家のきもち」が開かれている=写真。 『こころ』『道草』『明暗』の晩年三部作を書いた文豪夏目漱石が、「ただの夏目なにがしで暮らしたい」と文部省に出した博士号辞退の手紙、漱石と高等中学校の同級生で出会った正岡子規が友情を育み、35歳で亡くなるまで交わされた手紙の一部、子煩悩だった高浜虚子が旅先から子どもたちに宛てた優しい言葉が綴られた手紙、17歳の吉屋信子が「此名もなく金もないただ筆を一本もつてかく事のみを知る少女」と新聞社に原稿掲載を依頼した手紙、与謝野晶子が亡き夫・鉄幹への思いをしたためた短歌の短冊など、合計約80点の資料を展示している。直筆の原稿、封書ほか、色紙や短冊など毛筆書きのものも多い。 日本の美を生涯追求した川端康成の肉筆原稿、三島由紀夫と清水甚吉、太宰治と井伏鱒二に交わされた書簡、死と隣合わせの日々の思いを書いた詩集『死の淵より』を書いた高見順がガンを宣告されてからの気持ちを綴った日記もあり、それらから作家の希望や決意、願望などがうかがえる。 同文学館の富岡幸一郎館長は、「乾坤(けんこん)一擲(いってき)-作家が書き続けることができるのは自分を鼓舞して前進しようとする作家のきもち」と展示を紹介し、「作品の根幹となる、手紙や日記などなるべく多くの部分を公開しているので、そこから、共感したり、感心したりいろいろ感じてほしい」と同館の学芸員は話している。
入館料500円、小中学生200円。
同文学館 0467・23・3911


鎌倉朝日新聞社
鎌倉朝日新聞社

SDGsトイレットペーパー

鎌倉駅トイレと小中学校へ

「SDGsを漫画で学べるトイレットペーパー」1,000個が4月2日鎌倉市に寄贈された=写真上。市ではなるべく多くの人の目にとまるところへとポスターとともに鎌倉駅東口トイレに設置したほか、市内の公立小中学校にも配布した。 「SDGsを漫画で学べるトイレットペーパー」は、SDGsやトイレ・ジェンダー課題のことを知ってもらおうと、昨年、公文国際学園高等部2年の原田怜歩さんら高校生グループが開発・普及を進める企画を立て、今年1月中旬から2月末までクラウドファンディングで資金集めをしたところ(鎌倉朝日1月号に掲載)、開始1カ月で第1目標の40万円に到達し、最終的に92人から84万3千円の支援を集めた。 さっそく再生紙100%のトイレットペーパーにSDGsの17の目標をイラストにし、目標を3、4個ずつ分けて印刷。青・緑・オレンジ・赤色で描かれている全4種類が完成。日本全国の学校・飲食店・公共施設などに寄贈されている。原田さんは「全国から沢山の応援メッセージをいただき、最高の自信作をお届けできてうれしい」と話している。


鎌倉朝日新聞社

大船の小ギャラリー「楽庵」

カフェ飲食で利用料はタダ

自宅の一部を改造してつくった小ギャラリーが、多目的スペースとして地域の人を中心にじわり人気を集めている。大船・常楽寺近くの奥まった住宅地にあるLa qwan(楽庵)。大手建設会社を定年退社した三嶋志郎さん(61)が開設、運営する。気軽に使える広さ、そして併設するカフェで飲食してもらえれば、利用料は無料というコンセプトが魅力。 去年7月にオープンした。これまでに水彩画の展覧会が開かれたり、赤ちゃんの記念写真を撮るスタジオとして利用されたりしているほか、着付け教室やマッサージ、セラピーの施術室などにも使われている。 広さは12.4平方メートル。天井が高く開放的なカフェとつながっているので、空間にプラスの広がりを生んでいる。 毎週木曜日夕方には、英語の元教師が中学1年生に英語を教えている。先生は「発音も教えるので、ここは使い勝手がいい」と言い、生徒は「くつろいで勉強できる」と満足げだった。 三嶋さんは「Wi-Fiもあり、リモートワークにも使えますよ」と話している。
La qwan(楽庵)鎌倉市大船5-6-1 090・1395・3686


鎌倉朝日新聞社

世界に通じる茶道を

丹月流 体験教室

「コロナ禍で、飲食を伴うお茶のお稽古はできない」―と緊急事態宣言中、教室もできず心が折れそうになっていた国際茶道香道丹月流二代目家元・大島麗月さん。自分の他にも心を患っている人が沢山いる事を知り教室を再開することにした。5月に体験教室を開く。 中国から日本にもたらされた茶は、時代に育まれながら受け継がれた。世界の生活文化の潮流に合わせた茶道を広めようと、1984年に大島麗月さんの母、丹下明月さんは丹月流を創設した。 茶会を「宴」とし、コンサートホール等大きな会場でも楽しめる演出、表現工夫をし、音楽を調和させた。中国・杭州にある浙(せっ)江(こう)樹人(じゅじん)大学で茶道を教え、韓国、ドイツなどにも普及させている。 丹月流の理念は、「礼和敬楽」。〝茶は世界を結ぶ〟茶道を通じて国際交流を深め、世界平和への貢献を目指す。 体験教室は、5月11・18・25日の火曜日、9・23・30日の日曜日、11時〜と14時~。1回千円。教室は丹月流本部(鶴岡八幡宮そば)。 大島さんは「お茶は感染予防にもなるようです。洋服で気軽にどうぞ」と話している。
申し込み大島方 0467・24・8752



投稿募集

●「コロナと私」投稿募集します
コロナ下で、私たちのくらしが変化していることをどのように感じていますか。生活に関する幅広い視点での投稿をお待ちしています。500字程度。住所、氏名、☎、年齢、職業を明記。
●ペット紹介
写真・紹介文と、住所、氏名、明記。掲載後、写真をカレンダーにして贈呈。
●歌壇・俳壇
ハガキ1枚に3首(句)まで。同じ面に住所、氏名、を明記。
◆投稿先 郵送かメールで。(歌壇俳壇はハガキのみ)
▽郵送:〒248-0007
鎌倉市大町2-8-13 2∸202
  鎌倉朝日新聞社
▽メール:info@kamakura-asahi.com


鎌倉朝日新聞社

スケッチ日和(43)

「新緑」  黒川 明

鶴岡八幡では遠足の子供たちをよく見る。 このスケッチは一昨年の五月。源氏池には柳の大木が二本、枝が重なり大きなアーチを作っていた。その下を小学生らしい子供たちが十人ほど通っていった。大木の間でなおさら小さく見えたのを覚えている。この子たちも今は、マスクをして通学しているのだろう。 柳は台風のため一本だけになった。人の社会も自然も変わらぬわけにはいかないようだ。しかし残った柳の緑は、今年も美しい。
水彩画31×41cm



鎌倉年中行事

5月

▼菖蒲祭 5日13時、鶴岡八幡宮。無病息災など祈願。祭典のみ。
▼草鹿神事 鎌倉宮。中止。
▼徳崇大権現会 22日13時、小町の宝戒寺。北条一族の慰霊供養。
▼白旗神社例祭 28日10時、鶴岡八幡宮境内の白旗神社。


プロムナード

大型連休が目前になっても「自粛」という単語が頭を駆け回る状況で、あまり楽しみが感じられないのですが、鎌倉駅周辺は観光客で少しずつ賑わってきているように思います▼外国人観光客がほとんどいない状況下での現状の混雑を考えると、日帰りで楽しめる観光地として需要があるのかもしれません▼経済効果としては助かる反面、コロナ禍での観光としてマイカーで訪れる人たちによる交通渋滞も増えている気がします▼他県ナンバーを多く見かけ、コインパーキングの満車表示を見る度に、数年前に実証実験として実施された「可搬型ETC2・0による渋滞データの収集」による効果を発揮してもらいたいと切に願っています。(N)


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