鎌倉朝日新聞 (6月1日号 2020年 第495号)

鎌倉朝日新聞社

山崎・台峯緑地に整備された南管理事務所

鎌倉朝日新聞社

堤体改修された「谷戸の池」

鎌倉朝日新聞社

山道に建てられた案内板

鎌倉朝日新聞社

自然観察する市民団体会員

山崎・台峯緑地の一部開園

市民団体が保全活動

台峯緑地 公園に鎌倉市の三大緑地(広町・台峯・常盤山)の一つ、山崎・台峯緑地の豊かな自然環境を保全・活用し、都市公園とするため、鎌倉市が2007年度から取り組んできた整備事業の一部が完成し、4月14日付けで風致公園として開園した。 山崎・台峯緑地は約27・5㌶あり、今回開園したのはそのうちの約19㌶。南管理事務所(トイレ併設)が完成し、ため池「谷戸の池」などが整備された。残りの部分については、北側に管理事務所の建設、危険カ所の整備などを進め、来年度の供用開始を目指す。 三大緑地においては、1960年代に大規模な宅地開発計画が浮上したため地元で保全を求める運動が起こったのを受け、市が買い上げて保存することを決め、2000年代に入り保全事業に着手した。 常盤山緑地(約18㌶)は2005年に特別緑地保全地区の指定を受け、広町緑地(約48・1㌶)は2015年に都市公園として開園している。 台峯緑地は2016年度から市が整備工事に着手し、2019年度の工事でため池の堤体改修や南管理事務所など一定の施設整備が完了した。 保全活動する市民団体三大緑地の保全活動をボランティアで行っている市民団体の一つ、NPO法人「北鎌倉の景観を後世に伝える基金(北鎌倉台峯トラスト)」は、宅地開発計画の反対運動のあと、1998年11月にナショナル・トラストの手法で里山的に実質保全しようと作家で精神科医の故なだいなだ氏を代表に発足した。同会理事長・出口克浩さんは「宅地開発されなくてよかった。ここを多くの人に知ってもらいたい。自然を守っていきたい」と話す。 同会会員の望月眞樹さんは、会の活動でササやアオキ、増殖する外来種、大きくなりそうな常緑樹などを除去したり、もとから生育していた植物が絶滅しないよう観察し、保護したりする作業を行っている。ひんぱんに緑地を訪れ、会のHPに四季折々の写真を載せるのも望月さんの役割だ。 同会は毎月1回第3日曜日に台峯を「歩く会」、前日に「山の手入れ」を行っており、山歩きの案内役・久保順三さんは「台峯緑地の特徴は、ため池と湿地があること。なだいなださんは『ここには生きている自然がある』と言っている。できるかぎり自然を残した新しい形の都市型里山として継承していきたい」と意気込みを語る。 現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で会の活動は休止している。



休校中の子どもたちに

分散登校や家庭学習支援

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、学校の休校が延長されている。 鎌倉市は、4月の入学式・始業式以来、5月11~13日を課題配布日として登校日を設けた。また、ネット環境のない家庭へのタブレット端末の貸し出しを行うことを決め、20日からオンラインで朝の会など学級活動の配信を徐々に進めている。6月から分散登校も開始する。 逗子市は、児童・生徒の健康確認、家庭学習の確認などを目的として5月15日から順次、学年・学級ごとに分散した形で登校日を設定して一人週一回の登校を始めた。各学校のホームページなどでも学習情報を形成し、ネット上の学習支援サイトを紹介していて、小学校では5月中旬から、昨年9月に各校に導入されたタブレット端末を台数限定で貸し出している。 逗子では、ネット環境が十分でない家庭のために、市民の立場で家庭のネット環境をサポートしようと、逗子市の前教育長・村松雅(まさし)さんが窓口となって5月4日、「逗子の子どもネット環境サポートプロジェクト」を立ち上げた。活動内容は、パソコンやタブレットを寄付してもらい、保護者に貸与することで、▽そのための寄付▽寄付された物品を整備するボランティア▽ネット環境のあるスペースを学習場所として提供してもらえる店や会社などを募集中。 きっかけは、村松さんが4月にフェイスブックで「新担任と子どもたちの大切な出会いのこの時期に、今ある環境でオンラインの朝(帰り)の会ができないか」と保護者にアンケートをとったところ、300件を超える回答があり、概ね好意的で、オンライン授業への要望もあった。臨時休校継続などに備えて、少しでも学習用の端末が多い方がよいと考え、学校と家庭の橋渡しをしようと企画を立ち上げた。 寄付された端末の提供先は、教育委員会、学校と相談して決定するという。村松さんは、「まずは、多くの人に活動を知っていただき、皆さんの協力をお願いしたい」と話している。詳細は「逗子の子どもネット環境サポートプロジェクト」のフェイスブックで。


鎌倉朝日新聞社

「ひと」
鎌倉市中央図書館館長に就任した

朴澤徹範(ほおざわてつのり)さん

御成小学校に隣接し、鎌倉市の図書館の中心として地域館をバックアップする役割も担う中央図書館。新型コロナウイルス禍で全館が臨時休館になった4月に着任。サービスを再開させる中「どうすれば安全な状態で市民に利用してもらえるか」と、感染回避対策に頭を絞る。 中央図書館は郷土資料の充実に力を入れている。明治、大正、昭和の鎌倉を語る資料をそろえた「近代資料室」のほか、昨年11月には万葉集や古今和歌集等の鎌倉の古典文学を集めた「鎌倉仙覚文庫」が開設され、次々と貴重な資料が寄贈されている。こうした郷土資料、特に近代資料室の活用が引き継がれた課題の一つだ。「大事な財産を預かる重責をひしひしと感じる」と気を引き締める。 東京で生まれ育った。大学卒業と同時に鎌倉市役所に就職した。「鎌倉はいいところで、こういうところで働けたら」というのが志望動機だった。 図書館の仕事は初めてだが、事務職として税金、福祉、清掃関係などさまざまな部署を経験した。 税金関係では「皆さんがどれだけ苦労して納めてくれているかが身にしみてわかった。大事に使わねばと思った」。福祉の職場では「心がうち解けて初めて一緒に進んでいけることを肌で感じた」。 直前の職場は「名越クリーンセンター」のセンター長。古くなった施設に手を入れながらの運営で、稼働日数や焼却量が住民と約束した日数や量のギリギリの状態が続いていた。しかし地元の人びとは暖かく見守ってくれたのが「忘れられない」と振り返る。 図書館は司書の役割が大事と考える。「一朝一夕に育っていくものではないし、市民との触れ合いで知識を深めていく貴重な財産」。そそっかしい性格と自己分析、「だからみんなの意見をきちんと理解、把握して、判断を間違えないようにしたい」と肝に銘じている。 写真家の故星野道夫の著作を愛読。「あと、星新一の『鍵』という作品が好き」と付け加えた。青春時代は、夜行列車を乗り継いで旅をするのが楽しみだった。その頃行った土地を再訪するのが夢と言う。町田市在住。58歳。
(文・写真 三浦準司)


鎌倉朝日新聞社

上杉憲方墓で祈る大根師=2019年4月号

鎌倉朝日新聞社

六地蔵前で手をかざす人たち=2018年12月号

かまくらの不思議を歩こう(35)

鎌倉シリーズを振り返って  大貫昭彦


*節目の座談会 4年前に始まったこの連載は、鎌倉をひと回りし、今後は鎌倉の周辺に足を延ばすことにしました。この節目にパワースポットのおさらいをします。Qは質問、A1~A4は会員の方々、AOは大根会を主導される大根弘行師の回答です。
*「パワースポット」は磁界!
Q「ずばりパワースポットとは何でしょうか」
A1「天から地へ磁力が通じる磁界でしょう」
A2「磁力が働くので、体が揺れる、熱を感じるといった現象が起きるのでしょう」
Q「アースパワーともいいます。宇宙規模のエネルギーのようですね」
AO「宇宙から来る永遠の力です。私は天上界の神が発し、パワースポットで地上界の神が受け、人がそこに立つと体に伝えると考えています」
*「パワースポット」は神社に多い!
Q「パワースポットはどこにあるのですか?」
A1「自然界のあらゆる場所、特に山や川、泉、大きな岩、洞窟などの地形に多いようです」
A2「ただパワーには強弱があるので、時には感じないこともあります」
Q「それにしても、パワーのある場所が神社に多いのはなぜでしょう」
AO「感性の鋭い人たちが、自然界での神の存在を感じて祈りの場にしたのでしょう。そこは本来安全で快適ですから、自然と融合することによって人が集まり、心の支えとして集落の中心になることが多かった」
*パワースポットの功罪
Q「大根会に参加する度に皆さんがいろいろ反応されるので驚いています」
A1「パワーにもいろんなタイプがあります。引っ張る・突き放す・包み込むなどね」
A2「熱を感じる・風を感じる・香りを感じる・ 爽やかになる。まだまだありますよ」
A3「悪臭がする、不快になるもありますね」
Q「結論から伺うと、皆さんはパワースポットからどんな影響を受けているのですか」
A4「健康になる、悩みが解消するなどです。私は仕事が順調にいくようになりました」
AO「磁界から強力なエネルギーを受けるので、気分が悪くなるといったマイナスもありますが、直によくなります。多くは気力を目覚ますとか、空虚を埋めるとか、心のゆがみを治すプラスのパワーが多いですね」
*マイナスパワーの要因
Q「宇宙から来たパワーになぜ善し悪しがあるのでしょうか?」
AO「アースパワーには、もともとマイナスがあります。地相の善悪があるようにね。それに後天的な要因でマイナスになることもあるようです」
Q「後天的要因とは?」
AO「人間界の業(ごう)といったものです。呪詛、恨みですね。また破壊する、粗末にする、不潔にする行為も、入ってくるエネルギーのバランスを崩す要因になります」
Q「道徳的判断は誰がするのですか」
AO「私は天上界から命を受けた地上界の神だと解釈しています。天からパワーを地上界の神が人に伝える時に加える」
*プラスパワーを受けるには?
Q「では、プラスパワーを受けるには?」
A1「私は、正しい作法で参拝するように心掛けています」
AO「参拝は必ずパワースポットに立つことです。また参拝の仕方をグレードアップさせることも肝心ですね」
A2「鳥居の前で一礼、くぐって一礼。参道の中央を避けて社殿へ。次に氏名、住所、祈願事を申し上げます」
AO「願い事は自己中心的ではいけません。健康で生かされていることに感謝を込めて祈りたいものです。また鎌倉は地相が東西につり合い、寺や神社も多く、パワースポットに恵まれています。大切にしたい町ですね」


鎌倉朝日新聞社

健康百科通信(129)

かかりつけ医には、ぜひプライマリ・ケア医を!
  鎌倉市医師会理事 木村耕三

「ノドが痛くて、咳も熱も出てきた、コロナだったらどうしよう」「症状も人によってちがうし、高齢の両親が重い肺炎になったらどうしよう。持病もあるし…」。 新型コロナウイルス感染症と似たような症状が出てきたら不安になります。予防に努めていても心配が多い毎日かと思います。 患者さんにとっては、自分自身の今現在の状態をよ~く診察してくれて、不安な気持ちにも寄り添ってもらいたいし、何よりも早くつらい症状が改善してほしいですよね。同じような風邪でも人それぞれで病気の現れ方も異なります。 身体の臓器や病気の種類で専門に分けると、初めにどこに行ったらいいか悩みます。病院に行くにしても身体のあちこちにおかしいところがあると「何科に行けばいいの?」と悩まれることもあると思います。 そういう時には『プライマリ・ケア医』に行って下さい!『プライマリ・ケア医』というのは、最初の「おかしいな」に対処することを専門としています。日本では『総合診療医』や『家庭医』と呼ばれています。 身体のどこが、どんな病気か、ということを専門にするのではなく、「今のあなたの体調」を専門にします。当然、「今までのあなた」があって「今のあなた」があるので、今までにどんな病気にかかったか、どんな食生活をしていたのかなど過去の情報が重要になります。 そうやって継続して診ていくといつもの風邪なのか全く違うものかはある程度は診断がつきます。ぜひ、そういった『プライマリ・ケア医』を『かかりつけ医』にもってください。

西鎌倉ファミリークリニック院長
西鎌倉1―19―9福田ビル2F
0467・39・3880



終の棲み家を考える 74

砥の粉

私は趣のある昔ながらの家の改装工事をよく手掛けます。先日も打ち合わせでお客様の家を訪問した折、お客様が「この家気に入っているけど、木が何となく白く汚れているのよね」と独り言の様に呟きました。 私は直ぐ原因が分かったので、「それは手の油が酸化したためで拭いても取れません。ですから鉋(かんな)できれいに仕上げたら直ぐ、土を水で溶いたもので汚しておくものなのです」と説明しました。 きれいに仕上げた材木を職人さんが直接手で触ると職人さんの手の油が付いてしまい、何年かすると触った所が指や手の形として浮き出てくるのです。 そして、水で濡らした雑巾で拭いてあげると、薄い飴色の杉や檜の『木』本来の色が出てきました。 お客様はびっくりして「手抜き工事ですか」と聞きますが、最近は予算の関係でこの種のクリーニングを省略してしまう業者もいるようです。 木の持つ本来の輝きを発揮させずにいるのはもったいない事です。天井も同じで、手形のついている天井をよく見ますが、無垢の本物を使っているのに残念としか言いようがありません。 趣のある家にお住まいの方は、合板ベニヤ・ビニールクロス・ペンキ仕上げの家との違いを楽しんで豊かに暮らしてください。
日向建設
鎌倉市大船1―15―3
0467・47・5454
http://www.hyuuga.co.jp/


鎌倉朝日新聞社

心のふる里を行く 31

人は試練をどのようにして生き抜くか 池田雅之

新型コロナウイルスの拡散状況を、日々おいつづけて、心を痛めている。無力感にも苛まれている。一人ひとりがその推移を見守りながら、我が身の感染の危機を乗り越えていかなければならない。 こんな時、私は、避けがたい絶望と苦悩に向き合いながら生きた一人の人物を思い浮かべる。ローマの哲人皇帝マルクス・アウレリウスである。2000年前の人物であるが、『自省録の教え』(草思社文庫)の中に「人生に耐えられないことは、決して起こらない」という言葉がある。私はこの言葉にどれだけ救われてきたか分からない。また「耐えられることは、幸せなこと」とまで言い切っている。 マルクスの自省録には、折れない心をつくるための言葉が散りばめられている。私は、日本人の叡智からも、この試練の時を生き抜く勇気を学ぶことが出来ると思っている。それは1300年前の記紀神話における神々の死と再生の物語である。 この非常事態のさなか、友人たちと『熊野から読み解く記紀神話』(扶桑社新書)という本を出した=写真。今年は日本書紀が編纂されてからちょうど1300年紀にあたるので、熊野を中心に据えて日本誕生の原点を見直してみようと考えたのである。執筆者は熊野学の第一人者の三石学、中上健次の娘さんで作家の中上紀、三重県立熊野古道センター理事の桐村英一郎、日本文化案内人の秦まゆな、私池田の5人による共著である。みな熊野に縁を持つ友人たちであるがそれぞれのアプローチで知られざる熊野の魅力に迫った案内書である。 熊野は1300年に渡り今日まで、多くの神話伝承や物語、小説の舞台になっている。そこに一貫して流れている主題は、死と再生であり、祈りと救済である。記紀神話に限っても、スサノオの追放劇と再生譚、オオクニヌシの死と復活、さらには神武天皇の国作りのための起死回生の旅など、すべての物語の舞台は、熊野であった。 この三神の死を賭した試練とその克服の物語を読むと、今回の新型コロナウイルスから受けている試練とどこか重なって見えてくるのだ。この試練をどのように受け止め、いかに克服してゆくのかのヒントを、記紀神話から読みとることが出来るのではなかろうか。 マルクスの「人生には耐えられないことは、決して起こらない」という言葉と、記紀神話の死と復活の物語を心の支えにして、今後の日本と世界の変容と再生を見守っていきたい。
(早稲田大学名誉教授・鎌倉てらこや顧問)


鎌倉朝日新聞社

だんかづら

空ちゃん、10歳黒豆柴の女の子。このつぶらな瞳で見つめられると、ついつい甘やかしてしまいます。いつも、愛をいっぱいくれます。ありがとう!
鎌倉市笛田 飯山さん方

●ペットの写真募集!
掲載後、その写真をカレンダーにして進呈します。
住所・氏名・を明記、1面題字下住所の鎌倉朝日へ。


鎌倉朝日新聞社

季節の心(45)

歯は健康の入口  佐伯 仁

●歯は健康のシンボル
6月4日を「虫」と読ませ、この日を日本歯科医師会が「虫歯予防デー」として1928年(昭和3)に提唱した。 我が国には「明眸皓歯」という誉め言葉がある。澄んだ瞳と白い歯、これぞ美女の証し。 残念ながら我が国は虫歯民族。その一つの証拠は平安期の『病草紙』。ここには食事を前に痛む歯を女房に見せている初老の男の姿が描かれている。 『枕草子』には「色白で愛敬のいい女房が歯を病み、頭髪を乱し泣きじゃくっている」とある。 『源氏物語』(賢木)にも虫歯のある少女が笑うと黒い虫歯がのぞく。それが可愛いい。  鎌倉期の歌人・藤原定家は歯痛に苦しみ苧(あさ)を歯に結び、引っ張る抜歯法を伝えている。 室町期になると虫歯に効く薬も登場したが、食事の豊かさが虫歯増加の一因とも判明。 江戸期にはお歯黒=鉄漿(はぐろ)が既婚女性に普及。素材は鉄のため、エナメル質の歯を染めるのが難しいが、虫歯予防の効果もあったらしい。 美しい歯はバランスの取れた食事と歯磨き。高齢者が要介護になるケースの一つは歯科疾患とも言われている。
竹の子や 児(ちご)の歯ぐきの美しさ   嵐雪
※参考文献『日本人の病歴』立川昭二(中公新書)


鎌倉朝日新聞社

「てらこやたまりば」の活動の様子。詳細はHPをごらんください。

いざっ!!鎌倉てらこや(68)

「あそび」の時間
NPO法人鎌倉てらこや事務局長 小木曽 駿

子どもたちの姿がてらハウスから消えて、早くも3カ月が経とうとしている。満開の桜は新緑へと変わり、夏を思わせる暑さの兆しが見え始めている。 新型コロナウイルス感染拡大を受け、鎌倉てらこやでも通常活動の自粛が続いている。三密を避けての特別活動としては、子どもたちと大学生が公園で遊ぶ事業を3月に4回開催した。4月からは、休業中の飲食店・千里さんのご協力で広い店舗を借用し、様々な理由で家にいることが難しい子どもたちの避難場所(シェルター)として、中高生対象の自習室を開室している。昼食は千里さんのご厚意で特製弁当を無料で提供していただいた。活動の中である子から聞いた「やることがなさすぎて勉強しかやることがない!」という言葉が印象的だ。子どもたちは代わり映えのしないカサカサとした毎日に暇を持て余している。 そこで5月に入ってからは、オンライン会議システムを用いて毎日16~18時にウェブ上で大学生のお兄さん・お姉さんと再会できる「てらこやたまりば」を開始した。画面越しではあるが、子どもたちは目をキラキラさせながら、最近お家でやっていること、日常に戻ったらやりたいことを矢継ぎ早に話してくれる。みんな他愛ないお話を聞いてくれる誰かを圧倒的に求めているのだ。 今、子どもたちを含め私たちが失っているのは、日常生活に何気なく存在していた「あそび」の時間だ。スマホやSNS等の手段を持たず、保護者以外の人と関わることなくすごしている子も少なくない。友達とのとりとめのない無駄話や、休み時間に同級生と共にすごすひとときといった、何かをするためではない「あそび」の時間が、日々の生活にどれだけ潤いを与えてくれていたのか私自身も思い知らされている。 今後、緊急事態宣言が解除されてもワクチンが幅広く行き渡るまではこれまでと同じ生活を送ることはできない。しかし、時間は否応なく進み続ける。2020年の夏は、今年しかやってこない。緊急事態であるからこそ、これまでと同じように子どもたちの声に耳を傾け続けながら、今、私たちにできることを一つずつ行っていきたい。

鎌倉てらこや事務局
0467-84-9746(平日13~17時)
http://kamakura-terakoya.net/


鎌倉朝日新聞社

平松健男さん

鎌倉市倫理法人会 通信

「いざ、鎌倉!」62 歴史と伝統のある鎌倉を梁山泊に!
 地球温暖化から地球を救う道

本件は、すでに鎌倉朝日2月1日号で北半球の温暖化とそれに起因する異常気象(大型台風や豪雨の頻発)の原因を、そして、4月1日号でその対策案を解説した。今回はそれらをとりまとめる。 「温暖化の主因が大気中の温室効果ガスCO2の濃度上昇」とするIPCCの主張はおかしく、「主因は人類が地上にばら撒いたエネルギーの増大や、太陽光の反射の減少」とするのが妥当と思われる。 【温暖化防止策】効率が50%以下の低効率な発電方式「太陽光」「原発」「内燃機関」から、効率が60%以上の高効率な発電方式「(太陽光を除く水力などの自然エネルギー発電)」「高温水蒸気使用の火力発電」への移行が有効である。 また、「各種省エネ化」「太陽光エネルギーの宇宙への積極的放出」も重要。但し、太陽光の場合パネルのエネルギー変換効率が現在は20%以下と低く、効率が60%以上に改善されたときには積極的に採用するベきであろう。この対策で北半球の海面の温暖化は沈静化し、数十年前の穏やかな気候に戻るのである。 但し、今年はコロナ問題で原油の消費量が減少してきており、4月以降の海洋への投棄エネルギーが減少し、北半球の温暖化・異常気象が回避される可能性もある。(今後、要注目)。 なお、実際の発電方式の決定には、電力コストや各種のリスクなども考慮しなければならないことは言うまでもない。 当倫理法人会には、人間の生き甲斐の基本を追究しようとする仲間が大勢います。入会して彼らの実話(成功・失敗・解析例など)を聴いてみませんか?毎週火曜日朝6時半から各家庭との間をパソコン通信で結ぶモーニングセミナーを開催中。
(文責鎌倉市倫理法人会平松健男)
鎌倉市倫理法人会事務局
045・315・2433
045・315・2434


鎌倉朝日新聞社

移動図書館「うみやま号」(2018年11月撮影)

葉山のこどもとしょかん閉館へ

移動図書館事業にシフトチェンジ

「子どもが『シーッ!』と言われない。でも本の大切さは教えてくれる図書館をつくりたい」と2015年に立ち上げられた葉山初の民営図書館「うみとやまのこどもとしょかん」(下山口)が今月末に閉館する。 古民家を活用し、寄付や古本市の収益で集められた約4千冊が並ぶ同館には5年間で約千5百人が来館した。常連の小学生や、不登校の子も家族と来館するなど地域の温かい居場所として、音楽会や映画上映、ワークショップなどの催しは親子連れが集まる交流の場となっていたが、建物の借用期間終了に伴い今月末で閉館となる。 利用者から「安心して子どもを連れてくることができる場所だったので残念」との声も。コロナウイルスの影響による休館期間には、個人宅や店舗の協力も得て町内外の9カ所で「返却不要の古本市」を行い、約千5百冊の蔵書を休校中の子どもたちへ配布した。7月からは約5百冊を載せたワゴン車での移動図書館の活動に移行する。 一昨年から稼働している「うみやま号」は三浦市などでも毎月催しを行っており、植田由賀館長(42)は「今後は近隣の子どもたちへ向けた巡回から」と毎月第2・4木曜15時半~16時半「葉山こどものための歯医者さん」(長柄)の駐車場で子どもたちに本との触れ合いの場を届ける予定。 今月末閉館の下山口のこどもとしょかんは小学校の動向を見ながら開館日を決めるため同館発信のSNSで確認を。(K)



購入新図書のリスト抄

鎌倉市中央図書館(4月分)

鎌倉市中央図書館(25・2611)は4月に一般113冊、児童書12冊を収蔵した。一般的なものは下記の通り。 「図書館活用術-検索の基本は図書館に」藤田節子著 日外アソシエーツ▼「東京と美術。-東京が集めてきた、最高の“美”のアーカイブ」平凡社(別冊太陽)▼「神道の中世-伊勢神宮・吉田神道・中世日本紀」伊藤聡著(中公選書)▼「ころころ古事記-ゆる神様の神社ナビ」松尾たいこ著 かざひの文庫▼「平泉の文化史1」菅野成寛監修 吉川弘文館▼「韓国を支配する「空気」の研究」牧野愛博著(文春新書)▼「2049年「お金」消滅-貨幣なき世界の歩き方」斉藤賢爾著(中公新書ラクレ)▼「介護保険が危ない!」上野千鶴子編 樋口恵子編(岩波ブックレット)▼「『駅の子』の闘い-戦争孤児たちの埋もれてきた戦後史」中村光博著(幻冬舎新書)▼「アイヌをもっと知る図鑑-歴史を知り、未来へつなぐ」平凡社(別冊太陽)▼「5Gの衝撃」小林雅一著 宝島社▼「不器用なカレー食堂」鈴木克明・鈴木有紀著 晶文社(就職しないで生きるには21)▼「突き抜けるデザインマネジメント」田子學・田子裕子共著 日経BP▼「オーバーツーリズム-観光に消費されないまちのつくり方」高坂晶子著 学芸出版社 ▼「日本文学を読む・日本の面影」ドナルド・キーン著(新潮選書)▼「俳句といのち」新堀邦司著 里文出版▼「神奈川県の方言アクセント-小田原から横須賀まで」坂本薫著 春風社


鎌倉朝日新聞社

若宮大路に潤いを

花植えに郵便局も協力

鎌倉・若宮大路や鎌倉駅までの歩道に5月21日、近隣住民や周辺事業者らがマリーゴールド約800株を植えた=写真。 1989年の発足以来、若宮大路を中心に植樹・植栽などを行っている市民団体「かまくら桜の会」(高柳英麿会長)が神奈川県藤沢土木事務所から花の苗の提供を受けての作業。 持続可能なまちづくりの実現を目的に市と連携している鎌倉郵便局の職員たちも植栽に協力した。


鎌倉朝日新聞社

台湾から鎌倉へ

マスク10,000枚

新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて5月 22 日、台湾の外交部から鎌倉市にマスク10,000枚が寄贈された=写真。マスクは横浜の台北駐日経済文化代表処(張淑玲処長)を通じて贈られたもの。 台南市台日文化友好交流基金会から鎌倉市議会日台友好親善議員連盟を通じてゴーグル100個と手作りのマスクカバー400枚の寄贈もあった張さんは「これからも国際社会に協力できるよう努力していく」と述べ、松尾市長は「コロナ後も友好関係を続けていきたい」と礼を述べた。現在台湾はWHO(世界保健機関)などの国際機関への加入が認められておらず、鎌倉市議会は3月に台湾の正式加盟に必要な支援を要請する意見書を提出している。


鎌倉朝日新聞社

水彩 31×41cm

スケッチ日和(33)

「稲村より」  黒川 明

読者の皆さんはお元気だろうか。お変わりないだろうか。 5月に入っても新型感染症が収まらず、絵画教室も休止のままだ。これまで考えたこともなかったオンライン教室を始めた。作品をスマホやパソコンの画面の上でコメントを貼り付けて講評と合評、これが結構楽しいものだ。10人ほどでワイワイとやっている。 この際だから新しいことに挑戦するのが良い。もし、お時間があったら覗いてみてほしい。詳細はホームページに。artinfo.online水彩画の動画やスケッチ日和のページも。



鎌倉年中行事

6月

▼葛原岡神社例大祭3日11時神前祭・墓前祭関係者のみ。6日宵宮祭と7日由比ガ浜方面への神輿渡御中止。
▼五所神社例祭13日宵宮祭と見目明神祭は中止、14日例大祭10時関係者のみ。11~14時お渡り。海上渡御なし。16日三つ目神楽中止。
▼蛍放生祭 13日19時、鶴岡八幡宮。祭典のみ。拝観なし。
▼瑞賢忌 16日10時、建長寺。一般参列なし。河村瑞賢の法要。
▼大祓式 30日鶴岡八幡宮。一般参列なし。
●逗子の市(雨天中止)亀岡八幡宮境内。フリーマーケット26日9~15時。雑貨・衣類・手作り品など約20店。骨董市27日8~15時。出店者募集。片岡方☎090・5442・3778
※開催の有無は要確認。


プロムナード

朝のゴミステーションでカラスと睨めっこし、荒らされたゴミを掃除する▼ゴミを片付けても近くの電線からこちらを眺めており、カラスと人間なのにいたちごっこ▼ごみ収集車が作業中で少し渋滞し、朝の通勤者はイライラ…それによって私も高校生の頃に自転車で通学中、車と接触して自転車が壊れたことがある▼ゴミ問題はいろいろあると思うが、福岡市にはこのような悩みが少ないという▼それは、ごみ収集が夜間だから。交通渋滞緩和、カラス被害減少、そして防犯にも役立っているのだそうだ▼今回の新型コロナウイルス感染症の波紋が、せめてさまざまな生活様式を見直す機会になればいいと思う。(N)


FOLLOW US

short