鎌倉朝日新聞 (4月1日号 2019年 第481号)

鎌倉朝日新聞社

版画・熊本城 (タテ50×ヨコ110㌢)

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スケッチブックを手にした井上さんと門下生たち

紙凹版画「日本の城」4月1日~7日 鎌倉芸術館

鎌倉在住の版画家・井上員男さんが江戸時代の御城を再現

鎌倉市浄明寺在住の版画家・井上員男さん(87)が、4月1日から7日まで鎌倉芸術館で紙凹版画『日本の城』の作品展を開く。井上さんの鎌倉での展覧会は5年ぶり。 北の弘前城から南は熊本城まで1996年から2010年にかけて制作した作品22点を紹介する。全作品を一堂に会す展覧会は初めてという。 井上さんは1932年香川県出身。高校美術教諭として地元で教鞭をとる傍ら、紙凹版画(ペーパードライポイント)の独創技法を確立。1979年教職を辞して東京に転居後、創作活動に専念し、1982年から12年かけて「版画平家物語」の六曲屏風十二双一隻、全長76㍍を完成させた。 2012年、鎌倉に転居し、2013年に鎌倉生涯学習センターで「版画平家物語」を展示し、その翌年、建長寺でも披露した。 紙凹版画の工程は、厚紙にカッターナイフで線を刻んだり、はぎ取ったりして紙にインクを吸わせて刷るのだが、黒と白の単調な版画にすぎなかった。井上さんが独自に研究開発した技法により、ぼかしや中間のトーンが出せるようになり、立体感や空間感も表現できるようになったという。 日本の城を紙凹版画表現したいという思いは井上さんが上京した頃から持っていたが、現状風景では物足りず絵心が動きにくかった。そんな井上さんを奮い立たせたのが、神田の古本屋で出合った江戸時代の正保城絵図で、版画で江戸時代の城を再現しようと、1995年から城廻りの旅を続けた。完成図と同大のスケッチブックを手に現地に出かけ、朝から夕方まで一つの城に3~6日かけて鉛筆写生をした。 現状写生だけでなく、作品にはできる範囲で絵図などによって櫓(やぐら)や堀、御殿などを描き加え、山城・平山城・平城・水城の特徴を出すことに留意したという。 今回展覧会を企画したのは、井上さんの高校の教え子・坂井勝也さんと、20年ほど前から井上さんに紙凹版画の技法を習っている門下生グループ。村田恒代さんは「先生が生み出した技法を廃れさせずに後世に伝えていきたい」と羽村市(東京)から毎月通っている。「ぜひ多くの方にごらんいただきたい」と話している。 午前10時~午後5時(初日は午後2時~)。入場無料。
問い合わせ坂井さん 090・2412・7814


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鎌倉みほとけ紀行(91)

建長寺塔頭正統院(しょうとういん)・ 大黒天像

三寒四温の晴れ間建長寺塔頭(たっちゅう)正統院を訪ねた。塔頭とは歴代祖師(高僧)のお墓であり、墓をお守りする小庵を塔頭といいます。正統院は建長寺第十四世高峰(こうほう)顕(けん)日(にち)(後嵯峨天皇の皇子、那須の雲(うん)厳寺(がんじ)開山)をお守りしている塔頭です。 禅宗はそれぞれ開山の法系が多岐で、特定的な教祖や聖典を絶対視したり、その頂点を信奉したりすることはせず、一つの法系や開山の仏法を受け継いでゆくものです。 現在も臨済宗は多くの派が存在しながら各派の祖師をさかのぼればブッダにゆきつく一体感があります。正統院もそんな系譜の由緒ある禅院であります。 さて、今号の御仏(みほとけ)は微笑み豊かな大黒天像であります。米俵に乗り、福袋と打出の小槌を持ったお姿は微笑みの長者形。参るものに豊穣を招くようです。 和尚様のご好意で台座の裏を見せていただきますと、「仏師扇ケ谷村、三橋永作康運、慶応四年」と記された銘文が残っていました。 さらに「実はこの大黒天は昨年11月建長寺で開催された『禅と茶道と鎌倉彫展』に出展されていた」とうかがい、ここはぜひとばかり鎌倉彫二陽堂を訪ね、三橋鎌嶺氏(先代)にお話をお聞きしたところ、この大黒天は紛れもなく二代前の三橋鎌山作の鎌倉彫の大黒天像であるとお墨付きいただきました。鎌倉彫として代々受け継がれた名工の手による大黒天。そして今なお当代の三橋鎌幽氏に受け継がれ、新たな展開が楽しみです。 鎌倉ならではの正統院大黒天は、お寺の庫裡で静かに微笑んでおられます。
木造。像高24・5㎝、1868年(慶応4)三橋鎌山作。※拝観不可。



おわび

3月号1面の鎌倉の年中行事の記事で、献詠披講式の日にちが31日となっていたのは23日の誤りした。おわびして訂正します。


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導地蔵堂

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憲方墓で祈る大根師

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熊野新宮

かまくらの不思議を歩こう(23)

極楽寺のパワー地図  大貫昭彦


*獄門の口? 浄土の玄関? 極楽寺地区は鎌倉幕府の防衛基地として、また不吉な魔物の侵入に備える結界とされてきました。古くは地獄谷と呼ばれましたが、寺が開かれると西方浄土の地とされました。長谷方面から極楽寺切通を越えると、まず地蔵菩薩が出迎えてくれます。朱塗りの桜橋のたもとにある導(みちびき)地蔵堂(じぞうどう)の本尊で、600年前に造られた仏さまです。
*導地蔵堂の空気 かなりの力のある仏さまのようで、早速反応する人が現れました。熱を感じるそうです。そうした場所は三つあるようです。大根会のメンバーの話では賽銭箱の左右と本尊の辺りのようです。パワーの一番強い個所は、地蔵菩薩の所のようですが、堂に入るのは遠慮したので強さの程度は不明です。賽銭箱の左右では、右の方が強く、30代の女性は「堂の中は暗いけれども右のスポットに立つと明るくなり、本尊の顔もよく見える」と証言してくれました。ただ、大根師の感想は、少し違い、「堂内の雰囲気はよくなかったが、祈り続けたら改善された。中を掃除したいですね」と。
*三塔に眠る上杉憲方 導地蔵堂を辞して桜橋を渡り、向かいの路地に入ると、国史跡の上杉憲方の墓があります。関東管領を務めた武将の墓です。憲方の時代は、京都の将軍と鎌倉公方の仲が悪く、一触即発の状態でした。そのため調停役の関東管領は苦労し、憲方の兄の憲春は和平と引き換えに命を絶ちました。憲方が関東管領になったのは、このためです。想定外の役回りでしたが、憲方は京・鎌倉の争いを鎮め、無事役目を果たしました。平和功労者は、今三つの墓に眠っています。極楽寺坂のこの墓と近くの民家の裏、北鎌倉の明月院やぐらです。憲方は明月院を開いた人でもあったのです。
*祈りの力で空気が変わる 天寿を全うしたとはいえ、戦乱に明け暮れた武将の墓です。大根会の一行が墓前に立った時、突然風が吹き出しました。大根師も気味の悪いことを言われました。「非業の死を遂げた人の気配がする。側室とか子供とか、追腹を遂げた者でもいるのかな」。それでもお参りが終わる頃には風もおさまり、空気も穏やかになりました。大根師の打つ拍手の音も澄み、前より響くように感じました。ここのパワー・スポットは、大きな五輪塔の前と後ろ、七層塔に向かって右横の三か所のようです。祈りながらよろめく人も見られました。
*熊野新宮のパワー 次に訪ねた熊野新宮も大変強いパワーを発揮するスポットのようです。極楽寺の東の谷奥に鎮座し、歴史ある神社です。境内に立つだけで聖地の厳粛さに打たれました。鳥居を潜ってすぐ暖かさを感じました。大根会の人たちは「社殿正面の階段右下、境内の左、石碑が並んでいる辺り、この二か所がスポットらしい」と教えてくれました。参加者からは「頭がすっきりした」(30代女性)、「足がぽかぽかする」(複数)、「右手だけ暖かい」(50代女性)、「上に引っ張られた」(50代女性)などの感想を聞くことができました。
*パワー渦巻く極楽寺 お寺のパワーも相当なものらしい。不動堂の前の石段下では「腰や背中まで熱を感じた」(70代女性)の声が聞かれました。これとは対照的に月影地蔵堂は、冷気を感じさせる所のようです。堂に近寄れないという人までいました。この地区は、陰陽さまざまなパワーが渦巻いている感じです。


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東日本大震災から8年

宗教を越えて祈願祭 鎌倉で1000人余が参列

東日本大震災から8年を迎えた3月11日、鎌倉の神道、仏教、キリスト教の宗教者がカトリック雪ノ下教会(鎌倉市小町)で、震災の追悼・復興祈願祭を行った=写真。 鎌倉宗教者会議(吉田茂穗会長)が2011年の震災発生1カ月後の4月11日を初回に毎年3月11日に市内の寺社や教会で行っている合同祈願祭で、9回目。 大聖堂に集まった百人を超える宗教者と市民ら1000人を超える人が、震災発生時刻の午後2時46分に黙祷を行った後、鶴岡八幡宮を中心とした市内の神社の神職がお祓いをして大祓詞を斉唱、玉串拝礼を行い、続いて光明寺・柴田哲彦法主が表白、僧侶らの南無阿弥陀仏・観音経の読経があり、キリスト教諸教会の司祭、牧師、信徒による聖歌、祈りが捧げられた。 参列者の焼香が行われ、宗教者の祈りが終わってからもなお焼香の列は続き、讃美歌の歌声が堂内に響いた。 同教会の古川勉主任司祭(61)は「心を一つにして祈ることは意義深い。今も苦しんでいる人がいることを忘れてはならないと思う」と語った。


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福島県のおばあちゃん直伝

モンタナ幼稚園でみそづくり教室

東京電力福島第一原発事故で被害を受けた福島県飯館村の佐須地区では前年につくったみそを「種みそ」として味噌づくりをする独自の製法が受け継がれている。そのみそづくりを体験しようと鎌倉市津のモンタナ幼稚園で2月24日、「第5回親子みそづくり教室」が行われ、同幼稚園児や近所の親子連れなど約50人が参加した=写真。 震災を奇跡的に免れた「種みそ」を、関東を中心に残していく運動が2014年から始まり、鎌倉でも雪ノ下の酒井太郎さんが中心になり活動。 当日は村に昨年戻れたみそづくりのベテラン菅野栄子さん(82)と菅野芳子さん(81) がお礼を兼ねて訪れ、みそづくりを伝授。参加者は玄米こうじと塩と煮大豆をポリ袋に入れて振って混ぜ合わせ、仕上げは直伝の「種みそ」を入れ、子どもたちが足で踏むなど体全体を使い楽しく作業した。つくったみそは9月頃にはおいしいみそに仕上がるという。 菅野さんたちは「多くの方々に励まされ、伝統のみそが残りました」と喜びを語った。


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万一に備えた津波避難対策

逗子の自治会横国と連携

横浜国立大学の研究グループが約4年にわたり逗子市新宿自治会と津波避難や防災のまちづくりについて連携してきたプロジェクトの報告会が3月16日新宿自治会館で行われ、約20人が参加した=写真。 同大学は津波浸水被害が甚大と予想される逗子市へ避難ビルの新設や大津波警報の発表から5分で高所への避難が完了できない地域に向けた「津波避難シェルター」を提案してきた。昨年11月には渚マリーナに浮かべたシェルターの搭乗体験を実施。今回その時のアンケート結果と和歌山県串本町で調査したシェルターの導入例を紹介し、逗子での導入について意見交換した。住民から、すぐにできる対策として有効、置き場所や費用、運用などの面で実現は難しいなどの意見があった。 逗子での先進例になればと1カ月前8人乗りのシェルターを約4百万円で購入したという住民は「人生最後の買い物と思った。日頃から服のまま海に入る訓練や津波被害の録画などを見ることも必要」と話し参加者にシェルターを公開した。 福井八州雄副会長(75)は「補助金があればシェルター購入者も出てくるかもしれないが、まずは住民の津波避難への意識を高めることが必要」と話し、同大学との連携の成果を踏まえた避難経路の整備や、住民主体の避難計画の作成を進めていく方針を示していた。(K)


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木版画 藤本宿

谷戸の風(67)

夢がうつつか、うつつが夢か  山 内 静 夫

三月場所が始まっている。年六場所、隔月だから早い。この稿を書き出してから何年になるか。相撲のことは随分書いたような気がする。 この所しばらく取り上げなかったが、あまりいい話題がないからかもしれない。それで古い話を書くことにした。 記憶が少々怪しい気はするが、お許し願っておく。私にとって最も古い記憶だと思う。 多分七、八歳の頃だと思う。天龍という力士がいた。関脇位の力士で人気はあったのだろう。この力士が相撲協会に反旗を翻して、脱退事件を起こした。かなりの数の力士が動いたのだろう、大問題となった。 正確な時期の記憶はないが、私の記憶の中にこの脱退力士の角力を見た記憶があるのだ。 この記憶を信じなければ始まらないのであるが、この幼少の私の記憶の鮮明なことが時を経るにつれ色あせてくるのだ。そのあたりが逆に怪しいと思われそうだが、私の中ではますます現実味をもったイメージとして広がってきている。 天龍という力士の立姿、どこかわからないが、国技館でない場所で小屋がけ風の会場など、間違いなく現実なのだ。 手元の資料を調べればすぐわかる事なのだが、年と共に手早い行動が出来なくなってしまっている。私の中では現実であってほしいという思いがつよい。 ふと現代の角界に気持ちがもどった。貴の花に天龍の姿がだぶった。いつの時代でも革新の力が動くものなのだろう。天龍の行動も成功はしなかった。しかしこうした動きが時代を変えて行くのかもしれない。


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大償神楽(岩手県大迫町)の三番叟

文学つれづれ(171)

翁と乙女(十三) 赤羽根龍夫

ここでシテの翁が扇を広げて立つと、三番叟も立ち上がって扇をひろげて二人が向かい合う対面の形をとる。 本田安次が『翁そのほか』で各地の祭りの翁と比べて言っているように翁にこの対面があるのは、勿論深い意味があってのことである。即ちこれは、五穀成就、千歳万歳の感染呪術を先ず行うもので、今さりげなく演じてはいるものの、もともと重要な部分であった。 野上豊一郎は猥雑だから宗教的でないと考えたが、本当は「翁」がいかに厳粛に演じられようとも、この性交を暗示する部分が翁の翁たるゆえんであったが為に取り除くことが出来なかった「翁」のポイントなのであり、まさにそれ故に翁が神事であったことを示しているのである。 対面のあとシテの翁は正面を向き、「天下泰平国土安穏」と謡いつつ万歳楽を舞う。翁の舞を舞い終えたシテがおごそかに退場すると、舞台の調子は一変し、三番叟が「あゝ」という掛け声とともに走り出る。 おおさいや、おおさい や、喜びありや、喜びあ りや、この所より外へは やらじとぞ思う。 この揉(もみ)三段と呼ばれるスピードのある舞いを舞った後、三番叟は舞台の後ろで黒い翁面(黒色尉)をつけ、面箱持ちと向かい合って狂言問答をわざと大げさにおかしくした後、面箱持ちより鈴を渡される。 一人残った三番叟は、鈴と扇を持って種播きのしぐさともとれる鈴の段をにぎにぎしく舞って「翁」の全局が終わるのである。 この三番叟は翁のもどきであると言われている。もどきというのは、同様な演じ方をややくだいて、あるいは滑稽に演じるものである。 しかし私は「翁」は、もともとは三番叟が演じたものだと思っている。1129年(大治四)5月10日に八条殿で行われた田楽に、散楽者が「大鳥帽を着て、田畝に立って事を行い、破れ唐笠を持てる者一人相従う」(長秋記)とあることによっても分かるように、猿楽者は田楽の中で滑稽な翁の役を受け持っていた。 前述したように田遊びの中から田楽が生まれた時、中国伝来のさまざまな芸能が加わった。 田楽は舶来の目新しい芸を受け持ち、田遊びの翁のもどきは土臭いものとして一段と低い芸能集団である猿楽者たちに受け持たせたのである。しかし、田楽における《もどき》を受け継いだ時、本当は芸能の本流を受け継いだことになったのである。 世阿弥が「遊楽の道は一切物真似なり」と言った時、勿論彼はそう言うことで滑稽・物真似を表現とする猿楽の卑しい過去を振り捨てようとしたのであるが、芸能の本質を正しく言い当てていたのである。神のものまねということが神事としての芸能の本質だからである。田遊びの神事の翁を猿楽者がおもしろおかしく演じた。 猿楽の翁は元来もどき役であったのである。だから本当はもどき役であることにコンプレックスを感じる必要はなかった。  能楽の当初の名であった猿楽が田楽と結びつく前は、中国伝来の曲芸・幻術・滑稽物真似を表芸として、他の芸能よりは一段と低い芸と見なされていた。だから翁のもどき役を受け持った時、翁の神聖性は積極的に受け入れたが、翁の滑稽性やもどきを受け入れるのは以前からのコンプレックスを助長するようなものであった。しかし、またもどきである物真似芸こそが猿楽が民衆に受け入れられた芸でもあった。そこに猿楽の自己矛盾があった。
(神奈川歯科大名誉教授)


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伝統文化と親しもう

鎌倉こども能発表会

子どもたちに日本の伝統文化に親しんでもらおうと鎌倉市が開いた「鎌倉こども能」の教室に市内在住の小学校4年生から中学2年生まで11人が参加。3月17日、長谷の鎌倉能舞台で発表会が行われた=写真。 演目は源頼光伝説を題材にした「土蜘蛛」。能の豪華絢爛な装束に身を包んだ子どもたちが厳かに登場し、プロの奏でる笛や太鼓、地謡にのせて長いせりふを堂々とのべた。シテが白い蜘蛛の糸を放つ立ち回りも見事に演じた。 佐藤碧さん(小学4年)は「足の動かし方とかが難しくて、最初はできるかなと思ったができるようになった。能は見ているよりやる方が楽しい。今日は練習以上にうまくできた」と満足気だった。 稽古は昨年7月中旬から今年3月まで月2回ほど全19回同能舞台で行われ、指導は同能舞台主宰の中森寛太さん・健之介親子があたった。市では今後、「こども能」を鎌倉に定着させていくことを考えているという。


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保護観察者の就労支援

鎌倉市

保護観察対象の20歳以下の人に就労の機会を提供し、自立支援を促すことを目的に鎌倉地区保護司会(木村由利子会長)と鎌倉市が3月5日、就労支援に関する協定を締結した=写真。 市は同会の推薦する保護観察対象者に4月以降、就労の機会を提供する。県内では、川崎市、県に次いで3例目となる。 松尾崇鎌倉市長は「地域で温かく迎えられるよう、鎌倉が目指す共生社会まちづくりに繋げたい」と述べ、木村会長は「立ち直りには住居や就労が大切。民間の協力も必要で、温かな眼差しで犯罪のない社会の実現を目指したい」と話していた。


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図書館とともだち・鎌倉の世話人たち

20周年記念誌配布

図書館とともだち・鎌倉

図書館友の会として活動する市民団体「図書館とともだち・鎌倉」(和田安弘代表・会員135人)が昨年20周年を迎えたのを記念して作成した記念誌が2月下旬完成し、配布されている。 同会は、本が好きで図書館が好きで鎌倉の街も好きな7人のお母さんたちが集まり、鎌倉の図書館を楽しく便利に使いこなそうと1998年に発足させた。子どもたちへのおはなし会、学校図書館学習会、読書会、朗読会などの活動を行い、市との協働事業で講演会や図書館まつりほかさまざまなイベントを企画、2011年の鎌倉図書館開館百周年記念事業では記念誌の発行の提案と編纂などにも携わった。 記念誌には、50余人から寄せられた図書館への思いや期待、要望などの寄稿文と、20年の活動を項目別にまとめたもの、図書館の在り方についての提言が載せられている。 和田代表は「多くの方々のご寄稿に感謝し、そのつながりを感じた。自分たちもこの20年を振り返る機会となってよかった」と話している。 記念誌は市内の図書館などにも置かれている。
問い合わせ黒瀬さん 0467・22・8545


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国際婦人デーキャンペーン

ソロプチミスト鎌倉

女性の権利と世界平和をめざす3月8日の「国際婦人デー」に合わせて、国際ソロプチミスト鎌倉(立川裕子会長)のメンバーら6人が鎌倉駅前でチラシなど配って啓蒙活動を行った=写真。 国際婦人デーは1975年に国連が制定した記念日で、女性への差別撤廃と女性の地位向上を訴える。国際ソロプチミストは、世界123か国で活動する女性のボランティアネットワークで、日本では女性と女児の生活を向上させることに重点を置いている。 立川さんは「意識の向上につながれば」と話していた。


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小学生探検隊地元店を取材

逗子市

逗子市の小学生らが、自分たちのまちで働く人たちとの出会いの中で働くことの意味を学ぶ「ずしまちクエスト商店街たんけん隊!」が2月23日市民交流センターの主催で行われ、児童20人が市街地の店をまわり取材した=写真。 参加者は指定されたミッションを果たすべく、薬局、牛肉店、バイク販売店、コンビニなど11の店の歴史や人気商品を4班に分かれて調査。決められた「軍資金」の中での買い物も楽しんだ。 1946年創業の日本茶専門店「川根園」では、店主からおいしいお茶のいれ方や栄養価を学び、「一番売れているお茶は?」「戦争後は儲かりましたか?」などの質問を投げかけた。鶏肉専門店「鳥一」では人気の焼き鳥を頬張り味もチェック。 取材終了後は、チーム別に新聞づくりに挑戦。メモをもとに、撮影した写真や地図を盛り込んだレイアウトを決め、女子チームはかわいいデコレーションを施すなど、個性的な新聞を約1時間で完成し発表した。 逗子小1年・二村歩くんは「はんこ屋さん21で合鍵の作り方を見せてもらったのが楽しかった。新聞づくりではみんなの意見をまとめるのが大変だった」と振り返り、企画を運営した「まなび舎ボート」(探求型アフタースクール)の辻義和代表(37) は「商店街をまわることで子どもたちと店がつながり、顔の見える関係ができると良いと思う」と話していた。(K)


鎌倉朝日新聞社

「ひと」
ハートで鎌倉をバリアフリーにと活動する

榊原正博(さかきばらまさひろ)さん

湘南・鎌倉地区の観光を身体の不自由な人に楽しんでもらおうと情報を発信するNPO法人「湘南バリアフリーツアーセンター」の理事長。「バリアフリーはハートが大事」を信念に3年間活動を続けている。4月5日車いす利用者が着物で鎌倉を散策するイベントを開催する。 「できないと思ったことができると、生きることが楽しくなる」。こうした考えで始めた「着物姿で鎌倉巡り」は6回目になる。同様に材木座海岸の砂浜にマットを敷き、特殊な車椅子で海水浴を楽しんでもらうイベントも仕掛けてきた。 その活動が評価され、センターは2月、「神奈川県バリアフリー街づくり賞(ソフト部門)」を受賞した。 電気通信大を出て、医療機器メーカーに就職した。だが医療機器を作れば作るほど寝たきりをつくってしまうのでは、という疑問を持ち、2009年福祉機器販売の会社を立ち上げた。福祉の先進国スウェーデンに研修に行き、その人のやりたいことをサポートするリハビリ方法を学び、リハビリサービスの提供も事業として展開するようになった。 バリアフリーというと、段差をなくす、エレベーターを設置するなどを考えがちだ。「実はハード面よりも人の心を変える方がバリアフリーの効果が出るのです」と力説する。 例えば、東南アジアのタイは、障がい者が行って楽しかった場所のトップにある。町中バリアだが、どこでも人が手助けしてくれる。鎌倉は混雑し、道路は狭い、お寺は行けない。障がいのある人が尻込みする観光地の一つ。「でもタイでできるのだから鎌倉でもできるはず」と、市民のハートに期待する。 とはいえ、お互いを知らないと、障がい者も、接する健常者もどちらも不安になってしまう。みんなが安心、納得する方法を考えなければいけない。「それを地道に調査していくのが僕たちの仕事です」ときっぱり。近く観光ルートマップの製作にも着手する。 「穏やかに見えるが内に秘めた熱量は半端ない」がスタッフの人物評。「活動で、鎌倉が(体の不自由な人の)行きたい町の何番目かに入ってくれれば」と願っている。横浜生まれの鎌倉育ち。山崎に母親と妻、大学、高校、中学の3人の子供と暮らす。趣味は「仕事かな?」。46歳。
(文・写真 三浦準司)


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健康百科通信(117)

肝機能検査(AST、ALT)について
  日本肝臓学会専門医  金原 猛

肝機能の代表的な検査項目に、AST(GOT)、ALT(GPT)などがあります。皆さんも健康診断や治療等の血液検査で受けられたことがあると思います。 それでは、これらの正常値はどのくらいかご存知ですか? 例えば、C型肝炎で治療を検討するのは、ALTの値が31 U/L以上である場合です。では、30U/L未満でしたら肝機能は正常といえるでしょうか? 実は、必ずしも肝機能は正常であるとは言えません。肝硬変という肝臓病の進行した状態の場合に、これらAST、ALTの値が正常範囲内になることがあります。沈黙の臓器といわれる肝臓ですので、特に症状はありません。 検査で一見肝機能は正常と考えられても、肝臓病が潜んでいる場合があります。これらの値だけでは診断が困難であり、他の検査項目と総合して肝機能評価や肝臓病の有無を診断しています。 糖尿病など生活習慣が原因となった肝臓病が増加し、誰でも肝臓病になる危険性があります。 AST、ALTの値が正常だから肝臓は大丈夫と考えず、より詳しい検査を受けられることをお勧めします。

大船内科・消化器内科クリニック院長
鎌倉市大船2∸17∸2 2F
0467・38・8127


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川喜多映画記念館の入館口

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川喜多夫妻=1979年、第32回カンヌ国際映画祭で

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『第三の男』1952年日本公開

映画文化の輝き未来に向けて発信

鎌倉市川喜多映画記念館

市民生活になくてはならない娯楽の一つとして長い歴史を刻む映画。その魅力と存在価値を市民に伝え続ける鎌倉唯一の映画の館、鎌倉市川喜多映画記念館の総括責任者・増谷文良さんにうかがった。

映画とは:その真価を伝えて開館から十年

貴館は「川喜多」と名称が付けられていますが。

元々この地に川喜多長政・かしこ夫妻が住んでいたことに由来します。川喜多長政は1903年(明治36)4月30日に東京で生まれ、ヨーロッパ生まれの映画がまだ無声映画中心の時代だった1928年(昭和3)、映画の輸入会社「東和商事合資会社」を設立しました。かしこ夫人はその翌年同社に入社し、その年に長政氏と結婚、以来2人で映画関連事業に携わり、1932年(昭和7)には新婚旅行を兼ねてヨーロッパに映画の買い付けに行き、かしこ夫人が初めて選んだドイツ映画『制服の処女』が日本で大ヒットしました。また、1938年(昭和13)には最古の国際映画祭として今も開催されているベネチア国際映画祭に出席、そのとき出品した日本映画『五人の斥候兵』が同映画祭で文部大臣賞を受賞しましたが、これは日本映画初の国際的な賞の受賞でした。戦後も1951年(昭和26)に『羅生門』が同映画祭でグランプリを受賞、国際的にも日本映画にたいへん注目が集まることとなりましたが、これらは川喜多夫妻の映画界での国際的活躍の成果かと思われます。

川喜多夫妻がこの地に住んだいきさつは。

昭和15、16年頃に川喜多夫妻が東京からこの地に転居したようです。当時はすでに戦時下でしたが、一方で1940年(昭和15)夫妻にとって待望の長女、和子さんが誕生しましたので、この出来事が鎌倉に転居する大きな切っ掛けになったかと思われます。さらに大船には1936年(昭和11)に松竹大船撮影所が開設されていましたし、小津安二郎監督や野田高梧、笠智衆、井川邦子などたくさんの映画人が鎌倉に住んでいましたので、そのような人たちと交流を深めるなど鎌倉には映画文化が根付いていましたし、大仏次郎や川端康成など鎌倉文士と呼ばれるたくさんの文学関係者も住んでいました。 このように内外の映画人と深い交流を重ねていましたが、この住まいの地にもフランスの映画俳優アラン・ドロンや映画監督フランソワ・トリュフォーを招きおもてなしをしています。

戦後の活動は。

1951年(昭和26)に「東和映画株式会社」に改組し、『第三の男』や『禁じられた遊び』などヨーロッパの名作映画を日本に紹介するなど映画を通じた欧米との交流の架け橋となりましたが、1955年(昭和30)には日本とイタリアの合作映画『蝶々夫人』のプロデュースも行っています。

その後は。

1981年(昭和56)長政氏が逝去し、1993年(平成5)にはかしこ夫人と長女和子さんが亡くなりました。そして翌年、「鎌倉市の映画文化の発展のために」とのかしこ夫人の遺言にしたがい遺族からこの土地と建物が鎌倉市に寄贈され、それを元に16年後の2010年(平成22)4月1日当館が開館しました。ですから当館は、川喜多夫妻の業績を後世に伝え、鎌倉市における映画文化発展のための事業を行なっています。

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『禁じられた遊び』(1953年日本公開)

鎌倉唯一、映写機常設の映画の館(やかた)

貴館には映画関連施設としてどのような機能、設備がありますか。

3つの機能を備えています。一つは展示室という映画資料を展示するスペース。常設コーナーでは、川喜多夫妻ゆかりの品々を展示しています。 もう一つは映像資料室。映画を上映し鑑賞する、いわば“映画館”です。 映画会社、実際に映画を劇場に配給している会社と契約して上映に合わせてフイルムを借ります。 基本的には企画展に合わせて関連する映画を上映しています。また、特集上映もはさみ旧作から最近の話題作まで幅広く上映しています。

貴館にはどのような映写機が。

映像資料室には映画館で使用しているのと同じフイルムサイズ、35ミリと16ミリ兼用の映写機が2台設置されています。ドイツ製の、キノトンという会社製の映写機で、すでに映写機自体が作られていませんので、35ミリの映画が上映できる映写機はほとんどの映画館ではもうありません。ミニシアターとか公共の施設の一部で置いてあるぐらいで、今ではたいへん貴重なものです。フイルムは劣化しますのでいろいろな傷みが発生します。それを補修したりしながら上映する映写技師という専門の人がいます。日本映画の名作などは今はデジタル上映ということで、具体的にはDCP、デジタルシネマパッケージというのをパソコン、ハードディスクに入れる上映になっていますが、日本映画の名作は長い期間フイルムで作られてきて、そのような貴重な映画はまだまだデジタル化されていないものがたくさんありますので、映写機でしか見れないものがまだまだたくさんあります。ですから、映写機がないと上映ができない。その意味でこの施設自体が貴重な場所になっています。また、一つの場所で、同じスクリーンをいろんな人たちといっしょに観るという経験がまさに映画体験と言っていいでしょう。 もう一つの機能は、情報発信です。モニターで映像作品を見たり、関連書籍を閲覧したりウエブなどで検索できる情報資料室です。 また、旧川喜多邸別邸、旧和辻邸と呼びますが、哲学者和辻哲郎の住まいを1961年(昭和36)に川喜多夫妻が移築しゲストハウスとして使用していました。
*春の施設公開
旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)4月6、7日午前10時~午後4時
他に毎週金、土曜の13時~13時半にも公開しています。


映画は世界共通言語

文化の1ジャンルとして「映画」が愛されてきた理由は。

二つあります。1つは、総合芸術としての映画。文学、美術、音楽と様々な芸術分野がある中でそれらを全て含んだ総合芸術であるということが、映画が文化として広まった大きな力になっているでしょう。そのように映画の一つの作品からいろいろな興味を広げられる。興味の幅を広げてゆく一つの切っ掛けともなる力を持っているという意味で、多様な観客を引き寄せる力を持っている。 もう1つは映画館の文化です。芸術としての映画にたいして大衆娯楽としての映画です。映画が発展してきた大きな要素になります。娯楽は人それぞれに享受できるものですが、映画は映画館で一度に多くの人たちが一つの作品を観る。どの国へ行っても上映ができる。娯楽として楽しめる。映画は視覚の文化ですから、言葉が通じなくても映画を観れば理解できる。世界共通言語としての力を持っている。それが映画文化、映画館の文化です。川喜多夫妻も芸術と娯楽で成り立つ映画の力を信じていました。

鎌倉朝日新聞社

八千草薫主演『蝶々夫人』(1955年日本公開)

鎌倉朝日新聞社

小山明子さん

“映画大使”の足跡 企画展で特集紹介

開催中の企画展は。

「映画大使 川喜多長政・かしこ夫妻の軌跡」を7月7日まで開催中です。今年は開館10年目となりますので、夫妻の業績を紹介する企画となります。夫妻が紹介したヨーロッパ映画の映画資料の展示と上映です。 夫妻は、戦前からヨーロッパでいろいろな資料を収集しておりますので、戦前の貴重なポスターや着色スチールなどの作品をぜひご覧いただきたいと思います。また、戦前の内務省の検閲台本。当時は映画の検閲制度があり、内務省が検閲したうえで映画館で上映されていました。その台本が残っておりますので、映画史の貴重な証言として皆さんにご覧いただきたいと思います。また今回の上映作品は、夫妻が輸入配布したヨーロッパの名作が揃っています。
◎戦場のメリークリスマス 4月2,3,4,5日14時~、6日10時半~、7日13時半~
◎KYOTO,MYMOTHER‘SPLACE 4月6日14時~、7日13時半~
◎未完成交響楽 4月16、21日10時半~、16、18、19日14時~
◎恐怖の報酬 4月17、20、21日14時~、19日10時半~
◎蝶々夫人 4月28日、29,30日14時~
◎天井桟敷の人々 5月14、15、16、17、18,19日13時半~
◎第三の男 5月28日10時半~、29、31、6月2日14時~
◎禁じられた遊び 5月28、30、6月1日14時~、6月2日10時半~
◎巴里の空の下セーヌは流れる 6月11日10時半~12、14、16日14時~
◎居酒屋 6月11、13、15日14時~16日10時半~
◎赤と黒 6月25日10時~、26、28、30日13時半~
◎モンパルナスの灯 6月25、27、29日14時~、30日10時半~

トークイベントは。

小山明子さんトークイベント 川喜多夫妻との思い出~夫・大島渚とともに~(4月6日14時~)を開催します。小山さん夫妻は、国際映画祭を通して川喜多夫妻と大変親しく、1985年には大島監督に川喜多賞が贈呈されました。

他の催しは。

「映画談話室」
4月30日14時「蝶々夫人」上映後。
5月31日14時「第三の男」上映後。
6月27日14時「モンパルナスの灯」上映後。
作品解説を盛り込みながら語り合う集いです。

どうもありがとうございました。

鎌倉市川喜多記念館
鎌倉市雪ノ下2・2・12
0467・23・2500


鎌倉朝日新聞社

いざっ!!鎌倉てらこや(56)

移りゆく季節
鎌倉てらこや事務局長 小木曽 駿

ほんの少し前まで当たり前だった肌を切り裂くような寒さは、気がつけば朗らかな陽光に塗りつぶされている。駐車場の砂利をかき分けて根付くタンポポが健気に花を咲かせていた。ソメイヨシノは蕾の膨らみを増し、咲き誇る刻を今か今かと待ちわびている。春がほころび始めているのだ。 「鎌倉てらこや」にとっても春は別れの季節である。様々な活動に参加してくれていた子どもたちはそれぞれ進級し、小学校や中学校を卒業していく子もいる。ともに活動をつくってきてくれた大学生たちも、4度目の春を過ぎると、就職し社会へと羽ばたいていく。 3月9日、子どもたちの保護者有志からなる「てらこや親の会」主催の大学4年生を対象とした「卒業生を送る会」が開かれた=写真。百人を超える皆様が集まり、準備していただいたピザやお寿司をつまみながら、合宿やてらこやハウスでの尽きることのない思い出話に花を咲かせた。 大学生たちは、一緒に遊んだ子どもたちやお世話になった保護者の皆様に囲まれながら、別れを惜しみつつ、再会を約束していつまでも写真を撮り合っていた。 季節は移り変わってゆく。そして、誰にも平等に時は積み重なる。今はやんちゃ盛りの小学生も、定期試験に四苦八苦しながら活動に参加している中学生も、いつしか学校を卒業し、高校生や大学生となり、大人になっていく。行く行くは、子どもを持ち、親となることもあるかもしれない。 桜が咲き誇るのを止められないのと同じように移り変わってゆく時を、押しとどめることはできない。その中で「てらこや」ができることは子どもたちが成長していくその各々の状況に寄り添いながら、「今、この瞬間を確かに生きていた」と思える、大切な想い出を届けていくことだけだ。 「また、会いたい」と思える関わりを届け続けていく、という変わらないものを大切にしながら、大学生スタッフが中心となっている私たちもまた、別れと出会いを繰り返しつつ、変わり続けなければならない。 別れの後には、新たな出会いも待ち受けている。今年もまたひとつ、季節が移ろいゆく。

鎌倉てらこや事務局
0467-84-9746(平日13~17時)
http://kamakura-terakoya.net/


鎌倉朝日新聞社

町田宗鳳氏(右)と筆者(左)=昨年4月、京都・哲学の道で

心のふる里を行く⑳

死者と共に生きる 池田雅之

今年も東日本大震災の日、3月11日を迎えた。私はこの日、何処へも出掛けず、2時46分に黙祷をし、死者たちの霊を弔うことにした。鎌倉市内での合同慰霊祭に出席することも考えたのだが、一人自宅で祈りをあげる方が、祈りに集中でき、深まるのではないかと思ったのだった。 この震災の犠牲者は、2万5千人以上に達すると聞く。この数字を聞いて言葉を失わぬ人はいないであろう。そして思う、不慮の災害による死者たちの霊は、成仏できぬまま、いまだ虚空をさ迷つているのであろうか? 私には、死者たちの魂の行方が気がかりで致しかたなかった。 恐らく死後の世界など信じない人も、世間には多いことであろう。ましてや、死者との交流などと言おうものなら、一笑にふされるにちがいない。そんな思いでいる折り、人間の死についての認識を改めさせてくれる一冊の本に出合った。宗教学者で僧侶でもある町田宗鳳氏の『死者は生きている』(筑摩書房)である。 この本は、何の前触れもなく訪れる身内や親しい者の死をどのように受け止めたらよいのかについて私たちに深い洞察力を授けてくれる。僧侶として多くの死者と向き合ってきた氏は、私たち生者は死者たちと魂のレベルで繋がっているだけではない、と言う。私たち生者は死者たちの「見えざる力」によって守られ、支えられているのだ、と死者迎えの盆踊りや墓参りなどの死者との交流に触れながら、論じている。 氏によれば、死とは肉体が消えただけで、亡くなった人の魂は、今もあなたに寄り添っている、と言うのだ。死者は肉体という制約を持たないので、生者の傍らに絶えずいて私たちを導いているのである。逆に、生者の側から言うと、死者をきちんと弔い、大切にすることによって、私たちはより良い人生を歩むことができるのだ。 この本の副題は、「見えざるものと私たちの幸福」であった。私たちの幸福は、死者を含めた様々な見えざるものによって支えられていることは、少し想像力を働かせれば理解できるであろう。私たちは、見えざる死者と共に生きることによって、生かされ、幸せの道を歩んでゆくのである。
(早稲田大学名誉教授・鎌倉てらこや顧問)


鎌倉朝日新聞社

クレイドル

鎌倉市倫理法人会 通信

「いざ、鎌倉!」55 歴史と伝統のある鎌倉を梁山泊に!
 東日本被災児童支援コンサート

三寒四温の三月は、道を歩けば時折の冷たい風に襟をかき寄せながらも満開の梅、膨らむ桜の蕾と次々愛でて楽しむ事が出来ますが、家のテレビの画面には又、あの日のつらい映像が流れます。 随分経った様でありながら、今も仮設住宅で過ごしている方達、荒涼とした人気のない廃墟の片隅でけなげに命を繋いでいる金魚の姿が胸を突きます。私達は忘れてはいけないのです、天の災い、人の災いに未だ故郷を失ったままの人々のいる事を。私達は、もっと知らなければいけないのです、あの時、起こった真実を。 昨今、あちらこちらでも大きな災害に見舞われ、8年前を思い起こさせる様な被害が出ています。私達はしかと学ばなければいけないのです。明日は我が身なのですから。 彼の地の生命力と希望の象徴、奇跡の一本松、この木で作られた魂柱を持つ「TUNANIバイオリン」、その音色に寄せて私達の心を届ける「東日本被災児童支援チャリティーコンサート」も早、第6回を迎えました。 6月9日日曜日、今年はクラシックのみならず、ロック、アニメソングなどジャンルを超えた音楽を、バイオリンとビオラで迫力ある独自の演奏で繰り広げる元気一杯、人気急上昇中のユニット「クレイドル」を迎え、大船の鎌倉芸術館集会室で開催します。  会費2800円(前売2500円)、小学生千円、未就学児無料。ぜひご家族お揃いでお楽しみいただけたらと思います。 「人の喜び、わが喜びに」自分達に出来る事を精一杯やって行けば、やがては北国の子供達の笑顔にたどり着くと信じています。皆様のご協力をお願いします。
申し込み・チケット取扱 0467・22・8537ガソリンスタンドマツヤ
鎌倉市倫理法人会は、毎週火曜日・朝6時半から由比ガ浜公会堂でモーニングセミナーを開催しています。
鎌倉市倫理法人会事務局 045・315・2433



終の棲み家を考える60

内装―畳編

部屋をつくるとき床をどんな材料で仕上げるか考えます。和室の場合、まず畳にするか板の間にするかを決め、畳の場合は縁を無地か柄にするか、大きさを長方形にするか四角形にするかを決めます。畳本体の芯になる物は、値段によって本物の藁床のものから化学素材のものまであります。 表面のゴザも上質の物から粗悪なものまであり、イグサの編み方が細かく詰んでいる物が良く、イグサを横に見て中央の色が濃く、縁の方の色が薄いものは安価な物です。イグサは植物で、成長の悪いものは丈が短いので、根に近い部分まで使うと身の部分の緑色と根の黄色の色が混ざってしまいます。しかし今ではスプレーで着色してしまうこともあり、素人には分かりづらくなっています。 畳の表面を足の裏で軽く蹴りづらしてみてよれてしまうようなものはあまりお勧めできません。本物の畳床でも中央と縁の部分では硬さが違ってしまいます。 昔はよく畳の縁は踏んではいけないと教わったように、弱いのです。その部分を表面からは分からないように補強している物もあります。板入れというやり方で極上仕上げです。畳の値段は1畳1万円以下から8万円以上する物まで幅広くあり、近所の畳屋さんに相談して頼むのが一番です。
日向建設
鎌倉市大船1―15―3
0467・47・5454
http://www.hyuuga.co.jp/


鎌倉朝日新聞社

だんかづら

Eva、4歳のオーストリアンシェパードの女の子。牧羊犬で元気に走り回っています。大好きなパパ(旦那)が帰って来ると歯茎ムキムキ出し可愛い顔で笑います。
葉山 横山さん方

●ペットの写真募集!
掲載後、その写真をカレンダーにして進呈します。
住所・氏名・を明記、1面題字下住所の鎌倉朝日へ。


鎌倉朝日新聞社

画廊・ギャラリー

●ギャラリー一翠堂  22・3769
4月1~7日西川勝展
―月のまくら、10~14日工藤泰代ateIier bulan中西和歌子展、16~18日春を見上げましょう・親子展、20~27日暮らしの中の鎌倉彫展木内小夜子・木内史子展



始めましょう

●金継教室 4月生募集 鎌倉23・9881 大石
●やさしいジャズピアノ1回4千円。
葉山町・大野 090・4619・0415
●安心確かな結婚しませんか ブライダルようこそ
0466・23・3588
●手話講習会 4月11日~来年2月、13時半、40回鎌倉市福祉センター。無料(要教本代)市内在住15歳以上。
障害福祉課 61・3975



お知らせ

●鎌倉の朝市
▽腰越漁協=4月4日10時、腰越漁協前。
32・4743
▽鎌倉漁協4月7日10時、鎌倉パークホテル駐車場。 22・3403
※新鮮な魚介類や加工品、鎌倉野菜を直売、売り切れ次第終了。荒天中止。
●花祭り法要
4月6日14時、東慶寺。法要後、先着順で甘茶を。
大船地区仏教会 22・7974
▼桜花祭4月13日10~14時、社会福祉法人ほしづきの里・工房ひしめき(鎌倉山)バザーや太鼓の演奏など。
初の東北物産展も。 33・0882
●鎌倉風致保存会の催し
▽みどりのボランティア
4月13日、建長寺回春院。20日、御谷山林。各9時半、要申込。
23・6621


鎌倉朝日新聞社

酔余美人図

鎌倉朝日新聞社

ヨムロシュチャクゼフ・《葉ジ言とイメー》撮…影市瀬真以

み る

▼川喜多映画記念館
▽企画展「映画大使川喜多長政・かしこ夫妻の軌跡」7月7日まで。2百円。(4・5面に特集)
▽映画4月2~7日「戦場のメリークリスマス」、6・7日「KYOTO,MY MOTHER‘S PLACE」、16・18・19・21日「未完成交響楽」、17・19・20・21日「恐怖の報酬」、28・29・30日「蝶々夫人」各千円(7日13時半は2本立てで千5百円)6日は小山明子さんのトークも。千円。
23・2500
▼氏家浮世絵コレクション「北斎と肉筆浮世絵」展
4月21日まで鎌倉国宝館。葛飾北斎を中心に歌川広重等の肉筆浮世絵の名品を展観。3百円。
22・0753
▼特別展「巨星・松本清張」
5月12日まで神奈川近代文学館。戦後日本を代表する作家・松本清張の原稿や遺品を紹介。6百円。▽講演会「作家・保坂正康さんの松本清張史観と昭和史」4月13日14時▽「作家・阿刀田高さんの松本清張を推理する」28日14時。各千円。▽上映会「影なき声」5月5・6日13時半、8百円。
045・622・6666
▼寺宝特別展示・光明寺展
5月6日まで光明寺開山堂。當麻曼荼羅縁起絵巻写本二巻、浄土八祖図八幅など。3百円。
▽山門楼上特別公開5百円 22・0603 ▼ポーランド・ポスター展 4月6日~6月23日県立近代美術館葉山。ポーランド・ポスターを代表する14作家176点を展覧。千円。
▽コレクション展「彫刻のある風景」野外彫刻を深く楽しむ。250円
046・875・2800
▼鎌倉・京都 桜を巡る―高柳英麿写真展
4月7日までカトレヤギャラリー(鎌倉駅東口)。桐ケ谷桜・玉縄桜など。無料。
☎23・2530
▽桜の講演会 4月3日14時大船フラワーセンター。桜を通して京都との交流などを学び鎌倉の街づくりを考える。4百円。
かまくら桜の会 23・2530
▼喜寿記念・文人画家・琅玕居 西松凌波展
4月16~26日Galleryジ・アース(鎌倉市雪ノ下1・6・22)。茶道や生花の素養に加えて俳句への理解が独特の文人画の世界を造形。
同ギャラリー 25・5235
▼シネマ歌舞伎・連獅子
4月21日14時、鎌倉芸術館。山田洋次監督が2007年の中村勘三郎・勘九郎・七之助親子の舞台を撮影。同時上映・らくだ。2千百円。
同館 0120・1192・40
▼ハマの原点大公開・横浜開港160年「横浜浮世絵」
4月27日~6月23日神奈川県立歴史博物館。当館と川崎・砂子の里資料館の所蔵作品を中心に「横浜浮世絵」を紹介。7百円。
045・201・0926
▼観察眼―湘南のイラストレーターが描くいきものと自然
4月27日~6月16日藤沢市アートスペース。向田智也・横山寛多両氏の絵本作品やイラスト画などを中心に自然の世界を紹介。
0466・30・1816
▼第55回鎌倉書道協会展
4月30日~5月5日鎌倉芸術館。会員の漢字やかなの作品約70点。
同会 23・2100



第61回鎌倉まつり

4月6日 13時半 頼朝祭俳句会(頼朝公報恩会) 八幡宮直会殿
8日 14時 灌仏会(花祭り)(市仏教会) 建長寺
13日 10時半 頼朝公墓前祭(頼朝公報恩会) 頼朝公墓前
14日 9時半 弓道大会(研修道場) 鶴岡八幡宮
14日 10時 行列巡行(下馬交差点~舞殿) 若宮大路
14日 13時 鎌倉まつり開催式 八幡宮舞殿
14日 13時半 2019ミス鎌倉お披露め 八幡宮舞殿
14日 15時 静の舞(泉朱輝・鎌倉芸能連盟) 八幡宮舞殿
20・21日 10時 野点席・表千家流 鶴岡八幡宮
20・21日 10時 野点席・裏千家淡交会 大仏殿高徳院
20日 12時 義経まつり(義経まつり実行委) 腰越満福寺
20日 14時 伊豆の国市子ども創作能「伊豆の頼朝」(伊豆の国市観光協会) 鎌倉宮拝殿
21日 13時 流鏑馬・武田流(大日本弓馬会) 八幡宮馬場

問い合わせ:鎌倉市観光協会 23・3050
http://kamakura-info.jp/


鎌倉朝日新聞社

沢木順さん

八洲秀章を歌い継ぐ

「さくら貝の歌」コンサート

3月17日13時半、鎌倉能舞台。
5月31日14時、鎌倉芸術館。
鎌倉ゆかりの「さくら貝の歌」作曲者・八洲秀章の次男で俳優の沢木順さんが八洲の歌を歌い継ごうと開いているコンサートで、8回目。 「さくら貝の歌」「あざみの歌」やミュージカルの名曲を、沢木順、吉岡小鼓音、伊東えり、松村美和子さんらと、すずかけ児童合唱団、大庭山賊男星合唱団が熱唱する。
2900円。オフィスサワキ 44・4401



き く

▼かまくらジュニアストリングス第10回定期演奏会
4月14日14時、深沢学習センター。児童・生徒によるバイオリンのアンサンブル。バイオリン協奏曲イ短調。無料。
河田方 32・5562
▼鎌倉交響楽団第113回定期演奏会
5月6日13時半、神奈川県民ホール。オーケストラによるクラシックの演奏会。ラヴェル「道化師の朝の歌」など。千円。
同団 31・4380
▼第32回小さな小さな音楽会
4月28日12時、逗子文化プラザ。知的障がいのある子どもや若者がピアノを中心とした音楽をともに楽しむ集い。無料。
成田方 046・873・5483
▼L・カンタチェロ・リサイタル
5月12日14時、藤沢リラホール。湘南モーツァルト愛好会第172回例会。ベートーベン「魔笛」変奏曲など。4千円。
同会 046・872・1963



まなぶ

▼鎌倉防災を考える会・特別防災講演会
4月6日14時、鎌倉芸術館。東大大学院廣井悠准教授の「自分も避難しつつ、観光客を避難させる」と日本財団アドバイザーの黒澤司さんの地域防災についての講演。無料。
草間方 080・4192・8531
▼鎌仲ひとみが今、伝えたいこと
4月6日13時半、鎌倉恩寵教会。子どもたちを被ばくさせないための取り組みを映像作家が話す。8百円、小中学生4百円。
ぐるぅぷ未来・上野方 080・1167・6679
▼文章道場
4月27日10時、銀の鈴社(鎌倉市佐助1―10―22)。木村文章店・木村吉貴さんが自分史などの書き方を指導。3千円。要申込。
61・1930
▼第13回鎌倉同人会講座『鎌倉のサクラ』
4月13日14時、鎌倉婦人子供会館。元東京農大教授湯浅浩史さんが鎌倉発祥のサクラを解説。桐ケ谷桜の鑑賞も。千円。要申込。
同会谷口方 090・5325・4586
▼和のつどい・春「コスタリカの奇跡」
4月27日13時、鎌倉商工会議所。映画上映と関根健次さんの講演。5百円。
平和推進実行委員会 61・3870
▼連続歴史セミナー「戦国時代の鎌倉の状況」
4月27日13時半、玉縄学習センター。戦国時代の鎌倉・玉縄城の真価を考古学者、歴史学者が史料で検証。千5百円。メールか往復ハガキで申込。
玉縄城址まちづくり会議 45・7411
▼点訳基礎講座5月9日~9月19日毎木曜全15回(8月休)18時半、玉縄青少年会館。2千円。
木村方 45・3555
▽点訳者養成講座5月9日~12月19日毎木曜全26回(8月休)10時、鎌倉市福祉センター。
富永方 47・8048



購入新図書のリスト抄

鎌倉市中央図書館(2月分)

鎌倉市中央図書館(25・2611)は2月に一般168冊、児童書25冊を収蔵した。一般的なものは下記の通り。 ▼「図書館の日本史」新藤透著(勉誠出版)〈ライブラリーぶっくす〉▼「よみきかせのきほん-保育園・幼稚園・学校での実践ガイド」東京子ども図書館編発(TCLブックレット)▼「いまこそ、希望を」サルトル著レヴィ著(光文社古典新訳文庫)▼「マイナス感情こそ手放すな!-ニューヨーク流人生攻略法」秋山曜子著(産業編集センター)▼「世界史の実験」柄谷行人著(岩波新書)▼「領土消失-規制なき外国人の土地買収」宮本雅史著平野秀樹著(角川新書)▼「働く女子と罪悪感-「こうあるべき」から離れたら、もっと仕事は楽しくなる」浜田敬子著(集英社)▼「私たちにはことば必要だ―フェミニストは黙らない」イミンギョン著(タバブックス)▼「いまどきの納骨堂―変わりゆく供養とお墓のカタチ」井上理津子著(小学館)▼「脳はみんな病んでいる」池谷裕二著中村うさぎ著(新潮社)▼「フケ声がいやなら「声筋」を鍛えなさい―かすれる詰まる聞き取りづらい」渡邊雄介著(晶文社)▼「SDGsを学ぶ―国際開発・国際協力入門」高柳彰夫編大橋正明編(法律文化社)▼「漁師になるには」大浦佳代著(ぺりかん社)〈なるにはBOOKS〉▼「大道鎌倉時代の幹線道路」岡陽一郎著(吉川弘文館)〈歴史文化ライブラリー〉▼「語りたくなるフェルメール―教養としての名画鑑賞」西岡文彦著(KADOKAWA)▼「一切なりゆき―樹木希林のことば」樹木希林著(文春新書)



外反母趾と体の痛み

●むくみ
人間の体重の約70%は水分で、それが障害されるとむくみが起こる。病気がなくても、過労・睡眠不足・運動不足・月経時や妊娠時、長時間乗り物に乗って足がむくむことは日常よく経験することです。病気によるむくみには、何らかの基礎疾患のあることが多い。 ▽腎性浮腫血尿とともに顔面・まぶた・全身へと拡がる。▽心性浮腫うっ血心不全など、夕方、下腿(膝より下)に強く出現。▽肝性浮腫下腿のむくみに加え、腹水が起こる。▽内分泌性浮腫甲状腺機能低下症などは指で押してもへこまない。▽突発性浮腫原因不明のむくみ、肥満傾向の女性に多く、下肢を中心に出現する。
マザーハンド整体矯正院
要予約 月曜定休 10~19時
鎌倉市扇ガ谷1―13―51 0467・23・8166


鎌倉朝日新聞社

季節の心(32)

鯉が泳ぐ  佐伯 仁

●桜は海でも美しく咲く
春。桜は微笑み、日本列島を南から北へ駆け抜け花の季節を告げる。 桜は花の盛りが短いが人の心に多彩な想いを映す。芭蕉は「さきざまなこと思い出す桜かな」と詠んでいる。 想い出だけでなく、この頃、瀬戸内海には産卵のためホルモンの作用で婚姻色の赤味を帯びる。これを人は「桜鯛」と呼ぶ。 赤は生命の輝き、吉兆の色…そのため七福神の恵比寿(財福を授ける神)は、鯛を小脇に抱いている。さらに庶民は結納に際し、雌雄二尾の鯛(掛け鯛(かけだい))を、祝い酒を入れた角(つの)樽(だる)に結ぶ習慣があった。 ここには「一升(生)一鯛(代)」という結婚の誓いも込められている。 祝いの象徴=鯛は庶民にも珍重され、落語にも「桜鯛」という咄し(はなし)が登場。 ある殿様が鯛の塩焼きに一箸つけると、すぐ「かわりを持て」という。 三太夫は替りがないため困って一計を案じ「庭の満開の桜をご覧あれ」と声を掛けた。殿様が見とれている隙に鯛を素早く裏返し…。 そしてまた箸をつけた殿様は「替りを持て」と催促…困り顔の三太夫に殿様が声を掛けた。 「また桜を見ようかね」と。誠に長閑(のどか)な春の小咄し…。
 俎板に桜ちりしく
  桜鯛 正岡子規



さんか

▼鎌倉歩け歩け協会
▽10㌔ふれあいウォーク4月2日夫婦池から鎌倉山。9日ツツジ咲く鎌倉散策。▽5㌔はつらつウォーク16日。つつじ咲く段葛から安養院へ。各2百円。9時50分、鎌倉駅西口時計台。
▽ツツジ・新緑・潮騒の葉山道20日8時50分、鎌倉駅西口横浜銀行駐車場。5百円。
090・2633・3715
▼鎌倉史跡めぐり
▽知られざる切通から新緑の六国見山へ4月8・10・12・16日9時湘南モノレール大船駅改札裏側広場。常楽寺、多聞院など▽春ぶらり鎌倉「頼朝」ゆかりの寺社めぐり15・18・20・23日9時、鎌倉駅西口時計台広場。教恩寺、来迎寺など。
▽明月谷から大平山・天園を経て釜利谷へ5月8・10・14・16日9時半北鎌倉駅東口円覚寺側。東光禅寺など。各5百円。申込は1週間前までにハガキかFで。
鎌倉ガイド協会 24・6548F24・6523
▼鎌倉てらこや
▽てらハウス4月6・13・20日10時、大船の千里ビル。午前学び、午後遊び。千円。▽遊ビバ!7・14・21・28・29日13時、鎌倉海浜公園。大学生と遊ぶ。無料。▽海LOVEかまくら・海体験27日10時、由比ガ浜海岸。県海水浴場組合連合会の協力で砂浜で自由体験。2千円。小中学生と保護者。
84・9746
▼第61回鎌倉俳句会・源頼朝公報恩会
4月6日12時半~16時、鶴岡八幡宮直会殿。鎌倉市内在住者を中心に投句。千円。
鶴岡八幡宮 22・0315
▼自閉症・発達障がい啓発イベントみんなでウォーク
4月6日10時、逗子市立久木中学校前集合、逗子マリーナまで歩く。ウォーク無料、花見参加5百円。申込はメールで氏名、電話番号等記入。
すこやかいきいき協議会服部方 080・5095・5763
▼桔梗山竹の子狩り
4月13・20日9時半、大久保公園(鎌倉市梶原)集合。雨天翌日に延期。小型シャベルか鍬持参。要参加登録。
山桜を守る会 080・5545・5317
▼第247回歌のサロン
4月17日14時、本郷台のリリスホール。参加型合唱と演奏会。千円。
古川方 22・2131
▼ふらっとカフェ鎌倉
食を通じて多世代交流。4月16日ロッシーズ、24日ソンべカフェ、26日鎌倉静養館、いずれも16時。大人4百円、子ども2百円。申込不要。
渡辺方 090・5199・1654
▼大船フラワーセンターの催し
▽フラワーコンサート4月7・21日。無料。▽四季の菊づくり講座17日。無料。入園料4百円。
46・2188
▼公園サポーター養成講座「雑草と育てる畑づくり土づくり」 4月26日~11月26日10~14時半、金曜8回。鎌倉中央公園。鎌倉市在住・在勤・在学者。無料。
申込は11日までに鎌倉市公園協会 45・2750
▼北鎌倉・台峯の緑をともに
▽山の手入れ4月20日10時、山ノ内配水池脇。▽山歩き21日9時、山ノ内公会堂。
北鎌倉の景観を後世に伝える基金・望月方 45・7420
▼逗子ふれあいフリーマーケット(雨天中止) 4月24日9~15時、亀岡八幡宮境内。雑貨・衣類・手造り品など約20店。出店者募集。
片岡方 090・5442・3778
▼第51回慈善茶会
5月12日8時半~15時、大仏殿高徳院。裏千家家元の献茶式、本席、野点席など。収益は東日本大震災被災地に寄付。1万円。要申込。
鎌倉青年会議所 25・5538
▼収玄寺・御霊神社・成就院・極楽寺の秘宝と史跡を訪ねて 5月14日13時、長谷駅集合。極楽寺の釈迦如来像などを拝観。解説は内海恒雄さん。千円。鎌倉の世界遺産と秘宝を訪ねる会。
申込は 22・6971
メールkamakura-sekai@docomo.ne.jp



鎌倉女子大学生涯学習センター公開講座

コース 講 座 名 日 時 料金・申込
特別 安永徹・市野あゆみデュオ・コンサート 6/29
14時~16時
会場:二階堂学舎
4,000円
電話申込
神・人・命・魂について考える(テキスト代別) 4/24~7/24
水曜 10回
14時20分~15時50分
9,000円
4/1~12
日本のすまい―日本人の「住む」をたどる 5/10~9/13
金曜5回
14時20分~15時50分
4,500円
4/8~22
比較の視点からイスラームを考える 5/28・6/25・7/23
火曜3回
14時20分~15時50分
3,000円
4/23~5/14
ドイツの美術教育に親しむ(3)―パウルクレーの絵心 9/4・9/11・9/18
水曜3 回
13時30分~15時
3,000円
8/7~21
『万葉集』の歌びとたち(11) 5/13~7/22
月曜10回
14時20分~15時50分
9,000円
4/8~22
中世の史料を読む-鎌倉幕府の記録『吾妻鏡』(31) 5/9~7/11
木曜5回
13時半~15時半
5,000円
4/4~18
トゥキュディデス『戦史(歴史)』を読む(1) 5/30~7/25
木曜5回
10時20分~11時50分
4,500円
4/25~5/16
漢字文化と中国書道史-書の魅力を探る(5) 5/23・6/20・7/18
木曜3回
10時20分~11時50分
3,000円
4/18~5/9
I,J 目と耳で楽しむ音楽史(18) シューベルト魔王から白鳥の歌まで 4/26~9/27
金曜5回
I10時半~12時
J14 時~15時半
4,500円
4/3~17
K,L 近代ヨーロッパ絵画の魅力(6) -印象派の巨匠たち 5/24~9/20
金曜5回
K10~12時
L14~16時
5,000円
4/18~5/9
動物学講座-動物の遊び、ヒトの遊び 5/7・5/21・6/4
火曜3回
14時20分~15時50分
3,000円
4/4~18
たのしい女声合唱(テキスト代別) 4/23~7/30
火曜8回
10時20分~11時50分
~3/24
500円
ロコモティブシンドローム予防運動(2) 9/5・12・19
木曜3回
10時30分~11時30分
3/16~5/12
600円
イタリア家庭料理(アックアパッツァを作ろう) 9/3・10・17
火曜3回
10時~11時半(10日~12時)
4,000円
8/6~20

◆会場は大船キャンパス◆申込は往復ハガキに希望コース、講座名、〒、住所、氏名・フリガナ、☎、性別、年齢明記。◆申込・問合せ〒247-8512鎌倉市大船6-1-3鎌倉女子大学生涯学習センター44・2287


鎌倉朝日新聞社

万葉集の歌に親しもう

鎌倉万葉集講座 受講者募集

千年を越えて、万葉の歌を言葉そのままに受け止め、共感し感動できるのは万葉集ならではの文化的現象です。 楽しく万葉集の世界を探訪しましょう。 毎月第3日曜10時〜11時半、若宮大路ビル(鎌倉市小町2ー12ー35)。 参加費月額1200円。講師は菊池威雄さん(元県立衛生短期大学教授)。
カルチャースペース鎌倉 22・1496



皆様のあたたかいご支援を!

東日本の被災地の子ども支援バザー 最終回

4月20日10~15時、鎌倉・大町四ツ角そばの清興建設前。雨天中止。 東日本大震災被災地の子どもたちの心身の回復を願って2011年3月から続けられてきたバザーが、今回の第34回で終了となる。主催は清興建設、鎌倉てらこやが協力。今年3月までの支援金合計は183万円。
献品も募集中。清興建設 24・3700



春の施設公開

各施設10~16時、無料

◆大佛次郎茶亭(雪ノ下)4月6日。
鎌倉風致保存会 23・6621
◆旧川喜多邸別邸(雪ノ下)4月6・7日。
川喜多映画記念館 23・2500
◆旧華頂宮邸(浄明寺)5月6・7日。
市都市景観課 61・3477
◆吉屋信子記念館(長谷)4月の毎土曜、4月28日~5月6日と5月の毎土・日曜日。


鎌倉朝日新聞社

線路沿いに植えられたサクラ

鎌倉朝日新聞社

JR森づくり事業の贈呈式=3月4日鎌倉市役所で

花で地域にうるおいを

車窓からお花見をJR横浜支社が植樹

JR東日本横浜支社が環境保全活動の一環として3月初旬、JR東海道線沿線の鎌倉市山崎浄化センターにサクラの苗木など20本を植樹した。 3月4日、同社の職員らが鎌倉市役所を訪れ、JR大船の吉澤修駅長が松尾崇鎌倉市長に目録を贈呈、松尾市長から同社に感謝状が授与された。 今回植樹されたのは高さ3㍍ほどのソメイヨシノ17本とマテバシイ3本。同社が1992年から行っている植樹事業で、これまで県内の横浜支社エリア内に植樹された樹木は約1万2千本にのぼり、鎌倉での植樹は2005年稲村ガ崎公園のマツの植樹以来という。 松尾市長は「車窓からサクラが楽しめ、鎌倉を訪れるきっかけづくりにもなるのでは」と感謝を述べ、山崎浄化センターの永田直樹所長は「空気の浄化にもつながり、近隣の方にも喜んでいただけそうだ。大切に育てたい」と話していた。


鎌倉朝日新聞社

大船RCが縄桜を成寺に植樹玉福‖3月7日

玉縄桜を地元の宝物に

鎌倉大船RCが植樹

鎌倉大船ロータリークラブ(田中哲会長)が3月7日、鎌倉市小袋谷の成福寺に玉縄桜4本を植樹した=写真。 同クラブが大船フラワーセンターで育成され、種苗登録された玉縄桜を「地元の宝物」と考え、「玉縄桜100年の杜プロジェクト」を立ち上げ、大船生まれのこのサクラを普及する奉仕活動を行っていくという。 当日は、記念の朗読会も行われ、約70人が同寺の本堂で玉縄桜にまつわる物語などの朗読に聞き入った。 植樹式では田中会長が「ここは電車からも見えて多くの人に楽しんもらえそうだ。地元の皆様といっしょに1本1本増やしていきたい」と話していた。 2月に大船のシンボルともいえる大船観音寺に4本植樹している。



鎌倉朝日新聞社

鎌倉てらこや・豊島屋がコラボ

子どもたちの絵を鳩サブレーの箱に

鎌倉てらこや 豊島屋とコラボ

「鎌倉てらこや」が3月17日、鎌倉大仏高徳院で自分たちの描いたイラスト入りの箱の鳩サブレーを販売した。 鳩サブレーの豊島屋とコラボした1日限定の特別企画で、500個用意し、ほぼ完売した。 イラストを描いたのは鎌倉てらこやの活動に参加している子どもたち。テーマは、「鎌倉大仏」「てらこや」で、公募の小学生から中学生の作品からが5点が選ばれた。各100個ずつ箱に印刷され、サブレー3枚入り400円で販売された。 小学3年の安川櫻さんは鎌倉てらこやのマスコット「てらのすけ」と大仏が鳩サブレーを食べている絵=写真左、小学5年生の鈴木瑛太くんは大仏と鳩を描いた=写真右。二人とも一日店員として同寺の回廊で学生といっしょに参拝客に購入を呼びかけた。収益は活動資金に充てられる。 鎌倉てらこやは、主に鎌倉周辺地域の小中学生を対象に、子どもたちが夢を抱き、生きる力と心を育むための育成プロジェクトを、学生や大人、親たちとともに行っている。(4面に記事)


鎌倉朝日新聞社

原田寛さん写真集「古都櫻」出版

東京・京都で記念の発表展も

藤原宮の菜の花を取り囲むサクラ、広沢池に夕日とともにうつるサクラ、妙本寺の散りザクラ…夢の世界のような風景が色鮮やかに広がる。 鎌倉市大町在住の写真家・原田寛さん(70)が、鎌倉、京都、奈良のサクラをテーマにした写真集「古都櫻」を出版した=写真。 早春から晩春までのサクラの風景がそれぞれの古都の特色を表わしながら撮影されている。原田さんは3つの古都を40年に渡って撮り続けてきたが、三古都をまとめたものとしては初の写真集という。 出版を記念した写真展が4月3~7日東京・表参道ピクトリコショップ&ギャラリー・ジャパネスク(03・6447・5440)、4月9~14日京都写真美術館ギャラリー・ジャパネスク(075・746・2931)で開かれる。入場無料。 原田さんは「美しい自然の風景とともに伝統文化の宝庫である古都の魅力を存分に味わっていただきたい」と話している。


鎌倉朝日新聞社

スケッチ日和⑳

「田越川」  黒川 明

田越川は逗子市の3㌔ほどを流れる二級河川だ。スケッチをしていると、カワセミやコサギ、カルガモを見る。 イーゼルを立てて描いていると「こんな所、絵になりますか?」という人もある。そのままで絵になるところはどこにもない。上高地を何度も訪れた時期があった。素晴らしいロケーションだが、切り取ったままでは画にはならない。山の形を変え、川の流れを変え、色を変え、そうして初めて絵になる。逆に、絵にならないところも私は知らない。工夫次第で必ず絵になると思っている。能天気なのだ。
水彩 31×41cm


鎌倉朝日新聞社

石場建て伝統構法

連続セミナー第9回
 鎌倉で「木」と暮らす
   快適な暮らしを手に入れる
    4つのステップ~

第4部 これからの〝お金〟と〝リフォーム〟、〝家づくり〟勉強会~知って得する3つの税対策~

鎌倉の町並にあった家づくりをめざす戸井田工務店企画の連続セミナー第9回。毎月それぞれの専門家が家づくりをアドバイス。参加者から「家づくりに関する知識が増えた!」と好評です。 4月20日の第4部では、税理士がお金に関する情報をわかりやすく伝えます。「消費税が上がる前に家を購入したい」「先祖代々の不動産を相続で手放したくない」「何もしていない土地建物を活用したい」―こんな方にお勧めのセミナーです。増税前にぜひご参加を!
4月20日(土)午前10時、戸井田工務店(大町)。参加無料、要事前申込。
申込・問合せ戸井田工務店
鎌倉市大町5―5―9
0467・24・7777 info@kamakura-standard.com



鎌倉年中行事

4月

▼若宮例祭 3日10時、鶴岡八幡宮。
▼釈迦如来立像開扉 7・8・9日、極楽寺。
▼灌仏会(花祭り)
8日、各寺院。
▼忍性塔公開 8日10~16時、極楽寺。
▼丸山稲荷社例祭 9日10時、鶴岡八幡宮。
▼鎌倉まつり 14~21日。流鏑馬21日鶴岡八幡宮。(6面にご案内)
▼義経まつり 20日、満福寺。
▼鎖大師正御影供大祭20日青蓮寺。


プロムナード

京都に出張の帰り、新幹線の出発まで1時間あったのでタクシーでお任せ観光を楽しみました▼いろいろと話をする中で一番関心したことは、外国人に対する対応でした▼キャッシュレスの導入だけでなく、どのタクシーも翻訳アプリを活用しており、簡単な会話であればお互いにストレスなく楽しめるような環境になっていました▼それ以上に驚いたのは、京都駅のタクシー乗り場に「外国人優先レーン」が設けられていたことでした▼タクシーの運転手さんが自ら外国語のプラカードを持ち、笑顔で出迎えていることも印象的でした▼鎌倉駅前も整備される予定ですが、ハード面だけでなくソフト面に関しても期待しています。(N)


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