鎌倉朝日新聞 (4月1日号 2021年 第505号)

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インクル相談室鎌倉=鎌倉市役所の相談窓口

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引きこもりの現状を書いた『親を降りる』を発行した明石さん

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spaceぷらっと大船=第2・4火曜日は「みんなでごはん」

困ったときのよろず相談

インクル相談室鎌倉

生活のこと、お金のこと、住まいのこと、仕事のこと、家族のこと、人間関係のこと、子育てや介護のことなど多様な相談を受けて寄り添いながらお手伝いする「インクル相談室鎌倉」が鎌倉市大船にある。本人だけではなく、家族や周りの方からの相談も受け付けていて、相談は無料。 2015年(平成27)4月から、生活困窮者の支援制度が始まり、生活全般にわたる困りごとの相談窓口が全国に設置されるようになった。鎌倉市では生活困窮者自立支援制度に基づく自立相談支援事業を、「一般社団法人インクルージョンネットかながわ」に委託している。ほとんどの自治体でこの事業を市役所や社会福祉協議会が行っていて、民間に委託している自治体は少ないという。 相談室は大船のほか、鎌倉市役所生活福祉課にも置かれていて、インクルージョンネットかながわのメンバーが交代で勤務している。 コロナ禍で相談が増え、前年度は205件だった相談件数が昨年4月から今年1月までの間に約4倍の843件になった。大半が家賃助成の相談で、社会福祉協議会の貸付の相談なども多いという。 主任相談員の明石紀久男さんは、「不登校児童やひきこもり者」とその家族の相談や居場所を提供している「遊悠楽舎」で20年、インクルージョンネットかながわで10年のキャリアをもつ。大船に開設している「spaceぷらっと大船」では子どもたちの学習支援・居場所づくりを火曜日午後3時から行っていて、第2・4火曜は終了後、手作りのご飯をみんなで食べている。 明石さんは「人が抱えている問題はさまざま。場合によっては世帯をまるごとひきうけなければならないこともある」と語る。相談を受けると、その内容から市役所のそれぞれの関連部署や外部の関係機関と連携し支援につないでいる。 「一番大事なのは本人の気持ちで、困っていることを分かち合って、いっしょに考えること。問題解決のための制度や方法、段取りを考えることではない」と話す。明石さんは自らに「生き合おう」とする存在であるかを問いただしているという。 3月に『親をおりる―「ひきこもり」支援の現場から』(彩流社)を上梓した。80代の親が50代の引きこもりの子どもを支えている「8050問題」が重大な社会問題となっている昨今、親と子それぞれの気持ち・想いの行き違いに焦点をおき、問題を考える。関わった事例も紹介している。
インクル相談室鎌倉▽大船 0467・46・2119
▽鎌倉市役所生活福祉課 61・3958(平日8時半~17時15分)


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「市民の皆さんの協力でワクチン接種を円滑に進めたい」と話す鎌倉市医師会の山口泰会長(鎌倉市大船の山口内科で)

「ワクチン接種に協力を」鎌倉市医師会の山口会長に

新型コロナ対応を聞く

新型コロナウイルス用として国内で初めて承認された米製薬大手ファイザー製ワクチンは、2月17日から医療従事者の先行接種が始まり、鎌倉においては、3月8日から湘南鎌倉総合病院で優先接種が開始されている。 ワクチン事情や、今後の接種の見通しなどを、鎌倉市医師会の山口泰会長にうかがった。
―一般市民へ接種の時期 まずは医療従事者の接種が終わらないと、市民への接種が始まらない。ワクチンがなかなか届かないので今の状況だと4月末ごろまでに医療従事者の接種が終れば、5月10日ごろから高齢者への接種が始まると思う。
―ワクチンの接種はした方がいいのか
受けていないと社会がオープンになったとき入れなくなるだろう。施設入居者は施設にいられなくなるだろうし、いろいろな場所で出入りしにくくなる。渡航するとしても渡航先で入国できないこともあると思う。
―副反応については
ほんとうのところわからない。アナフィラキシーが起きたとしてもワクチンが直接の原因となっているかどうかわからない。 接種後に気分が悪くなったとしても、接種会場に横になって経過を観察する場所も用意されているので、心配せずに受けに来てほしい。 山口会長は「ワクチンを広く多くの人が打つことで、新型コロナウイルスは克服できる。1日も早く平穏な社会を取り戻せるように医師会のメンバーもワクチン接種業務にあたるが、普段の仕事をしながらなので、労働力に限りがある。人手が足りないので、接種には市民の皆さんの協力が必要だ。歩ける人は会場にきてほしい」と話している。


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パワースポット地図

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披露山山之神社(やまのかみしゃ)

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パワースポット地図

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かまくらの不思議を歩こう(40)

小坪のパワー地図  大貫昭彦

*カラフルな町の中に 漁港を囲むように密集する家々と相模湾を一望する披露山に広がる庭園住宅地と…。小坪の町は二つの表情を持っています。漁港近くのパワースポットは鎌倉編で巡ったので、今回は高台の町を訪ねます。華やかな住宅が並ぶ中にも歳月を経た神社が歴史を重ねています。披露山神社、伊勢山大神宮、諏訪神社などです。
*平穏な山之神社 鎌倉駅からタクシー相乗りで披露山公園へ。披露山神社はその山陰にありました。参道には「披露山山之神社」と「披露山稲荷大明神」と染め抜いた幟が2本立っています。もとは名主の高橋家の屋敷神でしたが、今は地域に広く信仰されているようです。鳥居には近くに住んでおられた石原慎太郎寄進の字が刻まれています。社殿はイチョウやモチノキ、ケヤキの森の中にありました。大根会の皆さんは「平穏で雰囲気のいい神社だ」といって満足気でした。周囲は住宅開発で様変わりしましたが、神社は大切にされ、神さまも憂いなく鎮座しているのでしょう。
*女神あらわる! パワースポットは2カ所見つかりました。1つは鳥居と社殿の中間、2畳の敷石の左側、もう一つはイチョウの根元にある一人でやっと持ち上げられるほどの石です。石に手をかざした人はそろって温かいという感想でした。大根師には女神の姿が浮かんだようです。神社の祭神は、大山祇(おおやまつみの)命(みこと)で男神です。しかし、娘はコノハナサクヤヒメ、孫娘はクシナダヒメで女神です。大根師の前に現れたのはこの2柱かもしれません。もちろん筆者の妄想です。
*厳かな小坪の総鎮守 次は庭園住宅地を通り抜けた先の伊勢山大神宮です。小坪の総鎮守で天(あま)照(てらす)大神社(おおみかみしゃ)、小坪明神社ともよばれます。小坪漁港から坂を上ると、最後に174段の石段が待ち構えているので、披露山住宅地側の脇参道から入りました。室町時代創建とされる古社で、本殿は伊勢神宮と同じ神明造、昭和11年再建の建物です。社殿の前には大きな拝殿が建ち、厳かな雰囲気を醸しています。
*山頂にパワー 参拝の後、大根師は境内をめぐり手を打ち、反響を確かめます。境内の外側では音は拡散し、中心部では収れんします。パワースポットは、音の収れんする方にあるようでここでは拝殿の周りに集まっています。本殿の左手前のポイントから右回りに、脇参道の内側の鳥居を潜った所、それに拝殿左手の3カ所です。「5つのポイントを結ぶと拝殿を囲む輪ができる。この輪の中は山頂に違いない。同時にパワースポットでもある」。 大根師の説明を伺った後、皆さんの祈る姿勢には、真剣さが増したように見えました。
*諏訪神社のパワーライン 最後に小坪漁港に下る途中にある諏訪神社に立ち寄りました。諏訪の神は、水神・風神です。漁師には大事な神社です。神社はわずか10m四方の地にありますが、境内には稲荷社や神道式の墓、道祖神の祠などが肩を寄せ合うように並んでいます。神社に託す信仰の厚さを感じます。パワーポイントは社殿の左手前の1カ所ですが、大根師は境内には南北に貫くパワーがあると推測されました。ラインは社殿の前を斜めに走っているようです。後日、地図で調べると、それは大崎の岬から伊勢山大神宮に続く標高40mの等高線と一致しました。披露山は一大パワースポットのようです。


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10年目の3・11

東日本大震災追悼復興祈願祭 鎌倉

2011年の東日本大震災から10年目の3月11日、鎌倉の鶴岡八幡宮で震災追悼復興祈願祭が開かれ、宗教者約70人が舞殿で祈りを捧げた=写真。被災地の人たちに何かできることはないかと、鎌倉市内の神道、仏教、キリスト教の宗教者たちが震災発生1カ月後の4月11日、宗教の垣根を超えて「鎌倉宗教者会議」として結集し、祈願祭を行い、以降毎年3月11日に神道、仏教、キリスト教と会場を移しながら開催されてきた。 舞殿に集まった宗教者たちは午後2時46分に全員で黙祷を行った後、鶴岡八幡宮・吉田茂穗宮司、臨済宗円覚寺派・横田南嶺老師、カトリック雪ノ下教会・古川勉主任司祭らを中心にそれぞれの流儀で祈った。祈りには復興、追悼と、新型コロナウイルスの災難を払う思いも込められていた。コロナ禍での開催とあって、参列者用の焼香台などの設置はなく、舞殿のまわりに集まった人たちは静かに祈願祭を見守っていた。 同宗教者会議では「祈願祭は今回で一つの区切りとするが、今後も3月11日は祈りを捧げていくという。


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復興ランチで被災地支援

鎌倉で働く人たちが集う「まちの社員食堂」(鎌倉市御成町)で3月 8〜19 日の2週間、東北の食材で作ったランチを食べると代金の一部が宮城県災害復興寄付金となる「復興ランチ」が提供され=写真、好評だった。 「多くのひとに東北を感じてもらいたい」と同食堂を運営するカヤック(本社・鎌倉市)が、岩手県陸前高田市、宮城県気仙沼市、南三陸町、東松島市が提携して行った企画で、前半は、4地域の海の幸がコラボした「復興丼」、後半は地域の日替わり「復興定食」を提供した。期間中、通常の1・5倍の売り上げがあり、寄付金額は約6万円になった。


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募金や防災の催し

逗子

逗子市で3月11日、市民による追悼や防災の催しが行われた。逗子駅前と東逗子のヨークマート前には鎮魂ブースが置かれ、3.11ALL=逗子Movement.vol.10協議会の式典も10回目を迎えた。震災後、仮設住宅でのバーベキューや食堂の建設など岩手県陸前高田市で支援した同協議会の丸山大暢(ひろのぶ)代表(57)は「震災翌月何かしなければと有志で現地入りした。大切なことは交流を続けることに尽きる」と話し、地震発生時刻の14時46分に集まった市民と1分間の黙祷(もくとう)を捧げた。 すこやかいきいき協議会の「3.11ずし支え合う市民防災の集い」と題した約70人参加のオンライン企画で、災害時にサポートが届きにくい障害者や高齢者の目線に立った「ひとりも取り残さない地域防災のあり方」をテーマに南相馬市の実情を伝える講演や、市内で支援が必要な当事者らが発言し、避難所に福祉ゾーンを設ける必要性などが浮き彫りとなった。 夕方からは被災地支援や市内の防災活動を行う中高生グループ「3.11つなぐっぺし」が逗子駅前でキャンドルを手渡しながら静かに募金を呼びかけた=写真。オンラインの企画にも登壇した同グループの田島大地代表(15)は「釜石の中学生が周囲を巻き込んで高台へ避難したように自分たちの年代だからこそできることがある」と防災意識向上を訴えた。(K)


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児童から高齢者まで集合

鎌倉クリーン大作戦

鎌倉駅西口や市役所周辺の一斉清掃が好天の3月22日に行われ、市民ら約80人が参加した=写真。 コロナ禍で、ボランティア活動や市民活動を中断している中高年や高齢者が多いので、その人たちに活動の機会をつくろうと、鎌倉市観光協会が、市社会福祉協議会・市市民活動センターと協力し、活動を呼びかけた。 好天の下、午前10時に鎌倉駅西口時計台広場に集合した参加者たちは説明のあと、軍手やトングでゴミを拾い、落葉をビニール袋につめこんだ。 鎌倉YMCAの児童や、サッカーチームの若者、市民活動団体、JR東日本や江ノ電の職員、周辺企業の社員など幅広い年齢層が参加した。障がいのある方の掃除モデルとして「お掃除車イス」も出動した。 市観光協会の大津定博専務理事は「予想以上に参加者が集まった。これをきっかけに家に籠りがちの人も自信を取り戻して、活動を再開してもらえればうれしい。今後も定期的に活動を行っていきたい」と話している。


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ヨットで海の魅力発信

世界一周レース完走の白石さん

ヨットで最も過酷とされる単独無寄港無補給世界一周レース「ヴァンデ・グローブ」へ2度目の挑戦を行い、完走を果たした鎌倉市在住の白石康次郎さんが、3月22日、松尾崇鎌倉市長を表敬訪問した。 昨年11月8日にスタートし、94日21時間32分56秒のタイムで、2月11日にゴール。レース7日目にメインセールを破損し、自分で修理した。全33艇中16位、アジア人では初の快挙を成し遂げた。 白石さんは、小さいころ、鎌倉の海を見ていて世界一周したいと思ったという。レース中はほとんど寝ないで、コンピュータを見たり、食事作りをしたりしていたことなどを話し、「今回これだけのチームを持てたのはラッキーだった」とチームを称えた。 白石さんは横浜国大附属鎌倉小・中学校の卒業生で、レース前に同校児童たちから応援ビデオや応援旗が贈られた。 「応援ビデオを何十回みたかわからない」と白石さんは、同席していた当時6年生で制作にあたった佐藤碧さんに話した。 次なる取り組みは、「船をもってきて、海を広めたい」と、鎌倉市民にヨット公開の意向を市長に語った。


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柳生十兵衛像=『柳生新陰流』赤羽根龍夫著(剣道日本)

文学つれづれ(187)

吉川英治『宮本武蔵』(十三) 赤羽根龍夫

武蔵は法典ケ原で養子・伊織との開墾以来、剣の道を政治の世界に応用して、世を治めることができないかという考えを温めていた。 干拓事業を終えた武蔵は再び江戸に戻り、小次郎に斬られた軍学者・北条安房守の息子を助けた縁で沢庵和尚たちの会合に招かれる。 武蔵は座敷の手前で殺気を感じて立ち止まる。襖の陰に隠れていたのは武蔵の実力を試そうと潜んでいた柳生宗矩であった。武蔵の剣の実力を改めて思い知らされた安房守や宗矩は、武蔵を将軍家の兵法師範に推挙することにした。 しかし将軍家への仕官はお杉婆の幕閣などへの度を越した中傷・讒言で取りやめになった。武蔵はむしろそれを喜び、剣の道を究めようと江戸城の襖(ふすま)に武蔵野の絵を描き残し、世話になった北条安房守への書面をしたためる。 安房守は、さては仕官できなかったことを嘆く手紙かと披(ひら)いてみると歌が書いてあった。 なかなかに人里近くなりにけり あまりに山の奥をたずねて 吉川英治は『随筆宮本武蔵』でこの歌を十兵衛自作の歌としたうえで、
私は、十兵衛のその歌と、武蔵が自分の肖像画のうえに自題した「理もわけも尽して後は月明を知らぬむかしの無一物なり」が、最も意味が深いし、歌としても優れているようで好きである。
十兵衛について、
気性もすぐれ剣も鋭かったらしいが、月の抄の序文でもわかるように文章を書くと典雅だし、その筆蹟なども優雅で見事である。
また武蔵についても、 宮本武蔵は、私の好きな古人のひとりである。剣という秋霜(しゅうそう)の(鋭く冷たい)気が、その人の全部かのように刺々しく思われて来たが、彼の仮名文字をようく見つめているとわかる。あんな優雅な匂いやさしさ細やかさ、虚淡な美を剣を持つ指の先から書きなす人が、過去にも幾人とあったろうか。 吉川英治が十兵衛の歌としている「なかなかに」の歌は、すでに1605年(慶長10)、若き武蔵が最初の兵法書『兵道鏡』に空海の歌として引用しているものである。 この歌は作者不明であるが、室町時代の法華宗を再興した日隆上人の教義書のなかに「古歌」として引用され、江戸時代では武術の極意歌として各書で使われている歌である。興味深いので引用しておこう。武蔵は剣の道に特別な極意はないとして、
大師、高野山奥の院を建てんと、山深く分け入りて思えば、いまだ浅し。奥の院となれば、なお深く尋ねゆき、行きて見れば、また家村近く見ゆる。さて云えり、 として「なかなかに」の歌を引用している。剣の奥義と入口は同じであるという意味である。 私は吉川英治の武蔵像は十兵衛像によって造形されていると思う。 徳川家康によって徳川家の御家流とされた柳生新陰流は徳川幕府安泰のために、剣を「人を切る道具」であることを捨て、活人剣を求めた。十兵衛は13歳から家光の稽古相手を勤めた、20歳で勘気を受けて柳生の里に籠り、12年間剣の修行と理論研究に励んだ。 一方、武蔵は24歳の『兵道鏡』の最後に「円明流天下一」と署名し、晩年に書いた『五輪書』で「敵に勝つ」剣の理を求め、墓碑銘にも「兵法天下一」と刻んであるように、生涯、敵に勝つ剣の技と理を求めた。そこに武蔵の偉大さがある。
(神奈川歯科大名誉教授)


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『中世鎌倉盛衰草紙―東国首都鎌倉の成立と展開』

峰岸純夫

私の人生でたぶん最後の出版物と思われる著書が昨年の8月に刊行された。おおむね原稿を提出したが、編集部が徹底的に手を入れ、写真や図を含めて全体構成を行い、一般読者に読みやすい図書となった。 とりわけ、鎌倉在住の画家・矢野元晴氏(鎌倉で画塾を開く)が、水彩印象画法という一般的には水彩画と言われる独特の図法で表紙や文中の挿絵を描いて下さった。表紙の絵は、本書のテーマである守護領国体制(鎌倉府体制)下の在地領主が戦国領主へ、そして戦国大名へと移行する時代の中にあって、唯一旧体制の考え方を継承した上杉謙信が関東管領として鎌倉の鶴岡八幡宮寺に詣でた様子をイメージしたものである。 この著書において私が主張したいことは、中世の鎌倉は長大な日本列島の東国の首都で、西国の首都京都に並ぶものであった。その歴史は教科書などでもっときちんと位置づけられるべきものと考えている。 そして、この地における内乱は歴史上重要な位置にあり、とりわけ15世紀後半の享徳の乱は、京都の応仁の乱をも誘発した大事件である。なお、この「享徳の乱」の命名者は私で、現在では教科書などに記載されるようになった。この間に鎌倉で活躍するのは執権北条氏だけではなく、有力御家人で、上野・武蔵両国に勢力を有する守護大名の安達氏であったのでその歴史を強調している。 さらに、幕府や南北朝以後の鎌倉府のもとで、武士たちの信仰する仏教寺院が多く建設されて鎌倉は宗教都市になって今日に及んでいる。この宗教都市について鶴岡八幡宮寺を中心に記述した。そして中世では寺院と神社は一体化して明治以降のように神仏分離ではないことを強調している。 以上、中世東国史研究者である自分としても満足すべき著作と思うので、多くの読者に批判的にも見ていただきたいと思っている。
本は2000円(税別)、歴史探訪社刊 0467・55・8270
※表紙の絵は、鎌倉朝日今年1月号の1面を飾りました。


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「光明寺ソメイヨシノ」=写真集から

原田寛作品集『古都櫻』

3月に写真展も

桜開花の便りが聞かれる3月下旬、原田寛作品集『古都櫻』出版記念写真展が鎌倉生涯学習センターで開かれた。 鎌倉在住の写真家・原田寛さん(72歳)は、京都・奈良・鎌倉の日本三大古都に魅せられ40年以上にわたって「古都グラファー」として活動を続けてきた。2019年に『古都櫻』を上梓し、19年に東京(原宿)と京都で出版記念写真展を、昨年奈良で巡回展を開き、その最終章として開催された鎌倉展で、奈良展での展示作品に、鎌倉の作品を追加展示した。 原田さんは、「花々の中でも、古から日本人はとりわけ桜に思いを寄せてきた。それぞれの古都の微妙な違いを桜の花を切り口として感じていただければ」と述べている。
『古都櫻』2400円(税別)日本写真企画刊 03・3551・2643



終の棲み家を考える84

値段は正直シリーズ 値段は正直〈木枠編〉

家をつくる時、窓や建具は本体の柱や体力のある壁にしっかり固定されています。奇麗に仕上げる為に木材などを加工して窓枠や建具枠を作り納めています。 費用を抑えるために材料を薄くしたり、枠を付けずにボードで代用している場合もあります。また樹脂に木の粉を混ぜて紙に杢目を印刷して貼り付けて木の様に見せている物もあります。 扉も集成材に印刷した紙を張り付けて本物の木の板の様に見せている物もあります。性能的に問題はありませんがニセ物感はぬぐえず、趣に欠けてしまいます。家を構成している材料は経年することで趣が増していきます、ある部分だけ真新しくピカピカしていたら違和感があります。銀行から多額のお金を借りてやっと手に入れたマイホームの現実がここにあります。 日本の住宅の平均建て替え年数が30年程ですが、奈良の法隆寺は建立されて1400年、鎌倉の神社・仏閣は何百年も経過しているものが殆どです。住宅を大量販売している会社の基準を夢のマイホームを求めてたどり着いた方に当てはめるのは問題です。合板・ベニア・集成材・合成樹脂・ビニールクロスで固めた家はそろそろ卒業です。人が安心して幸せに暮らせる家を目指し、本物の材料を使い手仕事で仕上げていく家を手に入れてください。貴方のそばにも希望を叶えてくれる会社があるはずです。
日向建設
鎌倉市大船1―15―3
0467・47・5454
http://www.hyuuga.co.jp/


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「ひと」
2月から鎌倉朝日歌壇選者
潮音編集発行人

木村雅子(きむらまさこ)さん

前任の香山静子さんの推薦を受けて2月号から本紙歌壇の選者を担当している。祖父で歌人の太田水穂が1915年に創刊した伝統ある短歌誌「潮音」を主宰する。読者の歌には「目の付け所がいい歌が多く、選歌を楽しみにしています」と語る。 評価の基準を聞いてみると、「その人の思いが伝わる歌、それが1番」と明快な答えが返ってきた。「技巧も大事だけれど、ちょっとつたなくても心が伝わる歌が光る」。一読していいなと思う歌に印をつけ、2度、3度見返す。何度か見るうちに見過ごしていたものを拾うこともあるそうだ。 祖父が山荘として求めた扇ガ谷の家に生まれた。歌人一家だったので、歌は自然に身についた。歌をつくると祖母も父もよろこんだ。生母を7歳で亡くした。その時作った歌が「母の日は白いカーネーションむねにつけお空のかあさまよびましょう」。 京都大学文学部に進み、そのまま京都で高校の国語教師を務めた。40歳の頃「毎月(潮音に)歌を出してよ」と母に言われた。「いい歌ができないから」とためらうと、母に「私たちだっていいと思う歌なんて、めったにできないのよ」と背中を押され、毎月出すようになる。京都で歌会も開いた。 1996年に父が亡くなり代表となった母から今度は「選者をやって支えて」と頼まれた。その母親も高齢になり、潮音の編集・校正を本格的に手伝うために定年を前に鎌倉に戻ってきた。1年後の2009年母が他界。祖母、父、母とつないできた「潮音」代表を引き継いだ。 若い新しい歌人を育てるのが歌壇の課題になっている。「潮音」は旧仮名遣いを使ってきたが、10年ほど前から「新仮名遣い」でもいいことにした。若い人は古典に触れる機会が減ってきている。新しく入会する人は新仮名が多く、「新仮名でもいいことにしてよかった」と述懐する。 「一生懸命やってダメなら仕方がない」という父親の一言が心の支え。「一生懸命には自信があるので」と笑う。 夫との間に2男1女。孫は4人。「潮音」の毎月の発行を中心に、総合誌からの執筆依頼、短歌大会の選者など忙しい毎日を過ごしている。現代歌人協会監事。明治神宮の短歌大会委員。鶴岡八幡宮献詠披講式選者。72歳。
(文・写真 三浦準司)


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健康百科通信(136)

コロナ禍における高齢者メンタルケア
  精神保健指定医  恩田 義幸

新型コロナウイルス感染により重症化しやすい高齢者は、感染が心配で外出や通院、習い事など、社会的な活動を極力避ける傾向にあります。 特に一人暮らしの高齢者は自宅で閉居して過ごし、知らぬ間に認知症状が進んでいたという話も少なくありません。それを心配する家族も、通勤や仕事で多くの人と接していたり、遠方であるため、高齢者に感染させてしまうのが怖く、なかなか会いに行けない状況が続いています。 久しぶりに親に会いにいったら、身なりに気を遣わなくなっていたり、楽しんでいた趣味に興味を失っていたり、活気がなく寝てばかりとなっているといった場合、うつ病や認知症を発症している可能性があります。 これらは早めに診断し適切な対応を取ることで、早期の症状改善や進行予防が期待できます。 高齢者本人を医療機関に連れて行くのが難しい場合も、ご家族相談という形で保健所や市役所、医療機関に問い合わせれば、専門医に具体的なエピソードを伝え、今後の対応の進め方や「ご本人が傷つかない方法で受診に繋げる」コツなどについてアドバイスを受けることが可能です。 「まさかうちの親に限って」と考えず、感じた違和感と向き合うことが、家族全員の未来にとってとても大切なことなのです

恩田クリニック 院長
鎌倉市御成7−8御成ever3階
0467・73・7877


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高徳院ソメイヨシノ=原田寛作品集『古都櫻』より(3面に記事)

暮らしに寄り添い500号

鎌倉朝日は2020年11月に500号記念号を発行しました。1979年(昭和54)年4月の創刊以来40余年、月1回、市民の皆様にニュースや話題を提供してきました。読者の皆様に思い出や感想などメッセージを募集したところ、たくさんの原稿が寄せられました。11月号で一部を紹介させていただきましたが、今回はその続編です。


創刊号トップ誌面を書くの惨憺

卯月 文(鎌倉市大船 87)

コロナウイルスという目に見えない敵に振り回されて1年が過ぎようとしている。終息のメドはまだつかない。不要不急の外出自粛要請から、友人知人の来訪も途絶え、買い物もまとめ買いで時間はたっぷりある。この際、暮らし方を見直そうと、手始めに溜まった資料の整理を始めたら下の方から、担当していた鎌倉朝日の「しおさい」の原稿が出てきた。鎌倉をフィールドとして活躍している女性の紹介記事である。読み返しているうちに、ふと創刊号の一面トップ記事を書いた当時が思い出された。 共通の友人を通して知り合いになった編集長の藤沼正人さんから、朝日新聞の姉妹紙「鎌倉朝日」を創刊することになった、ついては「一面トップ記事は『鎌倉ロジュマンの自治会活動』に焦点を当てたものにしたいが、卯月さん書かないか」と言われ、一瞬我が耳を疑った。何せ当時は事あるごとに、「女のクセに」が付いて回った時代である。たとえミニコミ紙であろうと、創刊号のトップ記事を女性が担当するなどあり得ないことだった。嬉しさ七部不安三部で躊躇っていると、「(自治会発足については)卯月さんも言い出しっぺの一人だと聞いている、これからのマンション生活の在り方として大事な視点だと思ってとても興味がある。外からの視点での取材は僕がやる。卯月さんは半ば当事者の目で書いてくれると厚みのある記事なると思うが」と言われ、「口説き方がお上手ね」と言いながら、無記名で書くことで了解した。 それからが大変、創刊号の一面トップ記事という重圧と緊張と不安を抱えながら、一気に書き上げたものの、1稿目はボツ、2稿目を恐る恐る持参すると、この表現は硬いからこう直そう、ここはカットしても良いよね等々。こうして出来上がったのが創刊号の記事である。紛れもなく藤沼編集長と卯月の合作であり、私にとっての記念紙でもある。 常に住民に愛される地域紙の在り方を模索し続けておられた藤沼正人さんに心から敬意を表し、鎌倉朝日の永遠に栄えますことを祈念します。


パブロバさんと鎌倉朝日

渡利 晴夫(鎌倉市手広)

鎌倉朝日の藤沼編集長がまだ健在の頃、鎌倉の市民懇の会合にI氏(バレエの関係者)が七里ガ浜のパヴロバ邸の保存に力を貸してほしいといって来られ、市には全然その気がないらしく建築学の権威であった武基雄先生の推奨もあり、I氏の熱心さに打たれ若い気を燃やした頃が懐かしい。 その後I氏らと親しくなり、その頃親しくしていた藤沼編集長にも申し上げ、当時国際交流でできたばかりのパヴロバ記念館の訪問客第1号としてカナダのバレエ団を迎えた時も鎌倉朝日で記事にしていただきました。 パヴロバさんの妹ナゼジタさんが健在でその後、遺品などは市で保管されるようになりましたが、素敵な洋館は惜しくも取り壊され跡に記念碑が建てられました。 1919年のロシア革命の難を逃れて運命の地鎌倉七里ガ浜にバレエスクールを設立(2019は来日100周年にあたる)これがわが国バレエの嚆矢となりました。 鎌倉朝日500号のスタートの一つにもなればと、パヴロバの苦難の変遷史と「ある日の恋」~小津監督の映画「大人の見る繪本 生れてはみたけれど」からとった貝谷八百子さん談による実話を元に暖かく織り交ぜ描く夢の3大バレエにも負けぬ、地域みんなに愛され親しまれるように願っています。

鎌倉愛に溢れた新聞

入野 裕江(鎌倉市笛田 73)

私が「鎌倉朝日新聞 歌壇」に初めて載せていただいたのが、四半世紀前の1995年127号からでした。 その当時の選者は「野村泰三先生」でした。それ以降「玉井慶子先生」そして最近の「香山静子先生」号を迎えた今も投稿させていただいています。このように、長きにわたり、投稿する機会を与えてくださる貴社に深く感謝している私です。 そのようなご縁からか、初代の「中村藤一郎編集主幹」また、現在の編集長の小林千穂さんには、当時私が校長をしていた「鎌倉市立第二小学校」の、子供たちの様子や活動を、数回に渡り記事にして、紹介してくださり、子供たちに勇気を与えることができました。   また、拙い私の第一歌集『遊楽』}や、職を辞した後上梓した『標高2999メートル』の本も紙面に紹介していただきました。私にとっては、これらの記事は人生の宝物として今も大切に保管しています。 最後に、私の友人の言葉を紹介し、お祝いの寄稿文とさせていただきます。「鎌倉朝日新聞は【鎌倉愛に溢れた新聞】ね」。

短歌の投稿とともに

小笹岐美子(鎌倉市大船 69)

鎌倉朝日を毎号楽しみに拝読しております。地域の話題満載で読みごたえがあります。 自己流で短歌を作っておりましたが御社の歌壇をいつも読ませていただき、香山先生の歌評に心ひかれて投稿したのが5年前。思いがけず二席に選んでいただき以来投稿を続けております。その上香山先生からお電話でお誘いいただき鎌倉の歌会にも参加させていただくようになりました。このような御縁を御社にいただき感謝にたえません。 またいろいろな方が目を止めて下さって思いがけない所で「お歌、楽しみに見てますよ」と声をかけていただきます。地域紙ならではの親しさだと思いますし、皆さんが丁寧に御社の紙面を読んでいらっしゃるからだと思います。 コロナ禍の中編集、取材でも御苦労の多い中質の高い紙面作りをなさっていることに心から敬意を表します。今後とも増々ご発展なさいますようお祈り申し上げます。

鎌倉朝日と私

田嶋早苗(鎌倉市笛田 74)

毎月1日、私の行動は朝起きてすぐ新聞受けを覗くことから始まります。そして徐に「鎌倉朝日」が折り込まれている事を確かめ、今月はどんな記事が掲載されているかワクワクしながらおおまかに垣間見ます。朝の忙しい時間を終え、今度はゆっくりとじっくり鎌倉朝日を読むことが楽しみの日課となっています。 巷での鎌倉独自の情報が少ない現在、1カ月の出来事やこれからのイベント予定がもれなく掲載されている事は読者にとりまして大変有難いことです。 「鎌倉関連の特集」では懸命に取り組んでいる方々のひたむきさが伝わってきます。連載の記事も魅力のひとつ。108回まで続いている「鎌倉みほとけ紀行」では仏像の解説文に温かい御心が感じられ心が安らぎます。「かまくらの不思議を歩こう」も斬新なエッセイに驚かされ、過去の「鎌倉花めぐり」ではその観察力と引き付ける文章に魅了されました。大巧寺のキボウホウヒルムシロは衝撃的でした。今でも冬になると大巧寺に観察に行きます。 その時代時代にあった要求を満たし新たな指針を与えてくれる「鎌倉朝日」、私にとりまして掛替えのない、この上なく大切な「鎌倉朝日」です。

「鎌倉朝日」を読む

秦 和之(鎌倉市植木 81)

毎月「鎌倉朝日」配られるのをとても楽しみにしております。 一番に開いて読むのが「歌壇」です。選ばれた歌に感心し、一つ一つ声に出して読み、自分なりの歌を創り続けているのです。一度「鎌倉シニア」の歌が末席に入選したことがありましたが、うれしかったです。 次に読むのが連載物です。そこに載っているお寺や仏像を拝みに行ったり、描かれている所へ出かけて行ったりして自分の目で確かめ楽しみます。本などの紹介があると、本屋で買い求めたり、図書館で借りて来て読むのです。それから全ての記事に目を通します。 地域行事や、展覧会を目にすると、足はまだ丈夫なので何でも見てやろうと出かけるのです。 年と共に耳が遠くなり、テレビやラジオはだめで、情報はもっぱら新聞からですので、このような地域の情報紙があることは老人にとってもとても助かります。いつまでも発行を続けてほしいです。

「へぇーっ⁈」と鎌倉朝日

手代木晶子(鎌倉市今泉台 61)

創刊500号おめでとうございます。 私は鎌倉に住んで51年目になりましたが、まだまだ知らないことが多く、毎月貴紙を読んで「へぇーっ⁈」の連続であります。 1959年生まれの私は79年(貴紙創刊と全く同時日)に就職しました。職場には58年、59年入社の大先輩が何人もいらして「入社した年度に生まれた人が新入社員とは!」とびっくりされました。最近、先輩方の気持ちが理解できます。 「ひと」というコーナーに若い方が登場されています。「人生なんて、あっという間だよ!」と母は生前話していました。ビートルズは〝Life is very short and there’s no time〟と歌いました。 今年は、彼らが結成して60年、解散して50年。「光陰矢の如し」です。これからも毎月「へぇーっ⁉」と言いながら読んでいきますね。

鎌倉朝日と私

井上桂子(鎌倉市津西)

鎌倉の地に生まれ育って早や半世紀。鎌倉朝日との付き合いも長くなりました。 限られた紙面の中に情報を詰めるだけ詰めてくださっている、そのご苦労を敬したく思います。 最近は「鎌倉の年中行事」に注目。意外にここまでコンパクトに見やすくまとめてあるものは少ないです。 これだけ住んでいても、知らない祭や神事がある-それどころか知らない寺社もある、ということに我ながら驚いています。今後は死ぬまでの間に一つ一つ訪問して拝見し、時には参加できたらと考えています。 間違いなく、若い頃とはその捉え方も感じ方も違うでしょう。心豊かにしてくれるかもしれないと思うと楽しみです。

令和のパンデミック

若松 明弘(藤沢市片瀬山 86)

2020年は東京オリンピック・パラリンピックの年として息のかかった躍動の年の筈であった。事実、すべてが着実に進みつつあった。しかし、突如として発生した新型コロナウイルスは猛威を振るい瞬く間に拡大、パンデミックとなって世界を震撼させている。文明が発展して世界はいまやグローバル化した。しかし、ウイルスによって航空機も飛べなくなり、世界の動きが危機にさらされようとはなんとも皮肉なことではないか。 昨年の東京五輪は延期となり、蜜となる行動や行事は悉く自粛、街の様相も一変した。経済活動は極端に制限され、いまだに尾を引いている。昨年入学した学生の多くはまだ学校へ行けず、オンラインとかのリモート授業と聞く。会社勤めはテレワークの在宅勤務。テレビ局も限られたスタッフのみ、バーチャル出演というこれまでにない変化である。これからの生活様式はこの様に移り変わっていくのだろうか。 世の中はコロナショックとまでいわれるような深刻さを増している。俄かに代わった新政権の施策はどこまで原状復帰ができるのだろうか。期待と不安は募る。想像できないほど変化は著しく、たいへんな時代を迎えたようである。

鎌倉つれづれ

山下雅子(鎌倉市稲村ガ崎 80)

最初、鎌倉に来たのは、高校の修学旅行でした。中学時代の奈良・京都と比べこじんまりしているが、おくゆかしく面影のある街という印象でした。 年は巡り、ここ鎌倉に定住することとなり、引越してきました。 鎌倉には①道幅が狭く、歩行者にとって危険な道路②スーパーなどがなく、買物に不便③坂道、階段が多く、高齢者や障害者には住みづらい―などの問題点が多々あります。 反面いい所もあります。①今住んでいる稲村ガ崎は相模湾が一望できる別天地②江ノ電が家の前を通っており、運転手や車掌さんが私に応え、手を振ってくれる。 私は早く健康を取り戻し、江ノ電に一人で乗車することが夢です。夢だけはいつまでも持ち続けたいものです。 景観は昭和30年代と比し、開発されていますが、古(いにしえ)の面影をいかに保つかが、課題でしょう。 最後に一つお願い―自動車のナンバープレートが横浜から鎌倉へと変更されたらいかがでしょうか?イメージアップと宣伝効果を狙って。


鎌倉朝日新聞社

「ちいさな王子」幸田ひろ子さんの朗読CD

心のふる里を行く(38)

「目に見えない大切なもの」とは何か
  ~二人の先達を偲んで 池田雅之

昨年は、コロナ禍のさ中、NPO法人「鎌倉てらこや」にとって、とても大事な方がお二人亡くなられた。お一人は円覚寺の前管長の足立大進先生であり、もうお一人は舞台朗読家の幸田弘子さんである。このような時期だったので、私はお二人の葬儀にも伺えず、今も心残りとなっている。 足立大進老師は私たちのこどもの育成プロジェクト「鎌倉てらこや」の良き理解者であり、長いこと私たちの朗読会のために会場をお貸しいただいてきた。老師の舌鋒は鋭いが、ユーモアと暖かさに溢れたお人柄に触れるのが、私の何よりの楽しみであった。 また、2020年11月には、「鎌倉てらこや」の朗読会を支えてくださった舞台朗読家の幸田弘子さんが急逝された。11月23日の「一葉忌」の夜にくも膜下出血で倒れ、翌24日早朝に他界された。88歳であった。幸田さんは樋口一葉の朗読を生涯の仕事とされ、40年間、ずっと「一葉忌」の公演をされていた。 「鎌倉てらこや」では十数年にわたり、毎年1月下旬に幸田さんの公演会を開き、宮沢賢治や太宰治、小泉八雲などの作品を大勢の子どもたち、学生たちの前で朗読してくださった。その朗々としたお声は力強く、聴く者の魂を奮い起こした。 幸田さんの言霊(ことだま)に呼応するかのように、円覚寺の横田南嶺管長も私たちの会に参加されるようになり、坂村真民の詩を迫力に満ちたお声で朗読してくださるようになった。私たちには望外の喜びであった。 私は毎回、冒頭の挨拶と朗読作品の解説担当であったが、今年こそは、皆さんの前で朗読してみたいという気持ちになっていたのだが、幸田さんのご逝去で叶わぬことになった。 私は幸田さんのご葬儀には弔電を打っただけだが、2月下旬、作家で幸田さんのお嬢様の三善里沙子さんから丁重な手紙が届いた。お便りには幸田さんが晩年に取り組んでおられたサン=テクデュペリの「ちいさな王子」の朗読CDが添えられていた。この作品は「星の王子様」というタイトルで知られているが幸田さんは野崎歓さんの新訳(光文社文庫)で読んでおられた。 私はさっそく、幸田さんを偲びながら「ちいさな王子」に耳を傾けてみた。すると不思議なことに幸田さんの思い出が次々と湧き出てきた。「ちいさな王子」の大きなテーマは「大切なものは目には見えない」であったが、幸田さんを回顧していると私にとって「大切なもの」が目に浮かび上がってくるように感じられた。 その「大切なもの」とは、25年ほど前、幸田さんの樋口一葉の舞台朗読を初めて聴いたとき、文学とは声(ヴォイス)であり、肉声による朗読こそ文学そのものの表現であると確信したことであった。その時の私の体験は、「大切なもの」の気づきとして、私の中にずっと生き続けている。私はお二人の先達に導かれながら、ポストコロナ時代を生き抜くために、「目には見えない大切なもの」とは何かを、皆さんと一緒に考え続けていきたいと願っている。
(早稲田大学名誉教授・鎌倉てらこや顧問)


鎌倉朝日新聞社

「みんなで朗読」オンライン発表会=3月14日

いざっ!!鎌倉てらこや(74)

オンラインだからこそできること
鎌倉てらこや事務局長 小木曽 駿

オンラインでの「てらこや」活動を、1年前までは想像すらしていなかった。新年早々に再発令された緊急事態宣言は3月後半まで再延長された。鎌倉てらこやでは、感染拡大を防ぎ、医療機関の負担を軽減するという趣旨に鑑み、全ての対面での活動を自粛している。そこで、Zoomという会議システムを利用することによりオンラインで子どもたちと大学生との関わりを継続している。 オンライン上で子どもたちの居場所作りを目的に近況報告や他愛のないゲームを行う「てらこやたまりば」を週に1回程度実施。 また、鎌倉市行政と連携して、市内の学童保育施設へのオンラインプログラムも週に2回ほど行っている。「みんなで朗読」の活動では年度末の発表会もした。 大学生スタッフからは、「オンラインは難しい」という声も上がっている。子どもたちと大学生が一斉に画面上にいるため、一人ひとりの子どもたちに気兼ねなくつきっきりで寄り添いにくいのが、オンラインの難しさの最たるものだ。対面での子どもたちとの関わりを無理矢理そのままオンラインの活動に当てはめようとしても上手くいかない。 一方で、共通の目標に向かって何かをやり遂げようとする活動にオンラインは向いている。対面の活動では気が散ってしまいがちな女の子が、オンラインの活動では、集中して朗読に取り組むことができた。 また、広島県の宮島てらこやとコラボレーションして、宮島と鎌倉の子どもたち・学生がイベントを行うなど、物理的な距離を超えて気軽につながれるのは、オンラインの最大の魅力だ。 対面の活動でできることとできないことがあるのと同じように、オンラインで難しいこともあれば、オンラインでしかできないこともある。気兼ねなく対面活動を行うのはまだまだ難しい現状ではあるが、様々な工夫を試しながらオンライン事業ならではの感動体験と良き人との出会いを子どもたちに届けていきたい。いつかコロナウイルス感染拡大が収束をみせたとしても、オンライン事業には大きな可能性を感じている。

鎌倉てらこや事務局
0467-84-9746(平日13~17時)
http://kamakura-terakoya.net/


鎌倉朝日新聞社

桐ケ谷桜が開花

鎌倉駅西口広場

鎌倉駅西口広場に昨年3月上旬、鎌倉同人会が植樹した桐ケ谷桜が開花した=写真。 同会創立百年の記念事業として鎌倉に由来する桐ケ谷桜を普及させようと、2016年に鶴岡八幡宮境内への植樹を始めて以来、これまで市内9カ所に植えている。 昨年の鎌倉駅西口広場の整備工事に合わせて鎌倉市へ高さ3mほどの苗木を寄贈し、時計塔の後ろに植樹した。市民や観光客など多くの人に親しんでもらいたいという。


鎌倉朝日新聞社

鎌倉市倫理法人会 通信

「いざ、鎌倉!」59 歴史と伝統のある鎌倉を梁山泊に!
 モーニングセミナーのお誘い

社屋が火災に遭うという大惨事を乗り越えて会社経営を立ち直し、現在、大勢の前途有望な若手社員とともに仕事に取り組んでいるスター・ホーム株式会社代表取締役・星武司さんの講話が3月16日、鎌倉市大船で行われた。 鎌倉市倫理法人会のモーニングセミナーで、緊急事態宣言下とあって会場参加とZOOMでの配信で22人が参加した。 星さんは、15年前、倫理法人会に入会した。倫理の学びと実践で、それまでのわがまま気ままに生きて来た価値観が一変し、人としての成長を目指すとともに、世のため人のためにという想いが自然に湧き上がるようになったという。 現在、神奈川県倫理法人会相談役を務める。「役職を受けることで、意識が変わり、徳を積んで、器が広がる」と話し、「継続は宝なり。倫理を学び実践することでより良い人生を」と結んだ。講話後、参加者から「話を聞いて力が湧いてきた」「勇気になった」「心に響いた」などの「感想があった。 倫理法人会は、「企業に倫理を、職場に心を、家庭に愛を」をスローガンに、全国約7万社の会員企業が「純粋倫理」に根ざした倫理経営を学び、実践し、その輪を拡げる活動に取り組んでいます。 鎌倉市倫理法人会は、県内22単会の一つとして、経営者モーニングセミナー、活力朝礼、倫理講演会などの活動を行っています。 毎週火曜日朝6時半からネクトン大船(鎌倉市大船1―12―10湘南第5ビル)でモーニングセミナーを開催しています。ぜひご参加ください。見学自由。
鎌倉市倫理法人会事務局 045・315・2433


鎌倉朝日新聞社

だんかづら

あーちゃん、8歳。おやつが大好きなちょっぴり太めの男の子。気が優しくて、撫でてもらうことが大好きなご近所さんのアイドルです。
 坂ノ下 坂田さん方


鎌倉朝日新聞社

はじめましょう

《募集》春のオンライン・ピアノ・マスター・クラス with ピアニストSachikoKawamura
新年度から50日間、ご自分を勢いづけ、一生懸命ピアノのスキルアップを求めるアマチュアからプロの方!
4月21日〜6月10日。限定10名様!詳細はメールで問合せp-twilight@sachiko-piano.com



お知らせ

●春の公開中止 旧華頂宮邸、扇湖山荘は新型コロナウイルス感染拡大のため、建物公開を中止。
鎌倉市都市景観課 61・3477
●鎌倉中央公園の上空を泳ぐ鯉のぼり 4月24日~5月5日修景池上空。
45・2750
●緑のレンジャー募集 5月~翌年2月、土曜10~12時、全10回。鎌倉市内在住・在学・在勤の18歳以上対象。公園や緑地の維持・管理を体験し、樹林地の現状を学ぶ。
61・3486


鎌倉朝日新聞社

「 賛歌 」 F30 油彩

上野憲一展  「自然賛歌」

三浦市在住の洋画家・上野憲一さんが4月14日から26日まで鎌倉市津の ギャラリージタン館で個展を開く。作品のテーマは「自然賛歌」。絵に込めた眼差しは、自然への畏敬と、大地がもたらしてくれる豊穣な恵みの中で生きとし生けるものの命への賛歌という。 現場の光と空気感を大切に自然の持つ生命感を生き生きと表現した油彩画約35点を展示。 0467・32・9658


鎌倉朝日新聞社

「 賛歌 」 F30 油彩

風景画など約300点

第1回鎌倉水彩画塾展

水彩画家・矢野元晴さんが、4月13〜19日鎌倉生涯学習センターで「鎌倉水彩画塾展~新たな挑戦」を開く。矢野さんは、4年ほど前に同塾を開講し、独自に編み出した『水彩印象画法』で小学生から90代まで約300人を指導している。 全塾生の作品を集めた展覧会は初めて。「水彩画の魅力は、そのときの気持ちがさめないうちに短時間にぱっと描き上げられること」と話す。 080・6578・9290


鎌倉朝日新聞社

前回の展覧会

鎌倉朝日新聞社

美人今昔シリーズ

鎌倉朝日新聞社

み る

▼企画展「まじないの世界―鬼をもって鬼を制す」
4月17日まで鎌倉歴史文化交流館。鎌倉市内から出土された呪符や形代などの出土品や鬼の姿を描いた絵画資料からまじないの世界を展観する。3百円。
73・8501
▼特別展「鎌倉の至宝」
5月9日まで鎌倉国宝館。国宝「当麻曼荼羅縁起絵巻」や新たに鎌倉市指定文化財になった「報国寺境内絵図」など文化財を一堂に。4百円。
22・0753
▼光明寺寺宝展
5月9日まで光明寺本坊広間。毎年この時期に鎌倉国宝館に寄託しているものなどを紹介する。當麻曼荼羅縁起絵巻写本の上下二巻の全物語の特別公開(原本の一部は国宝館で公開中)ほか、浄土八祖図八幅、阿弥陀如来立像など。5百円。山門楼上も公開中、5百円。
22・0603
▼特別展「武蔵国鶴見寺尾郷絵図の世界」
5月23日まで県立金沢文庫。鶴見地域を描いた武蔵国鶴見寺尾郷絵図(重要文化財)、大般若経関連の諸本、仏画、古文書など約100点。5百円。
045・701・9069
▼企画展「藤田道子 ほどく前提でむすぶ」展
4月3日~6月6日茅ヶ崎市美術館。県在住のアーティスト藤田道子の公立美術館初の個展。リボンが素材の大型インスタレーションやシルクスクリーン、立体作品など。7百円。
88・1177
▼澤柳秀治 日本画・水墨画展
4月1~7日北鎌倉のギャラリー・珈琲鎌倉結。82歳の澤柳さんが日本各地の盆踊りや夏祭りを描いた作品50点。
澤柳方 046・865・0164
▼工藤泰代とKUM 村松久美子二人展―天然素材のハンドメイド服と絹紐と天然石のアクセサリーたち 4月14~18日鎌倉のギャラリー一翆堂。天然素材を中心に着心地の良さにこだわった日常着と絹糸に天然石やパール等を組み込んで色合いや素材感を大切に制作したネックレスやピアスなど。
22・3769
▼鎌倉彫の鉢―食卓の華
5月16日まで鎌倉彫資料館。1970年代後半以降に制作された食卓を彩る鎌倉彫の鉢約20点を紹介。3百円。
25・1502
▼川喜多映画記念館
▽企画展「日本映画名優(バイプレイヤーズ)
列伝」6月20日まで。1950~70年代を中心に日本映画の名優を映画や書物を通して紹介する。2百円。 ▽関連上映 4月6・8・10日10時。7・9・11日13時半「飢餓海峡」。6・8・10日14時、7・9・11日10時「日本のいちばん長い日」。13~18日13時「華麗なる一族」。各千円、中学生以下5百円。
▽特別企画「シネマウィーク」 4月27日・5月1・6日10時半。4月29日・5月3・8日14時「ライフ・イズ・カラフル!」。4月27日・5月1・6日14時、4月29日・5月3・8日10半時「パブリック 図書館の奇跡」。4月28日・5月2・7日10時半、4月30日・5月4・9日14時「なぜ君は総理大臣になれないのか」。4月28日・5月2・7日14時、4月30日・5月4・9日10時半「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」。各1200円、中学生以下6百円。
23 ・2500
▼創刊101年記念展 「永遠に『新青年』なるもの―ミステリー・ファッション・スポーツ」
5月16日まで神奈川近代文学館。江戸川乱歩、横溝正史らの名作を送り出し、昭和初期の時代を牽引した雑誌「新青年」の軌跡を約6百点の資料で辿る。7百円。▽朗読会 江戸川乱歩作「押絵と旅する男」4月17日、出演は俳優の佐野史郎さん。1200円。▽講演会 私の好きな「新青年」の作家たち―乱歩、久作、十蘭4月24日、講師は学習院大学教授・中条省平さん。千円。▽関連上映5月1・2日13時半、「アッシャー家の末裔」「カリガリ博士」2本立て。8百円。
045・622 ・6666
▼烏合会結成120年記念 若き清方と仲間たち―浮世絵系画家の新時代
4月15日~5月19日鏑木清方記念美術館。若き日の清方の作品を中心に烏合会時代の作品や会員らの作品で新時代の日本画家創出を目指した若者たちの足跡を辿る。3百円。
23・6405
▼第56回鎌倉書道協会展
4月27日~5月2日鎌倉生涯学習センター。同書道協会会員の作品約100点。無料。
日本総合書芸院 23・2100
▼湘南ベルマーレ 鎌倉市ホームタウンデー
5月2日15時、レモンガススタジアム平塚。対コンサドーレ戦。鎌倉市内在住者はホームタウンチケットで観戦可。1500円。申込は湘南ベルマーレのホームページから。
市健康福祉部スポーツ課 43 ・3419



美術館・文学館めぐり

鎌倉朝日新聞社

※新型コロナウィルス感染拡大防止のため、急きょ中止・延期になる場合があります。開館状況についいぇは、各施設にお問い合わせください。



購入新図書のリスト抄

鎌倉市中央図書館(2月分)

鎌倉市中央図書館(25・2611)は2月に一般148冊、児童書47冊を収蔵した。一般的なものは下記の通り。 ▼「科学絵本の世界100-学びをもっと楽しくする」平凡社(別冊太陽 ▼「いつも機嫌がいい人の小さな習慣-仕事も人間関係もうまくいく88のヒント」有川真由美著 毎日新聞出版▼「忍性の真実-極楽寺良観と戒律」理崎啓著 哲山堂 ▼「Weの市民革命」佐久間裕美子著 朝日出版社 ▼「図解SDGs入門」村上芽著 日経BP日本経済新聞出版本部 ▼「Google式10Xリモート仕事術-あなたはまだホントのGoogleを知らない」平塚知真子著 ダイヤモンド社 ▼「Microsoft Teams実用ワザ大全-テレワークの達人になる!徹底活用!」日経PC21編 日経BP ▼「マンション防災の新常識-逃げずに留まる「在宅避難」完全ガイド」釜石徹著 合同フォレスト ▼「新型コロナ「正しく恐れる」」西村秀一著 井上亮編 藤原書店 ▼「日本の医療の不都合な真実-コロナ禍で見えた「世界最高レベルの医療」の裏側」森田洋之著(幻冬舎新書) ▼「文房具語辞典-文房具にまつわる言葉をイラストと豆知識でカリカリと読み解く」高畑正幸著 誠文堂新光社 ▼「書聖王義之-その謎を解く」魚住和晃著(岩波現代文庫) ▼「日本の美しい言葉辞典」梅内美華子監修 ナツメ社 ▼「忙しくても毎日が整うシンプルライフ入門」(日経BPムック) ▼「誰も教えなくなった、料理きほんのき」鈴木登紀子著 小学館


鎌倉朝日新聞社

児玉康子さん

鎌倉朝日新聞社

伊藤順一さん

き く

▼児玉康子ピアノリサイタル「今、私の魂に響くもの~ショパンに寄せて」
4月10日14時、藤沢リラホール。ショパン「24の前奏曲op 28」、故国ポーランドの民族舞曲マズルカ、英雄ポロネーズなど。3000円。
児玉方 22・7704
▼吉田連テノール・リサイタル
4月18日14時、藤沢リラホール。湘南モーツァルト愛好会例会。モーツァルトのオペラ「イドメネオ」のアリア「海を逃れて」など。4500円。
046・872・1963
▼伊藤順一アフタヌーンピアノリサイタル
5月9日14時、鎌倉生涯学習センター。2019日本ショパンコンクール優勝者伊藤順一さんのコンサート。ショパン「舟歌」「幻想曲作品49」など。3500円、前売3000円。小中学生無料、要申込。
湘南クラシックアーティストパラダイス 24・5695



まなぶ

▼難民のことを知ろう!
4月11日13時、鎌倉芸術館。鎌倉市に難民センターが開所された事を機に難民を知り、コミュニティ形成への参画を呼び掛ける。無料。要申込。講師はアルペなんみんセンター理事・山本菜奈さんら。
SDGs活動支援センター 53・9309
▼認知症予防講座
65歳以上で逗子市市民優先。認知症リスクが高まっている今、予防講座で生活習慣を変える。説明会4月22・23日10・13・15時半。運動コース5月10日~6月14日。音楽コース・朗読コース5月13日~6月17日。会場は逗子のキングカルティオ。各コース全6回。無料。4月9日までに申込
認知症予防コンソーシアム 03・6634・5294
▼連続講座「北条義時とその時代を学ぶ」
全3回参加可能者対象①4月24日18時「鎌倉時代研究の最前線」など②5月29日13時、フィールドワーク・北条義時ゆかりの地を訪ねて③6月26日18時、「北条義時の造仏」など。鎌倉歴史文化交流館ほか。無料。12日までに申込。
鎌倉歴史文化交流館 73 ・8501
▼点訳基礎講座
鎌倉市点訳赤十字奉仕団の初心者向け点訳基礎講座。2千円(テキスト・資料代)。要申込。
▽昼コース5月6日~12月16日木曜13~15時、鎌倉市福祉センター。
米山方 48・5652
▽夜コース5月13日~9月30日木曜18時半~20時半、玉縄青少年会館。
木村方 45・3555



さんか

▼ユネスコ困窮者支援 深沢倉庫バザー
4月11日10~14時、鎌倉ユネスコ協会深沢倉庫(深沢中学へ上る手前の信号右折の長屋)。毎月第2日曜開催。 ▽献品受付 衣類・着物・雑貨・支援用食糧品。
久保方 44・9830
▼ふらっとカフェ鎌倉
食を通じて多世代交流。4月16日17時半、二階堂デイケアセンター。弁当をみんなで食べる。子ども2百円、大人5百円。21日16時・17時、ソンベカフェ。店内飲食、子ども3百円、大人5百円。16時半~18時半、テイクアウト5百円。要申込。※食材の寄付受付と困窮者へ食糧パックの配布も。
渡邉方 090・5199・1654
▼北鎌倉・台峯の緑をともに
▽山の手入れ4月17日10時、山ノ内配水池横。
▽山歩き18日9時、山ノ内公会堂。
北鎌倉の景観を後世に伝える基金・望月方 45・7420
▼逗子の市(雨天中止)
亀岡八幡宮境内。▽フリーマーケット4月28日9~15時。雑貨・衣類・手造り品など約20店。
片岡方 090・5442・3778
▼旧東海道ゆっくり旅 戸塚宿~藤沢宿
4月30日9時半、JR東海道線戸塚駅地下改札口前集合。戸塚駅横「開かずの踏切」跡から藤沢宿まで徒歩とバスで巡る。5百円(拝観料、交通費別)。 ホームページから申込。横濱金澤シティガイド協会
▼第63回鎌倉まつり
新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小して開催。鶴岡八幡宮で「静の舞」のみを実施し、5月14日から鎌倉市観光協会のYouTubeチャンネルで配信予定。「静の舞」の演者は花柳流、花柳静美々さん。
▽中止行事 行列巡行、ミス鎌倉お披露め、野点席、流鏑馬、伊豆の国市子ども創作能、義経まつり。
鎌倉市観光協会 23 ・3050


鎌倉朝日新聞社

季節の心(54)

八雲、新緑の鎌倉へ  佐伯 仁

●“生”の日本を体感
1890年(明治23)4月4日イギリス人ラフカデオ・ハーン(小泉八雲・40歳)は日本文化取材の雑誌特派員として米国から船で横浜へ。 横浜で知り合った青年をガイド兼通訳として人力車で横浜の街へ。澄んだ青空、眩しい新緑、車夫の草履、店先の暖簾… 「まるで小さな妖精の国、愉快でならない。すべてが真新しく自分は今見知らぬ国にいる」やがて二人はめざす鎌倉の円覚寺、建長寺へ。ハイライトは大仏。 「大仏さまの気高いお顔と半眼の眼差しは子供のよう。この笑顔こそ日本人の優しさの象徴。」 松江に定住した八雲の耳は異国の「音」に敏感に反応する。 早朝、禅寺の梵鐘が町中に響き渡る。続いて近くの地蔵堂からは朝の勤行を告げる悲しげな太鼓の音、そして往来を行き交う物売りの声が朝の空気を震わせる。 八雲は生活の音に暮らしの鼓動を聴いている。「聞く愉しさ」は『怪談』や『日本お伽話』シリーズの創作にみられる。 なお、八雲は俳句にも親しみ、芭蕉の「古池や」の句を翻訳した作品も残している。 日本人の心を通し異文化理解に尽くした八雲への興味は募るばかり。




自宅でゆっくり読書のすすめ

~馴染みのない世界にふれよう~ 鎌倉在住・読書アドバイザー0選

鎌倉朝日新聞社


鎌倉朝日新聞社

菊文大香合(鶴岡八幡宮蔵)

鎌倉の文化を身近に

文華館で鎌倉彫名品展

特別展「鎌倉の伝統工芸『鶴岡八幡宮鎌倉彫名品展』」が5月16日まで鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムで開かれている。 鎌倉を代表する伝統工芸品・鎌倉彫の漆工芸は武家の古都・鎌倉で仏具として始まり、時代の変遷とともに茶道具、生活什器として発展した。 1mほどの大きな前机や笈(おい)(経典などを詰めて背負うための道具)、5、6㎝ほどの仏像の雛型、大小の香合、茶入れや盆など、鎌倉彫の名品を一堂に集め、室町時代から江戸、明治・大正・昭和にかけての変遷を含めて紹介している。 吉田茂穗宮司は「鎌倉彫はもともと仏具が始まりなので祈りからでている。そこから我々の身近な生活に入ってきた。多くの方にごらんいただき、鎌倉の文化を身近に感じてほしい」と話している。 観覧料800円。同館 0467・55・9030


鎌倉朝日新聞社

公共、民間施設を集約

「藤‐teria」オープン

藤沢市藤が岡2丁目に整備を進めていた子育て支援や医療、介護などの複合施設「藤‐teria(ふじてりあ)」が完成し、4月1日から順次施設をオープンする。 同施設は老朽化した藤が岡保育園の建て替えに合わせ、周辺の公共、民間施設を集約した複合施設で、地域の多世代交流の拠点となるよう整備された。 敷地面積約3100㎡、地上3階地下1階の鉄筋コンクリート建て、延べ床面積約4530㎡。内部には、バリアフリー対応のエレベーターや視覚障がい者に配慮した誘導ブロック、災害対応として停電時の発電機やかまどベンチが設置され、太陽光発電や雨水ピットで省エネを配慮し、一部に県産ヒノキ間伐材を使用している。 藤沢市では、民間資本と経営能力・技術力を活用し、公共施設の設計・建設・維持管理・運営などを行う「PFI手法」を今回初めて導入。門倉組、工匠、ミサワホームが出資した「ふじがおか活々交流株式会社」が施設整備事業を行い、整備終了後からは公共施設は藤沢市が保有、民間収益施設はミサワホームが単独で保有する。 公共施設には、保育園や子どもの家、放課後児童クラブ、つどいの広場などがあり、民間施設は、歯科、小児科の医療機関や書規模多機能型居宅介護施設、フィットネススタジオなどが入居している。地域の見守り活動をする安全安心ステーションや、防災備蓄倉庫も設置された。 愛称は公募し、34件の応募の中から決めた。藤が岡の藤とカフェテリアを由来に多世代が気軽に集える場をイメージしたネーミングとなった。 3月14日に竣工式が行われ、鈴木恒夫藤沢市長、事業主ら約30人が出席した=写真。 鈴木市長は、「地域の方々に愛着をもってほしい。PFI手法を全国に先駆けて取り入れたので、見本となるよう運営していきたい」と挨拶した。


鎌倉朝日新聞社

住民主体の「互近助」福祉サービス

 葉山

葉山の風早橋バス停近くの古民家カフェ「風早茶房」を拠点に画期的な生活支援の輪が広がっている。 「風早互(ご)近(きん)助(じょ)支援プラットフォーム」(kazapla)は地域住民と、住民団体、町内会、民生委員、医療機関などが連携し超高齢化社会への対応力向上にむけての協働プロジェクトを展開するため一昨年に発足した。 登録団体には社協の助成や介護保険を適用した事業を行う団体もあるが、同茶房店主の桑原洋一さん(60)は、代表理事を務める同プラットフォーム内で昨年9月「kazapla支援部」を立ち上げ、「通いの場」としての高齢者の未病改善プログラム=写真=と訪問型の生活支援サービスを開始した。 同一労働同一賃金の原則に基づく独自の謝金システムは公金を用いないため「風早(かざはや)さん」と呼ばれる有償ボランティアは介護保険制度では賄えないニーズに応えることができる。体調の変化や日々の様子を複数の支援者で共有しながら全体の業務管理ができるクラウドシステムも構築した。 この半年で互近助の理念を共有する延べ200人が参加し、利用者が有償ボランティアに転じるケースも。同プラットフォームは誰もがいくつになっても活躍できる共生社会を葉山から目指している。(K)
詳細は https://sites.google.com/kazahaya-platform.org/kazapla/



第73回実朝忌俳句大会

鎌倉同人会

鎌倉同人会主催の第73回実朝忌俳句大会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため実施を見送ったが、昨年11月から今年1月中旬締め切りの一般投句の部に全国から482句の応募があり、星野椿、松尾隆信、宮坂静生、山川幸子の各選者がそれぞれ入選40句、特選3句を選句し入選作品集として小冊子にまとめた。 実朝賞は北村純一さん(厚木)の「海鳴りは祈りに近し実朝忌」。 主な入賞者次のとおり。実朝賞=北村純一さん(厚木)▼県知事賞=竹澤聡(横浜)▼県教育長賞=大久保さく子(東京)▼市長賞=三輪洋路(岐阜)▼市議会議長賞=大石ひろ女(佐賀)▼市教委賞=保田昌男(大和) ▼神奈川新聞社賞=飯原礼子(横浜)▼市観光協会賞=瀬野浩(大阪)▼商工会議所会頭賞=藤川和男(横浜)▼鶴岡八幡宮宮司賞=曽根新五郎(東京)▼鎌倉彫会館賞=栗林美津子(佐賀)
(敬称略) 他29句


鎌倉朝日新聞社

スケッチ日和(42)

「爛漫の春」  黒川 明

3月に入ると桜の便りがちらほら。我が家のソメイヨシノのつぼみは硬くても、サクランボの花が早くも咲いている。 鎌倉近辺には桜の名所が数多い。今回はハリス記念鎌倉教会。以前に若宮大路に面した門の外側からスケッチした。 松や棕櫚などを背景に桜が咲き誇っていた。右側の桜は見事な枝ぶりで左へ伸びていた。左にも桜を描き足した。 午前中に来れば併設されている幼稚園から園児たちの元気な声を聴くこともできるだろう。
水彩画31×41cm


鎌倉朝日新聞社

無料で出張査定に伺います。

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地域密着・安心の車買取店

「乗らない車がある」「安心して車を売りたい」そんな人にお勧めしたいのが、鎌倉で実績多数の車買取店 「ハッピーカーズ 鎌倉店」。 大きな店舗を持たず、地域密着の出張査定に特化することで、抑えた経費を買取金額に還元している。 「最近は鎌倉市周辺の運転の卒業を決断された方からのご相談やお問い合わせを多くいただいています。親切・丁寧・確実な対応で安心して売却できる地元の車買取店の当店にお任せください。」と坂野代表。 同店では他社で査定額が0円と言われた車も最低2万円以上で買取る(1600CC以下は5千円以上)。車の引き取りや手続きも無料。代金は即日現金払いも可能。名義変更の完了後の通知書も送付されるので安心だ。ハッピーカーズは全国70店舗を展開する車買取専門店。車の売却を検討しているなら、一度、連絡してみてはいかがだろうか。
ハッピーカーズ 鎌倉店(七里ガ浜オフィス)
0467・81・4641
9時〜21時・定休日なし



鎌倉年中行事

4月

▼若宮例祭 3日10時、鶴岡八幡宮。
▼旗上弁財天社例祭 3日10時、鶴岡八幡宮。
▼釈迦如来立像開扉 7・8・9日、お堂の外からの参拝のみ。極楽寺。
▼灌仏会(花祭り) 8日、各寺院。
▼忍性塔公開 8日10~16時、極楽寺。
▼丸山稲荷社例祭 9日10時、鶴岡八幡宮。
▼鎖大師正御影供大祭17日青蓮寺。
▼武内社例祭 21日10時、鶴岡八幡宮。
▼昭和祭 29日10時、鶴岡八幡宮。
▼義経まつり 中止。


プロムナード

昨年の春、初めての緊急事態宣言下で、ご高齢の元大学教授へお伺いする機会がありましたが、「子どもたちに、できるだけ接触を控えるように言われている」ということで、訪問が叶わずにおりました▼それでも「直接お会いして、資料を一緒に見ながら伝えたいことがある」ということを言っていただけたので、「コロナが落ち着いたら」が合言葉のようになっていました▼すると先日、その方から「近々施設に入ることになったので、お会いすることが叶わないかもしれない…」という電話がありました▼「コロナが落ち着いたら」が通用しない場面に遭遇し、桜の花を見ながら、なんとも言えない気持ちになっています。(N)


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