鎌倉朝日新聞 (8月1日号 2021年 第509号)

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〝みずたまてん〟のヘッドマークを装着した江ノ電

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みずたまのれんとフラッグをPRする江ノ電・峯尾さんと小林稜典さん

グッズやアート楽しみながら街歩き

鎌倉・長谷エリアで〝みずたまてん″

鎌倉・長谷エリアの6商店会と、1関係団体が、7月22日から9月20日まで「KAMAKURA DESIGN+ART WALKみずたまてん」の催しを行っている。〝みずたま〟のフラッグやのれんが商店街を涼しげに彩り、〝みずたま〟をテーマにした商品やアート作品が展示される。 このイベントは、ひととひと、ひとと地域、文化や暮らしをつなげて、新たな人(客)の流れを創出するイベントとして、江ノ島電鉄が事務局となって2016年に実行委員会を発足。 参加しているのは、鎌倉の御成商店街協同組合、由比ガ浜商店街振興組合、由比ガ浜中央商業協同組合、観音大通り会、大仏通り商店会、長谷駅前通り商店会と、長谷、坂ノ下、由比ガ浜界隈の商店主有志で構成する「はせのわ」で、期間中みずたまのれんの設置は、約300店舗に及ぶ。 ブルーのみずたまは、由比ガ浜の海の色をイメージしてデザイナーの藤原大さんがデザインした。 昨年はコロナ禍で、「みんなでがんばろう!鎌倉」のメッセージ入りを作成したが、イベントは行わなかった。 今年は、各店舗に、一部の場所に集客しないようなイベント構成と、みずたまコラボ商品、コラボ企画の呼び掛けをし、協力した店舗・商品の映像を期間中、江ノ電鎌倉駅・藤沢駅のモニターで流している。 コラボ商品には、長谷・恵比寿屋の水玉手毬(練り切り)、御成町・鎌倉ロティガールの塩バター水玉チーズパン、由比ガ浜・Shell’s(シェルズ)のみずたま模様のお魚マグネット、御成町Jenteco.SOUKの水玉模様のワンピースやアクセサリーなど。 アートは、長谷NAIDAに材木座在住の画家・中村光伸の絵画、御成町・パティスリーチモトにイラストレーターjujutakeshiの作品、由比ガ浜・井上蒲鉾店に木下めいこ/片桐聖子の絵画御成町の310Cafe/鎌倉駅に市川紀元の写真など。 新たな試みとして、8月31日までフォトコンテストを実施している。インスタグラム上でハッシュタグ#みずたまてん、#今日も江ノ電、#オズ鎌倉散歩の3つが必須。参加無料。賞金総額約10万円。大賞(1点)商品券3万円+のりおりくん、みずたま賞(8点)に、商品券8千円とのりおりくん。商品券はコラボ商品に協力した店で利用できる。 江ノ島電鉄・観光企画部の峯尾祐司さんは、「鎌倉駅から長谷方面へ、お店をのぞきながら散策するのも楽しいので、ぜひ、おでかけください。地域の魅力の再発見につながれば。」と話している。


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鎌倉みほとけ紀行(112)

満福寺・薬師如来立像

梅雨明け前、江ノ島を見渡す景勝地腰越、真言宗大覚寺派龍護山医王院満福寺を訪ねました。 744年(天平6)東国で疫病が流行、聖武天皇の勅命で菩薩と言われた行基が御本尊薬師如来を刻し、お祀りしますと疫病はたちまち退散したといいます。み仏は来世を願うばかりでなく、現世の苦悩に生きる人々にも力を与えて下さったのです。本堂正面奥にしずかにお立ちになっていらっしゃる金色の薬師さまに、どうか私たちを助けて下さいと切に願い般若心経をあげさせていただきました。 さて、ここ満福寺は源義経の手紙「腰越状(こしごえじょう)」を書いた寺として知られています。屋島壇ノ浦と平氏討伐を兄、頼朝に代わり果たした義経は大活躍しました。ところが1185年(文治元年)平家討滅後、義経が兄頼朝の命に反したという理由や側近の讒言(ざんげん)によって頼朝の怒りを買い鎌倉入り目前で足止めを食らいます。そして義経は、兄の信頼を取り戻そうと、腰越の満福寺で兄への思いを腰越状にしたためました。 「とにかく兄上と直接お目にかかって、私の本心を述べたいと思います。血を分けた兄弟であるにも拘わらず、兄上が私をお恨みになるのは、これもまた我ら兄弟の前世の報いなのでしょうか。しかし何とか兄上のお慈悲にすがり、鎌倉へ入ることをお許しいただきたいのです」。この名文こそ義経記(ぎけいき)、義経物語として世に知られる悲哀物語となりました。そしてこの腰越状の下書きをしたためたのが義経の忠臣、武蔵坊(むさしぼう)弁慶(べんけい)と伝えられています。 義経の想い、時代の混乱、今なおコロナ禍に苦しむ昨今、心憂うものがありますが、帰路、お寺さまの裏山に登りますと心地よい風と江ノ島を見渡せる眺望に梅雨明けをした気分になれました。 寄木造、玉眼彩色。
像高102・7㎝。室町時代。


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吾妻神社

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日月神社

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日月神社・吾妻神社

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パワースポット地図

かまくらの不思議を歩こう(43)

一色・上山口のパワー地図  大貫昭彦

*霊泉湧く吾妻神社 今回は上山口地区のパワースポット巡りですが、前回紹介できなかった一色の吾妻神社を先に紹介します。一色と上山口に跨る標高90mの滝ノ台山にある社です。 縁起には日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の折、清らかな泉にひかれて休息された霊地とあります。今も入口に泉が湧き、社殿の脇には古い井戸が残っています。泉の水を一口飲んでみました。さわやかな口あたりでした。この水は前回紹介した森山神社の世計(よはかり)神事(しんじ)に供されるそうですから、まさに霊泉です。
*悲しき東征伝説 吾妻神社の祭神は、日本武尊と弟橘媛(おとたちばなひめ)の2柱です。弟橘媛は日本武尊の東征に従い、上総国に渡る海上で、荒波を鎮めるために入水した女神です。神社の名も、東征の帰り、関東平野を遥かに望み、媛を思い「吾妻はや…」と嘆いた故事に由来します。関東には同名の神社が他にもあります。
*寒暖逆転するスポット 境内では、5つのパワースポットが見つかりました。社殿の前の2つと霊水井戸の前、裏山の2つです。パワーが強いのは裏山の2つで、大根師は「神社は今より高い所にあったのではないか」と言われました。霊水井戸のパワーも強いようで、30代の女性は「冷気が渦巻いて身体が揺れるほどで、身が引き締まる」と言われ、70代の女性は「暖かい。下から熱が上ってきます」と感想は正反対です。一つのスポットが冷気と熱気を発している。狐につままれた気分です。お参りを済ませた大根会の皆さんは、一様に気分爽快のご様子、帰りは声が弾んでいます。頭痛を忘れ、肩や腰の痛みが消える。これが、いつもの反応です。
*日月神社の風景 吾妻神社を下り、日本武尊の東征路(県道27号、横須賀葉山線)を進むと、滝ノ坂トンネル、新善光寺を経て、30分ほどで日月(じつげつ)神社です。1時間に2本のバスを利用すれば、上山口小学校停留所から1,2分です。 神社と言っても、高さ1mほどのコンクリート製の覆い屋に石塔が一つ立つばかり。鳥居とケヤキの古木がなければ、見落としてしまいそうな村の鎮守です。
*牛飼いの神社 畑仕事をしている人に尋ねると、日月(ひづき)神社と教えてくれました。ただ祭神は不明。祭りには、牛飼いのお参りが多かったという断片的な話ばかりでした。 調べてみると、日月神社は千葉県に多く、読みも「ひづき」「じつげつ」など様々です。祭神は天照大神とその子、あるいは兄弟神とされる月読(つきよみの)命(みこと)、素戔鳴(すさのおの)命(みこと)などで、日本武尊という神社もあります。東征の折、日月の旗を立てたという縁起を持っています。 牛飼いで賑わったのは、月読命に牛の安産を祈願するためでしょう。牛飼いは、その足で新善光寺もお参りしたそうです。「牛に引かれて善光寺参り」です。
*御迎えスポット それにしても境内の開放感は他の社ではあまり経験しないものです。しかし、参道を進むにつれて雰囲気が変わりました。霊感のある人たちが度々足を止めるのです。最初は長い石段の途中でした。「パワーが優しい、やわらかい」などと反応。誰かが、『御迎えスポット』と表現しました。皆さんの話からすると、パワーの優しさは女性の神様に原因があるようです。
*日月神社のパワー パワースポットは社殿の裏のケヤキとシュロの木の周りの2カ所。ケヤキの北東側のスポットは土の匂いがして、前に引く力が強いようです。悪臭ではないので、素直に力を受けていると、気分がよくなるそうです。西側のポイントでは、腰の痛みが消えたという声を聞きました。 日月神社の先の杉山神社も参りたい社です。祭神は大国主命と海中出現の神。社殿のない時代、杉の葉で仮社を造り、鎮座したとか。鳥居にかけてまっすぐ冷気が通り、社殿の前に強力な3つのスポット。参れば、きっと心洗われる神社です。


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記念ロゴのヘッドマークを装着した湘南モノレール

湘南モノレール全線開通50周年

記念のロゴマークを発表

湘南モノレールの全線開通50周年記念セレモニーが7月2日、同線湘南江の島駅で行われた。1970年3月、大船-西鎌倉間で運行を始め、翌年7月2日には湘南江の島まで延伸し、全線が開通した。 公募した50周年記念ロゴマークの発表と表彰式では、157点の応募の中から最優秀賞に選ばれた葉山町のデザイン事務所経営・朝川賢一さんの作品が紹介された=4面「ひと」欄にご紹介。 鈴木恒夫藤沢市長や藤沢商工会議所の増田隆之会頭らが祝辞を述べ、くす玉割りで節目を祝った。その後、記念のロゴマークを施したヘッドマーク装着の5601編成の湘南レッドラインの出発を見送った。 尾渡社長は「ワクチン接種もすすみ、昨年3月の50周年の時より明るい気持ちで式典を迎えられた。今日まで延べ4億7千万人にご利用いただいている。これからの50年も地域の人々と走り続けたい」と話していた。


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辻説法跡隣接地に六角堂建設

日蓮宗布教の拠点に

鎌倉市小町の日蓮聖人辻説法跡地に隣接する土地に日蓮宗の鎌倉布教拠点の六角堂を建設することになり、6月23日、地鎮祭が執り行われた=写真。 近隣の日蓮宗・妙隆寺から僧侶ら20余人が行列し、建設地の会場に着くと、同建設検討委員会委員長の楠山泰道宗務所長を大導師に読経が行われた。地鎮祭では、建築家の椎名純さん、施主の中川法政宗務総長、建築業者・松井建設の松井隆弘社長が「えい、えい、えい」の掛け声とともに鎌や鍬で砂山を掘った。 挨拶で中川宗務総長は、「土地取得から12年かかったが、日蓮聖人降誕800年の今年、この地にお堂ができることは感無量。教団の新たな一歩となる、お参りで自分を覚醒することを全国に広めたい」と述べた。 そのあと参加者全員で、「六根清浄」を唱えながら敷地に46本の一升瓶の清酒を撒いた。 日蓮宗宗務院は、2009年11月に土地を取得した。総面積約378㎡(約114坪)。鎌倉布教拠点建設検討委員会を発足して、2018年から本格的に検討に入った。 日蓮聖人のことを広く知ってもらい、聖人と向かい合える施設というコンセプトで、鉄筋コンクリート平屋建て、延床面積約112㎡、日蓮像を奉安する六角堂、その奥に備品庫とトイレを備えた展示ホールを建設する。像は、本山・身延山の本堂の庭のクスの木を使い、高さ180㎝の立像を造る。制作にあたっている身延山大学仏教学部の柳本伊左雄特任教授は「壮年期の布教の意欲に燃える姿をイメージして取り組んでいる」と話す。 今年中の完成を目指している。


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仏セーリングチームに応援メッセージ

東京五輪に向けて湘南日仏協会

湘南日仏協会(江尻敬会長・会員約70人)が、7月19日、東京五輪・フランスセーリングチームに贈る「激励サインボードと銘菓」を鎌倉市役所に届けた=写真。 同協会は、2019年8月15日、鎌倉で強化合宿中のフランスセーリングチーム31人を招いてNPO2団体と共催で、歓迎会を開催。監督や選手たちは、日本側出席者30人と杯を交わし、琴とフルートのミニコンサートを観賞したり、食事をしながら楽しく談笑した。 コロナ禍で、1年延期された東京五輪に際し、同会は、今年も一昨年同様歓迎会を開きたいと思ったが、現状ではかなわず、前回の歓迎会の写真や、在仏会員を含む同会員の写真と1カ月がかりで集めた会員のサインを入れた歓迎・激励パネルを準備した。差し入れの鳩サブレーの缶は、会員の深谷典子さんが“Allez(アレ) Les(レ) Bleus(ブルー)!Bonne(ボン) Chance(シャンス)!(「レッツゴーフランス、幸運を」の意味)のメッセージとイラストで彩った。 江尻会長は「日仏の相互理解と友好親善促進に少しでも寄与できたらうれしい」と話し、松尾崇市長は「皆さんの熱い思いをしっかりと選手の皆さんに伝えます」と仲介を引き受けた。 今回、選手14人を含む34人の仏サーリングチームが来日している


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取り戻そう豊かな藻場

葉山で地域連携のウニ駆除

海藻が繁茂する藻場が衰退する「磯焼け」の原因のひとつとされるムラサキウニの駆除が葉山町の芝崎海岸で7月4日に実施された=写真。 漁業者やダイバー、学校関係者、企業、研究者が連携し2006年に発足した「葉山アマモ協議会」の駆除活動は6年目。葉山は浅瀬の岩礁が少ないため作業は漁業者とダイバーが担う。今回は町内のダイバーに都内や横浜からの参加者も加えた約35人が2班に分かれ、漁業権を持つ漁師が約千個を獲り、ダイバーらは1㎡あたり平均百個以上棲息する海底のウニを約1万個破砕した。 作業に参加した近藤大輔県議は「3年ぶりに潜ったが海藻がほとんどなくなっている」と嘆く。葉山の磯の保全について山梨崇仁町長は「漁師とダイバーに良好な協力体制ができている」と評価した。 集めたウニは、料理店の業務用処理機での堆肥化や、無農薬農家の堆肥化試験などを計画している。 同協議会は、15年ほど前から一色小学校でアマモの苗を育てる授業もしている。2018年から再生に取り組んだ藻場は昨年秋に消失したが、今回はカジメやアラメの幼体が発見された。藻場の衰退には海水温の上昇や台風の大型化、ウニを捕食する生物の減少などさまざまな要因があり、漁獲量の減少も危ぶまれる。 鹿島建設・葉山水域環境実験場の山木克則研究員(56)は「生態系全体のバランスが大切」と話す。今後も地域連携で藻場の復活をめざしていくという。 (K)


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津波フラッグを合図に

葉山海岸で避難訓練

葉山町の各海岸(森戸・一色・大浜・長者ヶ崎)で海岸利用者を対象とした津波避難訓練が7月17日に行われ、約320人が参加した。 訓練は10時00分に町全域で震度7の地震を観測、2分後相模湾に大津波警報が発表されたという想定。津波警報等の伝達に気象庁が昨年デザインと名称を統一した「津波フラッグ」の周知も目的の一つで、同町は昨年4月から導入している。 防災行政無線での放送とともに、赤白の格子模様のフラッグが監視所に掲出されるとライフセーバーは水上バイクで出動し、沖にいる人々に浜へ上がるよう促した。訓練は浜までの誘導となったが、実際には海抜20m以上にある避難場所や、海岸付近の避難協力ビルへの避難が推奨されており、各ルートをわかりやすく示したマップを海岸の入口や監視所前に掲示している。 参加者らは訓練後に集合し、町防災安全課からの説明を受けた。葉山では約10mの津波が最短7分で到達すると想定される。大きな揺れを感じたらより早く、より高い場所へ逃げること、津波フラッグが揚がった時には直ちに浜へ上がり、頑丈な高い建物へ垂直避難する判断も大切であることなどが伝えられた。 森戸海岸では葉山ライフセービングクラブが水上バイクで溺者を搬送するデモンストレーションも実施した。 (K)


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朝日新聞連載時の挿絵(吉川英治『宮本武蔵』挿絵名作集より)

文学つれづれ(190)

吉川英治『宮本武蔵』(十六) 赤羽根龍夫

小倉に着いた武蔵は長岡佐渡の屋敷を訪れ、到着の挨拶を述べ、当日の場所、時刻を尋ねる。 そこにしばらく前から厄介になっていた伊織が飛び出してくる。 伊織は、世間では武蔵は勝てない、武蔵も、よしない約束をしたものだと噂しているといい、勝てないと思ったら遠い国に逃げればいいとすすめる。武蔵は、
世間の声には、真実(まこと)がある。まこと、そちのいう通りよしない約束事ではある。…だが、事ここになってしまうと、逃げては、武士道が廃(すた)る。武士道の廃りを示しては、わし独りの恥ではない。世人の心を堕落させる。
と答え、せめて佐渡が帰るまでと引き留めるのをふり切って帰っていく。武蔵のその後の足取りはようとして不明となった。 武蔵が姿をあらわさないことで、武蔵は試合に臆して逃げたという噂が広まっていった。武蔵を推挙した長岡佐渡は切腹すら考えた。 やっと探し当てた武蔵は佐渡守の手紙に佐渡が舟を用意するという申し出を、決闘の一方に加担することは藩に迷惑がかかるので、決闘の場には、頃を見計って自分で行くと断りの返事を書く。 約束の時が刻々と迫ったが、武蔵は廻船問屋の一室で寂として座し絵を描いていた。  一方、小次郎は眼の覚めるような猩々(しょうじょう)緋(ひ)の羽織を着て染皮の袴を穿き、備前長光といわれる愛刀三尺余りの長剣「物干し竿」を差し、藩公が用意した小舟に乗り込んだ。岸には多くの声援者がどよめきながら小次郎の美々しい武者姿を見送っていた。 小次郎が既に決闘の場所に向かったと長岡佐渡の使いが伝えに来ても武蔵は動かなかった。 しばらくして絵が描き終わると武蔵は一人で仕度をして人目を避けて浜伝いに小舟に向かって歩いて行った。武蔵の世話をした廻船問屋の四、五人が武蔵の後ろ姿を見送っていた。 小舟の近くまで歩んでくると、お杉婆が駆け寄って倒れるように砂浜に手を着いた。
ゆるしてたも!武蔵どの。長い間の、ばばの心得ちがいを。
武蔵は「子ゆえに迷った過ち」を心からわびる 婆の手を取って伏し拝んだ。その二人の姿を「彼方の松の木陰に、さっきからじっとうずくまったまま、顔も上げずに咲いている露草のような、弱弱しい女性の姿があった。
ああ。お通!からだが快(よ)くないようだが…どんなだな。
心の中にあふれる思いをこらえて二人は言葉少なに見つめ合う。
ゆるせ。ゆるしてくれい。無情(つれな)い者が、必ずしも、つれない者ではないぞ。
わ、わかっております。けれど、ただ一言、仰ってくださいませ。…
つ、妻じゃと一言!
お通はいつか全身で嗚咽(おえつ)していた。武蔵は、
武士の女房は、出陣にめめしゅうするものではない。笑って送ってくれい。これきりかも知れぬ良人(おっと)の舟出とすれば、なおさらのことぞ。
武蔵はお通の背から手を離して「おさらば」というと、大股に浜辺の浪際へ向かって歩きだし、小舟に跳び移った。 お通は浪打際の砂地に崩れるように坐り、武蔵の舟に向かって手をついた。
お心措(お)きなく…行ってらっしゃいませ。
(神奈川歯科大名誉教授)


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鎌倉朝日賞に岩垣眞子さん

2年ぶり鎌倉写真連盟展

第48回鎌倉写真連盟展が7月中旬、鎌倉生涯学習センターで開かれ、鎌倉を中心に活動する11団体の作品約160点が展示された。昨年はコロナ禍で開催が見送られ、2年ぶりの開催となった。 鎌倉朝日賞は横浜市栄区在住の岩垣眞子(まさこ)さん(86)の「静の舞」=写真。 岩垣さんは写真歴30年ほど。主に鎌倉で撮影を行っている「フォト四季鎌倉」(益田操会長・会員約20人)に所属し、月2、3回の撮影会に参加している。今回の作品は5月のグループ展にも出展していて、「動きがあり、踊り手の横顔や黒髪などの構図がいい」と評価されたという。 大賞の鎌倉市長賞は志村順子さんの「権威と虚構」。ほか34人が入賞。 主な受賞者次のとおり▽鎌倉市長賞=志村順子▽市議会議長賞=新沼毅▽市商工会議所会頭賞=河野和彦▽市観光協会会長賞=鈴木美津子▽市教委賞=湯浅克男▽鎌倉朝日賞=岩垣眞子▽鎌倉写真連盟賞=丹羽旌子・一龍斎貞友・野田光治▽審査委員賞=友田寛之・ 一ツ谷美代子・鎌田俊介▽特別連盟賞=伊藤信幸・力石肇・中沢賢治・野地茂▽入選=阿部成子ほか19人 (敬称略)



投稿 コロナと私

酒井 伴美(横浜市金沢区・87)

私は政府がコロナ感染を一番心配してくれている80代も後半の晩期高齢者である。言われるまでもなく、感染したら家族や周りの人に迷惑をかけるので、感染しないよう人一倍努力している。 数年前に関節リュウマチを発症した私は、先生に「関節リュウマチの薬がコロナ予防に役立つと聞いているが」と聞いたら、「それよりも運動のために歩きなさい」と忠告された。それを守って昨年暮れから毎朝食事前に30分散歩するようになった。マスク着用で一人でゆっくりと歩くと、色々な花々に出会えて癒され、食事も美味しく食べられ、一石二鳥である。 その他の私のコロナ対策は三蜜を避けるためにできるだけ外出はしないようにしている。ただ、歴史好きな私は近くの関東学院大学の歴史講座などには厳重注意しながら参加している。志賀直哉の『流行感冒』では好きな芝居を見に行ったお手伝いさんが感冒に罹らず、家に閉じこもっていたのに感冒になってしまった家族を逆に介抱すると言うのを読んだからだった。つまりは、家に閉じこもっているだけでは心を折られるだけなので、好きなことには厳重管理で出て行って、気分転換するのが私のコロナ対策になっている。 私は何度電話してもワクチン予約の取れない現状を、政府の年寄りいじめではないかと週刊朝日で訴えたが、私のコロナ対策を取っていれば、ワクチン接種が少し遅れても大丈夫だろうと開き直っている。



終の棲み家を考える88

値段は正直シリーズ〈屋根編2〉

屋根が古くなり雨漏れも気になり始め、思い切り建て替えをしようと検討をしていた所、折り込チラシにカバー工法で屋根を直した事例を見つけました。それはどんなやり方か疑問に思い筆者に相談がありました。 カバー工法の手順は簡単で今ある屋根材の上に新しい屋根材を上から釘の様なもので打ち付けるやり方です。止める釘を隠すやり方もありますが、隠せない場合はコーキングで防水処理をしたりします。従来の屋根の考え方は、上葺き材で雨水は完全に取り切れないので、下葺き材の防水紙で雨水を完全に取り除いています。瓦にしても、カラーベストにしても、ガルバリウムにしても、下葺き材が雨漏れを防いでいます。カバー工法は、今ある屋根に直接上葺き材を取り付けるので、下葺き材がありません。上葺き材だけで完全に雨水を止めるのは難しい事です。台風の時の雨風や地震などで家が揺れてコーキングにヒビや割れが入ったり、施工して年月が経つと色々不具合が出てきます。私が勧める一番いい方法は屋根替えです。仕上げ材と防水紙を取り除き、野地板を点検・補強して新たに防水紙を貼り、仕上げ材を取り付ける事です。新築の時と同じ方法で間違いがありません。
日向建設
鎌倉市大船1―15―3
0467・47・5454
http://www.hyuuga.co.jp/


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「ひと」
湘南モノレール50周年ロゴをデザインした

朝川賢一(あさかわたかのぶ)さん

湘南モノレール全線開通50周年を記念するロゴマークのコンテストに応募、最優秀賞に選ばれた。これから1年、採用されたロゴは車両のヘッドマークに使われ、沿線のお祝い気分を盛り上げる。「地元の人たちが、先頭車両のロゴを見て、ニコニコしてくれるのを想像するとうれしい」と笑顔を見せた。 東京から葉山町に移住してきたばかりのプロダクトデザイナー。今年4月中旬、湘南や逗子・葉山のあたりに事務所兼自宅の物件を探していたとき、湘南深沢駅に貼ってあった募集ポスターを偶然目にし、惹かれた。1週間ほどかけて制作した。 作品は、50の数字をかたどったレールに大船と湘南江の島の風景をあしらい、上を懸垂式のモノレールが走るという楽しいデザイン。「おめでとうというワクワク感と、遊園地のアトラクションに乗っているような楽しさを素直に絵にした」と説明する。そして、子どもからお年寄りまでいろいろな世代の人が乗っているので「みんなが50年のお祝いであることが分かるようにした」。 石川県で育ち、福井大学工学部で応用物理学を学んだ。地元の会社で工業製品を作っていたが、一緒に仕事をしていたデザイナーの姿に「かっこいいな」と思い、東京近郊の設計会社に転職。2008年、生活全般の製品デザインを手がけるオフィスを立ち上げた。 「どんな製品を作っているのですか」の質問に「先行開発の製品なので守秘義務があり話せないんです」と申し訳なさそうな表情を見せた。自分の仕事を人に具体的に説明できなくていつも苦労しているのだそうだ。 両親が葉山マリーナで働いていて、逗子で産声をあげた。家族で石川県に転居後も、夏休みはいつも逗子の母の実家で過ごした。だから愛着ある逗子に引っ越したいと思ったが、折からコロナ禍の移住ブームで難航。幸い葉山町に条件に合ういい住まいが見つかった。 常にデザインのことを考えているという。目に入るものをすぐに観察する。「どういう風にして作られているのか、どうしてこういう形になったのか。自分だったら、どんな風に作るだろうか」と、いつも頭はフル回転。知り合いは「仙人」と評しているとか。
妻と2人暮らし。47歳。
(文・写真 三浦準司)


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金メダルを胸に

半世紀前のパラの金メダリスト

鎌倉の三枝仁子さん

1970年(昭和45)、パラリンピックの前身「ストーク・マンデビルゲームズ(国際身体障がい者オリンピック大会)のロンドン大会・車イス競技で金メダルを取得した女性が鎌倉にいた。鎌倉市七里ガ浜在住の村山(旧姓三枝(さいぐさ))仁子(ひとこ)さんを紹介します。

鎌倉の女性史編纂

2001年に鎌倉市の「かまくら21男女共同参画プラン」の一事業として始まった鎌倉の女性史編纂(へんさん)事業で、市民を構成員とする女性史編さん部会が、資料収集をしているとき、この人物を見つけた。広報かまくら255号(1972年6月1日号)1面に、神奈川県身体障害者体育大会で金メダルを獲得した三枝さんの記事が取り上げられていて、そこに仁子さんがロンドン大会に出場し、洋弓の部で金メダルをとっていることが紹介されていた。

同会は2012年までの10年間に『かまくらの女性史』シリーズ4冊を刊行しているが、3冊目の『かまくらの女性史 年表』に、「7月19日 七里ガ浜の三枝仁子(27歳)、パラリンピックロンドン大会に代表として出場のため渡英(〜24日)」と記している。欄外に金メダル獲得の紹介文も載せた。 市の女性史編さん事業は終了したが、同会は2012年に「かまくら女性史の会(横松佐智子会長」を発足し、新たな資料の発掘などの活動を続けている。現在、会員15人。仁子さんの功績を市内の老人福祉センターの朗読会や、図書館のパネル展示などで紹介している。

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国立箱根療養所で

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アーチェリーに励む

障がいスポーツに挑戦

同会の資料によると、三枝仁子さんは、1942年8月13日東京都出身。跡見学園高校1年(16歳)の時、突然、歩くことができなくなり、東京国立第一病院に入院して治療を受けたが、神経系を侵され両足の自由が全くきかなくなり、同校を1年で中退した。その後、京浜方面の病院を訪ね歩いたが、回復しなかった。 当時、日本にはよい車イスがなかったため、父親がアメリカから車イスを取り寄せたが、見るのも嫌だと言って6年間、家で寝たきりの生活を送った。一家は娘がベッドに寝た状態でも海のみえるところで生活させたいという父親の配慮で鎌倉七里ガ浜に引っ越した。 1965年に国立箱根療養所へ入所し、そこでアーチェリーに出合った。同療養所から1964年に開催された東京パラリンピックに19人が出場し、7個のメダルを取っていた。仁子さんもアーチェリーをはじめ、療養所の射場には仁子さんの姿が毎日見られるようになった。 健常者ともに参加した県のアーチェリー大会では、2位に入賞し、1968年、69年の「神奈川県身障者スポーツ大会」では、出場種目すべてで1位を獲得し、パラリンピック出場への道を開いた。1970年のロンドン大会の日本代表6人のうちの一人に選ばれたのは、仁子さんが27歳のときだった。 大会前は大船にある工場の敷地で自主練習をし、当時は競技用の車イスもなかったので普段使っている車イスを使用した。出発前に県庁で壮行会が開かれた。

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アベベ・ビキラさん、日本選手と仁子さん(右)

パラリンピック出場

パラリンピックの起源は1948年、医師ルードウィッヒ・グッドマン博士の提唱により、ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院内で開かれたアーチェリーの競技会で、第2次世界大戦で主に脊髄を損傷した兵士たちのリハビリの一環として行われた。回を重ね、1952年に国際大会になった。 さらに1960年のローマ大会からはオリンピック開催国で行われるようになったが、オリンピックの直後に同じ場所で開催されるようになったのは、1988年のソウル大会から。正式名称が「パラリンピック」となった。 仁子さんが出場したロンドン大会は、1970年7月19日から24日までマンデビルスポーツスタジアムで開催され、世界50カ国420人が参加した。日本の選手団は、三枝さんら6人の選手に役員、通訳、医者、コーチが加わった10人ほどだった。 当時の施設はバリアフリーにほど遠い状況で、宿舎は1部屋にベッドが百台ほど並び、ベッドの間が狭く、トイレにいくのにも難儀した。 この大会には、エチオピア出身の陸上競技選手で、オリンピックのマラソン種目で史上初の2大会連続優勝を果たしたアベベ・ビキラさんがエチオピア選手団の総監督として参加していた。アベベさんは、交通事故で車イス生活を送っていた。

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金メダル

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日本選手団6人全員金メダル

金メダル獲得

仁子さんが出場したのは、アーチェリー、スラローム、ヤリ正確投げ、60㍍ダッシュの4種目。 紅白2色の円筒型の旗門が設置された30mのコースでタイムを競うスラロームで見事金メダルを獲得。 60㍍ダッシュは決勝に進出。ヤリ正確投げでは、3位の同点決戦で相手に敗れた。アーチェリーは試合時間がほかの種目の決勝と重なり棄権した。このことは後になって悔やまれたと話す。当時は、国際大会に一度しか参加できなかったので、この大会が最初で最後の国際大会になった。 仁子さんは大会後、就職し、結婚して家庭を持った。「手が動くことが幸せです。体が不自由なことも、大会に出場したこともちっとも苦労ではなかった」と話し、今も鎌倉で静かにすごす。 仁子さんの取材をした、かまくら女性史の会のメンバーは、「当時のオリンピックは純粋にスポーツの祭典で、メダルを獲ることより、参加することに意義のある大会だったようだ。ほのぼのとした雰囲気が感じられた」と想いを馳せていた。


鎌倉朝日新聞社

放課後かまくらっ子=玉縄

いざっ!!鎌倉てらこや(77)

再会
鎌倉てらこや事務局 豊田 晋

例年より遅い梅雨入りでジメジメとした気候が続いていたかと思うと、打って変わって日差しがさんさんと照りつける7月上旬、鎌倉市の学童保育施設である〝放課後かまくらっ子″に活動へ訪れた。鎌倉てらこやは、鎌倉市のまん延防止等重点措置の解除を受けて、対面での活動を約2カ月ぶりに再開した。 久しぶりに訪れる施設。久しぶりに会う子どもたち。ドキドキして行ってみると子どもたちの多くが初めて出会う、4月に小学校へ入学したばかりの小学1年生だ。 子どもたちはおそらく〝てらこや〟に対して認識がないのだろう。突然やってきて私を不思議そうに眺めていた。そこでおもちゃを床に広げて遊ぶ子どもたちと思い切って遊んでみることにした。子どもたちはブロックで壮大なフェニックスを創り上げようとしていた。私も輪に加わり尾や翼の部品を拾い集め、夢中で創った。胴体や翼が完成して少しずつ組みあがっていく。2時間があっという間に過ぎた。互いに協力をして部品を集め、次第に見えていく全貌に期待と歓声を上げた。気づけば子どもたちと年齢や立場を超えた関係性が出来上がっていた。 残念ながら、完成まであと少しのところで時間が来てしまったが、「今度は絶対に完成させよう!」と約束して子どもたちと手を振り合って別れた。 笑いあったり、喜んだり、子どもたちとの繋がりを感じられる瞬間がたまらなくうれしい。子どもたちにとっても印象的な体験となったに違いない。「次はいつくるの」とリベンジを楽しみにする顔を見てそう確信した。 またいつ、子どもたちと会えなくなる日がやってこないとも限らない。だからこそ、これから出会う子どもたち一人ひとりと、たくさんの思い出を分かち合えるよう活動を実施していきたい。 ※鎌倉てらこやは7月22日~8月22日までのまん延防止等重点措置の期間中、対面活動を自粛させていただきます。

鎌倉てらこや事務局
0467-84-9746(平日13~17時)
http://kamakura-terakoya.net/


鎌倉朝日新聞社

『西田幾多郎歌集』上田薫編

心のふる里を行く(41)

「人世の悲哀」を詠んだ哲学詩人西田幾多郎 池田雅之

あの難解をもってなる哲学書「善の研究」(1911年)を著わした大哲学者西田幾多郎(1870~1945)が、短歌や俳句、漢詩や訳詩に至るまでものしていたことは、意外と知られていない。鎌倉にも緑の深い人で、晩年は極楽寺付近に住み、鎌倉を題材にした歌も数多く詠んでいる。しかも短歌の世界は、彼の哲学と深く結びついていた。その幾首かを紹介したい。 実は私は、西田哲学に近づくには、彼の短歌を味わうことが、近道だと思っている。鎌倉・稲村ガ崎の歌碑に刻まれていた短歌は、1935年の作で、「七里ヶ浜 夕日漂ふ 波の上に 伊豆の山々 果てし知らずも」であるが、七里ヶ浜や鎌倉の自然をよんだものは意外と多い。 孫の上田薫が編纂した『西田幾多郎歌集』(岩波文庫)には、200首近い彼の短歌が収録されている。鎌倉の悲話を詠んだ「骨肉相疑い、同族相戮(りく)し、猫額(びょうがく)の地に人間の罪悪の歴史があつめられている如き感がある」(西田)短歌なども何首か含まれている。「亡ぼしし人も亡びて谷々に残る歴史の物哀れなる」「北条も和田も三浦も比企もなし鎌倉山の夕月の影」などの鎌倉の深刻な「人世の悲哀」を歌った歌などがそうである。 西田の短歌はまた、肉親の死を詠ったものも多い。西田はなんと妻と5人の子ども(長男、長女、次女、四女、五女)を次々に失っているのだ。西田は自身に降りかかった肉親の相次ぐ死の「悲哀」について、「近年しばしば家庭の不幸に遇(あ)い、心身共に銷磨(しょうま)して、成すことも成さず、尽つべきことも尽くさなかった」と、58歳で京大を辞した時に述懐している。さらに西田の悲しみは歌では次のように表現されている。「妻も病み子らまた病みて我宿は夏草のみぞ生い繁りぬる」。 また肉親の死を超え、世俗の付き合いも絶ち、思索の道に立ち戻ってゆく西田の姿を、親友の鈴木大拙は西田の「世をはなれ人をわすれて我はただ己が心の奥底にすむ」(1924)という歌を引き、次のように評した。「『この奥底』と云うのは、ただ世間の言い草ではないのである。彼は実にこれに徹底して尽くしたのだ。彼は至誠ということをよく云った。これはただの倫理性をもったのではなくて、霊性的自覚からの言葉である」。西田のいう「心の奥底」とは、心の中に秘められた深い思い、言葉で表せぬ悲哀であり、歌の調べは肉親たちの死を受け止めた後の静かな諦念の心境を伝えている。 西田は「哲学の動機は、驚きではなくて、深い人生の悲哀でなければならない」と述べたことがあった。西田の歌もその人生の深い悲しみから生まれ、大拙のいう「霊性的自覚」を彼に促すものであった。
(早稲田大学名誉教授・鎌倉てらこや顧問)


鎌倉朝日新聞社

倫理法人会モーニングセミナー

鎌倉市倫理法人会 通信

「いざ、鎌倉!」69 歴史と伝統のある鎌倉を梁山泊に!
 男は度胸、女も度胸

倫理法人会との出会いは6年前にいただいた名刺に、「大人の寺子屋」と書いてあり興味を持ったのが始まりでした。全て学びのベクトルが自分に向いている。新鮮でした。 倫理法人会で学ぶ「純粋倫理」は、日常生活全般における生活法則です。この指標は「明朗(ほがらか)・愛和(なかよく)・喜働」(喜んで働く)の3つを素直に何も考えずに実行するだけとしています。 私たちは、どうしても頭で考え、納得してから動こうとしますが、そうではない。幸せになりたいのであれば、まず何も考えず行動を起こす事。その理由は、頭で考えると自分の範囲から出ることがない。今の自分を変えたいのであれば、理屈なしに実行してみる事。と教わりました。 まずは朝起きの実行。毎週火曜日にモーニングセミナーに参加することからスタートです。今は5時ごろには自然に目が覚めるようになりました。だから朗らかです(笑) そして、2年前に会長職を引き受けてからは、どんなことも明るく笑って受け止める姿勢を養おうと決心。 倫理は明朗がすべてで、この明朗こそ人間関係を始め、すべての基本です。心に「曇りがない」「こだわりがない」という状態から生まれる明るさです。何かやろうとするとき、反対意見が出ても、やる!と決めたら最後まであきらめない。人のせいにしないと決めました。 コロナで集まりが出来なくなった時にはZOOMを取り入れ、逆にチャンス!と気持ちを切り替えることができました。打つ手は無限です。明るく前向きな活動を継続していくことが、地域の経営者に伝わり、地域全体が幸せに包まれる社会になると信じています。 鎌倉市倫理法人会事務局 045・315・2433



はじめましょう

●鎌倉ギター教室
▽初心者子供~大人
▽クラシック専科水金土曜
22・2336


鎌倉朝日新聞社
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『だるまちゃんとかみなりちゃん』福音館書店 1968 年

み る

▼川喜多映画記念館
企画展「映画祭のすゝめ―ぐるり映画ポスターの旅」9月12日まで。国際映画祭を通して日本映画を紹介する役割を担った川喜多夫妻の関連資料や映画祭のポスター、記念写真など。2百円。
▽関連上映 8月5・7日10時、6・8日13時半「ヤンヤン 夏の想い出」。3・4・5日14時、6・8日10時半「ポネット」。17・19日10時、18・20・22日13時半「さらば、わが愛/覇王別姫」。17・19日14時、18・20・21・22日10時半「帰れない二人」。31日・9月2・4日10時半、9月1・3・5日14時「COLD WAR あの歌、2つの心」。8月31日・9月2・4日14時、9月1・3・5日10時半「東ベルリンから来た女」。▽トークイベント 8月7日14時、「映画祭を楽しむために知っておきたい二、三の事柄」ゲストは映画ジャーナリスト・立田敦子さん。8月21日14時、「映画祭との向き合い方」ゲストは映画プロデューサー・市山尚三さん。各千円、小・中学生5百円。
23 ・2500
▼コレクション展「仏像入門―とびこめ!仏像ワンダーランド」
8月22日まで鎌倉国宝館。仏像の性格や特色、どんな願いで作られたかなど、仏像の背景に迫る。3百円。
22・0753
▼新作絵本原画展「ちいさなジーコ せかいでいちばんたいせつなもの」
10月1日まで北鎌倉・葉祥明美術館。サッカーのレジェンドジーコの少年時代を通して〝たいせつなもの〟を伝える絵本の原画展。▽作家によるミュージアムトーク&サイン会9月18日14時、21日から申込。6百円。
24・4860
▼カナガワビエンナーレ国際児童画展
8月22日まで本郷台のあーすぷらざ。世界から集まった子どもたちの絵520点。無料。
045・896・2121
▼夏!かこさとし作品展
8月7~29日ODAKYU湘南GATEの藤沢市民ギャラリー。かこさとしのスポーツと海がテーマの作品を集めた展示。無料。
0466・26 ・5133
▼企画展「幽玄の美に誘われて」
8月28日~10月19日鏑木清方記念美術館。清方と泉鏡花の出会いから120年になるのを記念し、鏡花の小説のために描いた作品を中心に。
2百円。 23・6405



き く

▼葉山 チャリティーサマーコンサート
8月22日13時、葉山町福祉文化会館。心臓移植を待つ森木花ちゃんの命を救済する為の企画。大人千円、中学生以下5百円。
実行委 050・5319・5682
▼鎌倉ジュニアオーケストラ 第38回定期演奏会
8月22日14時、鎌倉芸術館。指揮・田辺四郎さん、長崎亜星さん。ボロディン「ダッタン人の踊り」ほか。無料。
鎌倉ジュニアオーケストラ 080・5512・6137
▼ピアソラ生誕100年記念コンサート「Tango Nuevo」
8月29日14時、鎌倉生涯学習センター。タンゴ界の革命児ピアソラ生誕100年記念コンサート。映像や語り、演奏でピアソラの人生とタンゴの魅力を伝える。歌・村田望さん、バンドネオン・鈴木崇朗さんら。4千円、
小・中学生2千円。
スタジオ・エスポワール 090・2207・0031



まなぶ

▼夏の平和学習2021
本郷台のあーすぷらざ 8月7・10日平和アニメ『ふたつの胡桃』の上映と戦争体験の話。8・13日『わすれた森のヒナタおじゃる丸スペシャル』の上映と絵本の読み聞かせ。21・22日平和スタンプラリー。各日14時。無料。
▽上映会「ボルドーの領事」&アフタートーク 8月15日14時。上映後ポルトガル大使館のティアゴ・マウリシオさんが映画で描き切れなかった当時の情勢や背景を話す。
5百円。「この世界の片隅に」8月29日14時。無料。WEB予約。
045・896 ・2121
▼鎌倉市高齢者生活支援サポーター養成講座
8月24・27日9時半、大船学習センター。高齢者宅を訪問するサポーターを養成し、同センターに登録後活動。無料。
鎌倉市高齢者生活支援サポートセンター 48・1130
▼鎌倉生涯学習センター教養セミナー
▽木彫 8月19日ブローチ作り。▽冷茶をテーブルで 20日。▽和ごころきものを楽しむ 21日手持ちの着物で。▽フラ ・エクササイズ 23日。▽盆踊りで体力づくり 24日。▽色鉛筆で大人ぬりえ 25日。▽コロナ対応のダンササイズ 26日。▽忍者教室 27日巻物作り。各10時~。指導は鎌倉生涯学習指導者の会。無料。2日から申込。
25・2030
▼教養センター秋の講座
9~12月教養センター(笛田2―17―1)。鎌倉市内の60歳以上で全回出席できる人対象。受講無料、資料代別途。
〔一般教養〕湘南モノレールの歴史、鎌倉殿ゆかりの地を巡るなど。9月13日~11月22日月曜全8回。9時半か13時半。
〔専門〕「庭木の手入れ教室」、「新しい鎌倉時代像をもとめて」、「鎌倉雑学あれこれ」など8講座、6~10回。
〔健康づくり講座〕「コーディネーション運動」など3講座、各8回。
8月2~11日 で申込。
32・1221 32・1203
▼鎌倉市公園協会
▽ミニ園芸教室 8月7~28日10時半、全5回、鎌倉中央公園。季節に合わせた家庭園芸のコツを学ぶ。「中央公園の植物めぐり」、「ウメの夏せん定をしよう」など。無料。要申込。
45・2750
▽子ども里山体験―かかし作り 8月22日10時、鎌倉中央公園。市在住、小1~6年対象。農作業、かかし作りなど自然とふれあう。無料。
メールで申込。 info@kamakura-park.com
▼手話講習会(中級)
9月9日~来年2月10日13時半、木曜全20回。鎌倉市福祉センター・鎌倉生涯学習センター。鎌倉市在住、15歳以上対象。5百円。2日から申込。
鎌倉市障害福祉課 61・3975



さんか

▼鎌倉ユネスコ協会
▽バザー 8月8日10~14時、同会深沢倉庫(深沢中学へ上る手前の信号右折の長屋)。毎月第2日曜。雨天開催。※献品受付 衣類・着物・雑貨・支援用食糧品。
久保方 44・9830
▽書きそんじハガキでアジア寺子屋支援 未使用切手・プリペイドカードなども。鎌倉市御成町11―40Mビル3Fへ。
小倉方 080・6602・9498
▼北鎌倉・台峯の緑をともに
▽山の手入れ8月14日10時、山ノ内配水池横。
▽山歩き15日9時、山ノ内公会堂。
北鎌倉の景観を後世に伝える基金・望月方 45・7420
▼第265回歌のサロン
8月18日14時、本郷台のリリスホール。参加型合唱とミニコンサート。2000円。
事務局 050・3138・2550
▼ふらっとカフェ鎌倉
食を通じで多世代交流。8月18日16時・17時、ソンベカフェ。店内飲食。子ども3百円、大人5百円。16~18時。テイクアウト5百円。20日17時半、二階堂デイサービスセンター。食育講座、弁当のテイクアウト。子ども2百円、大人5百円。
メールで予約 flatcafekamakura@gmail.com
渡邉方 090・5199・1654
▼深沢市日
8月27日16時、湘南深沢駅そばワンパーク。マッサージ、ドッグトリミング、スイーツ、雑貨、平飼い卵など15店が出店。
ツキイチマルシェ実行委員会 fukasawaichibi@gmail.com
▼夏休みキッズダンス教室
8月24・25・26日15時、玉縄学習センター。鎌倉市在住優先、小1~6年対象。三代目JSOUL BROTHERSの曲に合わせて踊る。無料。往復ハガキで岡本2―16―3へ申込。8月17日必着。
玉縄学習センター 44・2219
▼逗子の市(雨天中止)
亀岡八幡宮境内。
▽フリーマーケット8月27日9~15時。雑貨・衣類 ・手造り品など約20店。
▽骨董市28日8~15時。
出店者募集。片岡方 090・5442・3778
▼鎌倉市市民健康課
▽無病息災から―病息災の健康づくり8月24日10時、深沢学習センター。市内在住、65歳以上対象。疾病予防、重症化予防、フレイル予防を学ぶ。無料。2日から申込。
▽認知症と向き合う9月16日10時、深沢学習センター。市内在住対象。認知症への理解を深める。無料。2日から申込。
▽月いち元気アップ教室9月10日明治安田生命大船支社、9月22日鎌倉生涯学習センター。市内在住、65歳以上対象。各9時半。無料。1カ月前から申込。
市民健康課 61・3976
▼食育カレッジ・パン作り教室
9月11・18日13時、全2回。腰越学習センター。鎌倉市在住優先。鎌倉の老舗ベーカリー2代目店主がパン作りを伝授。6百円。往復ハガキで腰越864へ申込。9月1日必着。
腰越学習センター 33・0712
▼金澤・横濱の街歩き
A「野島の汐祭」と野島山展望9月1日9時半、京急本線金沢八景駅3階橋上改札前集合。B碑文から金沢(かねさは)の歴史を読み解く①9月4日②18日9時半、県立金沢文庫集合。各5百円(交通費等別)。ホームページから申込。A20日、B①25日、②9月8日締切。横濱金澤シティガイド協会。


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「朝」水彩画12号

第6回 鎌倉笑輪会 演芸玉手箱

8月28日13時、鎌倉芸術館。 落語・柳家権太楼 、講談・一龍斎春水、浪曲・ 玉川奈々福 、漫才 ・宮田陽・昇を一挙に公演。「笑輪トーク」では、出演者の裏話などを通じて、古典芸能の面白さを堪能。3800円。
鎌倉市芸術文化振興財団 23 ・3755



購入新図書のリスト抄

鎌倉市中央図書館(6月分)

鎌倉市中央図書館(25・2611)は6月に一般239冊、児童書36冊を収蔵した。一般的なものは下記の通り。 ▼「トラブルメーカーズ-「異端児」たちはいかにしてシリコンバレーを創ったのか?」レスリー・バーリン著 ディスカヴァー・トゥエンティワン ▼「大学教授が語る霊性の真実-魂の次元上昇を求めて」濁川孝志著 でくのぼう出版 ▼「日本を寿ぐ-九つの講演」ドナルド・キーン著 新潮社(新潮選書) ▼「図説鎌倉幕府」田中大喜著 戎光祥出版 ▼「論語と算盤-渋沢栄一の名著を「生の言葉」で読む」渋沢栄一著 興陽館 ▼「ジョブ型雇用はやわかり」マーサージャパン編著 日経BP日本経済新聞出版本部(日経文庫) ▼「新型格差社会」山田昌弘著 朝日新聞出版(朝日新書) ▼「親がやるべき受験サポート-中学受験から高校・大学受験まで役立つ」佐藤亮子著 安浪京子著 朝日新聞出版 ▼「大人女子のゆるっと漢方生活」櫻井大典監修 主婦の友社 ▼「花の寄せ植え-主役の花が引き立つ組合わせアレンジ205例」オザキフラワーパーク監修 池田書店 ▼「職業としてのシネマ」髙野てるみ著 集英社(集英社新書) ▼「名随筆で学ぶ英語表現-寺田寅彦in English」寺田寅彦原著 トム・ガリー著 松下貢著 岩波書店(岩波科学ライブラリー) ▼「究極の俳句」髙柳克弘著 中央公論新社(中公選書) ▼「大原千鶴のささっとレシピ-素材のつくりおきで、絶品おかず」大原千鶴著 高橋書店



美術館・文学館めぐり

鎌倉朝日新聞社

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、急きょ中止・延期になる場合があります。開館状況については、各施設にお問い合わせください。


鎌倉朝日新聞社

「朝」水彩画12号

まちの灯りを世界に届けよう

逗子ビーチキャンドル2021

8月13日逗子海岸東浜太陽の季節記念碑周辺。15時キャンドルアート作成、17時半点火式、19時パラリンピック採火式。 ▽運営ボランティア募集 9日10時半、逗子市役所での説明会、当日13~21時に参加できる逗子好きの方。
問い合わせ逗子市役所市民協働課 046 ・873・1111


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季節の心(58)

蛸壺で見る夢  佐伯 仁

●信仰と薬効のシンボル
8月。海。人が求めた海の幸は蛸。蛸壺は弥生遺跡から出土している。 「出雲風土記」に蛸の名があり、その他の古文書には隠岐、肥後から乾し蛸献上の記述もある。 蛸壺漁は室町期から行なわれたが、今は輸入蛸が圧倒的、観光用にわずかに受け継がれている。 一方、蛸は海中で動く物を素早く捕え、環境に応じ、体色を変え、危険を察すると墨を吐き、敵を欺き逃走。 知能ある動きと吸盤のある8本足―丸い頭(実は腹)が禿頭の人を連想させ“タコ坊主”などの卑語を生んだ。 奇怪な姿は怪異談を生み、畏れが信仰心を育み「蛸地蔵」を誕生させた。大阪・岸和田・天性寺は有名で南海電車の駅名にもなっている。 蛸が背中に薬師仏を乗せ、漂着した伝説は京都新京極の永福寺、東京下目黒の成就院が有名。 疣や痔には蛸を断って祈れば、蛸の霊力で治癒するという俗信もある。 霊験とは別に蛸の成分のタウリンは疲労回復用ドリンク剤に。 一方、浄土宗の寺では「蛸十夜」(陰暦10月)の法要の夜、門前では疫病逃れの蛸を売る屋台が店びらきしていたとか。
 蛸壺やはかなき夢を夏の月  芭蕉



自宅でゆっくり読書のすすめ

~自然と共にある暮らしの本~鎌倉在住・読書アドバイザー0選

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とよとかずひこさん

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とよたさんのメッセージ

こころ温まる絵本
 「とよとかずひこの世界」展

鎌倉文学館

「ももんちゃんあそぼう」シリーズなどでおなじみの絵本作家・とよたかずひこさんの特別展が、9月20日まで鎌倉市長谷の鎌倉文学館で開かれている。 とよたさんは、1947年宮城県出身、早稲田大学第一文学部卒業。 フリーのイラストレーターを経て、子育てを通して絵本創作をはじめる。きっかけは娘に絵本の読み聞かせをするようになって自分にも描けると思ったことから。1983年に講談社から発刊された第一作「ぼくはやっぱりとりなんだ」が同展で紹介されている。 『どんどこももんちゃん』(童心社)で第7回日本絵本賞受賞。 主な作品に「ももんちゃん あそぼう」シリーズ、「おいしいともだち」シリーズ(いずれも童心社)、「ワニのバルボン」シリーズ(アリス館)など。 展示では、各シリーズの絵本を紹介していて、自立したスーパー赤ちゃん・ももんちゃん絵本では、「どんどこどんどこ」「しゃかしゃか、しゃかしゃか」…、のりもの絵本では、「ほかほか がらがら ひひひーん」など、言葉のリズムが楽しめる。「ももんちゃん あそぼう」シリーズの原画制作過程や、紙芝居、日常使っている、筆やマーカー、色えんぴつ、クレヨンなどを紹介しているほか、北海道の本別町図書館ボランティアが製作した、ももんちゃんや登場する動物の小さな人形も飾られている。 同館学芸員の山田雅子さんは「やさしくて、おもしろくて、楽しくて、ごらんになって元気が出る作品です。きっとにっこり笑ってもらえます」と話していた。
入館料500円。 0467・23・3911


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リトアニアの絵本・日本語版

銀の鈴社が刊行

『ちいさな ちいさなみんなとあそぶりとあいあのしのえほん」絵本の日本語版が刊行されたのを記念し、7月16日、駐日リトアニア共和国大使館(東京都港区)で記者発表があった。 出席したのは、駐日リトアニア共和国特命全権大使ゲディミナス・バルブオリス氏、翻訳者木村文(あや)さん、発行元の銀の鈴社・西野大介社長で=写真、リトアニア語と日本語の両方で絵本の音読が行われた。 この絵本は、児童文学作家 マリウス・マルツィンケヴィチウスの詩の世界を、絵本画家ラサ・ヤンチャウスカイテの絵が彩る。推薦文には大使が「リトアニア語の言葉と詩の和音の独特の響きが、世界の最も遠いところにまで届いて、陽の昇る国の詩を愛するみなさんを楽しませることを、とても喜ばしく思っている」と書いている。2019年ボローニャ国際絵本原画展入選、2020年リトアニア「最も美しい本」最優秀賞受賞。 西野さんは「詩のリズムと日本とはちがったのびやかな絵の雰囲気を、楽しんでほしい」と話している。
銀の鈴社 0467・61・1930


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地域に季節の潤いを

公園にプランター設置

北鎌倉の踏切そばの公園(鎌倉市山ノ内)に、4月上旬、小さなプランターが3基設置され、季節の花々が植え付けられている=写真。 設置したのは、鎌倉ユネスコ協会青年部で、会員の高校生が発案し、市の許可を得て、北鎌倉山ノ内中北町内会の協力で設置にいたった。プランターは同ユネスコ協会会員のお手製。 4月から3回ほど花の入れ換えをして、今は、青色のサルビア、赤色のアスター、ピンクのニチニチソウが植えられ、近隣の店や住人が水遣りなどの世話をして、プランターの花を維持している。明月院への道筋なので、アジサイの時期には多くの人の目を和ませた。
同協会では、青年部で活動する29歳以下の会員を募集している。
問い合わせ事務局 0467・38・8190


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スケッチ日和(46)

「源氏山」  黒川 明

雨が上がり、気持ちの良い朝日が射してきた。源氏山公園ではすでに、ラジオ体操をしようという人が集っていた。待ちきれない人が準備体操を始めている。やはり、晴れはいい。健康はいい。 夏の山は緑ばかりで描きにくいという人がいる。私も昔はそう思い込んでいた。でも、その緑もよく見れば様々だ。明るいもの、暗いもの、鮮やかなもの、鈍いもの、青味がかったもの、黄みがかったもの、かなり複雑だ。緑から青の色相だけで描けるチャンスともいえる。 晴れは良い。夏の山も好い。
水彩画31×41cm



鎌倉年中行事

8月

▼鶴岡八幡宮のぼんぼり祭6~9日。6日15時、夏越祭。7日17時、立秋祭。9日10時、実朝祭。
▼黒地蔵縁日 10日6時~正午、参拝条件などはHPで確認。覚園寺。(ページ下にご案内)
▼四万六千日詣り10日長谷寺。
▼鎖大師の施餓鬼法要 16日14時法要。人数制限あり。手広の青蓮寺。
▼鎌倉宮例祭 20日神事のみ。神職のみで斉行。
▼片瀬諏訪神社例大祭中止。27日神事のみ。神職、関係者で斉行。
▼江の島灯籠2021 8月31日まで江の島島内各所で18時~。江島神社瑞心門ライトアップも。荒天中止。
※状況は随時変わります。事前にご確認下さい。


プロムナード

日本の「SDGsモデル」を構築していくために29都市が「SDGs未来都市」として選定されました。鎌倉市はその29の都市のうち10自治体しかない「先導的な取組の自治体SDGsモデル事業」として選定されていることをご存知でしょうか▼世界規模での問題に対して、解決するために目標を持って取り組む姿勢は重要ですし、共感もします▼小学生から「学校でSDGs流行っているよ」と聞きました。与えられた課題に取り組む姿勢は微笑ましいのですが、活動の意味をわかっていないように感じました▼飽きやすい日本人にとって一過性の「流行」として終わらないよう、意識改革に繋げることで、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)に到達する気がします。(N)


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